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公教要理図解:第23図 秘跡について 終油の秘跡のこと

2021-12-22 08:50:19 | 要理(カテキズム)
「第23図 秘跡について 終油の秘跡のこと」『公教要理図解』ワグネル神父

◎終油の秘蹟のこと


終油の秘跡は、聖油を病人の五体に付けて、霊魂を助け、また、時としては身体も助ける秘蹟である。


この秘跡を終油と名づける理由は、信者が臨終の際これを受けるに当たり、聖き油を塗り付けられるからである。
聖油を塗りつける他の秘跡は、洗礼、堅振、品級、この3つである。


終油の秘跡がイエズス・キリストの御定めであるということは、確実である。
それは、公教会は、トリエントの公会議において、終油は、イエズス・キリストの定められた真正の秘跡でないという説を唱える人に対して、破門の宣告を下されたのである。


終油の秘跡を授ける者は、司教司祭に限るのである。


この秘跡を授けるには、司祭が病人の目、耳、鼻、口、手足に聖油を塗りつつ本人が五官を以て犯した罪を、天主が赦し給わんことを祈るのである。


終油の秘跡は、病人の残る罪を赦し、悪魔の誘惑に打ち勝つだけの能力を与え、また、病人に、聖き最後を遂げさせるのである。


終油が病人の残った罪を赦すというのは、次の理由である。
(1)忘れた罪、及び告白することのできない時の罪は、終油によって赦される。
(2)終油によって罪の跡もとられてしまう。
   罪の跡とは、罪を赦された後でも、その罪について病人が案じすぎたり、
   死ぬ事を余計に怖れたりすることなどである。


病人が悪魔の誘惑にあってとかく犯しやすい罪は2種ある。
(1)過望(かぼう)といい、すなわち病人が自分の霊魂の実際の有様を充分に知らずして、安心しすぎることである。
(2)失望といって、病人が自分の犯した罪は余りに多くて、到底天主が御赦しくださらないといって、力を落としてしまうことである。


終油の秘蹟は、病人を助けて、上記の2種の誘惑に打ち勝つ能力を与える。
すなわち、病人に、罪をよく悲しみ嫌う心と、天主の御憐みに深く頼る心を起こさせるのである。

10
終油が病人に、聖き最後を遂げさせるとは、第一、これに成聖の聖寵を増やし、第二、我が生命を潔く天主に捧げる能力を与えることである。

11
終油は病人の苦痛を軽くし、また、快復がその霊魂の利益になるような場合には、これを全快させることもある。

12
この秘跡をうけることを、臨終の時まで延ばしてはならぬ。病気が重いと認めたならば、一時も早くこれを受けねばならぬ。
その理由は、精神がまだ確かである間は、終油の秘跡の効果を充分に受けることができるからである。また、むやみに延ばし、これを受けずに死ぬようなことがないとも限らぬからである。

13
終油の秘跡を受ける前に、病人の為すべき覚悟は、もし、大罪を犯した覚えがあれば、まず、悔悛の秘跡を受けねばならぬ。
また、告解することが出来なければ、せめて痛悔の心を起こして、天主に罪の赦しを願わなければならぬ。

14
終油を授けられる間は、病人が五官を以て犯した罪の赦しを天主に願い、その御憐みを深く望み、自分の生命を捧げねばならぬ。

15
終油を受けてから、病人はしばしば、信、望、愛の心を起こし、イエズス・キリストの十字架に目を向けて、イエズス・マリア・ヨゼフの聖き名を唱えるのは宜しいことである。

16
終油の秘跡を受けるべき時が来たならば、病人を介抱している者が、それを本人に知らさねばならぬ。この注意は病人のために最も有益になることである。
なぜならば、救霊に余程関することである。もし、直接本人に注意することがしにくい場合には、せめて霊父にその容態を知らせねばならぬ。

17
病人が死に際になったときに、そばに居る者は臨終の祈祷を唱えねばならぬ。また、悪魔の誘惑を防ぐために、病人の身に聖水をかけることはよろしいことである。

18
終油の秘跡は、一生の間、幾度も受けられるものである。けれども、同一疾病の間には、ただ一度のみそれを受けることに決まっている。

19
未だ初聖体を受けぬ子どもでも、もし、善悪を識別するほどの年になって、重病に罹ったとき、終油の秘跡を受けられるのみならず、
これを受けねばならない。

◎絵の説明

ここに書いてあるのは、一人の使徒がある病人に、終油の秘跡を授けているところである。上には、一位の天使が手に旗のようなものを広げているが、それに記してある文字は、聖ヤコブが当時の信者に書いて送った書簡の中に記されている言葉である。

「すなわち、汝等のうち、誰か病める者あるか、あれば教会の司祭等を招くべし、彼ら主の名によりてその人に油を塗り、これが為に祈らん。
 それ信仰より出る祈りは病める者を救うべし。
 主これを起こさん。もし罪を犯したことがあったならば赦されん。」
(ヤコブ5章14節)
との言葉である。片方の天使は、片手で天を指し、片手に冠を持って居る。





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