かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

運命と思えること

2008年03月11日 | サポーターの心得
これは啓示だ。
きっと運命にちがいない。


そんなふうに思ったり、感じられたりする一瞬なんて、平凡な日常においては、そうそうあるもんじゃあないと思う。

一昨年、病棟勤務をやめて、看護学校の教師になったAさん。
今日病院の廊下でばったり会った。
学校の講師をしている病理の先生のところに所用があって来たのだという。

昨年の6月、彼女が勤務している看護学校に招かれて、学生達にタバコの話をした。
あのときは大いに盛り上がった。
その講演を聴いて「目からウロコが落ちた」Aさん、タバコを吸っている自分のお母さんをその気にさせ、禁煙外来に連れて来てくれた。

『その後お母さんは禁煙続いてる?』

「ええ、もうすっかり!ビックリです!今では周りのお友達も影響受けて禁煙始めてるみたいです」

『それはよかった。実は途中、大丈夫かなって思ったりしたこともあったんだけど・・・』

するとAさん、大きな目を一層大きくさせて、突然こんなことを言いだした。
「センセイ、ごめんなさい!アタシ、センセイに謝らなくちゃいけないことあるんです

「センセイには隠してたけど、実はアタシもずーっとタバコ吸ってたんです」

「母は外来にかかって1週間くらいですぐ禁煙できちゃって・・・それで、あまってたパッチを母からもらって、アタシが禁煙始めたの。ちゃんと外来にかかろうと思ったんですけど、恥ずかしくて・・・で、そんなアタシのために、母はパッチを使ってるふりしてしばらく通院してくれたんです

『へーそうだったの。でも、Aさんがタバコ吸ってるのは気づいてたわよ』

「えーっなんでえ?絶対ばれないようにしてたのに。臭った?」

『ううん。勘でわかった

「それまで全然タバコやめる気なかったんだけど、学校でセンセイの話聞いて、そのあともセンセイとふたりでタバコの話したでしょう?そのとき、これってきっと運命なんだ、チャンスなんだって思ったんです。でも外来にはどうしても来れませんでした。だから母をダシに使って・・・あたしってなんて悪い子なんだろ」

『お母さんに感謝だね。でもほんとによかったね。今日ばったりここで会ったのも運命かもね』

「タバコもやめられてすごく気が楽になったし、今日センセイにも本当のこと言えたし、あースッキリしたセンセイ、本当にどうもありがとうございました」

これだから禁煙はヤメラレナイ

ところで、アタシの運命の出会いは?

















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1 コメント

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欲張り (MURATA)
2008-03-15 19:42:17
せんせ~っ!! そんなに欲張ったらいかんです。
充分良い出会いしていますよ

なんて~
でも、良かったですね
私なんか、ヒイばあちゃん相手にストレス抱えています。なんでやめないんだろう
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