道は夕暮れ
黒い山並みに
橙色の命が沈んでいく
*****************
『矢印②』
少年は速めた歩調の中で
溺れていく感覚に気づいていた
大丈夫
この道を進めばいい
示されるまま進んできたけれど
何処かに何かを落っとこして(落として)
進む「理由」が霞んでいった
息が切れる音
重くなる土を蹴る足
耳元で騒ぎ出す鼓動
視界が静かに闇に包まれ
恐怖と孤独が進む身体に絡まる
少年は気づく
目指した目的地への道のりが
示される矢印を
追いかけ追い越す
レースに変わっていた事
やがて
少年は立ち止まった
見えなくなってしまった「自分」を
探すように
落としてしまった「理由」を
取り戻すように
振り返ることもなく
進んで来た道に
向き直って
向き直って…
(続)
もうすぐおしまい。
黒い山並みに
橙色の命が沈んでいく
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『矢印②』
少年は速めた歩調の中で
溺れていく感覚に気づいていた
大丈夫
この道を進めばいい
示されるまま進んできたけれど
何処かに何かを落っとこして(落として)
進む「理由」が霞んでいった
息が切れる音
重くなる土を蹴る足
耳元で騒ぎ出す鼓動
視界が静かに闇に包まれ
恐怖と孤独が進む身体に絡まる
少年は気づく
目指した目的地への道のりが
示される矢印を
追いかけ追い越す
レースに変わっていた事
やがて
少年は立ち止まった
見えなくなってしまった「自分」を
探すように
落としてしまった「理由」を
取り戻すように
振り返ることもなく
進んで来た道に
向き直って
向き直って…
(続)
もうすぐおしまい。