雲の向こう

風任せシャッター任せ

山手のドルフィン

2016-11-06 18:30:09 | 日記
「海を見ていた午後」に出てくる山手の「ドルフィン」行って来た。
今聞き直してみると妙に説明臭くてヨコハマなんか縁の無い地方の若者にもその情景が簡単に浮かぶような歌詞だけどその辺もユーミンらしいとこなのかも知れない。








ボク等の世代では「松任谷由実」より「荒井由実」の方が印象が強いと思う。
デビューの頃の「卒業写真」の曲の見事さ。出だしの半音ずつ上がっていく曲作りなんか天才だな!って思った程だ。歌詞も如何にも東京のちょっとお金のある学生生活の華やかさみたいで僕などは「下駄を鳴らしてやつが来る~」な感じで彼女の歌の様な生活とは全く無縁だった。





その後のユーミンの歌も凄くバブルっぽくて華麗なるオバサンが高度経済成長期の終点を映し出したような華やかさで「翳りゆく部屋」なんか東京の瀟洒なマンションで男女の遊びの延長みたいな恋が終わった…そんな感じで「東京!そんな街なんだ」とボクなど単純に感じてしまっていた。



【貨物船が通る海は少ししか見えない】




開店の5分前にちょうど着いたので運良く駐車場に停められた。すぐに続々と車が入り直ぐに満車。
二階の窓際に座るとマンションの間に僅かな海が見える。
「ソーダ水の中を貨物船が通る」かどうかは知らないけど頼んでみた。味はフツー。
ウェイターに一言「カメラ振り回しても良いですか?」と聞くと快くOKなのでパチパチ撮っていたらそのうち満席になってきた。見ると殆どボク等夫婦と同世代ばかりで少し安堵する。
それを気遣ったのかユーミンの「海を見ていた午後」がBGMで流れたときは少し笑ってしまった。
お店の方、有難うございます。
味は値段通りでしかもリーズナボー。十分お腹が一杯でした。



【ニョーボと付き合いだして初めてのデートで行った山下公園は賑やかでした】

春の別れ

2015-04-15 17:15:51 | 日記
春はいろいろな別れがある。
そしてそれは突然やって来るものだ。




3月の初旬、義父が死んだ。
以前から間質性肺炎を患っていたがその日「虚血性心疾患」で急死した。
風邪を拗らせ入院したものの帰宅することを切望し自力で会社に行くほどまで回復していたがある朝突然に義父は死んでしまった。
私達が駆けつけたときは既に氷の様に冷たくなっていた。その躰を温めようと義母が手を握って必死に呼びかけていた。
私はその姿にただ泣くばかりだった。

私は良い娘婿だったろうか。もっと話が出来なかったろうか。
私はとても大事にされ、そして良い思い出ばかりが残った。






葬儀などで慌ただしく日々が過ぎ、残された案件を片付けてゆくうち義父の残した車をどうするかと言う話になった。廃車?それとも誰かにあげる?

今、家内が乗っている車はかつて義父が取引先の事もあって娘である家内に買ってくれた車だった。
もうあまり見掛けることも少なくなった古い年式のRAV4だが私もマメに手入れをし家内も大事に乗っていたので年式ほどの傷みも少なく取り回しの楽なこともあっていろいろ重宝していた。






だがさすがに平成8年式で既に19年も乗っている車だった。
3S-GEUというスポーティなエンジンは吹け上がりも良く勇ましいサウンドを奏でながら小気味良く走ってくれたが、既にダンパーも抜け切ってワイパーの動作も怪しくなり、メーターの表示も覚束なくなってアチコチ故障を抱えているのは明かだったので、たぶん直しながら乗り続けるのはかなりのコストを覚悟しなければならないのは解っていた。

相談した結果、RAV4を処分し義父の車を貰うのがいろんな意味でベストと言う事になり、近所の買取り会社を探して出向いてみた。
果たしてどれ程の値段が付くものか…と思いきや意外に良い金額を貰ったので早速手続きし書類を用意した。






不思議なものでそうなると急に手放すのが惜しくなったが今はそうも言っていられない。
手放す前の日、今までの感謝を込めて普段手の届かない場所まで丁寧に掃除し、WAXも入念に掛けて送り出す日を迎えた。
長距離ドライブから子供の送り迎え日々のお使いまで、思い返すといつも家族の風景の後に車があった。
買取店でキーを渡し係員に見送られながら後にしたとき言いしれない寂しさあった。
これも一つの「別れ」だと思った。




家内の実家を訪れると笑顔の義父の遺影が迎えてくれる。
「やあ!どうも、どうも」と出てきそうな気がするがもう義父は白木の箱に収まって遺影から笑いかけてくれるだけだ。
これから幾つものいろんな別れを経て日々は過ぎて行くのだろう。




冬に想う

2015-02-23 17:52:53 | 日記






それはともすれば押さえていた感情の堰が音を立てて崩れそうな時間だった。
「傷心」とは言わないが何か空虚な思いに見るもの聞くもの全てがモノトーンにしか感じられない。
何より傷ついたには既に自分の年齢がそのような立場にならざるを得ない領域に達していた事に迂闊にも今まで全く気付かなかった事。
そうか…そんな歳になっていたんだ、自分は。
退任と言っても行くところがあるだけマシなのか。いつまでも現役で仕事を続けられる訳ではないし。












そして娘達の結婚話。
今年の暮れ、来年の初めと立て続けに嫁ぐ娘達。
来年の今頃は夫婦二人だけになっている筈。その空虚さに堪えられるかどうか。
いずれ娘を持つ父親の誰もが通る道だろう、だから仕方が無い。









夜、以前来たことがある先斗町の居酒屋で丹念に積み重ねてきた日々を想いながら、飲む。
ただひたすら飲む。









たぶん最後になるだろう家族揃っての冬の京都の景色はあまりに心に染みすぎた。
くすんだ色が滲むように流れて行く。
少し湿り気のある空気が乾いた気持ちに癒やしてくれるようだった。
















こんな棒一本で?

2014-09-11 00:45:42 | 日記
こんな棒一本で?

”おまじない”みたいなモノだと思っていた。
腰高でユルリとした乗り味は良しとして何となくキレが無いステアフィールにもうすっかり慣れてしまっていたがレヴォーグだのS4だのとやや走りに振った新型が出ると気にならないでは無かった。
BE5レガシィの四隅に根を張ったような乗り味を懐かしい気持ちで思い出していた。
あの頃はドライブが楽しかった。


【出たてのS4 四本出しのマフラーがカッコイイ】


Webで読むタワーバーの効果は華々しい性能向上の羅列ばかりだった。
棒一本でそんなに変わるもんか。
そう思いつつもあんまり良いことばかり書いてあると何パーセントかは信じたくなる。
人間なんて暗示に弱いものだ。
3万円位なら試していいかも…

そんなときにスバルのI店長からそろそろ一年点検ですよと電話が入った。
思った時に決断しないとなかなか決められないのが性分。
「点検ついでにフレキシブルタワーバーを付けようと思いまして」
言っちゃったらもう付けるしかない。

この店はいつ来ても”カッチリ”した雰囲気だ。
カーディーラーの適当にいい加減なユルさがないのはスバルの特徴なのか店長の方針か。
そして何時も思うのはスバル車オーナーの独特さだ。

点検や修理の待合室に出入りするのはいかにも”オタク”そのもののユーザー。
スバオタなどと揶揄される独特の雰囲気を持ったスバリストだ。メカニック相手にかなり突っ込んだメカ的相談をぶってるのはトヨタ車ユーザーには絶対いないだろう。
私もそんな風に見えるのか?…イヤだなぁ。



【いつもお世話になってるスバル店】



【愛車点検中…】


愛想が良く信頼のおけるI店長に送られてR17に走り出た。
初めの信号でストップしたあと一気に加速する。
「あれ?」 確かに違う。
プラシーボ効果を大いに疑いながら強めのレーンチェンジ。
スパッと頭が入りピッタリ収まる。確かに違う。
心配した共振やノイズの増加は感じられない。だけど確かにフィールは変わった。
それが感じられない程鈍感では無い方だ…と思っている。

ステアの切り始めから応答するまでの時間が確かに早くなっている。”逃げ”が無い感じ。
これは…良いんでないかい?なかなか。



【イマイチ地味なパーツ】





【STIの文字が華々しい】



”こんな棒一本で?”と半信半疑だったが値段からするとコスパが非常に高い買い物だった。
ドライブが少し楽しくなりそう。



娘の彼氏

2014-09-10 16:28:36 | 日記
娘から3年近く付き合っている彼が正式に挨拶に来たいと言い出した。
娘はこの春、銀行の総合職から損害保険会社へと転職したがその銀行入社時の同期の男の子と付き合っていた。
実は車で迎えに来た彼と何度か顔を合わせていたしニョーボと一緒に食事をしたこともあったので何となく覚悟はしていたが、いざ「結婚」という現実的なキーワードから眼をそらしていた。
でも今ハッキリとこういう事態を迎えていわゆる娘の父親として「来るときが来た」と腹を括る時が来たと思った。




何だか娘の顔が急に遠い思い出のように思えてきて無性に寂しさがこみ上げてきた。
でもこれは娘を持つ父親の誰もが通過しなければならない「儀式」なのだ。




当日その「爽やかすぎる」笑顔で娘の彼氏は堂々と「○さんと結婚する事をお許しください」と言った。
これほど晴れやかに何の衒いも無く言ってのけるそのアッケラカンな無邪気さにチョット笑いそうになったが、むしろその子供っぽいの素直さに何だか胸のつかえがスッと落ちた気分になった。
ニョーボは単純に「カワイイわねぇ…」と感想。
男親と女親の違いだろうか。





もうあまり昔を振り返るのは止めようと思う。
楽しかった思い出を振り返るのは悲しいだけで前向きじゃない。
どうせニョーボと二人っきりになるなら新しい思い出を作ることだけ考えるしかない。