雲の向こう

風任せシャッター任せ

山靴の思い出

2014-08-10 08:48:35 | 登山
今まで沢山の山靴を履いてきたが登り込んでいる人に比べて多い方では無いかも知れない。
山を始めた頃は手軽に登山靴が手に入る時代では無かったし値段もそれなりだったので山行形態に合わせて使い分けるなどという器用な事は出来なかった。
初めて山靴を買ったのは大学で山岳系のサークル(サークルと言っても殆ど体育会系だった)に入ったときで当時15,000円位だったと記憶している。新入生分をまとめてお店に行き簡単にサイズを測って購入した。
水道橋あたりの「アイガー」という山道具屋で一緒に72㎝のキスリングや雨具替わりのポンチョなども買わされた。
この靴はそのサークルを辞めて社会人山岳会に入ってからも使い、雪の有る無しに関わらず縦走も岩場もこれ一足で済ませていたのであっという間にすり減りビブラムを二回張り替えたところで皮の防水がダメになって次の靴を探すことになった。
今思うとこの靴で屏風の一ルンゼなどよく登ったものだと思う。


山友が「安い店があるから行ってみないか?」と誘われ登山用品の卸かなにかで格安のノルディカを購入した。
赤に染色された裏出皮のお洒落な靴でこれも夏冬構わず岩や氷で酷使した。気に入った靴だったがこれも二回目の張り替え頃には防水も効かなくなり、アイゼン合わなくなったので役目を終えた。

この頃から岩場は底の固さで小さなスタンスに乗るスタイルから、軟らかいフリクションを効かせて登るのが流行りだした。ヨセミテのアメリカンスタイルが輸入されたからだと思う。

私も重い重登山靴より軽くてフリクションの効く、今で言うローカットタイプで無雪期を済ますようになったがこの手は底の張り替えが出来なくてすぐに買い替えなければならなかった。



【30年以上履き続けたゴローの靴とガリビエールのヘルメット】


輸入品も安く手に入るようになり布張りGore-Texのザンバランを夏用に、ゴローの重登山靴を冬用に揃え、岩と沢はクライミングシューズとフェルトシューズの体制となった。
このゴローの重登山靴は結婚前に買ったもので冬専用に使っていたので底は殆ど減らないままビブラムが硬化する度に張り替えて履き続けてきたシロモノだったが、流石に30年近く経つといくらワックスをすり込んでも防水が効かなくなりアチコチひび割れてきたのでお役御免となった。


【たぶん最後の冬靴となるであろうゴローのエグリーは凄く重い】





とうに世の中はプラブーツの時代を経て化繊全盛となっていたがこの手は履き続けても足に馴染んでくれないと聞いていたのでイマイチ触手が伸びなかった。
友人が「今、良い冬靴を作っておくと棺桶まで履いていけるぜ」と言うで思い切って人生最後の重登山靴としてゴローでエグリーをオーダーした。インナーの付いたダブル仕様だ。
値段はオーダー料やら何やらで6万近くしたがそのピッタリした包まれ感と皮の味わい深い感触は眺めているだけでも楽しくなる靴となった。
持ってみるとかなりの重さで肉厚のアイゼンと併せると足運びがやや辛くなったが保温性は抜群だった。

ニョーボ用にと冬靴を選びに池袋の秀山荘へ行ったらガルモントのエピックプラスが在庫処分で並んでいた。
革靴に比べとても軽く、Gore-Texデュラサーモで保温性もあって買ってみたが幅広甲高のニョーボの足に合わなくて一回の山行でダメ出しとなった。ところが私が履いてみるとヒョロ長の私の足型にピッタリで冬壁、氷用に使うことにした。








【同じ足でこれほど違う。重い訳だ。】



現有装備はアプローチ用にモンベルのハイキングシューズ、登攀はお馴染み5.10のスパイア、沢は秀山荘、冬用にゴローとガルモントの二足体制となって当面は補強の必要が無くなった。
これで残りの岳人人生を何とか賄えそうな状況である。


【フェルトを張替済み、仕上げが雑です。】


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