雲の向こう

風任せシャッター任せ

秋と冬の狭間

2012-11-09 12:30:50 | 登山
峠は氷点下だった。
足元には霜柱、見上げる山頂付近は白い樹氷に覆われている。
後立山方面だけでなく槍や穂高も冬装束なのだから当然だろう。

冬靴に履き替える前の足慣らしに来た信州の山。
時間が早いのか駐車場も疎らで前後に登山者もいない。あ…熊鈴忘れた…(^^;




【地蔵峠から湯ノ丸山へ続く落葉松の斜面】





【昨夜の冷気が白い山へと】









今日は休日なので次第に登山者も増えてくるだろうが時々平日に休みを取って一人で山歩きをするとき、一番心配なのがこの「熊」。
たいていは人の気配を察して熊さんの方から逃げてくれるのだが山道を曲がってバッタリとご対面!となったときが一番ヤバイ。
なので登山用具店で売ってるような鈴をチャラチャラ鳴らしながら歩くのだが、中にはポケットラジオをぶら下げている登山者も居て正直言ってこれは迷惑モノ。

去年、上州武尊の川場谷を遡行して下山途中、林道を歩いていると横から黒い犬の子みたいなのが出てきて「なんでこんなとこに犬がいいるんだろ?…」と良く見ると熊の子だった。ということは近くに親がいる訳でみんな大慌てで喚くはホイッスル吹くきまくるはでパニックになったことがあった。

特に沢登りではお互いの気配を沢音にかき消され滝を越えたらイキナリ「ご対面!」の危険もあるので仲間内でカナダ製の一本6,000円もする「熊除けスプレー」を買うことになった。
これは誤って発射すると警察沙汰になるほどの威力で10数メートル先の敵(熊さん)をひるませる程の強烈な臭い(トウガラシ系)をまき散らすのだとか。練習用のスプレーまで付いてくる化学兵器なみのシロモノだ。
出来れば使いたくないが東北方面の沢に入るときは必携だ。





【誰もいない山稜を歩く】





穂高~槍より以北は冬型の雲に覆われていた。

【遠く北アを望む】



【ここが秋と冬の境界線のようだ】


それはともかく紅葉の上部は樹氷が白く輝いていて空の青と白、そして赤のプチ三段染めとなっているが流れる雲は早く稜線に出れば寒気に覆われているのが解る。
少し早足で、霜柱の感触を足裏に感じながら歩くと北アの白い峰々が拡がってきた。北部は雲に覆われているので弱い冬型なのだろう。
頂稜の岩陰でカップラーメンでも食べたかったが紅葉見物の渋滞に巻き込まれる前に温泉に浸かって帰ろうと先を急ぐ。
小諸の「あぐりの湯」で浅間山、黒斑山から湯の丸山に続く山稜を眺め、懐古園前の「草笛」で蕎麦を食べて帰る。「山」「温泉」「蕎麦」の三点セットの一日。






【登山道も凍り付いていた】








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