雲の向こう

風任せシャッター任せ

山の友よ

2014-01-07 17:07:21 | 登山


五十代も後半になって体力低下も顕著になり瞬発力や柔軟性も失われてきた。
本来ならそれを補うべく山行を重ねるのが一番の対策なのだが悲しいかなこの年代はそれなりに忙しい立場にあって休みづらかったりで若いときほど山行日数は稼げない。
何より「イケナイ」のは山に対する想いというか「何としてもあのルートに行きたい!」と自分を駆り立てる情熱が冷めつつあるということ。
妙に諦めが良くなって来ている。



それと共に山の仲間も少しずつ世代交代で入れ替わり嘗てのザイルパートナーなど今ではけっこう偉い椅子に座っているようで「山」どころでは無いらしいく、かといってここ数年内に入ってきた若い連中の迸るような情熱には眩しすぎて凡そついて行けない自分の不甲斐なさもあり、仲間との山行は減りつつあった。

昔のように何にも気にせずバカを言い合いそれでいて阿吽の呼吸でザイルを捌いていたあの頃。
もうあの頃は戻って来ないのだ。






「山の友よ」は成蹊大学の虹芝寮々歌で山屋なら昔は誰でも一度は聴いた事があると思う。
僕は学生の頃から社会人山岳会に入会してたので「学生のノリ」とは違った角度でこの歌を聴いていた。
でも入会したときの同期は7人、みんな僕より年上だったが山岳会の同期として同じような経験だった。


【山の友よ】
薪割り 飯炊き 小屋掃除
みんなで みんなで やったっけ
雪解け水が冷たくて
苦労したことあったっけ
今では遠く みんな去り
友をしのんで 仰ぐ空

幕営 グリセード 岩登り
みんなで みんなで やったっけ
ルンゼで雨に叩かれて
苦労したことあったっけ
今では遠く みんな去り
友に便りの 筆をとる

前傾 外傾 全制動
みんなで みんなで やったっけ
雪が深くて ラッセルに
苦労したことあったっけ
今では遠く みんな去り
友の写真に 眺め入る

落葉松萌ゆる 春山に
みんなで みんなで 行ったっけ
思わぬ雪に ワカン履き
苦労したことあったっけ
今では遠く みんな去り
山よお前は わが心






















さてその山仲間も一人去り二人去り…
けして彼らは山靴を脱いだ訳では無いのだが、昔とは違う何か合理的というか組織にしても運営にしても山行そのものも法的責任の明確化とか、昔のような「想い」で登ることを忘れたかのように昔とは違う方向で山に向かうようになった。
目標もある者は8000メートル峰へ、ある者はセブンサミット(7大陸最高峰)へ、また静かな東北の山や沢への自分なりの山へと舵を切っている。

僕もそろそろ会の運営から離れ自分の山を大事に残り少ない岳人人生の充実を図る時が来ていると思う。





E-M1&12-40F2.8


夏-穂高

2013-08-18 20:21:54 | 登山
お盆の連休を利用して北アの西穂から北穂まで縦走してきました。
普通なら新穂高温泉からロープウェイ利用だけど「ちゃんと下から登ろう!」という意見で上高地から直接西穂山荘に突き上げる物好きルートを選択。
容赦ない日差しの照りつけるなか、これ以上何も出ない程の大汗をかき足元を見つめながらの急坂をやっと辿り着いた西穂山荘の前はもうテントで一杯。

翌日は幕営用具の入った重いザックで独標~西穂~間ノ岳~奥穂へと続く長い岩稜歩きです。
最近は岩登りでなくてもヘルメット持ちの登山者が多いらしいけど確かにみんな色とりどりのメット被っていて気を付けていても先行者の落石や万が一の転倒でも防御となるのでそれは良いことだと思います。








地図上で見ると大した距離ではないのに何しろアップダウンが多くてゼイゼイ言いながら登ったと思えば勿体ないくらい思い切り下る。またまたキツイ登り。
ルートは不安定で浮き石だらけ。ハナからアンザイレンする岩登りの方がずっと安全な気がするこのルートに少しばかり山慣れた程度の登山者が入り込むのはあまり感心しない気がします。
穂高は断続的に岩の風化が進んでいるのでいくらルートを整備してもキリが無いのです。滝谷もかつて登れたP2フランケや第一尾根は崩壊してもう登攀出来ないしB沢の下降も相も変わらず危険だらけですから。

天狗のコルからの一気の登り。せっかくなのでジャンダルムに登ってから奥穂の頂上へ向かうと重荷を背負っての「馬の背」は気持ちがよくありません。記念撮影でごった返す頂上をさっさと後にして見下ろす穂高岳山荘を見てビックリ!「ありゃあ…天場は一杯だわぁ…」ビッシリと張られたテントの数。これでは通路でも便所の脇でも仕方なさそう…(T.T)






急な岩稜からハシゴを下り小屋の前に降り立つとプーンとキムチの臭い。
見ると何組もの集団が車座になって鍋を囲み顔を真っ赤にして酒盛りの真っ最中。ハングルらしき言葉で大声で騒いでいます。なんじゃコイツらは!
聞くところによると韓国人登山ツアーの集団が150人も来ているんだとか。
日本人登山者は隅に小さくなっている有様。
乾ききった喉を潤すべく小屋の受付でビールを頼むと「生」は既に売り切れ、韓国人ツアー客の買い占めだそうです。

コイツらのタチが悪さったら。
山道は広がって歩くし前から来ても絶対道を譲らないし登山道特有の「こんにちは~」を掛けても返事もしない。
とにかく自己主張が強くてルールとかマナーの類を全くわきまえないのです。





一緒に行った韓国の登山事情に詳しい仲間によると、韓国の人口は5000万人程ですが登山人口は日本の約二倍いるとか。なのに国内には2000m以下の山しかなく登山道もかなり奥まで舗装されていたりして日本のような大自然に触れるような登山は出来ないのだそうです。
なのでツアーを組んで有名どころにドッと押し寄せあの国民性を存分に発揮して散々顰蹙を買いながらも厚顔で山々の歩き回っているのだそうな。

ついこの間も中央アルプスで遭難事故を起こしその遠因に日本の対応を非難したあの感覚。電信柱が高いのも郵便ポストが赤いのも「み~んな日本が悪いニダ」の発想なんでしょうか。








でもその事情に詳しい仲間は言います。
「彼らを悪く言っちゃダメだよ。ルールとかマナーなど元々無いんだから。つまり国民性が違うんだよ、そこを理解しないと」
”郷に入れば郷に従え”と思うのが日本人の発想だけどそもそもそんなモノを持ってないのだから話の通じようが無いんです。人の振り見て我が振り直せ、を美徳と思うのは我々だけなのでしょうね。

そんなこんなで不愉快な思いを抱えつつ便所の香りが僅かに臭う小屋裏の天場で穂高の夜は更けていきました。
翌日は北穂まで行って涸沢に下山、その夜は徳沢で宴会して帰ることに。
これで一応穂高縦走の「格好」はついたけど岩登りをしない穂高もまた是良しの山行でした。






E-M5&12-50

虫除けスプレー

2013-06-12 11:12:05 | 登山
花粉の季節も終わり梅雨の真っ盛り。
そして梅雨の晴れ間は絶好の沢登り日よりとなります。
でもこの季節何が嫌かといえば「虫」
そう虫です。

ボクは虫の毒アレルギーが非常に強く、ヤブ蚊に刺されただけでも真っ赤に腫れ上がります。
まして山に生息するより強力な毒虫にやられようものなら…

特に苦手なのが「ブヨ」
地方によってブユとも言うそうですがこれは低山から3000m級の稜線にも出没、非常に悩まされます。
噛まれると「チクッ」とするのですぐ解りますがこのあとがもう大変。腕など刺されると猛烈な痒みとともにパンパンに腫れ上がります。

なので虫除けスプレーを持参するのですが市販薬には「ディート」が含まれておりこれは神経症状を引き起こす物質とも言われておりあまり使いたくありません。
なので簡単に作れる「手作り虫除けスプレー」を持参することに。



【材料】
①無水アルコール
②ハッカ油
③容器(百均で購入)
④水道水

たったこれだけ。
無水アルコールとハッカ油はドラッグストアで買えます。



無水アルコールは約1,000円 ハッカ油は約500円 百均で買ったスプレーボトルとスポイト一式 チョーりーずなぼー♪




無水アルコールは使ったあとシッカリ栓を締めておかないといつの間にやら減ってしまいます。揮発性が高いらしい。




作り方は至って簡単
無水アルコールと水道水(1対9)を容器に入れハッカ油を5~10滴まぜて良く振るだけ。
ホントは精製水を使うのが正解らしいですが一回の山行で使い切ってしまうつもりなので水道水で十分。




適量を。好みもあるので。



ハッカ油を多めにするとスースーして清涼感がありますが適度の方がイイかも知れません。

で、効果の程は…
行動中、ポケットに入れておき休憩ごとに首筋から両腕にシュッシュッ…
持続性はないけど30~1時間くらいは効果は持続します。



でも結局刺されちゃいました(T.T)

先週の日曜、奥武蔵の熊倉沢へ足慣らしに行ったとき遡行が終わって稜線で休んでたら…チクッ あ!やられてた!
翌日右腕はパンパンに腫れ凄い痒みも。



自分で見てもキモイ…



あまりの腫れに医者で貰った薬です。
何でも「一番強いステロイドです」と薬剤師が言ってたっけ。
気を付けよう…




メタボ解消訓練

2013-05-04 18:12:57 | 登山


メタボ気味のニョーボに昔の勘を取り戻させようの少し急なルンゼの登下降の練習に日光白根へ。
弥陀ヶ池から右の稜線を辿る夏道ではなく頂上直下に突き上げる雪の詰まったルンゼをアイゼンを効かせながら登高。
気温が低くないのでさして怖くはないがバリバリに凍るとかなりの緊張を強いられる。



それにしてもあまりに軽装過ぎる登山者の多い事。
雪渓用アイゼンではあまりに無理過ぎないかい?っていうか、そもそもピッケルも持ってないし。
もっともピッケルがあっても滑落停止が出来なければ意味がないのだけれど。



帰りは日光湯元で温泉に浸かり蕎麦を食べて帰りました。



E-5&12-60

青空の北八ヶ岳

2013-01-13 16:37:02 | 登山













相変わらず「重い」E-5をぶら下げて歩くのが少々辛くなってきた。
しかも重いだけでなく嵩張る。
右にタスキ掛けするとピッケルを持つ手と干渉する。
だが左側だとすぐに撮れない。

ただ…「撮る」モチベは他では得られない。
多少滑稽かも知れないがクソ重いE-5を使うことになる。























正月合宿が散々な天気だったので青空が見たくてニョーボと出掛けた。

「山ブーム」なのか山道は登山者の列が絶えない。
人気のある山小屋の前は賑やかで色とりどりのテントが並んでいた。









アクセクせずに前日にここ(黒百合ヒュッテ)まで入り天幕で宴会して翌日頂上往復…そんな贅沢な山行もしたくなったな。
天狗岳から西尾根を下り唐沢鉱泉でノンビリと湯に浸かって帰路についた。