増田カイロプラクティックセンターの近況レポート

筋骨格・神経・アレルギー(NAET)・感情の統合療法。
増田裕D.Cのブログ

2006年2月16日 橋本病の続き

2006-02-16 23:16:35 | 近況
増田院長記

○さて、昨日描いたブログに読者よりのお便りがあった。日本人名の病気にはこのほか「菊池病」がるとのご指摘である。私は知らなかった。この菊池病は一般名は組織球性壊死性リンパ節炎と言う。比較的若い女性に多く、最初は扁桃腺が腫れるなどの上気道炎の症状が発現し、それと相前後して片側のくびの皮下リンパ節が腫れ、白血球が減少、組織球と大型のリンパ球は増殖しているものの、好中球などの湿潤はないという病気である。1972年に福岡大学病理学教室の菊池昌弘教授によって発見されたものである。詳しいことはまたいずれふれることもあるだろう。

○「甲状腺の病気」(赤須文人著、講談社刊)という本がある。同社の「健康ライブラリー」のひとつである。8年前によく読んで勉強した本である。なぜか?それはある患者を診た体験からである。

 8年前、在来線で1時間ぐらい遠いところからある高齢のご婦人が来院した。愁訴は慢性的肩こりである。お金には困らない人のようで、週3回ほどマッサージに通っている。しかし、すぐ戻ってしまう。いつもイタイイタイで、家族もウンザリしているようだ。また、○○療法で有名な病院で自律神経失調症と診断されてもう10数年も精神安定剤を服用されている。そして、カイロプラクティックにかかっていることを話したら、「そんないいかげんなものにかかるんじゃない」と怒鳴られたそうだ。
 
 それはともかく、6回ほど治療してはかばかしい改善もなく姿を見せなくなった。1年後、手紙を出して消息を尋ねたところ、予期せぬ返事が戻ってきた。「最寄の整体の先生に甲状腺に問題があるかもしれないから病院で診てもらいなさいといわれたので、病院に行ったところ、橋本病と診断されてホルモン剤を処方され、その後嘘のように肩こりから解放されました」という趣旨の葉書であった。

 私はこの手紙から二つのことを学んだ。第1、この整体の先生はえらい、ということである。第2に、私は橋本病を知っていたけれども、机上の知識で、実学の知ではなかったということだ。目の前の患者の甲状腺機能低下の問題を見抜けなかった。そこで、甲状腺の病態生理学を勉強しようとしたわけである。

 そのときに手にした何冊かの本のひとつが冒頭に挙げた本であった。この本から大事な点を引くとー。

「軽度の甲状腺機能低下症では軽い頭痛、肩こり、筋肉のつれ、貧血、生理不順、便秘、不眠などが最初にあらわれますが、これらは女性にありふれた症状なので、それぞれについて別々に対処されていることが多いのです」。つまり、最も見落とされがちな疾患のひとつなのだ。

○本日の30代半ばの男性。右肩が回らない。特に腕を後ろに回すときに痛みのために制限がある。整形外科に行っても湿布薬をもらっただけで一向に改善しない。
検査をすると、肩鎖関節、胸鎖関節、肘関節に機能障害がみつかる。肩甲下筋の働きもやや低下している。脊椎全体に加えてこれらの異常所見を治療する。

治療後、腕を回してもらうと、後方に回る。まだ完全ではないが、80%以上の機能回復が認められた。上肢における胸鎖関節と肩鎖関節の位置と役割について話す。この治療と合わせて、徐々に機能回復させていく運動についても話をして初診を終えた。あと何回か通院してもらうことにする。

○さて本日のドラッカーの金言は「社会の目的への貢献」。副題は「企業にとっての利益の追求は自動的に社会的責任の遂行を意味する」。

企業である以上、その存続のためには利益を出さなくてはならない。投資も自己投資も研究もこの利益から出されるのだ。しかし、その利益は社会に貢献した結果なのであって、社会に反して利益を追求することは企業の存続の条件を掘り崩すものである。少し前には三菱自動車がつい最近ではライブドアがそうであった。




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