植民地戦争+α

歴史テーマの中量級のボードゲームを制作し、ゲームマーケットに出展しています。
なので歴史とボドゲの話が多いです。

継承戦争1740 《後編》

2007年05月17日 12時08分51秒 | 雑談
 参加者は変わらず後編です。

 まずはハンガリーに赴く、ホフ×テレジアペアからです。(←こんな気軽に書けるほど身分に違いがあるのですが、あまりにも二人の行動が上手くいき、アルバート公のプレイヤーがやきもきする程でした。)

 ハンガリーに向かう途中、テレジアが乗る馬車を狙撃する者を発見し、阻止するも取り逃がすホフマイスター。ハンガリーがテレジアを歓迎していないことが伺えます。
 ハンガリーに無事テレジアを送り届け、その後酒場で休憩するホフマイスターにハンガリー貴族の子息バチャーニが、送り届けたことに対して「ハンガリーをオーストリアに売る気か!」絡んできます。コブシで熱く語り合った後、「見もしない女にハンガリーを任せられるか!」と言うバチャーニに、「なら逢おう!」と言うホフマン。俺たちハンガリーの貴族なんかに逢ってくれるかと言うバチャーニを連れ、テレジアに逢わせると、バチャーニはテレジアの神々しさにひれ伏し忠誠を誓うのでした。同様に、ハンガリー独立を画策するバチャーニの父親に対してもテレジアにあわせることで、テレジアがハンガリーの王であることを認めさせ、忠誠を誓わせます。これで、テレジアは至急ハンガリー軍を召集し、アルバート公を助けるべくホフマイスターと共に援軍を率います。


 一方、行軍中のアルバート公の元を訪れた、ルッケンスはアルバロニ枢機卿からの伝言、イタリアの独立を認め、「イタリア・ミラノをサルデーニャに与えれば協力してやる。」を伝え、アルバート公に領土割譲を迫ります。しかし、アルバート公は「なら、先に協力をしろ!そしたら考えてやる。」と先に相手の援助を引き出させます。勝気に逸るルッケンスは、自分の力を示すべくアルバート公に協力し、オーストリア軍の先頭に立ち、バイエルン軍と激突します。
 バイエルン軍にはフランスの援軍も確約されていて有利だったものの、ルッケンスとアルバート公の能力により、激戦の末最後には壊滅的なダメージを受け敗走します。近くまで来ていたフランス軍も、壊滅した軍に合流する訳にも行かず、またハンガリー軍の援軍が向かっている情報を得たため撤退してしまいます。
 ちなみに遅れて新兵器を持って戦場に駆けつけたフィーナは出番無く、新兵器はお蔵入り。

 フランス軍に撤退された、バイエルンのカール・アルブレヒトは、フランクフルトに逃走します。そこにはオーストリア軍を破った後に、自らを神聖ローマ皇帝に選出※1して貰うべく、聖職選帝侯3人とプファルツ選帝侯を集めていました。そしてカール・アルブレヒト自身のバイエルン選帝侯と、アルバート公が継承したベーメン選帝侯が揃います。これを好機ととったアルバート公は、英国王でありハノーバー選帝侯のジョージ2世に自らを皇帝に推挙するように依頼を行います。

 他方、このままではオーストリアから得るところが無くなってしまうと判断したプロイセン軍は、オーストリアに協力すると言う形をとり、ザクセンを攻略します。そこにスレイヤ率いるオーストリア軍もなだれ込み、ザクセンを南北に分割し両軍が睨み合う形となります。
 ここで、バイエルンを蹴散らしたアルバート公から、選帝侯召集の依頼が来た為に、体制が決したと判断したプロイセンは、快くアルバート公を選帝侯に推挙します(但し、シュレジェンの割譲要求※2を撤回するから、北ザクセンを割譲※3させろと言う要求つきです)。これで降伏したザクセン選帝侯の推挙も得、アルバート公は全9票を獲得し、晴れて神聖ローマ帝国皇帝※4となります。
 
 一方、コンクラーベはオーストリア派の枢機卿から明確な支援を得られなくなったアルバロニ枢機卿が負け、別の候補が法王に選出されます。
 この事態にアルバロニ枢機卿は、ルッケンスを呼び戻し武力でローマを抑えこもうとしますが、ルッケンスから「お前は負けたんだよ!」と言われ離反されてしまうと、逃げるようにローマを去ることになります。

 この一連の戦争によりオーストリアは、バイエルンを保護国化。ザクセンは北をプロイセンに割譲させ南をオーストリアに併合し、ゲームスタートよりも、そして史実の結果よりも見事にこの継承戦争を終えます。

 そして、プロイセンと同盟を組んだオーストリアが、対フランス戦を行うのはまた別のお話と言うことで、3回に渡った継承戦争はこれで終わりです。

 

※1:神聖ローマ帝国皇帝の選出は、選挙権を持つ選帝侯の多数決によって決められます。時代によって選帝侯は変わりますが、今回はトリーア、マインツ、ケルン司祭の聖職者の選帝侯と、世俗はブランデンブルグ(プロイセン)、ハノーバー(英国)、プファルツ、バイエルン、ザクセン、ベーメンを選帝侯としました。

※2:前編でプロイセンは、アルバート公にシュレジェンの割譲を認めれば、ザクセンを叩いてやると取引を求めていましたが、アルバート公は先にザクセンを叩いてくれれば考えないことも無いと強硬姿勢を貫いていました。

※3:史実ではオーストリア継承戦争でプロイセンはシュレジェンを得、それから100年後の普墺戦争で、ザクセンの北半分を割譲します。今回、シュレジェンを得る要求は難しかったので、ザクセンを2国で分割しようと提案しました。

※4:この時点ではドイツ王で、その直後にコンクラーベを終えた新法王から戴冠を得て神聖ローマ皇帝となります。その裏には、アルバロニ枢機卿を応援しなかったこと、第2回でサンマリノ戦において前法王に協力したことで、皇帝位承認の確約を得るなどの取引がありました。

オリジナルカードゲーム 植民地戦争
コメント
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