植民地戦争+α

歴史テーマの中量級のボードゲームを制作し、ゲームマーケットに出展しています。
なので歴史とボドゲの話が多いです。

継承戦争1730

2007年04月18日 21時09分59秒 | 雑談
 3月末に地元のコンベンションで継承戦争と題して、オーストリア継承戦争を題材としたTRPGを行いました。
 以前、このブログでも照会した「ハプスブルグの宝剣」(藤本ひとみ著)を読んで、そんな世界観でTRPGを行ってみたいと思った試みで、今回で3回目になります。

 第1回目は1730年からスタートで、キャラクター作成をしたのですが、キャラクターの生まれた場所をダイスで決めたのですが、バイエルンやヘッセンなどいろいろな場所があるにもかかわらず、君主となった平さんはロートリンゲン(※1)を引き当てた為、史実やハプスブルグの宝剣とまったく同じく、ロートリンゲン公としてマリア・テレジアの婿となる設定で始まりました。
 本当は、違う公や公子になってマリア・テレジアと婚姻した場合どうなるかのプレイも期待していたのですが、それは次回の楽しみになりそうです。今回のプレイヤーは以下の方々です。

 アルバート・サマルトリア・ロートリンゲン・・・主人公。マリア・テレジアの婚約者。フランスとの国境にあるロートリンゲンの公爵
 ヴォルフガング・アウグスト・ミッターマイヤー・・・ハノーバーで元英国王と育ち、後にロートリンゲン公の将軍となる。
 ロスヴァール・・・ロートリンゲン生まれの傭兵。ポルトガル、ネーデルランドと転々とした後、ロートリンゲンに戻ってくる。
 リヒャルト・D・シュタレムベルク・・・オーストリア蔵相の甥。ウィーンで役人をしている。
 ミヒャエル・ゲオルグ・・・ナポリ大司教であり、枢機卿。法王の腹心。


 ゲームの序盤に、リヒャルトにアルバート公をウィーンに連れて来させ、プレイヤー全員を合わせた際は、君主ロートリンゲンと他のキャラクターとの関係がまだ確立されていなく、一時微妙な状態もありましたが、間髪いれずにポーランド継承戦争(※2)を引き起こして、プレイヤー同士で協力しないといけない状況を作り出します。
 結局、ライン川でフランス軍と戦うプレイヤーと、ナポリでスペイン軍を迎え撃つプレイヤーに分かれることになります。

 ナポリ方面は、司教区をナポリに持つゲオルグ卿がスペインの侵攻にあせり、ローマでの活動をしやすくしてくれます。その上で、リヒャルトがローマで情報戦を展開し、スペイン軍が不利になるように仕向けると共に、軍を率いたヴォルフがイタリアを南下します。しかし、スペイン縁のパルマが兵を動かしたことで、挟撃の危険を孕むことになり進軍を止めなければならなくなります。このパルマの攻略を巡って、強襲すべきか包囲し情報戦や兵糧攻めをすべきか悩みます。最初は情報戦などを行ったのですが上手くいかず、業を煮やして強襲すると大成功し、あっけなくパルマを攻略します。
 その後、スペイン軍はシチリアを占領した後、ナポリに上陸するもののリヒャルトの謀略により、攻勢に出れず、ナポリに居座り続けついにはローマまで進軍したオーストリア軍と一戦を交えることなく停戦に至ります。

 一方、激戦だったのはライン方面。総司令官のNPCのオイゲン公子2万5000の軍が到着するまで、プレイヤーのアルバート公は5000人の兵で、2万のべリール将軍の軍と、同じく2万のベル・イル将軍の軍を相手することになります。
 まずはこの両軍を合流させてはマズイと、小回りを効かせてベル・イルの軍にゲリラ戦を仕掛けて、翻弄し進軍を阻みます。ロスヴァールの武勇と、アルバート公の情報戦に、馬鹿な指揮官と言う設定だったベル・イル軍は、完全に翻弄され進軍できず、さらにプレイヤーに援軍としてプロイセン軍1万が来援します。まあ、潮時と思ったので、最後に大攻勢を掛けて見せ場を作って撤退します。その攻勢の最中、ロスヴァールが刺客に狙われていると言う設定があったので、刺客を出し、毒矢で強襲! 当然、襲撃者は死亡しましたが毒矢も当たり、かっこよく戦線を離脱してもらいました。
 一方、この隙をついてべリール軍はライン川を渡り、到着したオーストリア・オイゲン公子軍と激突します。ここはNPCとNPCの戦いだったので、ダイスも振らずにべリール軍が優勢だったものの、将軍べリールがオイゲン公子にやられ、しかし、フランスの副将サックスが軍を取りまとめることに成功したと言うことで、フランス軍優勢で決着をさせました。

 この後、PCに外交官が居なかったので、和平交渉を好きに進め、まずは史実どおり、オーストリアの推すザクセン公をポーランド王につける代わりに、アルバートの故郷であるロートリンゲンをフランスに割譲。代替地として現トスカーナ大公の死後、トスカーナを与えることで話をまとめました。
 しかし、ナポリ・シチリア方面はスペイン軍の活躍が芳しくなかった為、史実どおりナポリまでは奪えず、シチリアのみスペイン領となることで妥協し、プレイヤーの功績を称えました。

 そして第一話は、アルバートが故郷を捨てる悲しみと、オーストリアを背負っていくという期待と不安を抱えながら終わりました。

以上、プレイレポートの1回目でした。


※1:ロートリンゲン=ドイツとフランスとの国境にある公領。現在はフランス領だが、当時は神聖ローマ帝国内の領土でフランスが虎視眈々とその領土を狙っていた。

※2:ポーランド継承戦争=ザクセン選帝侯兼ポーランド国王アウグスト2世が死んだ為、貴族の選挙で決めるポーランド王位を、息子のザクセン選帝侯アウグスト2世と、ポーランド貴族スタニワフが争った。スタニワフにはフランスとスペインが味方し、アウグスト3世には神聖ローマ帝国(オーストリア)とロシアが味方に付き、ライン川と、イタリア半島で争われた。


オリジナルカードゲーム 植民地戦争
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