バレーボール「得点ごとに抱き合う」光景 「こんなものいらない!?」
2019/6/30 16:00 J-CAST会社ウォッチ
国際バレーボール連盟(FIVB)主催の「バレーボールネーションズリーグ」が2019年5月から7月にかけて、世界の各地を転戦して行われている。日本を含め男女とも16チームが参加していて、日本が出る試合はすべてテレビで実況中継されてきた。
僕は深夜でない限り、それらを楽しんでいるが、見ていてひとつ「違和感」にとらわれる光景がある。それは、得点を入れるたびに、コートにいる6人の選手が集まって「抱き合う」ことだ。
FIVBには、なにか「規定」があるのか?
もちろん、得点した喜びを抱擁で表すことは何も悪くはない。だけど、なぜ1点ごとにわざわざそうする必要があるのだろうか。相手チームがサーブに失敗して点が入った時も抱き合っている。相手側に失礼ではないか!
こうした抱擁は男子も女子も同じだし、日本以外のチームもやっている。FIVBには「得点を入れたチームの選手はその都度、抱き合うべし」といった規定があるのではないか、とさえ思ってしまう。
その他のスポーツはバレーボールとは状況がかなり違う。
折から、米国のゴンザガ大学にいるバスケットボールの八村塁選手が日本人として初めて、北米プロバスケットボールNBAのドラフト会議の1巡目で指名を受けた。
それをきっかけに、同選手の試合での活躍ぶりがテレビの画面をにぎわせたが、見ていると、シュートが決まった後、コート上の5人の選手がのんびりと抱き合うなんてことはまったくない。すぐ次の闘いに向けて走り出している。
野球だと、得点を入れた選手が戻ってきた時、ベンチ前でするハイタッチが喜びの普通の表し方である。「三者連続三振」をとった投手が捕手と抱き合ったりすることもない。
1964年、「東洋の魔女」は淡々とプレーした
僕は学生時代から長年、サッカーをやってきたが、同じ「フットボール」であるラグビーに比べると、得点が入った時の喜びようは、サッカーはいささか大げさだ。抱き合うだけではなく、得点した選手が自分なりの「ポーズ」を決めたりしている。その点、ラグビーはトライしても淡々としている。
しかし、1試合に入る得点はサッカーの場合、1点か2点、あるいは、せいぜい3点ということが多い。何十点と入ることがあるラグビーとは違う。身びいきながら、1点が入った時の喜びの爆発は、まあ許せるのではないだろうか。
ふと、1964年の東京オリンピックの女子バレーボールで金メダルを獲得した「東洋の魔女」のことを思い出した。
日本-ソ連(当時)の決勝戦の映像が短い時間だが、ネットにあった。それを見ると、金メダルが決まった瞬間は別として、そのほかの得点場面では抱き合ったりはしていない。得点後、淡々と自分のポジションに戻っている。ソ連の選手も同じである。
今の日本代表チームもこのくらいにしておいたほうが、見た感じはいいと思う。それに、得点を入れても何ごともなかったように振る舞うと、相手チームに与える「威圧感」も生まれてくるのではないだろうか。(岩城元)
2019/6/30 16:00 J-CAST会社ウォッチ
国際バレーボール連盟(FIVB)主催の「バレーボールネーションズリーグ」が2019年5月から7月にかけて、世界の各地を転戦して行われている。日本を含め男女とも16チームが参加していて、日本が出る試合はすべてテレビで実況中継されてきた。
僕は深夜でない限り、それらを楽しんでいるが、見ていてひとつ「違和感」にとらわれる光景がある。それは、得点を入れるたびに、コートにいる6人の選手が集まって「抱き合う」ことだ。
FIVBには、なにか「規定」があるのか?
もちろん、得点した喜びを抱擁で表すことは何も悪くはない。だけど、なぜ1点ごとにわざわざそうする必要があるのだろうか。相手チームがサーブに失敗して点が入った時も抱き合っている。相手側に失礼ではないか!
こうした抱擁は男子も女子も同じだし、日本以外のチームもやっている。FIVBには「得点を入れたチームの選手はその都度、抱き合うべし」といった規定があるのではないか、とさえ思ってしまう。
その他のスポーツはバレーボールとは状況がかなり違う。
折から、米国のゴンザガ大学にいるバスケットボールの八村塁選手が日本人として初めて、北米プロバスケットボールNBAのドラフト会議の1巡目で指名を受けた。
それをきっかけに、同選手の試合での活躍ぶりがテレビの画面をにぎわせたが、見ていると、シュートが決まった後、コート上の5人の選手がのんびりと抱き合うなんてことはまったくない。すぐ次の闘いに向けて走り出している。
野球だと、得点を入れた選手が戻ってきた時、ベンチ前でするハイタッチが喜びの普通の表し方である。「三者連続三振」をとった投手が捕手と抱き合ったりすることもない。
1964年、「東洋の魔女」は淡々とプレーした
僕は学生時代から長年、サッカーをやってきたが、同じ「フットボール」であるラグビーに比べると、得点が入った時の喜びようは、サッカーはいささか大げさだ。抱き合うだけではなく、得点した選手が自分なりの「ポーズ」を決めたりしている。その点、ラグビーはトライしても淡々としている。
しかし、1試合に入る得点はサッカーの場合、1点か2点、あるいは、せいぜい3点ということが多い。何十点と入ることがあるラグビーとは違う。身びいきながら、1点が入った時の喜びの爆発は、まあ許せるのではないだろうか。
ふと、1964年の東京オリンピックの女子バレーボールで金メダルを獲得した「東洋の魔女」のことを思い出した。
日本-ソ連(当時)の決勝戦の映像が短い時間だが、ネットにあった。それを見ると、金メダルが決まった瞬間は別として、そのほかの得点場面では抱き合ったりはしていない。得点後、淡々と自分のポジションに戻っている。ソ連の選手も同じである。
今の日本代表チームもこのくらいにしておいたほうが、見た感じはいいと思う。それに、得点を入れても何ごともなかったように振る舞うと、相手チームに与える「威圧感」も生まれてくるのではないだろうか。(岩城元)