きらり!(^^)!

子どもたちの限りない可能性を求めて!

注目の記事が~読み書き困難Ⅲ~

2018-07-31 20:59:46 | 特別支援

<ともに>読み書き困難(下) 理解と道具で自信

2018年7月31日・東京新聞
 文字の読み書きがうまくできない「読み書き困難」。長野市の高等専修学校一年生(高校一年に相当)、大谷梨華(りか)さん(16)は、この障害に苦しみながらも学び続けてきた。


 しかし、学習に必要な「デジタル教科書」の使用を中学校に認めてもらえず、学校で学ぶ気持ちがなえていた。吹っ切れたのは中学三年の夏。小学校から継続して支えてくれた特別支援教員、山崎幸子(ゆきこ)さん(53)の紹介で、豊野高等専修学校(長野市)の存在を知ったからだった。


 同校はデジタル教科書を授業で使っていたことがあり、教員の理解も高かった。「ここなら受け入れてもらえる」。進路目標が明確になり、気持ちが切り替わった。大谷さんは今春、同校に合格。将来の就職を見すえ、パソコンや介護の資格取得を目指している。


 大谷さんはしみじみと振り返る。「本当に山崎先生がいてくれてよかった」。教師-生徒の関係ではないが、中学時代に始まった山崎さん宅での個人教授は今も続く。「ずっと見守ってくれたから、ここまで来ることができた」


 山崎さんは大谷さんの支援を通じ、継続的な支援の必要性を痛感した。小学、中学、高校と進学する度に、学校に障害を説明し、デジタル教科書などの使用許可を得なければならない。支援者がいなければ本人と家族だけで学校を説得する必要がある。山崎さんは「一貫した支援者が学校との間に入り、スムーズな進学を支えるべきだ」と話す。


 山崎さんは現在、長野市内の小学校に勤務。特別支援学級の担任として、児童の指導にデジタル教科書を取り入れているが、普及には壁があると感じている。


 デジタル教科書は「視力が低い人にとっての眼鏡」とも評されるが、長野市内でも学校によって対応はまちまち。同じ小学校で特別支援学級の支援員を務める笠原美香さん(45)も「デジタル教科書があれば救える子を救えていない現実がもどかしい」と訴える。


 二〇一二年の文部科学省の調査によると、通常学級に在籍する全国の小中学生約二十四万人に「読み書き困難」の可能性があるとされる。デジタル教科書「デイジー教科書」を無償で提供している日本障害者リハビリテーション協会によると、全国の利用者はまだ約八千人。読み書き困難児のたった3%にすぎない。


 デイジー教科書を一括導入する自治体も増え、現在、六十六市町村が利用している。ただ、東北地方では導入例がないなど、地域によって普及に偏りがある。
 


 大谷さんは、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの演説になぞらえて、こう話す。「理解してくれる先生と、デイジー教科書というツール(道具、手段)が私を変えた。デイジー教科書があれば、私は強く生きていける」


 山崎さんはここ数年、各地に足を運び、大谷さんら教え子の事例を紹介。障害の周知とデジタル教科書の普及に努める。「『周囲の気づき』『学校の理解』『教材の普及』という、読み書き困難児が直面する壁を壊したい。今もどこかの教室で、静かに困っている子がいるはずだから」 (今川綾音)







言語道断!~不祥事~

2018-07-30 21:36:33 | 社会

“飲酒・死亡ひき逃げ”の小学校教頭は校長らと飲食「なぜすぐ対処を…」母を失った娘の憤り

7/30(月) 21:06配信

小学校教頭が飲酒運転?

埼玉県川口市立本町小学校の教頭・田中嘉明(たなかよしあき)容疑者、54歳が、ひき逃げで女性を死亡させたとして30日、逮捕・送検された。
しかも田中容疑者は「飲酒をして運転した」と供述しているという。
死亡したのは、フィリピン国籍で56歳のイトウ・ジョセフィン・ラメダさんだ。

取材に応じたラメダさんの娘は、「事故を起こしたときに、すぐ救急車を呼んでいたら助かったかもしれない」「ほんとうに残念でならない」と胸中を語った。

事件が起きたのは、28日の午前2時頃。ラメダさんは仕事を終え自転車で帰宅中、埼玉県川口市の路上で車に跳ねられ死亡した。ラメダさんをはねた車は現場から逃走。その後、防犯カメラ映像などから小学校の教頭・田中容疑者が浮上した。

田中容疑者の車は、フロントガラスなどが損傷していた。

田中容疑者の飲食の相手は「校長」

田中容疑者が酒を飲んでいた相手は、同校の校長らだという。

川口市教育委員会によると、田中容疑者は事件前の27日の午後、川口駅近くの飲食店で校長ら5人と会食していた。
午後6時半から9時半頃までは中華料理店で、その後10時頃までは串焼き店で会食した田中容疑者は、ビールをジョッキで4、5杯ほど飲んだという。

会食に先立ち、田中容疑者は、校長に「車を自宅に置いてくる」と話し、会食を終えた際も「バスで帰る」と告げて、その場を立ち去った。受け答えや足取りはしっかりしていたという。

家族思いだった母・ラメダさんを失った娘は、強い憤りをあらわにした。
「なぜ呼んでくれなかったのか、なぜすぐに対処してくれなかったのか、私の母は、あなたのせいで逝ってしまったんですよと」「憤りは感じている」「酒を飲 んで車を運転してしまったら、車はただの凶器になってしまう」

一方、田中容疑者は、警察の調べに対して、飲酒運転を認めたうえで「物にあたった程度だと思った」と供述し、ひき逃げについては容疑を否認している。

先進的な取り組み~ぜひ 広まって欲しい!~

2018-07-29 17:33:50 | 社会

障害児ら集団保育 港区、新規施設に専用クラス


7/29(日) 7:55配信 ・産経新聞
 港区は、医療的ケアの必要な児童や障害児らの保育ニーズに対応するため、平成32年1月に開園する区立元麻布保育園(同区元麻布)に専用クラスを設置する。区内の保育所で障害児らを専門に集団保育を行うのは初。区によると、障害児らへの集団保育は施設のバリアフリー化や、保育士らに医療的な専門知識を必要とするなど課題が多く、通常クラスと併設する保育所は珍しいという。

 同園は、0~5歳児クラス定員180人のほか、医療的ケア児・障害児クラス定員20人程度を設ける。専用の保育室を設けるが、児童の状況に応じて一緒に集団行動や行事を行う予定で、相互理解や幼少期の成長を促す刺激になることも期待されている。

 原則として、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な児童に対して1人、障害児2人に対して1人の専任の保育士を配置し、看護師は常時1人以上を配置する。車椅子の利用など家庭からの送迎が困難な場合は、福祉車両を活用した送迎支援も行う予定だ。

 区では29年度から医療的ケアが必要な児童に対してベビーシッターを派遣しており、6月1日時点で6人が利用中だという。

 区は「経験や課題を蓄積し、今後の支援のモデルケースに発展させていきたい」としている。

注目の記事が~読み書き困難Ⅱ~

2018-07-28 21:59:52 | 特別支援

<ともに>読み書き困難(中) 認められぬ失意の中で…

2018年7月27日・東京新聞

 周囲が気付きにくい学習障害(LD)の一つ、「読み書き困難」。長野市の高等専修学校一年生(高校一年に相当)、大谷梨華(りか)さん(16)はこの障害に悩みながらも、小学六年でデジタル教科書に出合い、勉強や読書の楽しさを知った。


 大谷さんが地元の市立中学校に進んだ年の五月、小学校の特別支援学級の担任だった山崎幸子(ゆきこ)さん(53)に一本の電話がかかってきた。すがるような声だった。


 「先生どうしよう。梨華がだめになっちゃった。全然笑わなくなっちゃった」


 母親からだった。中学校にデジタル教科書の使用を認めてもらえず、ふさぎ込んでいるという。山崎さんは耳を疑った。「中学校の先生との支援会議で、デジタル教科書を使うことも説明して引き継いだのに、なぜ」


 中学の特別支援学級の担任は、授業での様子から「ちゃんと読めている。デジタル教科書がなくても大丈夫そうだ」と判断。ソフトの入ったタブレット端末の持ち込みに難色を示した。


 大谷さんは担任に何度も説明した。「紙の教科書では文字は追えても内容が頭に入ってこない。デジタル教科書の読み上げ音声や読んでいる所を示す表示がある時とは大違いなんです」


 しかし何度説明しても、話は平行線。


 大谷さんが高校入試で不利にならないよう紙に早く慣れさせたかった可能性はある。一方で「端末を学校に持ち込ませることへの抵抗もあったのでは」と、山崎さんは推測する。


 日本障害者リハビリテーション協会参与の西澤達夫さん(64)はこう言う。「デジタル教科書は、視力が低い子にとっての眼鏡のようなもの」。使えれば問題ないのに、使えないと土俵にさえ上がれない。


 こうした受け入れる側の事情で一番傷ついたのが、大谷さん本人だ。「使った方が楽なのに。道具があれば、もっとできるのに」。使用が認めてもらえず、日に日に元気がなくなっていく大谷さんをふびんに思い、母親が山崎さんに助けを求めた。


 すでに教師-生徒の関係ではない。でも山崎さんは「勉強への意欲が湧いたのに、もったいない」。その日から、二人三脚の学習が始まった。毎週日曜の午前中、大谷さんが山崎さんの自宅を訪ね、約三時間、学校での話や、デジタル教科書を使った勉強や読書をして一緒に過ごす。


 山崎さんにとっては、完全なプライベートの支援。「先生の心証は、高校進学時の内申点に影響しかねない」と心配し、「授業」は中学校には内緒だった。


 「教科書を読むのがつらかった時期を脱し、ようやく前向きに勉強に取り組めるようになったところ。何とかうまくいってほしい一心だった」と山崎さんは支援の理由を語る。学習以外にも、学校でのつらさを受け止めてもらうことで、大谷さんは日を追うごとに落ち着いていった。


 それでも、大谷さんの中学校に対する失望は消えなかった。再び学ぼうという前向きな気持ちになるのは、ある学校の存在を知ってからだった。 (今川綾音)


 =次回は三十一日掲載







「障害」についてテレビドラマが投げかけることは……

2018-07-27 18:07:16 | 社会
自閉症を描く『グッド・ドクター』が好調、障害持つ人々の見方は?
自閉症を抱える研修医を描くドラマ『グッド・ドクター』(C)フジテレビ

(ORICON NEWS)

 山崎賢人が主演を務めるドラマ『グッド・ドクター』(毎週木曜 後10:00/フジテレビ系)が、初回放送で平均視聴率11.5%、第2話でも2桁をキープするなど好調だ(ビデオリサーチ調べ)。同作は、山崎演じる自閉症スペクトラム障害を抱える小児外科の研修医が主人公。多くの視聴者から、「感動した」「泣けた」という声が聞こえるが、一方、当事者である同様の障害を持つ人たちにはどう受け止められたのか? WEBサイト『障害者ドットコム』運営スタッフに聞いた。

■第2話も2桁キープで見逃し配信も好調、山崎賢人の演技も高い評価

 自閉症スペクトラム障害でコミュニケーション能力に問題がある一方、驚異的な記憶力を持つサヴァン症候群。『グッド・ドクター』は、その障害を持つ青年・新堂湊(山崎)が小児外科のレジデント(後期研修医)として、子どもの命のために闘い、寄り添い、共に成長していく姿を描くメディカル・ヒューマンドラマだ。

 視聴率は初回11.5%(2桁発進は木曜劇場で2年ぶり)、第2話も10.6%と2桁をキープ。フジテレビが運営する動画配信サービス・FODの見逃し配信でも、18日までに視聴数80万回超えを達成。ドラマ初回における、見逃し配信視聴数の最高を更新した。

 SNSなどで見られる視聴者の声も好意的だ。なかでも、少年の命を救うきっかけになったにも関わらず、院内で差別的な発言をされる湊が言った言葉「僕は人と違います。慣れています」については、「本人がそれを言うなんて…」「思わず涙した」など多くの反響が。周囲の湊への対応には「医者なのに自閉症を理解していないとは」と憤慨する声もありながら、「現状、今期で一番のドラマ」という意見も見られた。

■障害者福祉に関わる川田さん、『グッド・ドクター』に好感

 このように、一般視聴者からは好評の『グッド・ドクター』。では、当事者である障害を持つ人にとって本作はどう映るのか。20年以上障害者福祉に携わってきた、障害のある人に向けたWEBサイト『障害者ドットコム』代表・川田祐一さんとその妻・直美さんに聞いた。

 川田さんはまず、山崎の芝居について「自然体でとても上手。小児外科医にも取材したことが見て取れ、勉強熱心な姿勢に好感が持てました」という感想を語った。さらに、「精神科医の西脇俊二先生がドラマの監修に入っていて、これまでたくさんの当事者の方と接してきた私が見ても違和感がない描写」と、丁寧な描かれ方に感心したそうだ。

 一方で、病院のルールに合わない行動をした湊が、同僚や病院関係者から辛らつな言葉を投げかけられる場面については、「小児外科医による差別発言や暴力シーンは、同じ臨床現場の専門職として悲しく感じました。でも、一部の現場では虐待やパワハラが起きているのも事実。今後良い方向に展開していくことを期待しています」とコメント。序盤のこの伏線が、うまく回収されることに期待を寄せた。

■障害描くドラマ『ピュア』『聖者の行進』など名作多数、「とても勇気づけられました」

 本作同様、自閉症スペクトラムなどの発達障害や知的障害を扱ったドラマは、これまでも数々制作されてきた。野島伸司が脚本を手がけ、いしだ壱成が主演した『聖者の行進』(1998年・TBS系)、アメリカの小説を元に、ユースケ・サンタマリアらが演じた『アルジャーノンに花束を』(2002年・フジテレビ系/2015年・TBS系)、草なぎ剛主演の『僕の歩く道』(2006年・フジテレビ系)、中居正広主演の『ATARU』(2012年・TBS系)など、名作と言われる作品も多い。

 川田さんの妻で、『障害者ドットコム』スタッフとして働く直美さんは、自身も発達障害(学習障害)があるが、なかでも『ピュア』に励まされたと語る。1996年に和久井映見が主演したフジテレビの月9ドラマだ。

 「当時悩みを抱えて辛い時期でしたが、とても心が温かくなる大好きなドラマでした。自閉症の主人公、優香(和久井)が純粋で可愛く、心が癒されたんです。障害を抱えた1人の女性が成長していく姿に、勇気づけられもしました。彼女が周りの人たちの心を動かしていく様子から、たくさんの大切なことを教えてもらいました」(直美さん)

■「障害者を扱う=感動」の図式、当事者の思いとは?

 当事者たちへも癒しや勇気を与えてきたこれらのドラマだが、一方で様々な物議を生むことも事実。日本テレビの『24時間テレビ』など、“障害者を描く=感動”の図式に疑問を投げかける声が昨今、多く見られるのだ。だが、川田さんはこのような批判について、「私はそうは思いません」と見解を話した。

 「素直に感動を与えることができる作品は素晴らしいと感じています。ただ今後は、(障害者が)主役だけではなく、脇役としてもストーリーを盛り上げられる存在になってほしい。最終的には、日常にある光景の中で単なる通行人Aという役でも、違和感なく作品に登場することが理想だと思っています」。

 川田さんは、障害者の描かれ方に時代による変化も感じているという。

 「例えば『ピュアの』中では、“障害者に興味がない”というセリフがありました。約20年前の作品では、障害は“知らない”もしくは“特別なもの”で遠い存在として描かれていたんです。最近では、自閉症や発達障害という言葉は広く知られ、身近になってきてはいるものの、正しくは理解されなくて、差別や偏見の対象となっていること自体がテーマになる場合も多いです。本作をはじめ、昨今はリアリティある存在として描かれるようになったのは良いことだと思います」(川田さん)

■「相模原の事件があったからこそ、ドラマの果たす役割は大きい」

 障害者を描くことは様々な批判を呼びやすいし、難しいことでもある。もちろん、川田さんと直美さんの意見が障害を抱える人の“総意”ではないかもしれないが、2人はこれらがドラマで描かれ、社会的な理解や関心が深まることに感謝をしている。

 「物議はあるとは思いますが、障害がある本人や家族、周りの人たちが、ドラマを見て考えたり、元気をもらったりもする。また、相模原障害者施設殺傷事件(2016年に神奈川県の知的障害者施設で起こった事件。元職員が多くの入所者や職員を死傷させた)があったからこそ、こういった障害を抱えた方を描くドラマが、差別や偏見を無くすために果たす役割は大きいのではないでしょうか」(直美さん)

 「私自身もADHD(注意欠如・多動性障害)の傾向が強く、忘れ物、電車の乗り越し、約束を忘れることなどが多くありましたが、発達障害を理解し対処することで改善しました。発達障害の傾向のある人は少なくないので、皆さんも障害を他人事と捉えるのではなく、自分のこととして考えられるようになってもらえたらうれしい。こういったドラマを見ていただき、関心を持っていただけたら」(川田さん)

 多くの視聴者にとって、“障害”は身近ではないかもしれない。だが、『グッド・ドクター』のようなドラマで、障害を持つ人々が置かれた状況や気持ち、周囲の人々の思いを感じ取ることはできる。いざ自分が当事者になったら、周りの人が障害を持ったら、何ができるか。こういったドラマは、当事者を励ますとともに、それを考えるヒントをくれる。
(文・衣輪晋一/メディア研究家)