5月23日のコンサートの「プログラム曲目」について続き。
「ソングの花束」
5 雨に濡れた木馬(1975年ごろ 佐藤信詩)
佐藤信の舞台作品・ミュージックホールのショーのための挿入歌
「雨に濡れた木馬 うそっこの汗まみれ 真夜中の町を走りぬけ
いつかひどいふざけあい 酒瓶はからっぽ タバコだってありゃしない
だからおやすみなさい 眠れよ悪い子・・・・
6 花の歌(1967年 佐藤信詩)
『ゲバラが髭をそる朝』の劇中歌
「小さな草が芽を吹いた それからそっと花つけた
たぶんそいつは遠い朝 それが僕らの歌だった
僕らはいつかそこにいた 僕らはいつか見つめてた
春さえ来れば芽を吹いた 雨さえ降れば花つけた
一番寒い冬の夜 一番寒い雪の時
声にはせずに歌ってた 忘れぬために花の歌」
チェ.ゲバラはアルゼンチン生まれの医学者で革命家。
本名は「エルネスト.ラファエル.ゲバラ.デ.ラ.セルナ」
「チェ」とは「やぁ、よう、ダチ」など親しみを込めた呼称で、彼のあだ名。
1956年キューバのカストロ兄弟と出会い、従軍医として
反独裁運動に参加しその後革命家として活動。
1967年にバングラデシュで捕えられ39歳で処刑される。
この訃報を知った作詩者が歌詞を改定し「花の歌」となる。
このソングの最後の後奏は、ラテンアメリカの『フォルクローレ』風
葬送行進曲
※「フォルクローレ」とは、ラテンアメリカ諸国の民族音楽、または
民族音楽をベースとしたポピュラーソング。
『コンドルは飛んでいく』は有名。
7 恋はやさし野辺の花よ(1968年 佐藤信詞)
ベトナム戦争、ヒッピー、黒人解放運動などを結びつける、
この時代の象徴である「花・フラワー」が この歌のテーマ。
「花」は平和の象徴。
「恋はやさし野辺の花よ びゃんびゃんびゃんびゃん
されど花とは花にはあらず ただフィクションの花なりき
遥かかなたか はたまたここか いずこも知れぬ花なりき・・・・
恋はやさし野辺の花よ ばぁおばぁおばぁおばぁお
アメリカ国はヒッピー族の 合言葉なるフラワーぞ
破廉恥きわむ 戦の時に 思い描けるフラワーぞ・・・
恋はやさし野辺の花よ びぃんびぃんびぃんびぃん
いざや黄色きわが同胞(はらから)よ 黒白つどい歌えよや
泥と炎に なお立ち向かい 恋の歌をば歌えよや・・・」
8 伝説の広場の歌(1983年 林光詩)
宮澤賢治が物語の中で夢見たユートピア。
『ケンジニアン』と呼ばれた林光さんの親しみやすく
覚えやすいメロディーはのびやかに流れ、4番は
未来を信じる明確で強い意志が歌われている。
「1 昔つらい暮らしの日々 人々は夢見た
冷たい水で疲れを癒す 憩いの泉
※それがポランの広場 つめくさの灯がともる
誰もが知っていて 誰も行ったことがないところ
2 やがて夢はふくらんで 広場も大きく
憎しみは消え こころ明るく おいしいたべもの
※
3 子供たちに伝わる 広場の伝説
自由な土地で兄弟のように 働き取り入れる
※
4 今日もしごとを終えて 人々はさがす
いつかきっと行きつける 約束の地を
※ 」
「ポランの広場で記念写真」2002年