時々カウンターバーに行って、高めの椅子に背筋を正して座り、美味しいカクテルを1~2杯飲んで……と、その度にずーっと気になってた事があった。昔、好んでオーダーしていた「ジャックローズ」。飲み始めたきっかけは、ある推理小説だった…。ところが、どうにもこうにもこの小説のタイトルが思い出せないのだ。いろんなバーに行っては聞いてみたんだけど、誰も教えてくれない。ギムレットやダイキリのエピソードが得意な人はたくさんいるけれど、ナゼかジャックローズの話には興味がないみたいなの。そのうち私も以前のように頻繁にカクテルを飲みには行かなくなり、ジャックローズの事も小説の事もすっかり忘れていた。
ところが今日で~す 浅草の某バーのマスターが「あ~、幻の女でしょー。」って、10年以上抱き続けた疑問にあっさり答えてくれた。拍子抜けしてしまう程にアッサリと…。「なあんだ、早く教えてくれればいいのに」と私。「早く聞いてくれればよかったのにぃ」とマスター。……あっ、そっか…。
ってなわけで、今宵のジャックローズは格別な味でした