中華街ランチ探偵団「酔華」

中華料理店の密集する横浜中華街。最近はなかなかランチに行けないのだが、少しずつ更新していきます。

B級グルメの食べ過ぎに注意 その10 柿

2006年09月19日 | B級グルメの食べ過ぎに注意

 柿には懐かしい想い出がある。私が子供の頃は民家の軒先や空き地など、町内のいたるところに柿の木があり、学校帰りにその実を穫ってガブリとやるのを楽しみにしていた。でも、運が悪いとそれは渋柿だったりして、口をひん曲げて涙を流したものだ。

 また、食べ方にも子どもなりのスタイルがあった。水で洗うのはカッコ悪いし、ましてやナイフで皮をむくなんてのは最低だった。皮ごとムシャムシャと食べてしまうのが粋な食べ方とされていた。

 話は悪ガキではなく甘柿である。最近は奈良、和歌山産の富有柿や次郎柿などの品種が名高いようだが、かつては都筑郡産の「禅寺丸柿(ぜんじまるがき)」が一世を風靡したという。いわば横浜のブランド品だった。発祥の地は真言密教の王禅寺(川崎市麻生区)で、今でも境内にはその原木が残っている。

 寺は延喜21年、無空上人によって開山されたが、のちに新田義貞の鎌倉侵攻で荒廃。再興のため立ち上がった等海上人が寺領の山中で資材を物色している際に、偶然発見したのがこの柿だった。その甘味は芳醇にして、他に類例を見なかったという。

 やがて周辺の村民も栽培を始め、江戸時代にはかなり出荷されるようになった。禅寺丸の名がついたのは元禄時代だが、所によっては丸柿とか黒熟とも言われた。明治後期にはその生産がピークに達し、関西方面にも販路を広げている。

 大正12年の「都筑郡郡勢」によれば、生産のトップはその名のとおり柿生村で、2位は田奈村(長津田・奈良など)だった。しかしこの頃から、禅寺丸に代わって次郎や富有を栽培する農家が徐々に増えていき、世代交代が始まったようである。
 境内にある樹齢450年の原木には、今でも実がつくそうだ。

 閑話休題。
 サル、ツバメの巣などと、なんでも食べてしまう中華料理。柿を使ったものもあるのではないかと探していたら、昨年の秋、重慶飯店別館のランチメニューに出た!ではないか。
 ランチは週替わりの8種類だが、自慢の「麻婆豆腐」だけは不変で、毎週提供されている。

 そんな中から、旬の味覚「柿」を使ったランチ「柿と牛肉の唐辛子炒め」を注文。まずジャスミン茶がポットで供され、続いて白菜入りのスープが出てきた(これはイマイチだったが)。
 そしてメイン料理が来た。牛肉がタップリ入っている。そして柿に従うのはシメジ、竹の子、ピーマン、キュウリといった面々だ。さすが四川料理だけあって辛いが、柿の甘みが口中を和らげてくれる。今秋にも、再度、食べてみたいと思っている。

 
 柿鮮沙律というのを大珍楼新館で見つけた。柿を器にして、エビ・柿・干し葡萄をマヨネーズで和えたサラダだ。まだ食べていないので、こちらも近々、行ってみたいと思っている。


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