昨日から馬車道まつりが始まった。私が見に行ったのは昼時だったのだが、平日ということもあってか、お客は思ったほど多くはなかった。 それでも、歩道に並んだ安売りのワゴンには、近隣の会社から湧き出てきたような中年サラリーマンや、うら若きOLなどが群がっていた。それらのほとんどは物品の販売だったが、3日(土)はフード類がたくさん登場するらしい。 この通りには普段からジャズが流れている。歩車道間の植え込みの中にスピーカーがあり、道行く人々の心や身体を癒してくれているが、昨日は関内ホール前にこんなバンドが出ていた。 短い動画なので、クリックして聴いてみてね。 このバンドは「プロジェクト和豪」という。真ん中の人が吹いている妙な筒は、オーストラリアのアボリジニが使っている楽器で、リードもなければ穴もない。唇を震わせてこの筒を共鳴させているみたいだ。 これは聴くというよりも、身体全体で音の波を感じる音楽のようである。 これから毎日、いろいろなバンドが入れ替わり立ち替わり登場するという。 しばらくの間、不思議な響きを楽しんでいたら腹が減ってきた。さて、どこで昼メシを食べるかなと周囲を見回すと、ちょうど目の前に「ポニー」があった。 しかし残念ながら、中は既に満席。カキが入荷したという貼紙を恨めしく横目で睨みながら「味雅」に向かうものの、横道で「福源楼」の看板が眼に入った。 そういえば以前、「ここの中華弁当がうまいぞ」と先輩から教えられたことを思い出した。ならば、馬車道のベンチで弁当を食べながら、ジャズを聴くというのも“あり”だな。 そう思い店に近づくと、ドアに「冷し中華あります」という張り紙が出ていた。もう世間ではマフラーやコートが登場しているというのに、 本当に食べられるんだろうなっ、 なんて呟いていたら、ちょうど中からおばさんが出てきた。 「冷し中華、まだ食べられますか?」 「ええ、ええ、やってますよぉ」 「いつまで食べられるんですかぁ?」 「タレがあれば、いつでもね!」 っていうんで、出てきたのがコレ!! 四川風辛子ゴマダレ冷やし中華!! ぶつ切りの蒸し鶏、太切りのキュウリ、目一杯かけられたゴマタレ…どうもあか抜けない、野暮ったいルックスだが、意外とこういうのに美味しいものがあったりするものなのだ。 四川風辛子ゴマダレをひと口舐めてみた。 う~ん、少しショッパイかな。味噌の塩味だろうか。 最初はこんな印象だったのだが、これをワッシワッシとかき混ぜ頬張ってみると、 まいう~! なのだった。とくに蒸し鶏がうまい。このままで酒のツマミにもなるかもね。 この店はコチラの方が最近ハマっているらしい。たしか、一人で行くと新聞が出てくると書いてあったようだが、私の場合はこれが相応しいというわけではないだろうが、週刊漫画「スペリオール」が付いてきた。 ところで、「福源楼」のいいところは、実は料理の美味しさだけではない。心和む良い時間を過ごせるということにあるのだ。 おばさんが優しい。奥の狭いテーブルで窮屈そうに座っている客に対しては、 「こちらのテーブルが空きましたから、どうぞ。あっ、メガネもお持ちしますよ」 なんてやっている。客が新聞を読むために外しテーブルに置いていたメガネを、コップと一緒に運んでいた。 かつて中華街にあった伝説の店「満福」ではあり得ない話である。あそこは席を移動すると叱り飛ばされたものだ。 仲間4人で行ってバラバラに座っていたのが、1テーブル空いたので、みんなでそちらへ移動したら怒られる、そんな店だったなぁ… 昨日の「福源楼」には、車イス使用の一人客が来た。おじさんが席を作り、外から車イスを押して来てセッティングしていた。 料理が美味しくて、こんな雰囲気なら、誰でも常連になってしまうだろう。 ←素敵な福源楼にクリックしてね 「ハマる横浜中華街」ランチ情報はコチラ⇒ |
あの冷やし中華、まだやっていたんですね。
本当にルックスはあんなに地味なのに、とってもうまいのです。ワタシは鶏そばも好きですが、これも「?」な見かけで、食べるとうま~い蒸し鶏が入っています。
そうそう、この蒸し鶏だけでビールのめそうなんですよね。
何より、接客が丁寧で心和むのも同感です。
ああ、自分が好きな店をこういう風に他の人が褒めてくれると、とっても嬉しい・・・(幸)
接客の話を読んだだけでじ~んときてしまいました。
この冷やし中華美味しそう。
ちょっと個性的にも私には感じられましたが。
めちゃめちゃ美味しそうです(はあと)
ここの焼きソバも、鶏ネギそばも、なんだか地味~な風貌ですよね。
弁当はどうなのかなぁ。来週は一度買ってみようかな。
当時中華街で一番旨いなんて思いこんでました。
でも、「萬福」の良かったところは、あの時代、既に「全面禁煙」としていたことです。
「福源楼」と似たところで「金華園」という店があります。ここのオバサンもいいですよ。