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「赤毛のアン」とつぶやけばいろんな連想が働くけれど、やっぱりあのアニメの音楽が醸し出す、なんともいえない懐かしい空気が僕には忘れられません。日曜日、世界名作劇場を見終わって眠りにつく前には、あやと一緒にしばらく歌っていた歌とか。
はしっても はしっても
おわらない花の波
みずうみは遠く
もえるくもはもっと遠く
特権的と言っていいほど幼い頃の思い出を象徴してしまう音楽なのです。
数年前に、ピアニストのYさんから「あのオープニングとエンディングの曲は、三善晃先生の作品なのよ」と教えてもらったときには、驚きとともにあの空気がたちまちのうちによみがえってきて、確かな強さで幼い頃の風景を思い出したのでした。
「海の日記帳」や「交響三章」の作曲家は、幼い僕らが歌っていたあのうたの作曲者でもあったのです。歌詞は岸田衿子さんだったのですね。
今日は早めに夕食をいただいて、さっちゃんと少し外を歩こうかという話になりました。お散歩がてらに行った先のdisk unionでいろいろ物色していたら、目に飛び込んできたのがこのCD。さっそく聴いてみました。さっちゃんも、三善先生の音楽にときめいていた当時の子どもだったのですな。聴いているうちに、やっぱり瞳がうるうるしてきちゃうようなのです。
テレビで見た「赤毛のアン」の音楽のほとんどが収められているのですが、三善先生が書かれた曲は4曲で、それを除いた2枚組アルバムの全曲を毛利蔵人さん(故人)が作曲されていたということも、ブックレットを読んで初めて知りました。
(Schott 掲載の略歴)
このCDのおかげで、今晩はなんだかとってもいい気分でいます。
懐かしいという以上に新鮮に感じられるのは、よい音楽の証拠でもありますね。
風化することのない、いい音楽なのです。
P.S. フジテレビ、はやく日本に帰ってきてくれるとよいですね。