くるみがうちに来た頃に
こんなお話しを書きました。
くうちゃんのおうち
私は、今度はどこのおうちに行くのかしら?
と、くうちゃんは思いました。
一緒に暮らしているお姉さんが
お嫁さんに行ってしまうのです。
くうちゃんは、クリーム色の毛並みの
ミニチュアダックスの女の子です。
生まれた時は、
同じクリーム色の毛並みのママと、
姉、妹と4匹で暮らしていました。
ある日、くうちゃんは、ママと別れて
お姉さんと妹と一緒に
ペットショップというところに連れていかれました。
そこでは、3匹一緒のお部屋に住みました。
お店に来たお客さん達は、くうちゃん達を見ると「カワイイ!」と言ってくれました。
中には「本当に足が短いね」とか
「うわ、胴長っ!」とか
失礼なことを言う人もいましたが…。
そしてある日、くうちゃんは、
お姉さん、妹とも別れて、優しく撫でて
抱っこしてくれたおじさんのおうちに
1匹で行くことになりました。
そのおうちで、おじさんとおじさんの奥さんと、くうちゃんの3人で暮らし始めました。
奥さんはくうちゃんのクリーム色の毛並みが
つやつやと輝くように、毎日、毎日
丁寧にブラッシングしてくれました。
くうちゃんはとても気持ちが良くて、
奥さんの優しい手で
ブラッシングして貰うのが大好きでした。
おじさんと奥さんと土手の並木を散歩したり、
お買いものに行ったり、
海にも一緒に連れて行ってくれました。
3人はどこに行く時も一緒でした。
そうして5回目の桜の季節が過ぎたある日、
くうちゃんは、
別なおうちに行くことになりました。
おじさんがお仕事で
海外に転勤になってしまったのです。
2人はいつも、どこに行く時も
くうちゃんを一緒に連れて行ってくれました。
でも今度はくうちゃんを
一緒に連れて行くことはできないのだそうです。
おじさんも奥さんも、とても悲しそうに、
くうちゃんに何度も「ごめんね」と言いました。
そうしてくうちゃんは
大好きなおじさんと奥さんとお別れをして、
また別なおうちへ行くことになりました。
今度のおうちは、おじさんの会社の同僚の、
まだ入社3年目のお姉さんのおうちでした。
お姉さんは一人暮らしだったので、
お姉さんがお仕事に行ってしまうと、
くうちゃんはたった1匹で
お留守番をしなければいけません。
くうちゃんは、今までそんなに長い時間を
1匹で過ごしたことはありませんでしたので、
寂しくて、泣いてしまいそうになりました。
でも、お姉さんは帰ってくると
必ずくうちゃんを《ぎゅぅっ》として、
それから優しく撫でてくれました。
《お姉さんは私がどんな思いでお留守番をして
待っているか分かってるんだ!》
そう感じた時、くうちゃんは、
どれほどしっぽを振っても足りないくらい
嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
そんなふうにお姉さんと一緒に
若葉の季節を3回過ごしたある日、
お姉さんは会社を辞めることになりました。
お姉さんさんはお嫁さんになるのだそうです。
旦那様になるお兄さんは
お姉さんと同じ会社の人でした。
クリスマスの頃から
何度もお姉さんのおうちにきていた、
くうちゃんも大好きなお兄さん。
お兄さんはお姉さんの家に来た時、
くうちゃんと一緒におもちゃで遊んでくれました。
3人でお散歩に行ったりもしました。
お兄さんは、お姉さんがキッチンに立つと、
決まってくうちゃんを抱っこしてくれました。
そしてご飯ができるまでの間、
包丁のトントンする音や、
お鍋のクツクツする音を聞きながら、
くうちゃんを優しく撫でてくれました。
時々、くうちゃんの名まえを
デタラメな節をつけて歌ったりして。
そんな時、くうちゃんは、
心からしっぽを振らずにはいられませんでした。
そして
若葉が立派な緑の葉っぱに育ったある日、
お兄さんは、お姉さんに
お嫁さんになってください、と言ました。
お姉さんはポッと赤くなって、
コクンと頷いたのでした。
くうちゃんは、とてもあったかい気分なのに、
なんだか寂しいような、
悲しいような気持ちになりました。
今度は、私はどこのおうちに行くのだろう?
くうちゃんが、ふうっとため息をついた時、
お兄さんがくうちゃんの前に来て言いました。
「くうちゃん、一緒に3人で暮らそうね。」
お姉さんもくうちゃんを抱き上げて言いました
「ずっとずっと一緒に暮らそうね。」
くうちゃんは、
しっぽを飛ばしてしまそうなくらい、
ぶんぶんと振ってこたえました。
蝉がミンミン大合唱する夏、
私達結婚しました!の
お知らせはがきが送られました。
そこにはお姉さんが
《ぎゅっ》とくうちゃんを抱きしめ、
お兄さんが2人を《ぎゅっぎゅっ》と
抱きしめている写真がついていました。
※ このお話しは私の考えたフィクションです。
くるみはちょっとモデルですが、
くうちゃんと、くるみは別犬です。
こんなお話しを書きました。
くうちゃんのおうち
私は、今度はどこのおうちに行くのかしら?
と、くうちゃんは思いました。
一緒に暮らしているお姉さんが
お嫁さんに行ってしまうのです。
くうちゃんは、クリーム色の毛並みの
ミニチュアダックスの女の子です。
生まれた時は、
同じクリーム色の毛並みのママと、
姉、妹と4匹で暮らしていました。
ある日、くうちゃんは、ママと別れて
お姉さんと妹と一緒に
ペットショップというところに連れていかれました。
そこでは、3匹一緒のお部屋に住みました。
お店に来たお客さん達は、くうちゃん達を見ると「カワイイ!」と言ってくれました。
中には「本当に足が短いね」とか
「うわ、胴長っ!」とか
失礼なことを言う人もいましたが…。
そしてある日、くうちゃんは、
お姉さん、妹とも別れて、優しく撫でて
抱っこしてくれたおじさんのおうちに
1匹で行くことになりました。
そのおうちで、おじさんとおじさんの奥さんと、くうちゃんの3人で暮らし始めました。
奥さんはくうちゃんのクリーム色の毛並みが
つやつやと輝くように、毎日、毎日
丁寧にブラッシングしてくれました。
くうちゃんはとても気持ちが良くて、
奥さんの優しい手で
ブラッシングして貰うのが大好きでした。
おじさんと奥さんと土手の並木を散歩したり、
お買いものに行ったり、
海にも一緒に連れて行ってくれました。
3人はどこに行く時も一緒でした。
そうして5回目の桜の季節が過ぎたある日、
くうちゃんは、
別なおうちに行くことになりました。
おじさんがお仕事で
海外に転勤になってしまったのです。
2人はいつも、どこに行く時も
くうちゃんを一緒に連れて行ってくれました。
でも今度はくうちゃんを
一緒に連れて行くことはできないのだそうです。
おじさんも奥さんも、とても悲しそうに、
くうちゃんに何度も「ごめんね」と言いました。
そうしてくうちゃんは
大好きなおじさんと奥さんとお別れをして、
また別なおうちへ行くことになりました。
今度のおうちは、おじさんの会社の同僚の、
まだ入社3年目のお姉さんのおうちでした。
お姉さんは一人暮らしだったので、
お姉さんがお仕事に行ってしまうと、
くうちゃんはたった1匹で
お留守番をしなければいけません。
くうちゃんは、今までそんなに長い時間を
1匹で過ごしたことはありませんでしたので、
寂しくて、泣いてしまいそうになりました。
でも、お姉さんは帰ってくると
必ずくうちゃんを《ぎゅぅっ》として、
それから優しく撫でてくれました。
《お姉さんは私がどんな思いでお留守番をして
待っているか分かってるんだ!》
そう感じた時、くうちゃんは、
どれほどしっぽを振っても足りないくらい
嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
そんなふうにお姉さんと一緒に
若葉の季節を3回過ごしたある日、
お姉さんは会社を辞めることになりました。
お姉さんさんはお嫁さんになるのだそうです。
旦那様になるお兄さんは
お姉さんと同じ会社の人でした。
クリスマスの頃から
何度もお姉さんのおうちにきていた、
くうちゃんも大好きなお兄さん。
お兄さんはお姉さんの家に来た時、
くうちゃんと一緒におもちゃで遊んでくれました。
3人でお散歩に行ったりもしました。
お兄さんは、お姉さんがキッチンに立つと、
決まってくうちゃんを抱っこしてくれました。
そしてご飯ができるまでの間、
包丁のトントンする音や、
お鍋のクツクツする音を聞きながら、
くうちゃんを優しく撫でてくれました。
時々、くうちゃんの名まえを
デタラメな節をつけて歌ったりして。
そんな時、くうちゃんは、
心からしっぽを振らずにはいられませんでした。
そして
若葉が立派な緑の葉っぱに育ったある日、
お兄さんは、お姉さんに
お嫁さんになってください、と言ました。
お姉さんはポッと赤くなって、
コクンと頷いたのでした。
くうちゃんは、とてもあったかい気分なのに、
なんだか寂しいような、
悲しいような気持ちになりました。
今度は、私はどこのおうちに行くのだろう?
くうちゃんが、ふうっとため息をついた時、
お兄さんがくうちゃんの前に来て言いました。
「くうちゃん、一緒に3人で暮らそうね。」
お姉さんもくうちゃんを抱き上げて言いました
「ずっとずっと一緒に暮らそうね。」
くうちゃんは、
しっぽを飛ばしてしまそうなくらい、
ぶんぶんと振ってこたえました。
蝉がミンミン大合唱する夏、
私達結婚しました!の
お知らせはがきが送られました。
そこにはお姉さんが
《ぎゅっ》とくうちゃんを抱きしめ、
お兄さんが2人を《ぎゅっぎゅっ》と
抱きしめている写真がついていました。
※ このお話しは私の考えたフィクションです。
くるみはちょっとモデルですが、
くうちゃんと、くるみは別犬です。