「誘拐児」 翔田寛
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終戦直後のどさくさの中で、子供の身代金目的の誘拐事件が発生。
犯人が指定した受け渡し場所は有楽町駅前の闇市広場。
多くの警察官による厳戒態勢にも拘らず、身代金は奪われ、子供は戻ってこなかった。
事件は迷宮入りし、子供もおそらく殺害されたものと思われた。
その15年後、とある若い女性が被害者となる殺人事件が起きる。
こちらも目撃が少なく、迷宮入りが心配されたが、被害者が15年前の誘拐事件の証拠となる新聞記事を持っていたことが分かり、両者が結びつく。
殺されたものと思われていた誘拐された子供は、実は生きていて、微妙な形で後の殺人事件に関わってくるところがドキドキハラハラさせる。
彼は20歳になっており、幸子(さちこ)という年上の彼女がいるが、この幸子が探偵役となって事件解決の原動力となる。
この幸子さんが、イケてます。
恋人というより、母親のような慈愛で彼を助ける。
中盤から終盤にかけての緊迫感はなかなかのもの。
最後はアクションもあり、エンターテイメント的にもよくできた小説だと思う。
2008年の江戸川乱歩賞受賞作。
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終戦直後のどさくさの中で、子供の身代金目的の誘拐事件が発生。
犯人が指定した受け渡し場所は有楽町駅前の闇市広場。
多くの警察官による厳戒態勢にも拘らず、身代金は奪われ、子供は戻ってこなかった。
事件は迷宮入りし、子供もおそらく殺害されたものと思われた。
その15年後、とある若い女性が被害者となる殺人事件が起きる。
こちらも目撃が少なく、迷宮入りが心配されたが、被害者が15年前の誘拐事件の証拠となる新聞記事を持っていたことが分かり、両者が結びつく。
殺されたものと思われていた誘拐された子供は、実は生きていて、微妙な形で後の殺人事件に関わってくるところがドキドキハラハラさせる。
彼は20歳になっており、幸子(さちこ)という年上の彼女がいるが、この幸子が探偵役となって事件解決の原動力となる。
この幸子さんが、イケてます。
恋人というより、母親のような慈愛で彼を助ける。
中盤から終盤にかけての緊迫感はなかなかのもの。
最後はアクションもあり、エンターテイメント的にもよくできた小説だと思う。
2008年の江戸川乱歩賞受賞作。