書く仕事

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「空飛ぶタイヤ」池井戸潤

2014年01月02日 00時45分41秒 | 読書
「空飛ぶタイヤ」池井戸潤




上下巻計900ページにも及ぶ大作だが,ページ数を全く感じさせない面白さだった.
本好きな友人から紹介されて読み始めたのですが,とにかく面白い.
いわゆるページターナー(page turner).

走行中のトラックのタイヤが外れて,歩いていた母子を直撃し,母が即死する.
トラックメーカが出した事故原因は「運送会社の整備不良」だった.

しかし,その運送会社の社長,赤松徳郎は,自社の整備には自信を持っており,メーカの結論には納得できない.

しかし,世の中は大企業のメーカを信じ,弱小運送会社の言い分は聞いてくれない.

事故原因を押し付けられた結果,取引先から契約を打ち切られ,銀行の支援も失い,会社は倒産の危機に直面する.
赤松は必至にメーカに抗議するが,冷たく拒否され,八方ふさがりの状態となる.
しかし,不屈の闘志を奮い立たせ,事故原因を究明し,何とか危機を打開しようとするが,大企業からの執拗な妨害に会い,一時は絶望的な状態まで陥る.
そんな時,意外な事実が明らかになり,事態は思わぬ方向に発展していく...

大企業の嫌がらせのすさまじさに驚くが,いかにも憎々しげに大企業のやり方を描く筆力には圧倒される.
企業名は「ホープ自動車」だが,系列の重工,銀行などの相対的な関係を読めば,間違いなく,◇が3つある財閥系グループを名指ししている.
もちろん,小説だから,何を書いてもいいのだけど,◇×3の自動車会社や銀行の人が読んだら,ご立腹になるだろうな.
そのように私が心配するほど,その企業グループのことが憎々しげに,つまり上手に表現されているということね.

エンターテイメントとしての面白さの評価は最高ランクといって良いです.

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