今から6年くらい前になるだろうか、職場の上司と飲み会があった
その席で、上司がスーツのベストのポケットから写真の懐中時計を取り出して時間を確認していた。
当時、腕時計に興味を持っていた私は、何気なく「イギリス紳士みたいでカッコイイですね」と声をかけると、その上司が言うには、以前、もっと偉い人の元で仕事をしていたときに、その上司から頂いた物だと言う。
そんな何気ない会話の後、上司も酒が進んで機嫌が良くなったのだろう。
飲み会の最後の頃になって、「これ、君にあげるよ」と私に写真の懐中時計を差し出してきた。
そんな偉い人にもらった時計を俺にくれて良いのかよ
日本製とはいえ高価な物かも知れないので、もちろん何度か断ったが、酔っぱらった上司が機嫌良く私にくれるというのでありがたく頂くことにした
年季の入った黄ばんだ文字盤が渋い