知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

趣味Do楽 「籔内佐斗司流 ほとけの履歴書 ~仏像のなぞを解きほぐす~」

2014年06月22日 16時24分00秒 | 寺・仏教
2014年4-5月に放映されたNHK-Eテレの番組です。
録画しておいたものを、まとめて一気に視聴しました。

<紹介文>
 日本には、大仏から十一面観音までさまざまな姿の仏像があります。仏陀から生まれた仏教なのに、なぜこのように多用な仏像があるのでしょうか? 
 仏像ファンならだれでも抱くこの疑問にお答えします。代表的な仏像について、その履歴に迫り、豊富な写真、籔内佐斗司先生と篠原ともえさんの軽妙なやりとりでわかりやすく紹介します。
 仏教がインドで生まれた当時、ペルシア由来のゾロアスター教、インドの民族宗教であるヒンドゥー教などさまざまな宗教が混淆していました。それらの神々が仏教に取り込まれて六道という構造を成していきました。こうしたなか1~2世紀頃、ガンダーラでヘレニズム美術の影響下で仏像は生まれました。さらにシルクロードを経て、中国に渡り、日本に来歴するまでに進化変容していったのです。
 本書では日本に存在する多用な仏像の履歴に迫り、なぜそのような像が生まれてきたのか豊富な写真・図解でわかりやすく解説します。籔内流仏像拝観術の第3弾、どうぞ心してご覧ください。



第1回 仏教はグローバル   ~仏像からみるユーラシア古代世界~
第2回 仏界と六道輪廻    ~天部の神々~
第3回 籔内流 阿修羅のすべて
第4回 鬼を考える      ~中国の鬼(キ)と日本のオニ~
第5回 “ほとけの世界”を学ぶ ~仏教伝来と法隆寺~
第6回 多面多臂(ためんたひ)のほとけさま ~密教って何?~
第7回 日本で進化した木のほとけ ~にっぽん木彫仏1500年の歴史~
第8回 “荘厳(しょうごん)”が語る仏教世界 ~光の世界のほとけさま~
第9回 籔内流 仏像検定(総集編)


仏像を俯瞰して理解するにはとてもよい内容だと思いました。
個々の仏像を探求することにより、仏教の歴史的成り立ちや仏師の系譜にまで言及しています。

・仏には階級・序列があり、歴史の中で仏教が取り込んできた宗教の神々が形を変えて存在している。初期のバラモン教由来神は高位であるが、敵対したヒンドゥー教ゾロアスター教の神々は位が低く設定されていること。

・阿修羅の二面性~戦う顔と穏やかな顔は、その役割により使い分けられたこと。

・中国の鬼は六道輪廻界の「餓鬼」に生きる邪気から来ているが、日本に渡ってから独自の発展を遂げ、調伏して明かりを灯す役割を担うに至るという改心した軟らかいイメージが重なり、日本の鬼になったこと。

・多面多臂(ためんたひ)の仏像は密教の呪術的要素が反映され、その大元はヒンドゥー教の自在に変化(へんげ)する神々に由来すること。

・唐から渡ってきた鑑真一木造りの仏像を日本に伝え、榧(カヤ)を用いた木彫が一世を風靡した。その後、大量生産の必要に迫られ、定朝(じょうちょう)によるヒノキを用いた寄木造りが主流になっていったこと。

等々。

しかし、ひとつ残念なことがあります。
生徒役である篠原ともえの仏像ガールを気取った過剰なリアクションに辟易しました(次回は他の人に替えて欲しい)。
彼女がハイテンションでがなり立てていた頃を知っている私としては、猫なで声で丁寧語を使う慎ましい女性を演じても白けるだけ。うっとうしい。


<参考>
・2011.1.3放送 日テレ「たけしの教科書に載らない日本人の謎!仏教と怨霊と天皇…なぜホトケ様を拝むのか
コメント
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