2019年愛媛県松山市
去年、一方通行の駐車場を突如逆走してきた車に盛大ぶつけられ、
徐行運転してましたが左肩の小さい筋肉を損傷したということでした。
最終的な診断を受けるまでにほぼ11か月かかりました。(*注1参照)
話を端折りますと、
このケガの影響で不安症候群にかかりました。
集中力がなくなり、仕事も難しくなりました。
ケガからメンタルの不調につながるとは思ってもいませんでした。
そしてこの新型コロナのロックダウンが3月中旬に始まりました。
我が家はとある事情で家を一歩も出られない期間が何か月も続きました。
端折って端折って・・・
加えて私の今までの人生での無理もたたり、かなりの深みに落ちました。
ニュースで有名な方が命を絶ったことを読んだりすると引き込まれそうになり、
特に好きだった方でもないのに自分がどこにいるのかわからなくなるくらいでした。
交通事故の保険でケガの治療を受けてきているのですが、
治療を続けるにあたって、保険会社から定期的にかかりつけ医の診察のリクエストが入ります。
3月末にかかりつけ医との電話診療でケガの状態を話して、念のために睡眠導入剤を処方してほしいと頼んだら、
保険会社から連絡が来て、臨床心理士かカウンセラーを選んで予約を取るように言われました。
そして、作業療法士の予約を取ったからオンラインで診療を受けるようにとも言われました。
おりしも新型コロナ禍で臨床心理士やカウンセラーの需要が高まっていて、
色々な先生に問い合わせましたが、新しい患者を取る余裕がないと言われました。
運よく一人時間を取ってくれるカウンセラーが見つかりましたが、予約はなかなか取れないですね。
作業療法士さんは、予約を取るために電話してきて留守電にメッセージ何度も入れてくれたんですけど、
ほんとに若々しい元気いっぱいの声で(それ自体なにも悪いことはありません)
当時の私には彼女の録音メッセージを聞くだけでずいぶんとエネルギーを消耗してしまい、
保険の担当者の人にメールを書いて、今はとても彼女の元気さを受け入れられそうにないと説明し、
先にカウンセラーさんと話すまで一か月ほど待ってもらいました・・・はぁ。
それから今まで、カウンセラーさんとは月に2回、作業療法士さんとは週に1回、
パソコンの画面を通して話をしています。
お二人ともたまたま家族か親戚に日本人がいて、たまに微妙なニュアンスを理解してもらえます(笑)
一回一時間泣いたり笑ったりです。。
作業療法士さんは毎週宿題をくれます。
宿題ちゃんとしたら結果が出るよ、といつも言います。
こころの状態は波があり、波動の底に来た時が何度かありました。
一番つらかった時の宿題は、
好きな箱を見つけて(またはデコレーションして)その中に
①どうしようもなくなった時に電話できる人の名前と電話番号を書いた紙
②メンタルのヘルプラインの電話番号を書いた紙
③それを見たら気分が穏やかになるもの、写真も可
④生きる理由を書いた紙
⑤大切な人からのメッセージが書いてある紙(書いてもらうか、書いてもらったもの)
⑥状態がいい時に書いた、つらくなった自分に宛てたメッセージ
を入れて、その箱を開ければ大丈夫という事を覚えておくこと、でした。
④の生きる理由・・・なのですが、これがなかなかの課題ですね。
子どもたち、と言えばそうなのですが、
末っ子も2年弱で大学進学のため家を出るつもりにしているので、
もう世話をすることもなくなるし、世話をする年齢でもなくなるし、
やっぱりそういう事じゃないと思うんです。
Stay grounded...
あなたが今そこにいる、生きている、と感じることが大事なのよ。
と作業療法士さんは強く明るく言うのです。
それはよくわかるんだけど、今の私にはすごく難しい。
ぶれない私でいることも・・・。
私は今まで生きてきて自分の事や気持ちを優先したことがほとんどない。
人に助けを求められることは多々あっても、人に助けを求めることが苦手。
迷惑かけるんじゃないか、自分で解決できるんならその方がいい、と思ってしまう。
忙しすぎる日々のなか、自分の事は先送りしてその時その時にやるべきことをこなしてきた。
走り続けてきたので、立ち止まって何が大切なのか考えることをしてこなかった。
自分のために何かする時間もないし、できたとしても罪悪感を伴いがち。
だから今、あなたは誰? これからどうしたいの?と言われて立ちすくんでしまうんです。
こんなに時間があったことはなかったし。
子どもたちのため生きる・・・それは間違いない。
でも、私は巣立とうとする子どもに追いすがるようなことはしたくない。
自分の命を最大限輝かせて広い世界で飛躍してほしいと思って育ててきたのだから・・・。
新型コロナ禍と、アメリカ西海岸の山火事の煙害で、
思うように人に会えず行動が制限されて精神的にも大きな負担がある今、
自分の心の中を掘り下げるのは余計にしんどい作業ですが、
空の巣になってからショック受けるより、その前に再構築できればそれが一番かなとも思ってます。
まだまだトンネルの出口は見えてこないですね。
あまり無理せずできればいいなぁ。
*注1)
ここでは基本的に医療は無料です。うちの州は今年の1月から健康保険料も無料になりました。
ただし、歯科や理学療法などは除く、です。
まずかかりつけ医にかかって、そこから検査や専門医などに回してもらいます。
たとえば超音波検査などをすれば、そこの技師さんに「どうなってます?」とか聞いてみたくなりますが、
厳格な分業のため、教えてくれません。
かかりつけ医⇒検査機関の技師さん⇒診断医⇒レポートを受け取ったかかりつけ医
の順をたどって、やっと結果がわかります。必要ならばそこから専門医へ紹介。
はじめに何か問題があった時から専門医の診断を受けるまで何か月もかかるのは普通。
手間暇かかりすぎる医療無償がいいか、日本のように自分の選んだ専門医に直接行けるのがいいか、どっちでしょう。
あ、注2がなかった