お~カナダ! たてよこナナメ歩き

主にカナダ🇨🇦西海岸の生活話と少しアメリカ🇺🇸のことと音楽について

Set Limits 無理しないように

2020-12-30 16:38:51 | 2020年の暮らし


引き続きソーシャルロックダウン中で、同居している人以外は基本的に会えませんので、クリスマスはオンラインでビデオ通話で娘たちと話をしながら過ごしました。

毎日雨が降っているので、たまに小雨になるときがあれば歩きに行くぐらいで、あとは大掃除したりして家にこもっています。

クリスマス前に少し雪が降って道にも氷が張っていたりで、警告表示がありました。




今日は用事の帰りにどうしてもハンバーガーが食べたい息子のお願いがあって、ハンバーガーのお店に持ち帰りで買いに行きました。前回出された新型コロナ感染拡大防止の条例で、やっとお店に入るときにマスク義務化になりました。お店にはマスクをして、人数制限を守って入り、注文と支払いが終わったら外で待つ・・・という順序なのですが、支払いした後、ドリンクを渡したいのでちょっと待ってと店員さんに言われて待っていた時のこと。

東アジア系の中年男性が入ってきて注文を始めて、割引クーポンをレジの人に渡したのですが、クーポンをスキャンしてもうまく割引が反映されなかったみたいで、手間取っていました。注文の詳細と金額は客側から見えるスクリーンに表示されます。それを見て自分の思った金額と違うのを発見したみたいで、男性が何か説明しようとしたのですが、英語があまりよく話せないようで、意思の疎通ができていませんでした。

それを店の外で見ていた奥さんらしき女性が大股歩きで入ってきました。マスクはつけてるけど人数制限無視です。すでに待っていたお客さんがあったので、狭い店内で距離が保てなくなり、ビックリしました。どうしたらいいかなぁと思いながらドリンクを待っていたのですが、突然その女性が大声で怒鳴り始めてもっとビックリ。合計金額が自分の思っていたのより日本円にして100円ほど高いと言って怒り出したのです。

ほかに待っていたお客さんが私の方を見て目をぐるっと回して、なんてこった!というメッセージを送ってきて、自分の注文はあきらめて出て行ってしまいました。女性の怒りの抗議が延々と続き、レジ係の人の上司が出てきました。そこからもっと暴力的な言葉がエスカレートしてきたので、私もいたたまれなくなってしまい、外に出ました。

すると、入り口の外で待っていた、年配の女性が微笑みながら私に声をかけてきました。

「私はいいから、寒いから中に先に入って」と。

「私はもう注文は終わったんですが、攻撃的な怒鳴り声に耐えられなくなって外に出てきたんです」と説明。
「でも、ここでは寒いでしょう」と心配してくれました。
私があまり厚くないコートを着ていたからかもしれません。
それでちょっと気持ちがゆるんだのか、思わず

「悲しいことが多すぎるいま、こんなつらい光景を見ていられないんですよ・・・」
と吐き出してしまいました。

その女性も
「そうよね、バスに乗ってもお店に行っても誰かがとげとげしい言い争いするのを見かけるよね。つらいよね」
「はい、気持ちが荒れるのはわかるんですけど、こういう時だからこそもっとお互いに思いやりを持って穏やかに暮らしたいですよね」

そうやって静かに話していると気持ちが少し落ち着きました。

暴力的な言葉で責められていたレジの人が注文のものをもって出てきてくれたので、目を見て
「ありがとう、いい新年を!」と精一杯気持ちを込めて声をかけたらちょっとにっこりしてくれてホッとしました。

立ち話していた女性とも、健康でいい新年を迎えてくださいね、と言って別れました。

私はちゃんと周りが見えているかな。
これからも大丈夫かな。

ハンバーガーを息子に渡して
「もしお母さんがなんか変だと思うことがあったらちゃんと教えてよ」
と頼みました。

文句を言っていた女性は虫の居所が悪かったのか何なのか・・・瞬間湯沸かし器みたいな突然の理不尽な怒りかた。会計が正しくなかったとはいえそれもたった100円ほどのことだと思うのですが、その負のエネルギーがあまりにも強くて圧倒されてしまいました。

私が春からずっとお世話になっている作業療法士さんとのリハビリの過程で、いろいろな意味で自分の限界を知って無理をしないことが心身共に大切だということを常々話しています。
忘れがちなので、明るい黄緑色の紙に書いて壁に貼っています。


今日あの場面で私が割って入って仲裁するというのは現実的には無理だったと思うので、自分の限界を感じて外に出たのは正解だったのではと。

凍って滑りやすくなってる道でつるっと転ばないように・・・







Do What U Feel とのせめぎあい

2020-12-09 10:33:04 | 2020年の暮らし


夏の初めにマンモグラフィーの予約をしてくださいという通知をもらい、少し経ってから予約を取ろうと電話したところ、私がいつも検査を受けている検査施設は2021年の3月まで予約がいっぱいと言われ、では隣の市のはどうかと思って聞いてみたら2021年の4月という。
予約センターの人が、某病院だったら11月の終わりに空きがあると言ってくれたので、病院は嫌だなと思ったけど背に腹は代えられず予約を取ってもらった。
新型コロナ感染対策で、多くの人を一度に受け入れることができないのだろうな。
今まではここまで待たされることはなかったから。

夕方の道が混む時間帯に、縫うように車線変更をしながらなんとか病院にたどり着いてみると、やはり通常よりは人が少ない感じがした。
よさそうなところに車を停めてから、久々のストレス満載の運転の後だし、ちょっと深呼吸してひとやすみ。

この病院は何年も前、末っ子が野球の練習試合のウオームアップのとき近くにいた子が急にバットを素振りしたのがヘルメットの下に直撃して眉毛のところから大量出血した時に救急に連れてきたところ。
額からぼとぼとと血が流れ落ち、頭が割れてしまったのかと思うほどで生きた心地がせず、どうやって運転して病院までたどり着いたか覚えてないくらいだったし、待合にいる間、血まみれの子どもを見る人の視線が突き刺さるように思えた。
あれから時間が流れ、幸い縫ってもらったところは言われなければはっきりとはわからないほどに回復したけれど、打ち所が悪かったらどうなっていたかと思うといまだに背筋が凍る。

そんなことを思い出しながら、車を降りて駐車料金を払おうと思って支払いの場所を探す。
やっと見つけたところに行ってみると



支払いのために人が集まるのを避けるためなのか、入力キーを不特定多数が触ることによって感染拡大の可能性があるのがダメなのか。

いずれにしても、待ち時間が長くなったときに駐車料金追加の心配しなくてもいいのは助かる・・・。
ただ駐車料金は病院の収益の一部になるのだから大変だろうなと思う。

前回は救急から入ったので入り口はどこかと探して行ってみると



人影がなく、誰も入って行かないのでここでいいのか迷う。
入って行くと女性が一人椅子に座っていた。
私は自分で作った布製のマスクをつけていた。
女性が「手指消毒してマスクを外して」と言った。
ん?
マスクを外したら、長いトングで医療用の不織布マスクを箱からつまんで渡してくれた。
そういうことか。。。

受付に行くと、普通は保険証を出してと言われるけど、今回は見せるだけにしてと言われた。
名前の確認をするだけ。
廊下に貼られたピンク色のラインをたどって検査室に行ってと言われる。

検査室の入り口に狭い空間があって、先客がひとり。



空いている椅子が二つあるけどどちらにも座らないでという紙が置いてある。

どうしたもんかな、廊下で待った方がいいのかな。

思う間もなく、待っていた人が話しかけてきた。
話がとまらない。
前回ここに来た時にコロナの症状チェックがなかったから本当に心配になって何人もの人に抗議したこと、今回は症状チェックがあってよかったこと、インターネット上の口コミではここのマンモグラフィーの評価が高いこと、今の状況は本当に悲惨だということ・・・。
マスクはしているんだけど、狭い空間で距離も近いし延々話しかけられるのは不安になってきた。

その人が検査技師さんに呼ばれて検査室に入って行った。
すると今度は検査技師さんに向かって延々とあれこれ話し始めた。
検査室はもっと密閉空間なのに・・・。技師さんが気の毒になってきた。

すぐ後に、別の人が待合スペースに入ってきた。
この人も私を見ると話しかけてきてとまらない。

自分の家族以外の人と会ってしゃべることが長い間できていないから、みんな人恋しい気持ちが抑えられなくなるのかな。
こんなに長い間、同居家族以外の人と交流できない生活をすることはないもんなあ。

でもやっぱりちょっとこわい。

私の番になったが、最近のシステム変更のせいで名前が見つからないということで、あとから来た人が先に診てもらって私は後回しということになった。
時間がかかってしまったけど結局検査はしてもらえて、外に出てホッとした。

救急の入り口には、カフェのテラス席などに寒い時置いてある式の暖房があった。
外で待たないといけなくなることもあるのだろうな。



手指を念入りに消毒して、車に乗り込んでからなんだかどっと疲れが出た。

そして、まだこの余韻が残る数日後のこと。
この病院から電話がかかってきて再検査を告げられた。
もう一度マンモグラフィーとエコー検査をするって。
再検査はクリスマスイブの早朝。
そういえば10年以上前もクリスマスイブに大病院でエコー検査やったことがあったな。
検査技師さんが眉間にしわを寄せてため息つきながら1時間近くかけて検査してくれた。
感謝しかない。

昨日、州政府の会見があった。
感染急拡大のため二週間前にソーシャルロックダウンに入っていたので、注目は、規制が少しは緩和されるのか、このまま続くのか、それとももっと厳しい規制が告げられるのか、ということ。
具体的にいうと、州民の最大の関心事は「クリスマスに同居家族以外と集まって過ごしてもいいのか」ということ。

結果としては、規制はもっと厳しくなり1月8日まで延長。
キリスト教だけでなく、これから続く宗教的行事に限らず同居家族以外と過ごすことはできない。
なので、私も少なくとも1月8日まで二女に会うことができないことが確定した。
長女はアメリカ在住なので初めからあきらめていたけれど・・・。

会見を聞きながら、この規制をどれくらいの人が守るんだろうかと思った。

病院で会った知らない人にでも延々と話しかけたくなるほどみんな疲れている。
案の定、ツイッターなどを見ていても、政府系の通知やニュースの記事などに返信するかたちで「これだけいろいろ頑張っているのになぜこんなにひどい罰を受けなければいけないのか」などのメッセージがたくさん投稿されているのを見る。
怒りや落胆をどこにぶつけていいかわからないのかなと思う。

病院が、新型コロナ以外の患者さんや病気発見のための検査に来る人のためにもちゃんと機能できるように守るため、医療関係者の負担を軽減するため、学校や必須のサービスを閉鎖しなくてもよくするため、感染症に弱い人を守るため・・・
マスクをしてお互いを守るという、こちらの人たちには新しい概念とか・・・
繰り返し伝わってはいるのだけれど。

今朝運転していて
Do What U Feel
という歌がかかって、歌詞をなぞりながら気持ちに重いものがのしかかってきた。

『人がなんと言おうとも、自分の感じるままに』

『(勇気を出して)思うとおりにやってみて』

という歌なのだけど、今聞くと「人がどう思おうとも自分の思うようにやってみる」というメッセージがさまざまな意味を帯びているように聞こえてしまい、たとえば公共の場所でもマスクはしない選択とか、感染拡大防止のためにクリスマスはオンラインで、と言われても人と集まって過ごしたりとか、そういうことなどが浮かんできてしまって。
思わぬところに反応して思考回路が働いている気がする。

私もだいぶ疲れているなと思った今朝のこと・・・。





雑用などで忙しかったのもありますが、ブログを一か月くらい書けないほど、気持ちが落ち込んでいました。
自分のことながら、やっと帰ってこられてホッとしました。
またお邪魔します