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★「いのちのハードル」(木藤潮香著)【幻冬舎】
「1リットルの涙」母の手記
昨日読み終えた「1リットルの涙」。 若い所謂青春時代を闘病生活で終えた亜也ちゃんのお母さんが、その看護の一部始終と家族たちの協力と多くの人に助けられたことを、彼女の命の火が消えるまで書き綴った手記である。 実は『1リットルの涙』が映画化されたのに観ていなかったので是非原作だけは読みたいと思ったのだが、本人以上に家族がどう彼女に立ち向かったのかが知りたくて、この本を先に読んだ。
気丈なお母さんは決して亜也ちゃんをハンディを背負った人間として彼女を扱わなかった。 どんなことにも自分が怯んでは彼女のためにならないと、彼女以上に頑張っていたのかもしれない。 人は、たとえ親兄弟であっても、看病に疲れて人を殺めてしまう場合もあると聞く。 それは肉体的にまた精神的に行き着くところまで追い詰められた人間でしかわからないのかもしれない。 ただ生きることにポジティブでなければ、彼女にとって少しでも生き延びる術はないと感じていたのでしょう。 明るく強く接する姿は、自問自答をしながら、試行錯誤をしながら、彼女のやらなければならない道筋をしっかりと教えていたに違いない。 普通の親が誰でも出来るような苦労ではないと思う。 それはこの本の中に凝縮されていると思う。
実は昨日読み終えた亜也ちゃんが残した「1リットルの涙」より、僕はこのお母さんの書いた「いのちのハードル」の方が、涙の量が多かった。 自分の力では何も出来ない、最新の医療でも僅かな延命の手助けしか出来ない、こんな現実を背景に亜也ちゃんも闘ったが、本当の意味で闘い続けていたのはこの亜也ちゃんのお母さんである木藤潮香さんだと僕は思う。
昨日も書いた亜也ちゃんの主治医だった山本先生に亜也ちゃんは全幅の信頼をおいていたという。 お母さんの手記の中にこんなくだりがあった。
亜也はどこにいても山本先生がついていてくれると、安心して闘病生活を送ることができた。 「医師をしている限り亜也ちゃんを見離さないよ」と言って下さった言葉に、どんなに励まされたことか。
「先生、わたしと同じ病気で苦しんでいる人のために研究を続けて下さい。 そして、今まで、私のために沢山の愛と力を与えて下さったこと、感謝します」
十年の闘病後、若い生命をとじた亜也は、自分の体を信頼する先生に捧げた。
献体したのである。
何だかこれを書きながら何度も目頭が熱くなってきた。
映画はもう東京では上映していない。 他のブログを読んでいると、同様に観たいけど近くでは上映していないということが多々書いてある。 僅かな日数でもいいから、もう一度上映してもらえないだろうか、と強く思うのである。
命の儚さゆえに、かけがえのない命だと思います。
お母さんも気丈に振舞う姿の裏での、壮絶な葛藤苦しみ悲しみ、この本にはいろんな事を教えて頂きました。
>「いのちのハードル」の方が、涙の量が多かった。
私もそうでした
わが子ゆえに自分が変わってでもその苦しさを軽減させてやりたい・・・
そう思うのは子を持つ親なら当たり前のことです。
彼女が最期に世間の目を気にせず、嫁に出してあげたことに
手放しの賛辞を送りたいと思います!
こちらにもTBさせていただきますね。
ドラマでも、お母さんの接し方が素晴らしかったので、
(薬師丸ひろ子さんもよかった)
この手記も読んでみたいと思っていました。
一度図書館で探したら貸し出し中だったので、
また見てみようと思います。
>ドラマでも、お母さんの接し方が素晴らしかったので、(薬師丸ひろ子さんもよかった) この手記も読んでみたいと思っていました。 一度図書館で探したら貸し出し中だったので、 また見てみようと思います。
是非読んでみて下さいね^^
ご家族の“想い”もそこに込められていると思いますので!