CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

明治という時代を考える(3)

2025-02-09 14:13:53 | その他
 小国の日本が大国のロシアとの戦争に勝ったことを評価されることが多いようですが、着物姿で刀を下げていた侍の世からわずか半世紀後のことなのです。日露戦争の勝利はイギリスのおかげです。勿論、日英同盟を成し遂げた小村寿太郎という人物があってこそなのですが、下関戦争でイギリスに大敗した経験を持つ伊藤博文は日英同盟は不可能だと考えてようです。イギリスがスエズ運河を封鎖せず、バルチック艦隊がスエズ運河を通過していれば、燃料補給の不安もなく、連合艦隊に勝利していても全く不思議はなかったのです。当時の燃料は石炭で、途中の補給網をイギリスが遮断したことも大きかったといわれています。

 これが太平洋戦争で燃料が石油に替わり、軍艦ではなく戦闘機が勝敗を分ける時代にアメリカと戦争して勝てるはずなどあるはずはなかったのです。これまで海戦では負け知らずだったこの国も空からの攻撃にはあまりにも無防備でした。最後は空からの原子爆弾2発で終戦になる訳です。

 日清戦争は韓国の独立という名目で始められました。西郷の征韓論を諫めた政府が、結局、その先にある清との戦争に突入して行くのです。そもそも西郷の征韓論は朝鮮との平和的な国交回復でした。当時の朝鮮は、西欧化する日本を軽視する態度をとり、日本の国書を拒絶するなどの行動を続けていたのです。この状況を受け、西郷は自らを全権大使として朝鮮に派遣し、対話によって問題を解決しようと提案したのが後に征韓論と呼ばれるようになったのです。一方、共に明治新政府樹立に貢献した大久保利通は西郷の派遣に強く反対します。大久保は朝鮮の背後に清国やロシアといった大国の存在を見ており、戦争が日本の国家存亡を危うくする可能性を懸念していました。今は朝鮮を刺激せず、西洋と肩を並べる近代的な軍事力を持つことが先決と考えていたようです。共に考えていることは同じなのに、何故、この二人が対立することになったのか?

 個人的には明治天皇に気に入られていた西郷に対する大久保の嫉妬だったと思っています。当時は参与ですらなかった大久保は様々な手を講じて参与という地位を手に入れます。ルール無視の強引な手法で、最終的に西郷の朝鮮派遣は中止に追い込んだのです。土壇場で覆された西郷は職を辞し、不平士族の受け皿となり西南戦争へと突入して行くのです。その大久保も不平士族の手により暗殺されてしまうのです。日清戦争は西南戦争から27年後のことでした。
 



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Y1Rsの功罪を考える

2025-02-09 11:13:07 | ツーリング
 ブエルタ・ア・ラ・コムニタット・バレンシアナのクイーンステージでバーレーン・ヴィクトリアスのサンティアゴ・ブイトラゴが勝利し、総合首位に立ちました。リーダージャージのアルメイダは集団スプリントに持ち込まれステージ7位に終わり総合2位へと後退してしまいました。

 前日の2位で何とか一度はリーダージャージーに袖を通したもののUAEチーム・エミュレーツのベテランアシスト勢の調子はイマイチのようです。絶対的な強さを見せるはずのチームTTで敗れた時から違和感はあったのですが、このレースではステージ優勝が1度も無いのです。今日の最終ステージは平坦なのでよほどの風でも無い限り8秒というタイム差を逆転するのは難しいでしょう。

 昨日から始まったツアー・オブ・オマーンではヴィスマ・リアースバイクのオラフ・コーイがスプリントで勝利しています。ポガチャルが出場するUAEツアー前の大切なレースのひとつですが、アダム・イエーツがどのような走りを見せてくれるのでしょう。

 このレースでアダム・イエーツがY1Rsに乗っている写真がXにアップされていました。写真を見る限りチームとして使うようではないようです。マイカはV4Rsに乗っていますし、この日スプリントで10位に入ったGen-Zのルカ・ジアイミもV4Rsに見えました。女子は全選手が使っていましたが、男子はエースだけが使うようです。

 この日クイーンステージを迎えたUAE女子ツアーで勝利したエリサ・ロンゴ・ボルギーニのバイクはV4Rsでした。前日の強風のステージで威力を発揮したY1Rsですが、やはり重量があるため山岳ステージでは使用されないようです。この日のステージで2位に2分以上のタイム差を付け、ロンゴ・ボルギーニがUAE女子ツアーの総合優勝を確実にしています。

 昨年はTeam SD WorxやLidl-Trekに圧倒されていたUAEチームADQですが、今年は今のところ女子ツアーのトップに位置しているのです。対して男子のUAEチーム・エミュレーツは移籍組と若手の活躍で世界ランク1位をかろうじてキープしていますが、ベテランアシスト勢には一抹の不安が残ります。UAEツアーでポガチャルのアシストは誰になるのか?アルメイダやシバコフはツール・ド・フランスに照準を合わせているのかもしれませんが、アダム・イエーツやラファウ・マイカの走りはどうなのでしょう。

 昨年暮れにコルナゴが最新エアロロードY1Rsを発表して話題になった時から感じていたことですが、V4Rsでも十分勝てるのに、Y1Rsを敢えて投入した理由です。コルナゴにエアロロードが無かったこともあるのでしょうが、実戦でどれほどのメリットがあるのか?ここまでの女子チームの成績を見ると強風区間等でのメリットがあることは間違いなさそうです。

 ただ、登りのステージではV4Rsを使っているので、スペシャライズドのターマックSL8やTREKのマドンGEN8、cannondaleのSupersix EVOのようなオールラウンドではなさそうです。ヴィスマ・リースアバイクのようにS5とR5の使い分けはある意味時代遅れなのです。

 バイク交換のタイムロスや2種類のバイクを管理するメカニックの負担が増えることは大きな問題になるからです。V4Rsに乗りなれた選手の中にもY1Rsを使わないという選択肢もあるのかどうか?この新型バイクの投入がUAEにとって吉と出るのか凶と出るのか、チーム内で選手が使うバイクが異なっている状況をどうみたらいいのでしょう?
 



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