二人で朝食を食べた。
食堂の雰囲気は、それぞれが静かに食べている感じだ。
今はパーテーションもあるからよけいにそう感じる。
特に私たちは遅く行ったのでもう残ってる人も少なかった。お友達などできるのかと少し不安になった。
介助の必要なくらいの方が一人で黙々と食べていて、頑張ってるなって感心した。できることは自分でと言うのはいいなって思う。
いったん私はウチに帰り、母は昼食を一人で体験した。
昼過ぎに母を迎えに行き二人で歩いて帰った。
昨日よりもゆっくりと歩く。
マンションの前で待っていた夫が明るく迎えてくれた。
その後、仕事先から「ママしんどそうだった」と連絡をくれた。
近いからここがいいと思ったが、なかなかどうしてしょっちゅう行き来するのは難しそうだった。
夕方施設に戻り、おやつを買って食べてると、
また「一人で帰るわ」と言う。
「前にも一人で来れたし、何でも聞きながら行けるから」と言う。
数年前に来てくれた時のことを言ってるのだった。
「前は物忘れもなくてはっきりしてたからね」と言って思いとどまらせる。
「ここに住んだら知ってる人一人もおれへんね」
「友達作らなあかんね」
「卓球やるような体育館あるかな」
そんなことをぽつぽつ話す母。
今は週に一度卓球に行って、帰りに5人くらいの方とお昼ごはんを食べ、おしゃべりしている。それがなくなってしまう。
以前そのことを聞いたときは、「友達はまた作ればいい」と言っていたが、やはり不安は大きいのだ。
母の思いを知った。