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準結晶-周期性なき秩序-

2011-10-08 06:31:48 | 物理化学
 2011年ノーベル化学賞は準結晶を現実世界に初めて発見したダニエル・シェヒトマンが受賞しました。準結晶に関してはウィキペディアの記事が必要にして十分な解説になっていますが、さらっと読むとペンローズ・タイルとの関連を見逃すかも知れません。

 先着競争で惜しくも及ばなかった蔡安邦(さいあんぽう)による日経サイエンスの記事があります。日経サイエンスには過去に以下の2つの記事がありますが、古い方はネットでは見えません。
  蔡安邦「準結晶はどこまで解明されたか」 (1996年7月号)
  平賀賢二「成長する正十二面体」(特集:準結晶,1990年9月号)

 物質科学からは余談となりますが、ペンローズ・タイルではある有限部分を取ると全く同じ構造がどこかに存在するのだそうです。で、それとは別の理論付けとは考えられますが、宇宙が無限であればどこかに地球周辺とそっくりの空間が存在する、と考えている人がいます。
  Max Tegmark「並行宇宙は実在する」日経サイエンス 2003年8月号

 記事を読む限りでは、私自身はTegmark理論は論理的におかしいと思いますが。

 今回のノーベル化学賞については、有機化学美術館のブログ(2011/09/06)にもざっとした解説とペンローズ・タイルの図がありました。さすがにプロは速い。準結晶に関する本の紹介もありました。
  竹内伸;枝川圭一『結晶・準結晶・アモルファス (材料学シリーズ)』内田老鶴圃; 改訂新版 (2008/11)


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