いわゆる小学校唱歌(文部省唱歌)には元歌を修正した替え歌が結構あるようです。
「輝く夜空の星の世界よ~」で始まる『星の世界』は現在ではどれくらいの人々が知っているのか知りませんが、これ、元は讃美歌らしい[Ref-1]。調べてみると、いくつものバージョンがあるようです。架空の神様を讃える歌が現実の美しい宇宙を讃える歌に変化したわけで、ある意味ではそんなに大きく変えたとは言えません。
Japaaanマガジンの記事[Ref-1c]にあるように、明治時代に西欧の民謡曲を唱歌として取り入れたものが多いらしいですが、スコットランド民謡を基にしたのが「夕空晴れて秋風吹き」から始まる「故郷の空」。元歌は"Comin' Thro' the Rye"。"Comin' Thro'" は"Cominng through" の短縮形で、"Rye"はライ麦ですが、ここではライ麦畑の意味になるようでスコットランドやイングランドの田園風景といったところ。まあライ麦の小麦に対する立ち位置は、アジアで言えば米に対するアワやヒエの立ち位置に似ているようですが。
英語、いやスコットランド語でもいくつもの歌詞のバージョンがあるようで、[Ref-2a]では、"Burns' lyrics"(バーンズの歌詞)と"lyricss usually sung"(よく歌われる歌詞)の2つが記載されています。
どちらも1番は同じですが、スコットランド語なので、「Gin = If」「cry = call out [for help]」と読み替えます。
Gin a body meet a body
Comin thro' the rye,
Gin a body kiss a body,
Need a body cry?
ライ麦畑をやってくる
バディとバディが出会ったら
バディがバディにキスしても
どうして騒ぐことがある?
以下、バーンズの歌詞で2番3番は違うところだけ示せば、
Comin thro' the glen
Need the warl' ken? 「warl' ken = world' know」
深い谷間を越えてくる
みんなが知ることありゃしない
Comin thro' the grain;
The thing's a body's ain.「ain = own」
穀物畑を越えてくる
そんなのバディの勝手だよ
まあ、全く「故郷の空」とは違った光景なわけで、楕円体の胴体が麦畑の上をふわふわと漂っているというファンタジックな光景・・・なんてのを想像するのは私ぐらいでしょうねえ、たぶん(^^)。
普及版の2番では "body" から離れて女の子(lassie)視点で歌われます。この訳はちと自信がないのですが。
Ilka lassie has her laddie 「Ilka = evry」
Nane, they say, hae I
Yet a' the lads they smile at me
When comin' thro' the rye.
どのこも彼氏がいるけれど
私にゃいないと皆が言う
けれど、あの人がほほ笑むの
ライ麦畑をやってきて
というわけで、wikipediaの「故郷の空」の記事にも書いてあるように、ザ・ドリフターズが歌っていた「誰かさんと誰かさん」の歌詞[Ref-3]が元歌に近いということでした。
----------------------------
Ref-1)
1a) wikipediaから、原曲「いつくしみ深き」
1b) 「讃美歌 うろ覚えと勘違い」(2019-12-24)
1c) 「文明開化が関係!?文部省唱歌「星の世界」はなぜアノ有名な讃美歌と同じメロディーなの?」(2019/10/25)。Japaaan > Japaaanマガジン > 歴史・文化。
1c) 弓削田健介「世界を旅する音楽室」から「星の世界(歌詞付き)小学生の音楽6年生掲載曲」のピアノ伴奏動画。いつくしみ深き(賛美歌312番)の歌唱もあり。
Ref-2)
2a) wikipedia英語版から、原曲「"Comin' Thro' the Rye"」
2b) wikipedia英語版から、曖昧さ回避
Ref-3)
3a) wikipediaの記事「誰かが誰かと(麦畑)」
3b) 歌ネットからドリフターズ「誰かさんと誰かさん」
「輝く夜空の星の世界よ~」で始まる『星の世界』は現在ではどれくらいの人々が知っているのか知りませんが、これ、元は讃美歌らしい[Ref-1]。調べてみると、いくつものバージョンがあるようです。架空の神様を讃える歌が現実の美しい宇宙を讃える歌に変化したわけで、ある意味ではそんなに大きく変えたとは言えません。
Japaaanマガジンの記事[Ref-1c]にあるように、明治時代に西欧の民謡曲を唱歌として取り入れたものが多いらしいですが、スコットランド民謡を基にしたのが「夕空晴れて秋風吹き」から始まる「故郷の空」。元歌は"Comin' Thro' the Rye"。"Comin' Thro'" は"Cominng through" の短縮形で、"Rye"はライ麦ですが、ここではライ麦畑の意味になるようでスコットランドやイングランドの田園風景といったところ。まあライ麦の小麦に対する立ち位置は、アジアで言えば米に対するアワやヒエの立ち位置に似ているようですが。
英語、いやスコットランド語でもいくつもの歌詞のバージョンがあるようで、[Ref-2a]では、"Burns' lyrics"(バーンズの歌詞)と"lyricss usually sung"(よく歌われる歌詞)の2つが記載されています。
どちらも1番は同じですが、スコットランド語なので、「Gin = If」「cry = call out [for help]」と読み替えます。
Gin a body meet a body
Comin thro' the rye,
Gin a body kiss a body,
Need a body cry?
ライ麦畑をやってくる
バディとバディが出会ったら
バディがバディにキスしても
どうして騒ぐことがある?
以下、バーンズの歌詞で2番3番は違うところだけ示せば、
Comin thro' the glen
Need the warl' ken? 「warl' ken = world' know」
深い谷間を越えてくる
みんなが知ることありゃしない
Comin thro' the grain;
The thing's a body's ain.「ain = own」
穀物畑を越えてくる
そんなのバディの勝手だよ
まあ、全く「故郷の空」とは違った光景なわけで、楕円体の胴体が麦畑の上をふわふわと漂っているというファンタジックな光景・・・なんてのを想像するのは私ぐらいでしょうねえ、たぶん(^^)。
普及版の2番では "body" から離れて女の子(lassie)視点で歌われます。この訳はちと自信がないのですが。
Ilka lassie has her laddie 「Ilka = evry」
Nane, they say, hae I
Yet a' the lads they smile at me
When comin' thro' the rye.
どのこも彼氏がいるけれど
私にゃいないと皆が言う
けれど、あの人がほほ笑むの
ライ麦畑をやってきて
というわけで、wikipediaの「故郷の空」の記事にも書いてあるように、ザ・ドリフターズが歌っていた「誰かさんと誰かさん」の歌詞[Ref-3]が元歌に近いということでした。
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Ref-1)
1a) wikipediaから、原曲「いつくしみ深き」
1b) 「讃美歌 うろ覚えと勘違い」(2019-12-24)
1c) 「文明開化が関係!?文部省唱歌「星の世界」はなぜアノ有名な讃美歌と同じメロディーなの?」(2019/10/25)。Japaaan > Japaaanマガジン > 歴史・文化。
1c) 弓削田健介「世界を旅する音楽室」から「星の世界(歌詞付き)小学生の音楽6年生掲載曲」のピアノ伴奏動画。いつくしみ深き(賛美歌312番)の歌唱もあり。
Ref-2)
2a) wikipedia英語版から、原曲「"Comin' Thro' the Rye"」
2b) wikipedia英語版から、曖昧さ回避
Ref-3)
3a) wikipediaの記事「誰かが誰かと(麦畑)」
3b) 歌ネットからドリフターズ「誰かさんと誰かさん」
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