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県によると、14日現在、受け入れに応じるのは古河市、牛久市、つくば市、かすみがうら市、稲敷市、境町、五霞町、利根町の8市町。当初、受け入れ意向を示していた北茨城市は、被害が大きく、電気や水道も復旧していないなどの理由で外れた。
県がリストアップし、国に提出した受け入れ施設は計94カ所。このうち県施設が20カ所、高校の体育館40カ所、市町の施設34カ所で、受け入れ可能な避難民の総数は1万4832人になるという。
国から示された受け入れ期間は当面1週間だが、福島第一の1、3号機で爆発が相次ぎ、避難指示が解除される見通しがたっていない。このため国は県に対し、避難が長期化する可能性があることも伝えている。
ただ、いつから移動が始まるかは未定だ。移動開始時期は国と福島県が調整したうえで、福島県がつくる避難計画に基づき決められるが、14日夕時点で、福島県側から茨城県に示されていないという。
県の問い合わせに対し、「800人可能」と回答した古河市は、市中央運動公園総合体育館や、とねミドリ館などの8施設を使う予定。市内は比較的地震の被害が少なく、停電や断水もないが、市民への対応は続いており、「受け入れ準備は、県からの具体的な話を受けてから対応せざるをえない」(市消防防災課)という。
500人を可能と回答した五霞町も「受け入れは申し出たが、人数やいつ来るかなどが分からない。すぐに準備を進められない」(町総務課)という。
一方、この日、計画とは別に福島県から茨城県内に避難する住民も現れた。
つくば市によると、14日午後2時ごろ、市民の避難所になっている市庁舎の会議室に、福島県楢葉町と大熊町の4世帯の6~81歳の男女7人がいるのを、市職員が見つけた。すぐに放射線などを測定し、異常が無いことを確認したうえで、避難所での生活を許可した。
7人は自宅や職場などで被災し、福島県いわき市内の小学校で12日まで避難していたが、余震が続くため、「南へ行こう」と車3台で南下。茨城県が受け入れを表明し、つくば市などが候補だと知り、市庁舎に来たという。
北茨城市には正午までに、いわき市から3家族計11人が訪れた。市は集会所に新たな避難所を開設し、今後も希望があれば避難住民を受け入れることを決めた。
豊田稔市長は「隣の市から頼ってきて断れない。人道上の問題だ。出来る限り対応したい」とした。
息子と母親の3人で避難してきたいわき市の安藤純子さん(49)は、地震で怖い思いをした上に、原発の事故があり本当にしんどい」と言葉少なに話した。
◇
福島第一原発での相次ぐ爆発を受け、県は空気中の放射線量監視を強化。北茨城市に1基設置している機器「モニタリングポスト」に加え、14日に高萩市、大子町にも1基ずつ増設した。
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2011年3月15日
東京電力福島第一、第二原発周辺で避難指示が出ている住民のうち、約1万5千人の受け入れを表明した茨城県。過去に例のない規模の避難民受け入れという事態に、県は国の要請から一夜明けた14日、想定する受け入れ施設を国に伝えるなど準備に追われた。一方、計画とは別に、福島県から住民が避難するケースも出てきた。県によると、14日現在、受け入れに応じるのは古河市、牛久市、つくば市、かすみがうら市、稲敷市、境町、五霞町、利根町の8市町。当初、受け入れ意向を示していた北茨城市は、被害が大きく、電気や水道も復旧していないなどの理由で外れた。
県がリストアップし、国に提出した受け入れ施設は計94カ所。このうち県施設が20カ所、高校の体育館40カ所、市町の施設34カ所で、受け入れ可能な避難民の総数は1万4832人になるという。
国から示された受け入れ期間は当面1週間だが、福島第一の1、3号機で爆発が相次ぎ、避難指示が解除される見通しがたっていない。このため国は県に対し、避難が長期化する可能性があることも伝えている。
ただ、いつから移動が始まるかは未定だ。移動開始時期は国と福島県が調整したうえで、福島県がつくる避難計画に基づき決められるが、14日夕時点で、福島県側から茨城県に示されていないという。
県の問い合わせに対し、「800人可能」と回答した古河市は、市中央運動公園総合体育館や、とねミドリ館などの8施設を使う予定。市内は比較的地震の被害が少なく、停電や断水もないが、市民への対応は続いており、「受け入れ準備は、県からの具体的な話を受けてから対応せざるをえない」(市消防防災課)という。
500人を可能と回答した五霞町も「受け入れは申し出たが、人数やいつ来るかなどが分からない。すぐに準備を進められない」(町総務課)という。
一方、この日、計画とは別に福島県から茨城県内に避難する住民も現れた。
つくば市によると、14日午後2時ごろ、市民の避難所になっている市庁舎の会議室に、福島県楢葉町と大熊町の4世帯の6~81歳の男女7人がいるのを、市職員が見つけた。すぐに放射線などを測定し、異常が無いことを確認したうえで、避難所での生活を許可した。
7人は自宅や職場などで被災し、福島県いわき市内の小学校で12日まで避難していたが、余震が続くため、「南へ行こう」と車3台で南下。茨城県が受け入れを表明し、つくば市などが候補だと知り、市庁舎に来たという。
北茨城市には正午までに、いわき市から3家族計11人が訪れた。市は集会所に新たな避難所を開設し、今後も希望があれば避難住民を受け入れることを決めた。
豊田稔市長は「隣の市から頼ってきて断れない。人道上の問題だ。出来る限り対応したい」とした。
息子と母親の3人で避難してきたいわき市の安藤純子さん(49)は、地震で怖い思いをした上に、原発の事故があり本当にしんどい」と言葉少なに話した。
◇
福島第一原発での相次ぐ爆発を受け、県は空気中の放射線量監視を強化。北茨城市に1基設置している機器「モニタリングポスト」に加え、14日に高萩市、大子町にも1基ずつ増設した。
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