用之必勝!?

偏ってますけど、反面、何でも「あり」ってこってす。 ぽりしぃ薄いッスけど、とりあえず、「横浜」贔屓です。

3/17 11:30 枝野官房長官会見

2010年06月09日 22時07分31秒 | 放射性ジジ

2011年3月17日16時27分
 枝野幸男官房長官の17日午前11時半の記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 国民の皆さん、関係者の皆さんに一点、物資輸送についてのお願いである。

 16日、防衛省において地方公共団体及び民間からの救援物資の自衛隊による輸送のシステムを構築をした。このスキームについて、救援物資の輸送の受け付けについては、都道府県が窓口となっている。

 地方公共団体や民間からの救援物資の自衛隊による輸送については、都道府県が窓口になっている。このため、救援物資を提供したいと考えの市町村や企業については、まず、各都道府県の窓口に連絡のうえ、調整いただきますようお願いする。

 また、生ものや腐りやすいもの、日持ちをしないものはご遠慮いただきたい。直接持ち込みの方がいらっしゃって若干混乱したようだ。柔軟な対応をする一方で、混乱を避けるためにも、ぜひこうした善意による申し出については都道府県の窓口に相談をいただくようお願い申し上げる。

 菅総理とオバマ大統領の電話会談について報告する。本日午前10時22分から52分まで、オバマ氏と総理が電話による会談を行った。

 オバマ氏から深甚なるお見舞いの表明があった。そのうえで、「当面の対応のみならず、さらなる原子力の専門家の派遣や中長期的な復興も含めて、あらゆる支援を行う用意がある」旨、あらためて総理に伝えてくれた。

 総理からは米国の支援に対する感謝の意をあらわした。また、「現在、原発事故に対して警察、自衛隊も含め全組織を動員して全力で対応している」旨を説明した。さらに、「米国から派遣されている原子力専門家と日本側の専門家との間で、引き続き緊密に連携していく」旨、回答した。

 福島第一原子力発電所の冷却のための放水については、ほぼ同時刻、放水作業を行った自衛隊、防衛大臣の方から報告していると了解している。この自衛隊の空からの放水と、警察には現地の地上からの高圧放水車による放水と組み合わせることによって、できるだけ早く冷却の実を上げるべく、最善の努力をいたしている。

 こうした中、周辺の皆さんには、退避をいただき、20~30キロ圏内の皆さんには屋内待機をお願いしているところだが、これまで退避された地域も含めて、病気や介護の必要な方、妊婦さんなどについては、できるだけ優先して対応してきている。

 現在、屋内待機の地域の皆さんに対しても、特に、こうした災害弱者の皆さんに対するフォローを全力で行っている。ぜひ冷静に落ち着いた対応を、特にこうした生活弱者の皆さんを支えていただいている医療関係、介護関係の皆様にはこの場を借りてよろしくお願い申し上げる。以上。

 【原発事故をめぐる放水作業】

 ――放水の効果は出てきているのか。

 いま実際に現地で、地上からの放水の準備と合わせて調査をしていただいている。

 ――昨日、自衛隊が上空からの放水を見送った。昨日の時点では放射線量は高濃度だったということだが、どのくらいの数値があったのか。今朝はどうか。

 詳細なデータ、数字についてはそれぞれ担当のところにおたずねをいただければと思う。そうしたデータに基づきながら、参考にしながら、国民の生命を守るという観点から、この事態を抑圧するために自衛隊、警察、現場の東電の皆さんはじめ、最大限の努力をしていただいている。そうしたなかで、今日放水に至ったということで報告を受けている。

 【米国の対応】

 ――米国の原子力規制委員会委員長が議会で、福島第一原発4号機について使用済み燃料プールの水はすべてなくなっている、と証言。日本政府の情報に基づいての証言なのか。

 おそらくそのご発言などがあって以降だと思うが、私どもの方から米国の専門家にこちらのより詳細な情報を提供して、すり合わせというか、認識が統一されているのかどうか整理させていただいている。

 この間、米国の専門家の皆さんには、できるだけタイムリーにこちらのもっている情報を提供して、分析をいただいて、そうした分析も参考にしながら対応しているところだ。どうしても若干様々なものをお渡しをするなどについての時間的ずれが生じている。

 特に4号機に現に水があるのかどうかについての情報については、若干米側に伝達するのに時間的な差があったという報告は受けている。

 【米政府の避難勧告】

 ――在日米大使館は第一原発80キロ圏外への退避勧告を行った。日本政府の勧告とは違うが、勧告は妥当か。日本政府として勧告を変える考えはあるか。

 私がもし日本の外で何か退避を要する事象が生じた時、それは原子力問題に限らないが、その場合における退避はまさに自国民保護の観点から、特に自分たちの国が直接コントロールしているわけではないので、より保守的な判断をするのは、日本政府の立場として在外におられる日本人に対してはそうだと思う。

 そうした意味でアメリカ政府が自国民保護の観点からより保守的な判断というか、勧告をされることは一定の理解をしている。

 一方で、現在の避難の圏内については、昨日からかなり多くの地点でモニタリングをして、特に20キロ~30キロの地点の放射線の量を把握している。

 本日も午前中のデータ、まとまったら文科省から公表されるものと思っているが、そうしたデータを見ながら、国民の皆さんの健康に被害を与えることがないような退避の指示をしてきているつもりだし、もし今後もそうした情報に基づいて適切に対応してまいりたいと思っている。

 ――同盟国がこうした対応をとると、日本国民と周辺住民の不安をあおることにならないか。

 一方で、先ほどオバマ大統領から菅総理にお電話があり、先ほどご説明しましたような両者間でのしっかりとしたコミュニケーションをとらせていただいているところで、ぜひ冷静に受け止めていただければと思っている。

 ――一部報道でアメリカ国防総省当局者が福島第一原発から半径約90キロ以内への立ち入りを原則禁止していると。把握しているか。

 当該報道を含めて私は認識していない。

 ――今回の事故は国際原子力事象評価尺度でレベル4とされているが、米仏はレベル6と言われている。

 これについては、当該機関で専門的な分析に基づいてそのレベルをご判定されるんだろうと思っている。いずれにしろ、日本政府としては国民の生命、健康を守るという観点から最善をつくすということに徹してやってまいりたいと思っている。

 【経済への影響】

 ――円高が進んでいる。対応や為替介入の可能性は。

 相場の問題なので、政府の立場としては、その動向をしっかりと注視をしていくというコメントにとどめさせていただきたい。

 ――何らかの経済に対する手当て、メッセージは。

 日本の経済の基本的な実力はこの地震によって揺らぐものではないと思っている。

 もちろん、いま現にこの影響によって様々な生産活動への限定的な制約要因がいくつか重なっているが、できるだけ早期にそうした状況から脱して、同時にもちろん日本のかなりの多くの地域が影響を受けているが、影響を受けていない地域においてはしっかりとした生産活動を含めて進められている。

 こうした状況と、そしてこの未曽有の状況に対して、しっかりと国民が結束して乗り越えていくんだという姿勢を世界のマーケットに示していくことが何よりも大事なことだと思っている。

 【5、6号機の状況】

 ――5号機、6号機は。

 詳細な数字は別途、当該担当責任におたずねいただければと思うが、しっかりと今モニタリングして、その動向を注視しながら対応している状況。

 ――冷却を始めている状況ではないのか。

 その報告は受けていない。ただ、まだ危険の高い状態に至るには若干の時間があるという報告は受けている。

 【原発対策と地震対策】

 ――官邸が原発対応におわれ、被災者支援が手薄になっていると民主党内からも指摘があるが。

 震災だけでも大変な事態であって、これに全力で対応する。同時に福島第一原発の事態、これが地震と関係なく起こったとしても、これだけでもそれに匹敵するぐらい大変な事態ということで、両面について菅総理は全力をあげて取り組んでいるところだ。

 そして、原発は海江田経産大臣、それ以外の震災対策は松本防災担当大臣を中心にですね、菅総理の下で万全の対応で努力をしてきている。

 まだまだ被災地の皆さんに大変なご負担、ご不便をおかけをしているが、最善の努力を進めてきている。若干、どうしても皆さんの注目がどうしても原子力発電所に強く注がれておりますし、また色々なものが変化をしながら事態が動いているということで、どうしてもそちらに対する動きばかりが目に付いてしまっているのかなとは受けとめている。

 両者をどちらもまさに全力で、どちらが大事とか、どちらが優先とかいう問題ではないということで、実際の仕事そのものは両輪で動いていることを理解いただければと思う。

 【自衛隊の物資輸送】

 ――冒頭の自衛隊の輸送システム。個人も含めて、政府が直接出す物資以外はすべてこれに一本化するのか、これで解決するか。

 詳細については防衛省とそれぞれ都道府県にお尋ね頂ければと思っているが、個々人のこういう時の被災者に対する思いはほとんどの国民の皆さんは強い思いをお持ちだろうと思う。

 個人のレベルで個々にそれぞれの物資をお送り頂くというのに、対応を個別にするよりも、いまは市町村単位でまとめて頂く、あるいは企業が大口でやっていただく、こういうことを基本窓口にして、自衛隊に現地に届けて頂くということ。

 そうした思いをお持ちの個人の方がいらっしゃいましたら、まずは市町村にお尋ね頂くのがいいんじゃないかというふうに思っている。

 それから輸送について、物資の輸送などについてだが、今日の朝の時点でタンクローリーなどの通行というか、従来から通行そのものを規制していたわけではない。

 自衛隊員のマネジメントを一昨日ぐらいから行い、相当のタンクローリーが現地に向かう状態で動きだしているということを業界の方から報告を受けている。

 【被災地の物資不足】

 ――被災地ではガソリンなど燃料が不足。避難所で不安を持っている人もたくさんいる、政府として燃料解消の対策や今後の見通しは。

 この問題については、早い段階から燃料は重要であると、特に寒い地域での冬の被災であるということで、特に重視して取り組んできた。一昨日くらいから、さらにしっかりと政治がイニシアチブをとって、マネジメントをしないといけないということで、そこから主に二つの大きなことを行う。

 一つは、異例中の異例だが、自衛隊の皆さんが、特に被災地の幹線道路などから遠いところに一番アクセスできるのは自衛隊。この自衛隊の持っている自らの燃料を直接提供すると、これは異例中の異例のことだが、こうしたことは決定、昨日だったか、一昨日の夜だったかに決定頂いている。

 もう一つは、現地に、被災地に燃料がなかなか届いていないということは、昨日もこの場で幾つか説明したが、合成の誤謬的なことが生じていて、どこか1カ所何とかすれば解決するということではなくて、石油を送り出す方、それからガソリンスタンドがちゃんと開いて頂くこと、そこで交通、流通、物流が確保されること、そしてそうしたことが外でどういうふうに燃料を確保されているのかを追尾することなど、トータルのマネジメントが必要だ。

 そのことについては一昨日の午後くらいからもういちど組み立てをしてまして、そしてそれに基づいて今日からタンクローリーが相当動いているということを業界のほうから報告をいただいた。

 避難所などの皆さんのご苦労はあまりあるものがある。全力をあげているので、もうちょっとの間、待って頂ければと思う。

 ――陸路が厳しいところに物資が届いていない。ヘリを使う手段などはどの程度取られているのか。

 具体的に何便飛ばしているとかということについては、まさに自衛隊におたずねいただきたい。この間、自衛隊による空路、それからここ数日は、被害を受けた港なども特に燃料については海路も含めて陸路の厳しいところについては必要に応じて物資を届けるというオペレーションは震災の翌日ぐらいから動き出している。

 ただ、実際には現地に届いていないということについては、どこにそのニーズがあるのかということの把握、掌握、それから例えば一つの地域において、分散して避難所があるということの中で、その地域の中で物資を分けていただくということについて、それぞれの地域にお願いをしなければならない。

 こうしたこととの全体の中でなかなか現地に届いていない、あるいは不足をしているという部分があるのは認識している。従ってとにかくそういった地域の送る量を多くするということについて全力をあげて取り組んでいるところだ。

 ――市町村レベルで労力が足りないところは。

 そういう市町村があることは当初から当然認識、想定している。そうしたことについては市町村に直接かかることなく、一義的には制度上、県だが、県のほうに国のほう、総務省からバックアップし、その結果として県のほうは当該地域をバックアップする。

 なおかつ、行政そのものがダイレクトではなくても、そうした地域については物資をおろすなどについては進めるように指示してきている。

 【原発事故、通常電源の効果】

 ――通常電源の確保で、冷却のための注水にどの程度効果があるのか。

 第一原発に外からの普通の電源をということに向けて、努力を進めているという報告は受けている。どの時点でそれがうまくいくのかということについては、まだ確定的なことを申しあげる段階ではないと思う。

 ――通常電源の回復の実現の見通しと回復した場合の効果は。

 現時点ではそれに向けて全力をあげているというのは私のところにあがってきている報告だ。当然、ぜひとも急いでほしいという指示を出している。これについての効果については一定の効果があることは間違いないが、それだけですべてが解決するわけではないということも同時に認識している。

 【原発4号機の火災】

 ――4号機の使用済み燃料プール。米側との情報にズレがあったというが、米側の専門家の見解を否定する情報を持っているのか。

 私が情報についての評価ができる立場ではないが、日本側が評価、判断した情報と米側に同じ情報をもっていただいて、ちゃんとご相談をしなければならないと。

 そこに若干、当然、日本側が収集している、日本の主権の中での情報でありますので、できるだけタイムリーにお出しをする努力をしていますけれども、特に4号機の状況については、届くのに時間的な差があった、という事実関係をご報告した。

 ――その4号機の状態はどうなっているのか。

 今の4号機の状況については、使用済み核燃料のプールの状態について大変、注視をしている状態だ。

 この状態が正確にどうなっているか、ということについては断定的な評価はしてない、というふうに聞いている。3号機のプールの状態のほうがより優先的に冷却をしなければならない状態であって、そのように空からの放水も3号機からまず行った、という報告を受けている。

 【買いだめ防止策】

 ――被災を受けた方に何かしなければとの機運がネットでも。一歩踏みこんだ買いだめ防止策は。

 被災地以外のところでも、モノがなくなっている、店頭にはいくつかの商品で見られている。現時点であるものが国内的に、全国ベースで不足して、守るためには買いだめをしなければいけないという状況になっているものがあるとは認識をしていない。

 全国の皆さんがそうした状況を踏まえて、冷静に対応して頂ければ、若干ご不便はかけることがあっても、その分を東北地方にお送りするということのなかで、被災者の皆さんの今の苦しい状況をサポートし、それぞれの個々の生活に大きな支障なくやっていける。ぜひとも買いだめ等に走らないでいただきたいと重ねてお願いを申し上げる。

 政府としては万全を期すためにあらゆることを想定した準備はしている。阪神淡路大震災のときに見られた日本国民の英知、今回の地震でも多くの皆さんから寄せられている声を考えるなら、わたしどものこうした呼びかけに国民の皆さんが応じていただいて、一種、法的、強制的な対応は検討はしているが、そこに至ることなく冷静な対応をして頂けるものと信じている。

 ――買いだめの防止策について、強制的な対応とは例えば、どんなことか。

 まさに今、検討しているので、検討している段階で軽々にお話申し上げるべきではない。また、その手段は使わないでいいように、私は日本人の多くのみなさんは良識的、冷静な行動をしていただけると信じている。

 【災害弱者対策】

 ――災害弱者のフォローの話。どんどん高齢者が倒れている。もうちょっと早く災害弱者の命を助けることができないのか。

 今、まさにそれこそ陸路が届かないところについては自衛隊、空路を含めて。それから国として、全国の自治体含めて医療関係者の派遣できるチームは現地にお送りして、しかも、できるだけ被害の大きいところにそうした皆さんに行って頂く努力はもう震災当日から進めてきている。

 また、同時にそうした弱者のみなさんを受け入れていただける自治体、受け入れる病院は、施設がないと。こうしたことについても、むしろ国が直接の部分は数に限りがあるので、各都道府県、市町村にもお願いをしている。そうした中で、全力を尽くしている。

 現実問題として、寒い避難所でたいへん厳しい思いをしていらっしゃる高齢者の方、多々いらっしゃることを大変厳しく受け止めている。全力を挙げて、一刻もそうしたみなさんの状況を改善するため、さらに努力してまいりたい、と思っている。

 ――関連して、避難・退避を含め、妊婦さん、乳幼児が一番影響を受けやすいと思うが、対策は。

 現在、測定されている。昨日の時点で測定さている、専門家のみなさんに分析いただいている数値では、そうしたみなさんも考慮した上で、今の指示の内容で適切であると認識をしている。

 しかし、そうした中でも、妊婦さんなどには、しっかりとしたフォローをしていかなければならないという認識はしている。特に医療関係や介護関係のみなさんに対してのお願いというのは現地で非常に頑張っていただいていると思うが、特にこうした原子力のほうについても、退避地域の介護関係、医療関係のみなさんには、繰り返しになりますが、繰り返し申し上げていますが、一日中24時間、外でいても健康に害を与える数値ではないということの中で、念のため屋内にいてください、少ないですからという指示なので、今の指示がある限りは、患者さん、介護を要するみなさんのフォローにしっかりと対応していただきたい。

 できるだけそうしたみなさんについては事前、あらかじめの相当の準備を組み立てるべく検討している。ぜひしっかりとしたフォローをお願いしたいと思う。

 【首相発言】

 ――確認したい。昨日総理が笹森内閣特別顧問と会った際に、東日本がつぶれるんじゃないかという発言をしたというが、事実関係の確認と、政府として最悪の場合、そういう事態を想定しているのか。

 笹森顧問がどういった発言をされたのか、直接承っていない。また、総理がどういうふうにおっしゃったのかも直接、承っていないが、私が総理などと話をさせていただいている中では、まさにたいへん大きな既に影響も、これは地震のことだけでもそうですが、それに加えて原子力だけでも、東北、あるいは東日本のさまざまな分野に影響を与えている状況であるので、これはこうした事態をさらに広げることがあってはいけないと。今の状況から何とか抑えてそれを沈静化させる方向に最大限努力しなければいけないと、そういったニュアンスのことは、総理はおっしゃっておられる。そうした趣旨のことだと私は思っている。

 【日米首脳電話協議】

 ――総理とオバマ大統領の電話会談で、米側があらゆる支援をしたいと言ったそうだが、冷却活動に米軍の直接の関与を打診する考えは日本政府にあるのかないのか。物資が不足している点について、米軍に要請する考えはあるのかないのか。

 これは昨日以来から繰り返し申し上げているが、すでに自衛隊の幕僚部と、米軍の司令部で実務的直接的にご相談をしていただいている。

 そうした中で可能なところから実施をしていただく、という段階に入っている。

3/16 18:00 枝野官房長官会見

2010年06月08日 23時20分09秒 | 放射能?

2011年3月16日21時36分
 枝野幸男官房長官が16日午後6時前に行った記者会見の全文は次の通り。

 【冒頭発言】

 今日付で、東大大学院教授の小佐古敏荘氏を内閣官房参与に任命することを決定した。小佐古氏は放射線安全学の分野で優れた識見を有しており、今回の原発事故に関して、総理に情報提供や助言を行っていただく。民間の皆さま方の様々な知恵や知見をしっかりと生かしていく中で、官の立場をお持ちいただいた方がいいだろうとのご判断とうかがっている。

 原子力発電所の周辺、退避(指示)の20キロから外側の近い部分で、文部科学省がモニタリングを開始していただいた。具体的な中身は文部科学省から発表してもらっている。詳細な、具体的な評価は、原子力安全・保安院あるいは原子力安全委員会の皆さま方の専門家の立場からご報告をいただくべきだと思いますが、本日測定され、発表された数値は、ただちに人体に影響を及ぼす数値ではないというのが概略的なご報告だ。

 建物の中に、あるいは20キロの内側より外に出て下さいという状況の指示を出しているが、現時点ではここで観測された数値は、そこで活動したらただちに危険という数字ではない。そのことはぜひ多くの皆さんにご理解いただければと思う。

 現在、特に20~30キロの圏内で、本日文部科学省でモニタリングし、文部科学省から公表された数値について、専門家の皆さんのまずは概略的な分析の報告に基づくと、ただちに人体に影響を与えるような数値ではない。こうした地域で、例えば365日、24時間、屋外でこの数値の場所にいた場合に問題が出るかもしれないといったようなレベルであり、短時間こうした地域で活動する、あるいはこうした地域に数日の単位でおられても、人体に影響を及ぼす数値ではないので、この点についてはご安心いただければと思っている。

 当該原子力発電所における冷却に向けて、いま関係機関のご協力もいただきながら、今日夕方から一部放水も始まっているという報告も受けている。一刻も早く冷却を安定的に行える状況に入っていくべく、皆さんにご努力いただいている状況だ。

 先ほど申し上げた通り、20~30キロの地点のモニタリング数値は、ただちに人体に影響を及ぼすようなモニタリング結果ではない。たいへん過剰な反応が生じており、福島県知事からは物流などに対する緊急要望もあった。民間の皆さんを中心として、実は屋内退避地域の外側であるにもかかわらず、そうしたところに物流が届かないという状況が報告されている。

 30キロを超えている地域、例えば(福島県)いわき市は大部分が30キロを超えている地域で、過剰に反応することなくしっかりと地域の皆さんに物流でモノを届けていただきたい。いま自衛隊の皆さんを始めとして、震災、津波による被災地に物資の直接的な補給に全力を挙げているが、民間の皆さんによって物流を確保していただくのに問題がない地域について、こうした事象が報告されているのは大変残念なことであり、ぜひご協力をお願い申し上げます。

 【以下、質疑応答】

 【福島第一原発】

 ――午前中の会見で放射線量の上昇は3号機によるものとの見解だったが、原子力安全・保安院は2号機が原因との見方だが?

 私のところで、その時点の可能性として相対的に高いのは3号機の水蒸気との関連であり、カタカナなので難しいが、サブ何とかプールというところの可能性があるのではないかという報告を、その時点で受けた。その後、専門家の皆さんが例えば、圧力などその時点で入っていなかった情報などに基づき、そうした可能性の方がより高いという分析をされたという報告は受けている。

 ――午前中の会見でミリシーベルトという単位をマイクロシーベルトに訂正した経緯について説明を。

 私のところには、ミリシーベルトのレベルの放射線が観測されていると。従ってこの点については、しっかりと注視しなければいけないという報告をいただいている。実際にその後、発表されていると思うが、詳細は10ミリシーベルトいうレベルまで一番厳しい状況の時は達していたということで、そうした前提に基づき、いろいろとご判断されていたと思っている。

 ――現在の現地の放射線量はどのような具合か。

 従来ご紹介している正門付近の放射線量は、16時過ぎくらいの情報が入っているが、1500強ぐらいのところで、マイクロシーベルトですか、継続安定しているとの報告を受けている。その後、消防の方の準備を進め、そちらの方の安全管理のために計測の車が移動しているということなので、しばらくの間ちょっと出てこないようだ。放水そのものは出ていない。放水のための準備の具体的な段階に入っているという状況だ。

 ――自衛隊による上空からの散水活動は始まったのか。

 現在確認できているのは、具体的に地上の方から水をかけるための最終段階であり、最終段階というのはまさに現場でいろいろ動き出している準備段階というのが正確に上がってきている報告だ。

 ――5号機、6号機の水温上昇をめぐる状況は。

 そちらについてもしっかり温度管理をし、リスクが生じないようにという態勢はつくっている、という報告は受けている。

 ――一部夕刊報道で、枝野氏が「文科省は健康被害についてコメントしないように」と指示した、とされている。事実関係は?

 この間、どこの責任でどの仕事をするのかということをしっかり整理しないと、国民の皆さんにも混乱を与えるということで、このモニタリングの件に限らず、しっかりとどこが何の責任を持って行うのかということについての整理がまさに私の職責として行っている。モニタリングについては、原子力発電所の敷地内やその周辺については経産省原子力安全・保安院が、どこがモニタリングをしているかは別にしてしっかり把握して報告するようにと。それから、その外側の地域については文科省が、もちろん文科省自体も計測しているし、関係機関の協力をいただいてしっかりモニタリングを行い、その全体の集約と集計を行うように、と。

 そして、それに対する評価は保安院であったり、原子力安全委員会が評価するということなので、それぞれの職責に基づき、それぞれの仕事をしっかりしていただきたい。こういう指示はした。

 ――福島市内で水道水から放射性物質が検出されたとのことだが、福島第一原発との関連は?

 具体的な数字の報告は上がってきていないので、しっかりと専門家の意見をうかがった上で対応しなければいけない。なお、今朝の会見でも申し上げたが、我々は日常生活においても放射線を受けて生活をしている。そして、メディアも報道されているように、例えば上空ほど放射線量は大きいですから、東京―ニューヨーク間を飛ぶくらいの放射線を受ける。従って一定の微量の放射性物質が全体のリスク軽減のために放出している。そのために大変ご心配をおかけしているが、人体に影響を及ぼさない範囲でのいま放出が外に出る状況だ。そうした中で万一に備え、20キロの範囲内の人には出ていただいている状況だ。

 ――自衛隊の放水活動だが、自衛隊ヘリからの放水はどうなっているのか?

 これは防衛省に具体的にお尋ねいただくべきだと思っているが、官邸が報告を受けている状況では、上空からについては天候の状況を見ている。

 ――米軍から原子炉の冷却活動に関わるという打診は来ているのか?

 まさに相手方のあることで、具体的な調整段階の話はあまり申し上げない方がいいだろうと思っている。具体的に何らかのご支援をいただくことについては、防衛省からご報告があった。

 ――さきほど総理が20~30キロ圏内の方の支援をしっかりやりたいとおっしゃった。具体的な支援の検討は?

 本来であれば屋内退避をして下さいという状況であり、こうした地域にモノを届ける、そのこと自体、いま屋内にいて下さいという指示のもとでも、原子力安全委員会のご指導によると十分可能であります。

 しかし、なかなか現実にモノが十分に届かない場合には長期に物資などの運び入れをしていかなければならない。南の方であれば、一時的に外に出ていただくことは今の状況でも可能かもしれない。北部の方はなかなかそうはいかない地域、津波などもあるので、そうした生活支援のところにはしっかりと目配りをしたい。

 【物資輸送・復興】

 ――東北地方で高速道が緊急車両に限られ、物資輸送が滞っているという。そのような事態を解消するための方策は?

 これはかなり柔軟に、必要な物資の輸送のための許可の手続きは進めている。例えばタンクローリーは問題になっているが、それは外見すぐわかるので、インターチェンジでその場で出す形で大変柔軟な対応をしている。高速道の利用状況を見ると、大変空いているかのような印象を与えるという指摘があるが、実は地震による影響で一部区間で片側しか使えない。

 なおかつ、そこもあまり荷重をかけるとリスクがある。こういう部分があるので、交通量はしっかり規制しないと他のところがいくら空いていてもそこで滞ってしまえば、それこそ緊急の搬送に支障が生じる。むしろ、しっかりと全体の対応の中で必要な現地に向かっていくということについて、燃料についてはお願いしたが、これについての詳細なオペレーション、パッケージを進めてきている。

 ――総理は復興について言及した。

 総理がどういう思いでおっしゃられたのか内心まではわからないが、まさに頭の片隅にはそういったことも、そろそろ考えなければいけないことだと思う。現時点で具体的にというより、そういったことをそろそろ考えなければいけないな、と。

 ――緊急対策本部など政府の会議体の数が多く、収拾がつかないのではないか。

 基本的には、会議といっても地震に対する全体の会議と、それから原子力に関する会議、どちらも法律に基づく会議である。事実上一体の運営をしている。これは今日までのところ、連日行っているが、かなり実務的なオペレーションの問題なども中心になってきているので、むしろ連日会議を開くよりも、それぞれの役所でのオペレーションをしっかり大臣にやっていただく方が重要ではないかという検討をしている。

 ただ、法律に基づく会議体なので、会議体を設置することが今、まさに強い権限で様々な各省を動かす仕事をしているから。会議体を置かないと逆にそういった状況をつくれない。

 ――20~30キロ圏内に物資搬送がうまくいかないのは、業者が放射線の被害を恐れてのことではないか。

 冒頭申し上げたのは、20キロ、30キロのところだけではなく、さらにその外側でもそうした声が出ている。そういう実態がみられるということだ。そういった地元からの声もうかがって、ぜひともそういったことについては、一時的にとかその当該地域に入ったからといって、健康被害につながるような状態ではない。

 実際に今日、モニタリングができたので、お伝えできる状況だ。なお、地方の皆さんの関係でいえば、本日、全国知事界と全国市長会、全国町村会長会、それぞれ会長の皆さんに被災されている方の受け入れについて「特段のご配慮をお願いしたい」旨、福山副長官から申し入れた。それぞれ「最大限の努力をする」旨、協力をいただき、そういった形で被災者の皆さんを全国の可能なところで当面受け入れていただくことも言っていただいている。

 ぜひ被災地の皆さん、それから原子力の関係で自宅から出ざるを得ない皆さん、自宅からなかなか外に出にくい状況にある皆さん、そうした皆さんのために多くの国民の理解をお願いしたい。

 【福島第一原発・その2】

 ――原子力安全委員会と原子力安全・保安院の連係がうまくいっているのか。

 この間、まさに地震発生の当日から、原子力安全委員会の専門家、しかも委員長をはじめ原子力安全委員会のメンバー、それから保安院の幹部をはじめ、多くの専門家が不眠不休で官邸にも来て、色々な検討や分析をしてきている。それぞれの機関の専門家をはじめとする皆さん、幹部の皆さんにまさに不眠不休でこの間、それぞれの立場での専門的な知見をいただいている。

 ――福島第一原発への自衛隊ヘリでの空中放水は難しいという認識なのか。

 なかなか4号機のようなまだ全体がある程度ふさがっている部分と、それから上の方が空いている部分と、当該原子炉の状態との違い、そうしたものとの兼ね合いで、なかなかとても困難だと、これはやれる余地があるという部分とこれはまさに状況、条件による。自衛隊にも、その可能性に向けて準備をしてもらっている。

 ――実際に出来るかどうかは、なお見極めないといけないのか。

 当然、対応する自衛隊の安全の確保も重要だ。実際に可能な状況かどうかを確認し、チェックしながら進めてもらう。

 ――1号機、3号機の水位の状況は? 注水するポンプ車の数などは足りているのか?

 具体的なことについては保安院などの会見でお聞きいただきたい。現時点では冷却がしっかりとなされているという外形的なデータの結果になっている。合理的に推測されるデータになっている。

 ――中央制御室の電源は確保されているのか。

 中央制御室そのものの電源についての報告は、今のところ特に聞いてない。ただこの間、現実に現場において対応しているので、そのためのヘッドクオーターはしっかりと機能している。

 ――原発の事故でオーストリア大使館が閉鎖を決めた。

 そうした情報はまだいただいていない。今、屋内にいて下さいという、20~30キロについても、仮に屋外で活動したとしても直ちに健康に、人体に影響を及ぼす数値は出来ていない。そうしたことを前提に、冷静に対応してもらいたい。

16 13:34 「燃料の買いだめはやめて」枝野官房長官会見全文

2010年06月07日 20時57分23秒 | 放射性ジジ

2011年3月16日13時34分
 枝野幸男官房長官が16日午前11時15分から首相官邸で開いた記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 私から2点ご報告。一つは国民の皆さんへのお願いをさせていただきたい。

 今回の大震災の被災地ではガソリン、軽油、重油など燃料の状況が大変悪化している。この間、こうした燃料を確保して現地に到達させるべく最善の努力をして、いま、最終的な輸送のラインが必ずしもうまくいっていない部分を、改善すべく努力をしているところ。一方において、ぜひ、全国の皆さんに、全国的なこうした燃料を、今すぐに逼迫(ひっぱく)している状況ではないが、現地にいろいろな所から送っていくプロセスのなかにあるので、ぜひこうした燃料についての買いだめ等のないようにお願い申し上げる。

 全国的なこうした燃料の確保については海外の協力を得て、しっかりと確保しているが、できるだけ現にこうした燃料が届いていない地域への輸送を優先させていただきたいので、ぜひ、被災地以外の皆さんにはこうした燃料類、ガソリン、軽油、重油等の買い占めなどに走らないようご協力をお願い申し上げる。全国的な意味での供給量を確保するためには各国のご協力で、この点には問題ないので、ぜひご協力のほどをお願い申し上げる。

 原子力発電所の件については、すでに報道されている通り本日8時半前後から福島第一原子力発電所3号機の白煙というものが認識されている。これについては現在、その原因を調査をしているところ。なお、それと直接関連するか否かを含めて検討中だが、正門付近の放射線の量、これは時々大きく変動しながら全体としては、身体に影響を及ぼす範囲のなかにとどまっていると認識しているが、詳細は(原子力安全・)保安院から発表させていただくが、昨夜の一時期1000ミリシーベルト(※発言のまま。後の質疑でマイクロシーベルトに訂正)単位の数値を検出したが、今朝ほどは800~600ぐらいの数値に落ち着いている。

 この正門付近の放射線量が本日の10時過ぎぐらいから急激に上がり、ミリシーベルトの単位に上がったと報告を受けている。このため、必要最小限の作業員の皆さんもいったん、状況を注視するということで、できるだけ安全な地域に一時的に退避をいただいているが、詳細な数字は後ほどきちっと整理した形でご報告させるが、少なくとも10時54分現在、この数値は下がり始めているという状況。

 専門家による分析を鋭意しているが、現在において可能性として一番高いと思われるのは、あくまでも確定ではない、可能性として一番高いと思われるのは、2号炉において生じたように、格納容器の一部から水蒸気が放出されて煙が上がっている。そのため、たまっていた放射性を帯びた水蒸気なので、一時的に高い数値が計測されたのではないかというのが、繰り返すが確定ではない、現時点の分析として最も高い可能性として見られている状況。特に放射線量のモニタリングを中心にして、そして実際に水が流れ続けている状況等の確認等をしていただきながら、最終的にこの事象に対する分析、それに対する対応を決めていくよう急いでいただいているところ。私からご報告することは以上。

 【以下質疑】

 【福島第一原発】

 ――3号機の白煙。爆発音は確認されていないのか。

 報告は受けていない。一番最初に3号機の煙についての情報は8時34分の時点で、白煙が噴き出しているということが直ちにこちらにも報告があったが、それ以外、爆発音等の報告は受けていない。現状ではそういうこと。

 ――格納容器や圧力容器が大きく損傷し、水蒸気爆発を起こした可能性はないのか。

 格納容器の一部が、2号機にもあった通り、一部そこから水蒸気が出ているという状況の可能性が一番高いということだが、もちろん今、現時点で予断を持つことなく、あらゆる可能性を想定して分析してもらっているところ。

 ――圧力抑制室部分ということか。

 そこまでの情報はないが、あの場合の広い意味での格納容器の部分から水蒸気が出たという状況だったと。それに可能性としては近い、部分は別として近いという可能性が一番高い。繰り返すが確定的な状況ではない。現時点の情報から推測される一番可能性の高い状況という報告。

 ――避難は現状のままでいいのか。

 周辺部分のモニタリングの数字が急激にさらに上がったりとかいった状況がなければ、現時点ではこうした状況で変更するものではない。

 ――昨日までの状況でいいわけですね。

 はい。

 ――4号機の状況は。

 4号機については、使用済み燃料のプールに水を入れて冷却するための準備を進めている。今回の3号機が原因と思われる放射線濃度の上昇により若干遅れることが想定されているが、その前の段階まで着々と準備を進めている。

 ――5号機、6号機の状況は。今後、1号機~4号機のような事態が起こりうる可能性は。

 4号機のような状況を生じさせないように、そちらに対して冷却をしっかり進めるという努力を始めている。また、昨日の4号機の方のプールの温度と比べても、平常時よりは上昇しているが、そこをしっかりウオッチしながら遅れることのないような対応を指示している。

 ――4号機への注水の方法は。ヘリから水をまくことを検討しているのか。やるなら、その時期は。ホウ酸を入れた注水は。

 具体的な作業の内容等については東電に置かれている政府との統合本部から実際に実施する段階でご報告することを予定しているが、ヘリコプターで上から水をかければというご指摘はいただくが、当該プールの状況によっては一気に水を入れるとかえってリスクが高いという可能性もあるので、その検討、しっかりとリスクを分析しながら進めていただいている。基本的には徐々に入れていくというやり方が、こうした場合には安全性が相対的に高いという報告を受けている。

 ――現時点で、4号機に一番入れやすい方法は見つかっているのか。

 最終的に実施を確定した段階で発表させていただく。

 ――東電との事故対策統合本部。どのようにワークしているのか。

 少なくともそれ以前よりも、こちらの本部に入ってくる情報等が相対的にはスピーディーに入ってきているし、特に数値の変化等が見られた場合等の報告などは、かなり早くなってきていると思っている。現地に大臣はなかなか行ったり来たり大変だが、特に細野(豪志・首相)補佐官を中心にして現地の動きがしっかりと、東電の動きがしっかりと、現地の我が方のチームが把握できて、必要に応じて報告や相談があがってくるようになっているので、この連携は相対的に良くなっているのは間違いないと思っている。

 ――広報機能の改善は。

 どのチームから、どのタイミング、どういうふうに、特に平常の状況の時、情報を提供していくのか、今まさに具体的に東電や保安院の方からの発表、官邸からの発表、このへんの整理を順次進めているところ。

 ――4号機。東電側は再臨界の可能性もゼロではないと説明。もし、そうなら早いアナウンスが必要。

 世の中のあらゆることについて可能性がゼロということについては、なかなか言えないという意味では、そういう認識は間違ってはいないんだろうとは思うが、現地点で想定しなければならない、現時点の情報、状態から想定しなければならない範囲として、それを想定した対応を必要とするのかという状況にはなっていない。これはそういうことで報告を受けている。まさにそうしたことを現実的な、リスク管理として視野に入れなければならない状態にならないように最大限の努力をしている状態。

 ――1号機から3号機の状況は。

 具体的な数字等はそれぞれ東電や保安院から出していただくということでお話をしている。

 ――現在の放射線量の増加は、3号機の格納容器が破損して、外部に放射性物質が漏れ出している可能性があるということか。

 念のため申し上げるが、従来も3号機からも中の圧力を下げるために水を入れる、水を入れる前提としては空気を抜くと。水蒸気は上がっているから。従ってそこから放射性物質が外に出るということは、より悪い状態をつくらないためにやむを得ない措置として続けてきている。そうしたなかで、それ以外の部分からも出ている可能性が今回生じているということ。

 ――4号機は冷却のための注水作業はできていないのか。

 いま注水作業をできるだけ早く進めるべく、準備の作業を徹夜で進めてきていただいている。最終的に実施にあたっては報告が来ることになっているが、まだそれは来ていない。一方で、3号機の方の影響。これは間違いなく、これだけの数値が一時的でもミリ単位で出ているので、いったんは状態を見ていると思っている。3号機の状況を見ながら、万全の準備を整えて。ただ水を入れればという話ではないので、そのことによってリスクを高めることのないような万全の検討と準備を進めているところ。

 ――装備が充実している米軍などに今後、支援を要請する考えはあるか。

 この間、米国に限らず、各国からいろいろな支援のお申し出、地震全体についても原子力発電所についてもいただいている。そして、米軍の協力を場合によっては必要とするということの中で、すでに物資の点ではポンプ車のご協力をいただいている。ということをはじめ、ご協力をいただいている。さらに具体的なことを今後詰めてもらえるように、今態勢を整えているところだ。

 ――米軍の協力を必要とするのは、物資支援以外で実際に放水、ホウ酸を落とすなどの作業に米軍があたる可能性があるということでいいか。

 まさに今、調整をしているので。何をどうやっていただくのかというのは、調整の結果だ。

 ――同じく4号機の件。ヘリでの放水はリスクが高いというが、そのリスクとは。いま着々と進めているのは地上からの放水と理解していいか。

 はい。いま進めているのは地上からという報告を受けている。上からやる場合には一気に水を落とすということが基本になるようだ。また、例えば、何か起こったときに、空中に、ヘリコプターの安全性を保つことがどの程度できるのか。というようなことを総合的に分析していただいている。

 ――緊急炉心冷却装置の復旧作業について、東電が新たな送電線設置に着手するということだが。この作業の見通しは。

 詳細はむしろ、東電のほうにお尋ねいただければと思う。

 ――復旧にあたったほうが抜本的な解決にはいいということか。

 もちろん、電力が安定的に供給されるほうが、対応は相対的にはやりやすい。

 ――冒頭、放射線量の発表があったところで、昨夜の数値について長官はミリシーベルトと説明したが、マイクロシーベルトか。

 あ、昨夜の数値はマイクロシーベルト。数値を申し上げたのは。すいません。失礼しました。マイクロシーベルトで、一定の範囲内での変動だった。今日のさきほど10時台に、これがミリシーベルト単位だったということで。これはその状態が継続することは大変、好ましくない。ただ、私が会見に入る直前の10時54分現在では急激に下がっているという報告を受けている。

 ――昨日、都内でも微量の放射性物質が検出された。都内でも自宅待機の指示を出した会社もある。首都圏の住民も不安を覚えている。避難の指示をしている以外の地域、近隣県、首都圏の方に注意することは何かないか。

 ここはぜひ、多くの皆さんに認識を共有していただきたいと思うのは、私どもは日々の生活の中でもいわゆる放射線を浴びている。それから例えばエックス線写真を撮る場合には、一時的に大量の、すいません、ここは専門家が本来、説明すべきだと思うが、放射線というべきか、放射能というべきか、受けている。あるいは、上空に行けばその濃度が高くなるので。よく、みなさんのメディアの方での説明にもよくあるが、例えば東京ニューヨーク間を飛行機で往復すると、これくらい、普通の状態よりも受ける。

 こういったことが報道されているが、こうしたことは原子力安全委員会での報告からも同様のことを言われている。そうした中で、今回の原子力発電所の事故の結果として、それによる放射性物質が、一定の地域に、これは当然広がってまいるが、まさにそれが、人体に直接、影響を及ぼすような濃度のある可能性のあるところについて、退避や室内にとどまっていただきたいということをご指示申し上げているので、それ以外の地域については、今の状況から判断すると、測定はされても、生活に直接影響与える、健康に直接影響与える数値ではない。これが、専門家、原子力安全委員会を中心とする判断だ。ただなお、もちろん、国民の皆さま、それでも不安だろうというふうに思うので、文部科学省、電力会社、警察庁、防衛省など、総力を挙げてモニタリング態勢を強化して、なおかつそれを、できるだけコンスタントに国民のみなさんに提供するシステムを昨夜来、徹夜で作り上げていただいており、これについてはまもなく、最初の発表なり報告なりが、できるのではないかというふうに思っている。文科省の方で発表することになると思う。

 ――最悪の事態が起きた場合、今の避難地域の設定で十分か。今後避難地域が拡大するか。

 もちろん、あらゆるケースを想定して、どういった安全対策が必要なのかシミュレーションは専門チームにしていただいているが、現時点で想定される範囲においては、現在の避難の状況の中で対応していけるのではないか。もちろん、新たな事象が生じた場合は、その時点に備えたシミュレーションはしている。

 ――どういった事象があれば、避難地域を広げるのか。

 それは、まさにそうした現象が起きていないわけだし、いま、起こさないための万全の措置を進めている。何か起こりそうだという可能性が高まれば、当然、その時点で対応を進めていく。

 【物資の買い占め】

 ――首都圏のコンビニでなどで食料品などが品薄になっている。買い占めが行われている可能性も予想されるが、何か呼びかけがあれば。

 いま、生活関連物資について、現地の皆さん、被災地の皆さんにしっかりと届けるということについて全力を挙げている。全国的なレベルでみれば、もちろん、若干、例えば、急いで輸入しなければならない部分等があるとしても、全体として生活が大きく困るような物資の不足は、全国レベルで見れば生じていない。

 従って、被災地以外の皆さんにおいては、ぜひ買いだめ等のことのないように。結果的にそのことが、物資の調達に支障をきたす。そのことが、いま、主に輸送のところで苦労しているが、結局、被災地の皆さんに届けるべきものが、必要最小限のものが、足りなくなってしまうことにつながりかねないので、全国的にある物資の量の中では、しっかりと現地に送っていくことができれば、現地の皆さんの生活の最低限のところを支えることができる。だから、ぜひ、いま、特段の影響を受けていない地域の皆さんは、買いだめ等で結果的に被災地の皆さんにご迷惑をかけることのないように、お願いしたい。多くの国民の皆さんは、そうした理解のもとで対応していただいているという心境。

 ――燃料の買い占めが原因で、支援物資が届いていないということがあるのか。

 いくつかの要因が複合的に絡まっている。ひとつのところを解決すれば、解決するという問題ではない。したがってこれも昨夜来、さらに輸送をスムーズにするためにということで、関係各省で、同時に色々なことを動いていただくという作業をしている。そうした中で、冒頭申し上げた燃料については、私たちも大きな要因のひとつと思っているから、関係機関からも、買いだめ等のないようにということを、ぜひ国民に周知していただきたいという要請があったで、特に冒頭、申し上げた。

 ――関係省庁から業者に指示はしているのか。

 業者の皆さん、民間の石油関連の業者の皆さんの努力、運搬を含めて、努力と交通機関の確保と、どういった時点でどういう風に不足しているのかという状況の把握と、総合的な中で現地のガソリンが不足しているという問題を解決。一方で、被害が相対的に多くなかった地域でのガソリンが、民需を中心に不足していることを、しっかり解消していく、この両面を全力を挙げていく。

 【枝野官房長官の公務】

 ――昨日、長官公邸に泊まったが、何か考えがあったのか。

 被災地の皆さんは厳しい中でご苦労している。官邸としてはそうした状況のなかですから、とにかくあらゆる作業、対策を進めてきているが、かなり多くのところからしっかりと適切な判断をすることが重要であると。もし適切な判断力が落ちている状況の中でいろいろな判断をしなければならないと結果的に被災地の皆さんはじめ国民に迷惑をかけるので、しっかりとした判断力を維持できる程度の健康管理をするようにとの指摘をいただいたので、正直、個人的には後ろ髪引かれる思いだったが、同じ敷地の中で何かあってもすぐに対応できるという状況のなかで執務室ではなくて公邸に寄らせていただいた。これは総理もこの間、公邸、自宅に帰っていないので、ここは若干のローテーション、状況を見ながら、適切な健康管理のもとで適切な判断ができるための最低限のところの対応は、むしろそれをしっかりとやることが責任と思っている。

 ――きちんと睡眠はとれているか。

 なにをもってきちんとというか難しいが、少なくとも私の職責上、しなければならない判断に悪影響を及ぼさないように努力している。

 【電力供給】

 ――電力不足を供給で増やす手段は考えているか。

 現時点では今回の地震によって、被害を受けている火力発電所などについての復旧に全力を挙げている。ただ原発についてはまさにこうした事態が生じているところなので、より万全な安全性というものが求められている。従って、これは当分の間、電力の供給量はある程度制限されるということのなかで国民生活への影響をどう小さくするかということで、ぜひ国民には節電の協力をお願いしたい。電力の使用量が少ないなかで、日本経済や社会生活を機能させるということに向けてさまざまな対応を準備を進めてまいりたい。

 ――火力発電所の復旧のめどは。

 具体的なことは経産省(資源)エネルギー庁にお尋ねいただきたい。私どもの方からは、とにかくできるだけ早く対応していただきたいということは経産省を通じて求めている。

3/14 21:03 枝野官房長官会見

2010年06月06日 20時32分59秒 | 放射能?

2011年3月14日23時15分
 枝野幸男官房長官の14日午後9時3分からの記者会見の内容は次の通り。

【冒頭発言】

 私の方から原子力発電所の件、計画停電の件、それぞれ当事者の東京電力からも発表、報告がなされているが、詳細、細かい具体的なところは直接当事者の方から発表されていると思うが、私どもの政府としての認識について改めてしっかりとご報告させていただこうということでこの場をセットさせていただいた。

 まず、福島第一原子力発電所の件についてご報告申し上げる。この原子力発電所のまず、いわゆる水素爆発を起こした3号機、本日午前11時過ぎに水素爆発を起こした3号機をはじめとして、第一原子力発電所の各機については、大変ご心配をおかけをいたしております。

 3号機については、水素爆発の後も注入再開の努力を行い、8時すぎに注水が再開された。第1号機についても同様に注水を開始した。これら二つの機については本日午前11時過ぎの水素爆発によって、建物の屋根、外壁等が飛散をしていて、その取り除き作業等によって再開をするのに若干の時間がかかり、ご心配をおかけしたが、この会見場に下りてくるタイミングでは注水が再開し、水位の上昇も見られている。これによってしっかりと冷却をするという行為が再開しているので、この状態が続けば安定的な状況に向かっていくものと思っている。

 2号機については、原子炉を冷却する装置が停止をし、こちらも水で冷却をするための作業に入っていた。この作業については一時ポンプの燃料の不足等があり、想定より時間がかかってしまい、一時水位が低下して、いわゆる燃料棒のところが水面から出る状態が若干継続したものとみられている。しかし、やはり20時過ぎにそうした問題を解決して、注水を開始することができ、水位の上昇も観測されている。

 いずれも水を注ぎ込むことによって原子炉を冷却をするという作業が再開できているので、このまま水を流し込む作業でしっかりと冷却を進めることができれば、安定的な状況に向かっていくものと思われるが、引き続きこうした状態を継続し、安定した状況に向かわせるべく現地の作業の皆さんは全力を挙げていただいているが、安全確保に向けて最大限の努力を進めてまいる。

 続いて、計画停電の件について。本日は計画停電の初日だった。いろいろと混乱もあり、国民の皆さんには大変ご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる。と同時に、国民の皆さんの節電への積極的な取り組みに感謝を申し上げる次第だ。特に電力需要が増える通勤、通学の時間帯に事前の予測よりも900万キロワットも低い電力需要であった。これは電車の運行が止まったということの効果もあるが、地震の影響を考慮しない想定需要と比べると1500万キロワットも低い数値。夕方から夜にかけても、すべての実績値が出ているわけではないが、トレンドで見ると、やはり事前の想定より大きく減少していることが考えられる。

 こうしたことは鉄道事業者はもとより、国民一人ひとりの節電努力や効率的な電力使用にご協力をいただいた産業界などの貢献なくしては、なしえなかった結果だと思っている。

 明日については、現在、鉄道について何とか運行するなかで対応ができないだろうかということについて、東京電力と経産省、国交省、鉄道事業者等と調整を進めているところ。特に本日、鉄道の運休にかかわった多くの国民の皆さんに大変なご迷惑をおかけした。また、社会経済活動のうえで鉄道運送がしっかりと行われることは大変重要であると考えている。

 ただ単に鉄道をこのままの状態で運行した場合には、節電の努力を最大限していただいている状況においても、計画停電がなければ電力需要が供給を上回ることが想定される。一方で、計画停電を行うということをこのまま進めようとすれば、本日のような鉄道の運休等を鉄道事業者としては、せざるを得ないという前提条件になっている。こうしたなかで、鉄道を運行しながら、なおかつ、電力需要が供給を上回って予測されない停電という事態を生じさせないためには、様々ないま工夫と調整の努力をしていただいている。

 最終的な結論はまだ出ていないが、ぎりぎりまでの努力をしていただけるというご報告をいただいている。いずれにしても、鉄道利用の可能性を少しでも高めるためには、国民の皆さん一人ひとりの節電による努力というものの、本日以上の積み重ねが必要になることが想定される。明日以降は冷え込みが予想され、電力需要の押し上げ要因となることも考えられる。従って、国民の皆さんには大変ご不便をおかけをし、ご迷惑をおかけをしているが、できるだけ早い時期に最低限の鉄道運行を確保しながら、計画停電でしっかりと電力供給の最低限の安全を図る、安定を図るということの努力を進めてまいりますので、その大前提となる節電のご協力を重ねてお願いを申し上げる。

【以下質疑】

【福島第一原発】

 ――福島第一原発2号機。今回の燃料棒の露出によって、1号機や3号機のように爆発する可能性は。

 1号機や3号機が、ある時点でたどった状態と類似した状況になっていると認識している。ただ、若干条件が違うのは、この2号機については、3号機の爆発によって、建屋の部分に、空気が通る状態ができているという報告を受けている。それも高い位置にできている。従って、水素が仮に発生したとしても、水素は一番軽いから、ここを通じて外に出てしまうので、少なくとも大規模な爆発が起こる可能性は相当低いという報告を受けている。

 ――2号機で炉心の溶融が起きて、圧力容器が破損する、あるいはこれからする可能性は。

 1号も3号も、ベントを通して、あるいは、それ以外のルートを通って、外部にこれは身体に影響を与えない程度の放射性物資が出ているということは、従来から伝えている通りなので、それについては、十分可能性があると、若干、そうしたところから出ている可能性は、あるという風には思っている。そして、同様の可能性については、従来、1号機、3号機がたどってきたプロセスと類似のプロセスをたどっているので、その可能性はあると思う。これについては、周辺の放射線量の測定を、しっかりと行うことによって、異常な放射線の放出がないかどうかを、しっかりとモニタリングして参りたいと思っている。

 【計画停電】

 ――計画停電。鉄道運行について、ぎりぎりまで努力するということだが、いつまでに結論を出すのか。

 私の所には、とにかく出来るだけ、もちろん、明日からすべて平常通りということにはならないと思うが、出来るだけ鉄道の運行を確保するためには、専門的な、色々と技術的なことがあるようだが、専門家同士の間でぎりぎりの調整している。これについては、もちろん、電車の始発の時間等もあるが、そうしたことを踏まえながら、最大限ぎりぎりのところという報告を受けている。具体的な時間までは、報告を受けていない。

 ――相当早めにやらないと運行会社も困るのでは。

 基本的には運行会社に、こちらから、国なり東電から命じたりお願いしたり、というよりも、大きな意味ではお願いをしているが、調整をしながらなので、各鉄道事業者においても、利用客との関係で、ぎりぎりのところの努力を判断してもらえると思っている。

 ――時間帯は決まってないと。混乱したのは早朝。明日の早朝、夕方は通常運行するということか。

 通常運行を模索しているということは、聞いていない。鉄道の運行を出来るだけ確保するための努力をしているという報告。それは、運行の量が多ければ多いほど、電力をたくさん供出することになるし、鉄道運行する場合も、計画停電がなされることが前提になってくる。計画停電によって、鉄道事業者に供給される電力が下がるということも前提になる。それと、安全性の兼ね合いなどの調整をしているということ。

 【放射線検査】

 ――シンガポール政府が、日本の生鮮品に放射線検査を行う意向を示しているとの報道。政府として把握しているか。

 各国においても、色々と心配をされているかと思う。もちろん国民が誰よりも心配されているかと思う。しかし、これについては繰り返し申し上げているが、原子力発電所周辺の放射線量については、しっかりとモニタリングを続けてきており、身体に影響を及ぼす可能性のない、放射線を帯びた物質が出ていることは間違いない。その量もしっかりと、一定の範囲の中で動いているので、必要以上の心配をされることなく、冷静に対応いただきたいと思う。もし、必要があれば、そのことについては、適切に正確に報告するが、現時点では、出ている放射線物質の量はしっかりモニタリングして、報告している。

 ――女川原発で数値を観測している。広く拡散している現状についてはどう認識しているか。

 これは気象状況、風向き等によっては、遠くまで飛ぶことは、当然可能性があることとして、国際的にも安全性の基準等が設けられていると聞いているので、したがって周辺部で従来報告している数値の幅の変化であれば、そうしたことはもちろん、目に見えないものだから心配するのは当然だと思うが、例えばエックス線写真等でも、放射線、私どもも皆さんも浴びる。高いところ、空を飛べば浴びる。そうしたものとの比較の上において、心配に及ばない量である。もしそうしたものに変化があるときには、必ずしっかり国民に説明する。

 【福島第一原発その2】

 ――冷却水を送るポンプは爆発によって、5台のうち1台しか使えない状況なのか。

 一時的に、三つとも注水が出来ない状態があったので、それを回復させるのに、若干の時間がかかった。そのことによって、大変ご心配をおかけした。

 【首相の災害対応】

 ――夕方の会見で、首相が避難所を直接訪問したいと検討していたと。誰が誰に持ちかけ、どういう理由で遠慮してほしいとなったのか。

 遠慮してほしいというよりも、事務方を通じて、現地が受け入れられる状況かどうか、改めて情報を把握したところ、かえって思いは別として迷惑をかけるということを、私のところで判断して、まだ時期尚早でありますということを、総理に進言して、できるだけ早い時期に、しかし、現場にかける迷惑が、様々な救援活動に影響を及ぼさない、出来るだけ早い時期に改めて検討することになった。

 ――今日首相はぶら下がりなど、記者団から取材を受けていないが、理由は。

 ここまでの時点で、総理が直接国民のみなさんにお伝えをする必要のある事項が生じていないということだという風に私は理解をしている。できるだけ、総理は最高責任者として、あらゆる案件の必要のある、重要な最高決定に関与してきているので、できるだけ、それに代わって、私の方から正確に情報を伝える、あるいは関係各省からそれぞれ具体的な情報を伝えるということで、特にこの地震の災害に対する情報、政府としての情報提供をしっかりと行うと同時に、それ以上に大事なことは、この危機対応を異常なく行うということなので、これまでのところ、危機対応に専念する中で、皆さんの前に出てくる機会がなかったということだ。

 できるだけ、総理から直接国民の皆さんにお話をするのはこういう局面においては特に重要だという風に私も思っているし、総理もそういう問題意識を持っているので、今日この後どうなるかは別にして、そうした問題意識をしっかり持ちながら、今後の対応を進めていきたい。

 ――今日「72時間」という生存可能性をめぐるメルクマール。総理会見があってもよかったのでは。

 一般的にこうした災害などによる救命の可能性が大きく下がる「72時間」を残念ながら超えてしまった中で、安否の分からない方がたくさんいらっしゃる。また、全てのがれき等を捜索出来ている状況ではないということは、大変残念に思っている。しかしながら、同時に、この救命の努力が現時点でも鋭意続けているし、一方、この地震の直接には命を失うことはなかった、けれども大変厳しい条件の下で避難生活をされている方、あるいは避難所にもまだ行けずに「孤立」状態にある方、多々おられる。こうした皆さんの生活を出来るだけバックアップするということにも今、全力で取り組んでいる。この二つの一刻を争う対応と、そして、ちょっと違った意味で一刻を争い、常に最高の緊張感を持って臨まないといけない原発の対応に、まさに自ら(首相は)先頭に立って、今取り組んでいるということで、国民の皆さんに、その時間の経過の直接のメッセージがないことはご容赦いただけるものと思っている。

 【福島第一原発その3】

 ――原発の現場の作業員の健康被害が出ているが、政府として何らかの補償は。

 当然、現場の作業員のみなさんには大変な危険の中で、大変なご苦労を頂いているということに本当に頭の下がる思いだ。基本的には、安全基準の範囲内で作業をしていただいている。ただ、今日も負傷された方等は、ある一瞬に、一時的に放射線が出ている、放射能を帯びた物質が出ている可能性もあるので、そうした方に対するチェックや健康管理は万全を期して参りたい。当然のことながら、こうしたことによって負傷された方についてはしっかりと、広い意味での政府の責任として対応していくことが役割になると思っている。

――2号機についてだが、燃料棒の溶融は起きたと考えているか。

 それが起きている可能性は高い。1、2、3、いずれも。確認はできないが、起きている可能性は高いという条件は三つとも同じだ。

 ――2号機の(作業でポンプ車の)燃料不足の原因について東電から報告は。

 もとの原因のところまではまだ報告を受けていない。逆に現時点では、燃料も水も当分の間のものについては、しっかりとバックアップ含めて確保しているという報告を受けている。

 ――玄葉国家戦略担当相が今回の事故について、「『チェルノブイリのようにはならない』と東電から報告を受けている」と話をしているが、そんな報告は受けているか。

 この国の原発の構造やそれからここまでの管理の状態はというものは、あれ(チェルノブイリ)は、一瞬に、確か大きな事故になったというものであったと記憶しているが、しっかりと地震そのものは一瞬で生じたものだが、その後の対応においては、一定の管理の下で、残念ながら国民の皆さんにはご心配をおかけをする状態で推移しているが、今なお、安定化に向けた方向性で現時点では進んでいるし、最悪の事態を想定してもチェルノブイリと同様の事態にはならないという風には、何をもって同様と見るか定義に意味があるかと思う。

 ――政府が想定している「最悪の事態」はチェルノブイリ級のものではないということか。

 チェルノブイリ級のものという言葉は、それは何のどういう性格のものを指すのかということで全く意味が違う。そうした意味では、全く同種の事故はあり得ないわけで。今回は、最初の地震、津波という事象からしっかりと一定のコントロールの下、管理の下でここまで推移してきているという意味では対応が違う。

 【計画停電その2】

 ――計画停電。本日は限られた時間と地域のみだったが、今後も鉄道の本数削減と節電で、限られた停電でいいと思っているのかそうでないか。

 これはまさに国民の皆さんの節電のご協力がどの程度の量で、どの程度の期間継続していただけるのかにかかわってくる問題。今日の場合は、この計画停電がある、という前提で鉄道事業者のみなさんが運行上の問題節電のご協力という観点から運行を相当抑えられた。その結果、国民にご不便をおかけした。これを鉄道をより運行しようとすればするほど、計画停電を実際に電力供給をストップするところまでやらなければならない可能性は高くなるという相関関係はある。そうした中では、今日のみなさんへおかけしたご迷惑、国民のみなさんのニーズ等を考えるときに、できうるならば、鉄道運行を一定程度はしっかりと確保しながら、しかし、計画停電は履行させていただく方が、国民の皆さんにおかけする迷惑は少ないのではないかということで、それのぎりぎりの努力をしている。

 ――政府の誘導したい方向性は。運行本数を増やす方向にもっていきたいと。

 鉄道運行も一種のプロフェッショナルの専門的な世界で、いま専門家の皆さんで色々と、どういうところに停電の効果が及ぶのか、ということによってそれぞれ色々と状況が、安全やその他の面で、とらなきゃならない対応が違う。そういうことをすべて専門的に分析しながら、可能な道を模索している。

 ――今の時点で政令を決定することは検討してるのか。

 基本的には、電力の供給を、スイッチひとつ的に切り替えていく、送電するしないというのを切り替えていくのは変電所単位でないとできない。それより先の所でここには送る、ここには送らないという選別をするためには相当、現場に近いところで、個別具体的な工事が必要になるという前提の中にあるので、こうした計画停電という方法をとらざるをえない。

 【首相の災害対応その2】

 ――首相のぶら下がり。直接総理が伝えるメッセージはないというが、記者の質問に、こういうときだからこそ答える意味があるのでは。

 その必要性については私も否定しない。ただご理解いただきたいのは、それ以上に、私が直接大きく関与している原発と計画停電の件だけでも相当のエネルギーや時間や、瞬間的に早い時間、正確な情報を把握することが求められている。総理は最終的には、私や副長官、海江田(経済産業)大臣、松本(防災担当)大臣、それぞれが扱っている案件について、全体の最高責任者なので、しかもそれぞれが一刻一秒を争って、しかもそれが国民の生命や最低限の生活の確保のために不可欠の仕事をさせていただいているということなので、そちらのほうを優先させていただいていることについてはご理解いただきたい。可能な範囲内では、いまのご指摘は私はごもっともと思うので、可能な範囲では対応する努力をしていきたい。

 【被災地支援】

 ――孤立した地域で食料や水が届いてないところがあるがあと何日かかる。

 いま最善の努力をして自衛隊等の空輸のプロセス等もお願いして対応しているところ。いま申し上げられるのはとにかくできるだけ早く、最大限の努力をしてできるだけ早くということをさせていただいている。

 【福島第一原発その4】

 ――冒頭、原発で注水を確認しているといったが、東電が会見で、1と3号機で注水が確認できなくなったと。

 それは何時何分の時点の情報か。私がこの会見場に入ったときには、今申し上げたような報告を受けた。もちろん、あの段階でも冒頭申し上げたが、これがしっかりと安定的になることにむけて努力をしているという趣旨のことを申し上げたかと思うが、もしその後の情報であるなら、できれば戻らせていただきたいと思う。

 ――長官が会見した後の情報かもしれない。

 (官邸スタッフ:会見の始まりはまさに9時ちょっとなので)

 よろしいか。

――確認したら長官のほうから知らせてもらえるか

 情勢状況によってご報告させていただく。必要があれば。私からになるのか、保安院からになるのか、東電からになるのかは、状況によってしかるべきところから報告させていただく。

3/14 16:15 枝野官房長官会見

2010年06月05日 20時51分54秒 | 放射能?

2011年3月14日20時38分
 枝野幸男官房長官の14日午後4時15分の記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 私から、ここまでに入っている状況等についてご報告申し上げる。

 まず、先般からご報告している東京電力福島第一原子力発電所3号機における水素爆発の状況。周囲のモニタリングを注視をしているが、いまのところ特段の観測値の上昇などは見られない。爆発の影響で注水作業が中断をしていたが、現在、復旧に向け努力をしている。いまのところ各原子炉のデータなどは安定しているが、早期の注水再開に向けて努力をしているところ。なお、これまで注水していた1号機、3号機に加えて、2号機についても3号機の爆発後、原子炉の冷却装置が停止して、水位が低下しつつあるので、これについても海水注入の準備を進めている。

 この爆発でけがをされた皆さんだが、自衛隊関係の4人については、けがの程度は軽く、すでに隊に戻られているとの報告を受けている。残り7人の東京電力関係の皆さんについては、それぞれのけがの状態があるが、1人が重傷の模様であるものの、意識はあるという報告が初期の段階で入っていて、その後の新しい情報は入っていない。20キロ圏外への退避過程にあられた皆さんについては、屋内退避を14時12分解除し、可能な方から移動を再開するよう促しているところ。

 日銀から公表されているかと思うが、政策決定会合において基金による資産買い入れの増額5兆円~10兆円が決定されたということで報告を受けている。東北電力原町火力発電所敷地内の火災については、現地、南相馬地区の相馬消防本部から15時30分、県に入った報告に基づくと、火力発電所内のクレーンが倒れ、そのクレーン用の燃料が燃えているという状況で、延焼防止に努めている。物資支援にかかる経費への予備費の使用だが、まずは302億円を食料、飲料、毛布、医薬品、日常生活品等の物資の支援のため、国費率100%で支出をする。その閣議決定をこの後、持ち回り閣議で行う予定。

 さらに現地の厳しい状況が伝えられている。総理においては、こうした避難所等でご苦労されている皆さんの状況をはじめ、現地状況を直接把握したいという強いご要望があったが、現地と若干の調整をしたところ、総理においでいただくことは現状では救援・救命活動の状況から現時点ではなかなか受け入れが困難という事情が拝察できたので、現時点では、現地からの適切な情報が官邸にあがってくることをもって、現地の皆さまのニーズに適切に応えるべく当面努力していこうという判断をした。

 【質疑】

 【福島第一原発】

 ――昼前の会見で、3号機の爆発以降、注水を継続していると言っていたが。

 あの段階で、爆発の時点で注水がなされていた、そこから退避を、そのまま注水されている状態で退避をしているので、注水されているのではないかという見通しをお示しした。その後、状況が安定して、復旧のために作業員の皆さん、3号機、そして1号機や2号機の対処のために現状を把握したところ、水が入っていない状況が把握されたので、この復旧に向けて努力をしているところ。

 ――2号機の冷却装置が停止して水位が低下しつつあるのは、3号機の爆発と関係あるのか。

 これはある段階で、冷却のシステムからいずれにしても水を注入する状況へと安定化させていくプロセスのなかで進んでいかざるを得ないというか、次の対応策に進んでいかなければならないということは想定をしていた。ただ、爆発の影響でこれを注入する、海水注入へと段階を変えるための作業がいま若干当初の想定より遅れている。

 ――燃料棒は露出しているのか。

 いまのところ露出をするか、していないか、ギリギリぐらいの状況ではないかと思う。

 ――1号機、3号機のような爆発の可能性は。

 露出の時間や、露出している部分の大きさ等を最小化するべく全力をあげて現場の皆さん、努力をしていただいているところ。

 ――福島第一原発で避難民を誘導していた警察官が被曝(ひばく)したとの情報。

 避難されておられる皆さんについては、発電所周辺で放射線量を検出している。従って、放射性物資が周辺にあるということ。ただ、これは人体に直接影響をするものではない数値でこの間、推移をしている。10キロ圏内、20キロ圏内、こうしたものが量的なところ、風の影響等で正確なところは判断できないが、周辺部での数値に基づけば人体に影響を与える可能性の少ない量の放射性物質が付着等している可能性があるということで、これは一般的にそのチェックは行っている。具体的に、どこでどういった方が放射性物質が付着等をしてということについての情報はまだ集約はしていない。

 ――警察官2人は重症との情報も。

 その情報は私がここに入ってくる段階では入っていない

 ――自衛隊4人は被曝(ひばく)の調査、放射線量の調査はしているのか。

 ――当然のことながら、そうしたプロセスが必要になると思っているので、そうしたプロセスをされているものと思うが、確認は改めてはしていない。

 【被災地への支援】

 ――緊急物資の被災地への運搬状況は。

 全力をあげて行っているが、当然、被災地の皆さんからすれば一刻も早くということなので、そうしたニーズに完全にお応えできているわけではない。それにできるだけお応えできるよう全力をあげている。

 【福島第一原発その2】

 ――政府も保安院も東電も随時記者会見をしているが、速やかな情報提供ができていると考えるか。原発周辺の住民からは東電の情報提供が遅いとの指摘も。役割分担、あるべき姿についてはどう考えるか。

 この件についての情報については、できるだけ早く、しかも正確な情報をお伝えをすることが重要だと考えている。それは官邸の対策本部としても、できるだけ早く正確な情報を把握することが対応方針を判断するうえで重要だと思っているし、国民の皆さまにご心配をできるだけお与えしないためにも、それを適切にお伝えしていくことが重要だと考えている。一方で、不正確な情報をお伝えすることは、これまた別の意味で国民の皆さんにご心配をお与えし、混乱を生じさせるということになる。

 対策本部としても情報が正確なものであるかどうか、あるいは、その確からしさがどういったものであるかどうかということを検証しながら、正確さについてしっかりとご説明できる段階の情報については適宜発表させていただいていると思っている。これについては、さらにできるだけその段階、スピードを早めるように現場、現地に対しても求めているし、私たちも努力してまいりたいと思っている。

 ――国際原子力機関(IAEA)が福島第一原発についていかなる支援も提供する用意があると発表。IAEAと日本政府でやりとりしているか。

 直接対策本部の方ではしていないが、関係省庁を通じて連絡はとらせていただいている。定期的に関係省庁を通じて連絡はとっている。

 ――米国の原子力規制委員会が担当者2人を日本に派遣したと発表。可能な限りの支援をするとのこと。どういう支援を求めているのか。

 専門的なニュースの分野なので、具体的に海外の専門家の皆さんの知見が、必要な情報があれば、適宜、その知見を活用させて頂くべく、相談させていただく態勢はとっているが、すみません、これは私が関わる対応本部、全体の構造の中では、直接、具体的にこういう相談をした、相談をする、という状況は報告は受けていない。専門家のレベル同士のところでは、一定の連絡、相談はさせていただいているということ。

 ――海外からの支援が必要になっているという認識はあるか。

 これについては、いま、対策本部の立場、状況から見ているところでは、いわゆる技術的な専門的な知識、知見の問題以上に、状況、情勢の正確かつ早期の把握と、それに対して、原子力に対する知見が前提になるが、それ以外の対処手段、それの迅速化が問われてきている場面が、この間、続いてきたと私どもなりには判断しているが、同時に、原子力、原子力発電所のシステム等に対する専門的な知見が必要であるという点では、さらに海外の専門家の皆さんの知見も活用させて頂けるように、これは、現場の専門家、東京の専門家に連絡をしたいと思っている。

 【計画停電】

 ――政府として計画停電が必要になる可能性が高いと、いつごろ把握したのか。最終的に決定されたのは、総理発表のどれくらい前だったのか。

 この状況の連続なので、正確に東電から、可能性の情報として、本部にあがってきた時刻等については、必要があれば、改めて確認して、報告したい。当然、発表の前の段階で、可能性については報告を受けていた。決定と公表のタイミングだが、様々な最低限の発表にあたって、整理していく情報について、整理して、これで行こうという段階からは、そうした大きな時間差はなく公表させてもらったと記憶している。そのあたりの時間的な流れについては、必要があれば改めて報告したい。

 【福島第一原発その3】

 ――原子炉をどれくらいの時間冷却すれば、事態が収束するのか。

 一般的に水で冷やし続けると、水を新たに注入しながら冷やし続けて、どれくらいで安定した状態になるかは、専門的な分野だが、いま、私どもは、そうした冷却で収束に向かう状況に向けたプロセスをつくりあげて、安定させる努力を続けているところ。いまの専門的な、時間的な想定については、専門家の知見、必要があれば次回私から報告するし、保安院への会見等でお尋ね頂ければ。

 【計画停電その2】

 ――計画停電で、昨日、実施するエリア、スケジュールの発表が夜遅くなったことが混乱の一因に。明日以降のエリア、スケジュールの発表の見通しは。

 その点の問題意識は共有している。従って、私からは、できるだけ早い時間に発表して、周知を図るように、東電に指示している。この会見後、その点について、東電と直接連絡をとろうと思っている。

 【福島第一原発その4】

 ――原発の爆発の件。1号機と3号機が爆発したが、いずれも冷却機能がストップして、海水を入れて爆発した。2号機でも同じことをやると、同じような爆発が起きるのでは。

 そうした事態を回避すべく、できるだけ早く海水を入れて、安定化させたいという作業を現地で全力を挙げていただいている。

 ――海水を入れると、水素が発生して……。

 そういうことではない。海水を入れる前のプロセスの所の時間を、短くできるかということだと聞いている。

 ――福島第一原発のほかの炉のついて冷却がどうなっているのか。冷却装置が次々故障を起こしている。予防的措置は打てないのか。

 ご承知の通り、第1、第3とも、すでに海水注入、冷却のプロセスに入っている。第2についても、そのプロセスに入らざるを得ない段階の所で、前回報告の爆発があったという中で、三つの炉とも、海水注入をできるだけ早期に回復して、それをできるだけ安定的に継続するというのが、冷却のための手段ということで、これに全力で取り組んでいるというところ。

 【計画停電その3】

 ――計画停電。できるだけ早い段階で発表して周知を図るという指示を昨日も東電にした上で、発表が午後8時になったのか。

 それは、できるだけ、あらゆる情報について、できるだけ早く決定して、できるだけ早く周知して、計画停電による混乱を、あるいは不便を最小化するようにということは、この問題が、途上に上った最初の段階から、言っている。

 ――夜8時は早いと思うか。

 国民の立場からは、もっと早い時間にという思いを持たれるのは当然だと思う。一方で、地震発生から、週末を挟んでいたが、週明けの月曜日には電力消費が、一般的には消費量が上がるという状況の中で、その間に、本当にこの間、特に昨夜、昨日の午後くらいからは、例えば病院関係、鉄道関係、あるいは警察の信号その他、あらゆる分野のところの周知と対応の取り組みを行ってきた。

 そうしたものをセットして、そして、具体的な方法を決めて公表するということについての、できるだけ早くという対応を進めてきたということの中で、結果的に国民の立場から見れば、いまのような状況になったのは、大変残念に思っているし、大変遺憾に思っている。

 ――この後計画停電で実際に供給が止まるが、国民にどのような対応を呼びかけるか。

 本日はここまでのところ、そろそろ実施に移すのか、もうすぐなのかというぐらいのタイミングだが、実際には電力供給をストップすることなく、ここまでくることができた。これは本当に多くの国民が節電に最大限の協力をいただいている結果だと心から感謝と敬意を申し上げる次第だ。

 しかし、いよいよ電力供給をストップするという作業に入らざるを得ない状況であると報告受けている。約3時間、電気が届かないという状況に置かれることになる皆さんには大変心配だろうと思うが、ぜひ全体の予測されない停電というものを防ぐためにやむを得ない措置なので、冷静に対応いただければと思っている。

 ――その間、政府として支援することはあるか。

 すでにその間必要な支援については、昨日来万全を期して対応をしてきている。この対応が実際に結果につながることを祈って、さらにぎりぎりの所までその対応を継続しているところだ。

 ――首相が質疑に応じないので聞くが、首相が昨日、社民党首に対し原発事故の原因を「東電の報告が遅かった」と述べた。事実関係は。長官はどういう認識か。

 個別のトップ同士の話の中身なので、相手方もある話なので、軽々に外に申し上げるべきではない。私の認識としては、特に現場の発電所の関係者の皆さん、最善を尽くす努力を重ねてきていただいているが、できるだけ早い情報が正確に入れば、保安院、原子力安全委員会、日本最高の専門家の知見を生かして対処方針を決められる。これについては早すぎて悪いことはない。できるだけ早いことが被害拡大を最小化するために必要だと思っている。

 ――鉄道事業者と政府の調整はどうなっているのか。

 少なくとも対策本部としては、国交省に対しては鉄道に限らないが、関連するあらゆる分野部門に対して節電の協力のお願いの指示をしている。そこと具体的な電力受給者との関係は直接には把握していない。主に電力契約の問題なので電力会社のほうでは相手先との契約の量その他も分かっているので、大口需要者中心に自主的に電力を使わないという協力のお願いを電力会社の方からしていただくことを、私のほうから要請した。

 ――停電がいつ解除するか分からないが、東電側にめどを聞くことはできないか。

 これについては、いま、使えていない発電所の機能の回復がどのタイミングでどういうふうにできていくのかが一つの要素。もう一つの要素は国民が節電にどう協力していただけるか、さまざまな生活、経済活動などの前提で認容される範囲内で、最大限の節約というものを安定的にとっていただくことが可能であれば、それとの関係で、需要と供給のバランスで決まるので、今の段階では具体的な想定を申し上げるのは時期尚早であるということを申し上げている。

 節電の協力を申し上げた結果として、節電の協力をいただき、本日は計画停電のプロセスに入ったが、実際の電力供給のストップというのを後ろに倒すことができた。皆さんの協力の積み重ねの中でできるだけ早く計画停電という手法によらず節電努力の中で対応できる状況が望ましいと思っているので、こうした積み重ねの中で見通しを示してまいりたい。

 ――国民の協力を求めたいということだが、政令で縛りをかける考えはないか。

 まずは、多くの国民にとっても事業者にとっても、それぞれの工夫の中でできる小さな積み重ねというものは多々ある。これは法規範で縛ってできる範囲のものではない。こうした積み重ねの上に、現実に今日は計画停電、そのことがなされるだろうという現実の中での、さまざまな節電努力がなされたことはさまざまな活動に一定の大きな影響を与えている。まずは影響の小さな身近な所でできる努力を積み重ね、その上で全体としての節電の状況と電力供給とのバランスをみながら、対応していく必要があるんだろう。

 【福島第一原発その5】

 ――米海軍が、三陸で救援活動していたヘリ部隊員から放射線が検出されたと発表したが、把握しているか

 これはこの間、福島第一、第二の原発の対応、このうち放射性物質が外に出ている可能性があるのは第一原発の三つの炉だが、この三炉について圧力を弱めるためには一定の放射性物質が外に出るということは、この間、皆さんにお伝えしてきた。人体に影響を与えない範囲の放出だが、放出されているのは事実であり、そうした物質が付着している可能性というのは一般的にあり得る。

 【被災地への支援その2】

 ――救援物資をヘリから届けるということだが、どの程度実施できているか。

 届け出しているということは間違いないが、いままさに必要なところに、どんどんまず送る作業に全力を挙げている。まさに被災から時間もたっている。ある段階で集約して報告できるのではないか。


3/14 05:15 枝野官房長官会見

2010年06月04日 20時07分11秒 | 放射能?

2011年3月14日10時48分
 枝野幸男官房長官の14日午前5時15分の記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 計画停電を実施するにあたって国民のみなさまにお願いを申し上げます。昨晩、菅総理がお話ししました通り、東京電力管内において今朝から計画停電を実施いたします。東京電力管内のみなさまには大変、ご不便をおかけしますが、なにとぞ節電に協力をお願いいたします。

 なお、計画停電は、計画区域内において電力供給が止まる可能性があるということです。従って、計画区域内でも電気が使えることもありえます。逆に電気が使えるからといって計画停電が行われていないわけではありません。東京電力管内の国民のみなさんのご協力により、計画停電の実施時間や対象地域を少なくすることが可能になります。国民のみなさんの力をあわせて、ご努力をいただきますようお願いを申し上げます。

 今回の計画停電については、周知期間が短く、対象となる人口が非常に多いこともあり、開始にあたって若干の混乱も予想されます。こうした中、人工呼吸器をお使いの方々など、停電により支障の生じる患者さんなどもおられます。その対応にも万全を期しておりますが、そうした方々のご不便をできるだけ軽減するためにも、東京電力管内の国民のみなさまの節電へのご協力が必要です。

 本日は計画停電の初日であり、特に立ち上がりの午前中は、計画停電区域以外のみなさんにも徹底した節電をお願いいたします。

 不要不急の外出を控えるなど徹底して電力の使用を控えていただきたいと思っております。東京電力からは大口需要者に対する協力の依頼も行っていますが、国民のみなさんのご協力が不可欠であります。ぜひとも今から節電を始めてください。なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 【計画停電】

 ――節電開始にあたって外出を控えるようにというが、通勤・通学の自粛要請を政府が行うことはあるか。

 この趣旨にそった中で、既に大口の電力需要者のみなさんには東京電力から協力の依頼を進めていただいております。そうした中で、最大限の対応を政府としてもお願い申し上げます。政府からの直接のお願いをさせていただきたいと思っております。

 ――人工呼吸器を使っている方など患者にも万全を期すというが、どう万全を期すのか。

 現在、厚生労働省を通じて、医師の方々、訪問看護ステーションのみなさま、こうした、どこの患者さんが支障の生じる恐れがあるか、ということを把握して、そうしたみなさんを通じて個々の患者さんに周知をし、その対応をお願いいたしているところであります。

 ――若干の混乱が予想されるというが、一連の対応をめぐり東電の対応に不備が多いとの指摘がある。ホームページにアクセスできなかったり、周知期間が短かったりなど、こういった東京電力の対応について、官房長官はどのような考えを持っているか。

 この間の経緯については国民のみなさんにさまざまなご負担をおかけしていると思っています。一方で、大口の電力需要者に対する働きかけとして、努力を進めていただいている。国民のみなさんの不便を最小化するために、さらなる徹底した努力を東京電力にお願いしているところであります。

 ――実施期間のメドはどのようになっているか。

 まずは、この計画停電をしっかりと実施すること。そのことによるご不便を最小化すること。そのことによって、無計画・無秩序な停電を防ぐこと。今、内閣としても東京電力としてもそのことに万全を尽くしている段階であります。

 ――つまり、今のところはわからない?

 現時点では、まずは不測の停電が生じることがないよう、なおかつそうした中で、国民におかけをするご不便を最小化するよう、特に本日の立ち上がり、午前中のスタートの時点、最大限の節約節電をお願いすることによって、この対応をまずはしっかりと進めていく、そのことに全力を注いでいる。

 ――電車がストップすることによって、交通渋滞が考えられる。渋滞にあたって呼びかけは。

 さきほど申しました通り、不急の外出を控えいただくこと。外出先でも電力の消費等々も関係します。まさにできるだけ不要の外出を避けていただく、自動車による外出も避けていただく、そうしたことで、こうした混乱を最小化させたいと思っておりますので、ご協力をいただきたい。

 ――東京都周辺の電車は朝、通勤の人が多い。電車が動いて通勤はできるのか。

 私が申し上げた国民へのお願いの趣旨。同様の趣旨で東京電力から大口の需要者に対してのお願いをいたしております。また、それぞれの鉄道会社においても、この計画停電実施にあたっての混乱を回避するためのそれぞれのご判断をしていただいている、というふうに思っております。

 ――停電を受けて、運行を中止することもあるのか。

 既に本日の午前中は運休する、あるいは本日のある時間まで運休する、こうした鉄道事業者が出ていることの報告は受けています。

 ――どこで確認できるのか。

 これはできるならば、電池によるラジオによることが、電力を最小化するということ意味で、一番効果が大きいわけですが、最小限の情報はテレビを使って、あるいはネットを使ってもやむを得ないこともあろうかと思います。その場合もできるだけ、こまめにこまめに電源を落としていただいて、節電を最大化していただきたい。お願い申し上げます。

 ――なかなか周知徹底できなくて混乱が予想される。経済活動、社会活動への混乱は。

 さきほど私から冒頭でのお願いにも申し上げました通り、人工呼吸器をお使いの方々をはじめ、この停電の実施にあたって支障の生じる患者さんも少なからずおります。もちろん万全を期してはいますが、こうしたみなさんのご負担を最小化する、今、政府として最優先しなければならないのは、このことだと思っております。そうした中では、もちろん、駅等での混乱を避けるための最大限の措置を今、取り組んでいるところでございますが、ぜひ、この私の会見、メッセージを多くのみなさんにお知りをいただき、メディアのみなさんには、お伝えいただき、こうした状況を前提として、不要不急の外出を、この立ち上がりを、特に午前中はできるだけ回避をしていただくようお願いいたします。

 ――きょうの段階で仮に出社して帰れるのか。夕方の電車の状況は。

 鉄道の運休そのものについては、それぞれの鉄道事業者のみなさんにご協力をお願いしてそれぞれのご判断で、既に周知の活動を始めていただいているところでございます。従って、一般論として申し上げることはできません。

 ――停電する理由は、福島第一原発の事故によるものでよろしいか。

 今回の地震と津波によって、当該発電所に限らず、火力発電所を含め、多くの発電所が現在、使用できない状況になっております。そのために、電力の供給能力が落ちております。この供給能力を超えて、電力が消費されるということが、未計画になされますと、どこか分からないで急な停電が起こる。このことがまさにさまざまな国民のみなさんの生活に影響を与える。このことを回避するための計画停電なんです。

 ――火力発電所を含めて多くの発電所が使用できないというが、いくつぐらいか把握されていますか。

 今私は具体的な数字は持っておりません。この計画停電を実施しなければ、みなさんの節電のご協力をいただかなければ、予想される供給量と予想される需要との間に問題が生じる。こういう状況であります。

 ――電力不足はかなり早い段階から指摘されていた。昨夜の判断はあまりにも遅いのではないか。

 この間、できるだけ早く具体的な対応を準備してそれが整い次第、国民のみなさんに周知をしていただきたい、ということは電力会社に対しても要請をしてきております。具体的な計画の内容と準備と、そしてできるだけ早く周知をするとの兼ね合いの中で、東京電力からの申し出が昨日のあの発表のタイミングなるところであった。さらにその後、万全の対応をとるための措置を徹夜で東京電力はじめ政府においても進めているところであります。

 ――学校について、文科省から休校するとかの指示はしているのか。

 現在、この計画停電を実施するにあたっての国民のみなさんへのお願いの趣旨を踏まえ、文部科学省に限らず、全省庁で具体的な対応を進めていただいております。

 ――具体的な対応とは。

 それはまさに私が発表させていただきました。ほぼ同時に各省において、この対応にもとづいて、最大限の節電をしていただく、ということについて今、取り組んでいただいているところであります。

 【福島第一原発】

 ――3号機の燃料棒について、現状はどうなっているのか。また、1号機の棒が露出したという報道もある。事実関係はどうなっているか。

 まず、この間、この計画停電をしっかりと立ち上げて、実証していくということで、その取り組みを徹夜でやってきております。それについて、国民のみなさんにスタート前にしっかりと、こうしたお願いを皆さんを通じて周知をさせていただき、まさに安全安心の観点から不可欠であるということでこの会見をさせていただいております。

 今、ご指摘の件については当然担当部局のところは責任をもって状況を把握しておりますが、この会見までの間に私のところに報告することが必要な事象は生じていない。いうふうに思っております。

 【計画停電その2】

 ――先ほど、支障が出る一例で人工呼吸器の例を出したが、ほかに支障が出ることが予想されて、政府が対応したものがあれば。

 まさに、多種多様にわたっておりまして、網羅的にあげることはできません。例えば、まさに鉄道事業者のみなさんに対するお願い等の対応。これは電力が届かないことで、運行に支障をきたす、安全に支障をきたす可能性があるということで、計画停電の内容にそって、万全を期したお願いをしている。と、同時にこの計画停電。できるだけ国民のみなさんの不便を少なくして、スムーズに入っていくために、最大限の節電をお願いしている。こういった取り組みをほぼあらゆる省庁の、あらゆる関係のところでこの間、お願いをしてきているところです。

 【福島第一原発その2】

 ――長官が日夜取り組んでいるのは十分承知しているんですけれども、国民の関心が高いので、ある程度の時間がたったら報告いただきたい。

 この間の必要な情報は、さまざまな具体的なデータについてはその所管である保安院のほうから、報告をさせていただいている。私からは特に国民のみなさんに、政府全体のメッセージとしてお伝えすべき内容がある場合に、私のほうから発表させて、対応させていただいております。今夜午前0時、真夜中の段階で、今の段階で定期的な状況として私からお伝えをするような必要な情報は私のところには上がっていない。

 ――放射線量について、さきほど細かく報告あったが。

 私が何を具体的に発表するかについては、まさに政府として国民のみなさんにお伝えすべきメッセージとして必要なことについて対応させていただいている。今後もそうしてまいりたい。具体的な数値等についてはこの問題に限らず、基本的原則的には、あらゆる省庁があらゆる対応を行ってそれに関するさまざま数値があるので、基本的には所管の省庁が、この件については保安院で対応したい。

 【計画停電その3】

 ――さきほど、片山総務相と話していたが、計画停電についてどういう話だったか。

 この私が申し上げた内容については、政府として内閣として責任としてとりまとめ、メッセージとして発信をさせていただきました。これも周知にあたりましては、放送関係のみなさまをはじめとして、地方公共団体、あるいは通信事業者をはじめてとして多くのみなさんのご協力をいただきませんと、メッセージは国民には届きません。そのことにあたってさまざまなご助言をいただきました。

 ――大口需要にお願いとは具体には何か。

 これは、東京電力の責任において、東京電力の契約相手方である大口需要者のみなさんにお願いをしている、と報告を受けております。個別詳細は東京電力からされるかと思いますが、相手先との契約関係に基づいてお願いをしているということでございますので、具体的なお願い先については、東京電力のご判断かと思っております。ただ、政府の立場としてはあらゆる大口需要者のみなさんを含め、国民すべてのみなさんに、可能な最大限の節電をお願いを申し上げます。

3/14 00:40 枝野官房長官会見

2010年06月03日 21時11分07秒 | 放射能?

2011年3月14日13時54分
 枝野幸男官房長官の14日午後0時40分からの記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 本日11時1分に爆発が確認された福島第一原子力発電所3号機の件について報告する。

 映像等でご覧になっている方々、大変心配だと思うが、その後入手した、あるいは確認したデータから結論を申し上げれば、さきほど申し上げた通り、格納容器の健全性は維持されているものと思われる。

 格納容器の圧力は11時13分に380キロパスカル、11時55分に360キロパスカルで、内部圧力が安定している。先ほどの会見で申し上げた通り、現地所長の報告にあった健全性がある程度裏付けられたものと思う。

 また、放射線量のモニタリングの結果を見ると、発電所内サービスホールで11時37分、50マイクロシーベルト/h、発電所正門付近で11時44分時点で、20マイクロシーベルト/hとなっており、特段の変化は確認されていない。

 なお、若干距離のある、約5キロ離れているオフサイトセンターの12時36分のデータも、1マイクロシーベルト/h、昨日と同じ数値を示していて、いずれも大量の放射線量を示すものではない。

 なお、いずれのポイントにおいても中性子線について問題あるデータはでていないと報告されている。また、中央制御室も維持されていることが確認された。なお、3号機に対する注水活動だが、実施中のまま作業員が退避をしたというのが正確な報告だ。ただいま注水継続を目視確認するための努力、作業をどの段階でできるか、状況を把握しているところ。

 なお、現地からは6名の負傷者が出たとの報告があった。一部報道があるが、東電本店と現地の所長と両名に確認したが、両者からも行方不明の報告はない。

 なお、避難の状況だが、先程、わずかな方という表現をしたが、若干わずかだというのは適切でない表現だったかも知れない。現在、500名ほど、12時30分現在、500名ほどの方が避難の途上にある。20キロ圏内からの退避の途上にある。

 以上のデータから、今回の事象は1号機での過日の水素爆発と同種のものと考えられ、現時点で格納容器の健全性は維持されており、放射性物質が大量に飛び散る可能性は低いと、専門家を含めて認識している。さきほどの500名ほどの20キロ圏外への退避をまだしていない方々については先程同様、屋内で待避をするようお願いしているところだが、もう少しデータなどの経緯を見た上で退避の行動を続けてもらうタイミングを判断したい。以上。

 【質疑】

 【3号機爆発】

――けがをされた6人の所属と、どういう作業中にけがをしたのか。

 いまけがをされた皆さんのけがの程度と正確な、どちらの関係者の方かの確認作業を進めている。

――3号機の爆発でほかの周辺原発への影響は。

 現時点では影響は確認されていないが、爆発によって上に上がった天井などの落下物の危険がないことを確認した上で、最終的な状況確認に入る、いまこのタイミングを探っているという報告を受けている。

――爆発は何回あったのか。

 これは普通に考えて1回であると。一つが、建屋の中にあったものが何らかの形で爆発をしたものと考えられる。

――建屋の上層部に水素がたまっている原発の数はほかにいくつか。

 現時点では第一が先日、水素爆発を起こしました。今回、その可能性があるということで中止をしていた第三が爆発をした。

 ほかのところにはこうしたリスクは現時点では生じていない、そういった事象が生じないようコントロールに努力している。

――再度の爆発の危険はないとみているのか。

 3号機についてですね。基本的にはそうした可能性は低いだろうというふうに専門家の皆さんが分析をされている。

――爆発の時に圧力が低下したとおっしゃったが、爆発とは関係ないのか。

 直接の詳細なところは、さらに分析をしなければならないと聞いているが、現時点では圧力が一定程度維持されているということで、所長から報告があった健全性を裏付けるデータが出ている、そういうのが現時点の状況だ。

――360への圧力の低下というのは、これまでもあった変動の範囲内か。

 圧力については若干の変動があるということで、私もこの間、いろいろな報道を受けている。その範囲だろうと思っている。

――退避する範囲は20キロで変わらないか。

 水素が出ている、その爆発の可能性があるということは以前の会見でもご報告を申し上げたと思う。その時点で想定されていた事態で、こうした事態に備えて20キロ圏外へということを退避の指示をした。

 約500人ほどの皆さんが、残念ながら、途中、あるいはこれから退避ということなので、こうした皆さんも屋内で待機をしていただければ大きな健康への被害はない可能性が高いと認識している。これは、さらにモニター、放射線量のモニターをしっかり行っていく。

――500人は屋内待機か。いずれの段階で20キロ圏外に出るように話をするということか。

 基本的には退避を続けていただく、その条件が整うのがどのタイミングかを専門家の皆さんの評価、これは危機管理の専門と、放射線・原子力の専門家と両面の専門の皆さんのご意見をふまえて、そのタイミングを判断するということになる。

――屋内にたまった水素を逃がす有効な手段はできていないのか。

 いろいろな検討はしているという報告はうかがったが、逆にそこにいろいろ手を加えると、そのことが爆発の誘引になる可能性もあるということ。そして第一でも起きている、その分析、あるいはそもそも建物の構造等の分析から炉に大きな影響を与える爆発の可能性は低いという判断のなかで、状況の監視を注視しているということ。

――もともと3号炉の爆発の可能性があったが、けが人が出た。

 可能性がある中だが、一方でより大きな原子炉の状態の悪化を防いで原子力被害を防ぐためには水を注入して冷却していくということが欠かせない。

 こうしたことのなかで、爆発のリスクと、それによる一方での注水をしないというリスクの判断の中で、厳しい条件の中で作業に当たっていただいたと。大変敬意を表するしだい。

――中性子線の量について言及したのは、再臨界の可能性を恐れているのか。

 これは炉の構造、専門家の保安院等でおたずねいただければと思うが、念のため、こちらも計って、その数値には問題ないとの報告を受けている。

――1、3号機について、放射線量や観測されない危険が生じている可能性は。

 実際にモニターされている周辺の放射線の量が、これは気象条件などで測定値が変わってくるが、そうした変動はあるが、安定した数値でこの間ずっと推移してきている。

 さらには今回の爆発の後の数値についてもそうした範囲内で推移している。いずれにしてもこの原子炉を安全な状況にもっていくためには、原子炉内のガスを抜きながら水を入れていくという作業が不可欠だ。それをできるだけ人体に影響を与えない範囲内で進めていくという、その範囲のなかで今進んでいると認識している。

3/13 20:00 枝野官房長官会見

2010年06月02日 14時12分28秒 | 放射能?

2011年3月13日22時29分
 枝野幸男官房長官の13日午後8時の記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 3点について報告する。電力需給に対する対策本部の開催を報告したが、その最後の質問でもあったと思うが、先ほど総理から説明したような対応なら早いほうがいいという質問もあったと思うが、実務調整して、先ほどの総理からの報告となった。まずは国民の皆さんにお伝えをし、お願いをするのが重要であるということでその発表を先行させてもらった。この会見の後、時間を整理して、全体として災害対策本部、原子力対策本部、先ほど申し上げた停電など伴う電力供給対策本部、経済関係の会議を続けて執り行う調整にいま入っている。

 2点目は食料搬送について、これについては全力を挙げているが、特に海岸部の地域への伝達が十分ではないという状況だという報告。これについては様々な手法を駆使して、海岸部の皆さんに一刻も早く必要な食料品が届くような手配を改めてとっている。

 3点目は福島原子力発電所の3号機の状況です。さきほど海水を圧力容器内に注入を始めて水位が上昇をはじめたという報告をした。これについては一定の上昇をしたが、その後圧力容器内の水位計が上昇の数値を示していない。しかし、水は供給し続けている状況です。この状況をどう判断するか。昨日の1号機の爆発以降、こうした状況がございました。今回は3号機の弁に不具合が生じている可能性が高い。この弁の不具合を解消して内部の空気圧をしっかり下げるための努力をしている。なお、現時点で発電所周辺の放射線量モニターに特段の変化はない。直近の状況について報告した。私からは、以上です。

 【首相の発信方法】

 ――総理がなぜ質疑に応じないのか。

 皆さんからの質疑にしっかりお答えして、国民にしっかりメッセージを伝えるのは大変重要かと思っている。一方、皆さん十分ご承知の通り、いまあらゆる分野で全力でこの災害対応にあたっている。具体的な中身について、きちっと説明をするために今回、発表の中心になった電力供給の問題についてこのあと担当する大臣から報告し、質疑をさせて頂く。それぞれの担当部局、対策本部としての細かい数字、データなどの発表は適宜させて頂く。こうした状況の中で、総理からは大変生活に影響を与える重要なメッセージなのであえて総理自身が国民の皆さんにお願いをしたい、ということで発表させて頂いた。質疑という段階の詳細については担当大臣からということにした。理解を頂きたい。

 【福島第一原発】

 ――福島第一原発3号機について、水を入れても水位計が上昇していないと言うが、原因については単に水位計が壊れているのか、どういう状況か。

 客観的な問題として、昨日の1号機についてはある段階で水位計が機能しなくなった。その後、水をしっかり入れて、水に浸す状況を作り上げた。そのほかの状況は、今専門家が鋭意分析をしている。同時に、その原因の一つと考えられる圧力を抜く弁の不具合の対処については、具体的に動いている。

 ――1号機同様に爆発の可能性はあるのか。

 残っておりますが、それは先ほど申し上げたとおり、その点については昨日の状況よりはよい状態ではないか。というのは、ある時まで外に抜けている状況があるので、これについての詳細もいま専門家が分析している。また、もしこれが発生しても、昨日と同じように一番外側の部分が崩れて壊れることによって、その威力を弱めて原子炉本体に影響は及ばない、と専門家に頂いている。

 ――3号機の水位が上がらないというが、燃料棒の露出については大丈夫か。

 当然露出している可能性も想定しながら分析し、できるだけ早くその弁の不具合の対応をとるべく全力をあげている。

 ――どのぐらいの範囲で受け入れるのか。

 その手のことはこの後、海江田大臣、蓮舫大臣が対応してもらう。

 【特別立法・増税論】

 ――追加的法律と先ほど総理のメッセージだった。これは地震における特別立法を考えるのか。

 今の時点で具体的なものがあがっているわけではない。しかし、まさに野党の皆さんも最大限の協力をすると申し出ていることも踏まえて、必要があれば特別な立法措置も含めて対応を検討している。

 ――自民党の谷垣総裁が増税の可能性に言及した。総理もそれに賛意を示したと聞くが本当か。

 現時点ではあらゆる可能性を否定できない。まさに我が国にとって(これまで)直面していない事態ですので、今の時点であらゆる可能性を否定しないというのが政府としての基本的な考え方です。ただ、具体的にそれについて今検討とか増税について分析をしているという段階ではない。

 ――政府として増税の可能性を検討しているのか。

 いいえ、その検討に入る前の段階です。ただ、あらゆる可能性を否定することは出来ない。

 ――政府として増税の可能性を検討しているという理解でいいか。

 検討に入る前の段階。ただ、あらゆる可能性をいま否定することはできない状態だと思っている。

 【福島第一原発その2】

 ――水位計が上昇を示していないことと、弁の不具合の因果関係は。

 そのことについても専門家の皆さんに分析をお願いしているが、弁に不具合が生じていることについてはほぼ間違いないという分析の結果をいただいているので、因果関係の有無にかかわらず、弁を開ける、あるいはそれに代わる措置をいま最大限実現をすべく現に動いていただいている。

 ――弁に不具合が生じると水位計が上昇しないことはあるのか。

 そういった専門的なことについては、むしろ(原子力安全)保安院などの会見でおたずねをいただければと思っている

 ――弁の不具合により圧力が高まっているのは確実なのか。

 これはデータとして徐々にではあるが、圧力が高まっていることは報告を受けている。いずれにしても弁の不具合を解消するための努力をしている。

 ――圧力が高まっていることで、他の事態に発展する可能性は。

 現時点では大きな切迫という状況ではない。ただ、この状態を長い時間放置することはできないと思っている。

【安否・物資など】

 ――宮城・南三陸町で1万人が行方不明と。どうなったか。

 まさに文字通り行方不明になっておられる状況で、主に空から当該地域の周辺については捜索、情勢把握の努力を努めているところだ。

 ――自衛隊機に放射性物質がついたとの情報があるが真偽は。

 少なくとも私のところにそういった報告はきていない。

 ――野党を緊急対策本部に入れたらどうかという話があるが。

 野党の皆さんを含めて、これはまさに国家の総力を挙げて超党派で取り組まなければならないことについては総理もおっしゃっている通り、これは内閣挙げてとの認識だ。具体的にどういった枠組み、どういった形でご協力をいただいて進めていくのかについては、検討させていただきたいと思っている。

 ――被災地の医療機関などで薬が足りない。政府はどう考えるか。

 医薬品についても食料や水などと同じように緊急に必要な物資として、これは厚労省が全力をあげて取り組んでいる。一定程度被災地に向けて送っている状況にはなっているかと思っているが、これが特に被害の大きい海岸部、交通の状況も大変よくない状況があるし、また被害が大きいだけに県庁所在地などに取りに来てくださいというのも難しい状況のなかで、実際にその現場にどう届けるのかについては食料を含めて、今、さらに手段を検討、工夫しているところ。

 ――総理が東京電力幹部と会った。総理からどのような要請をしたのか。

 直接にはうかがっていないが、私も昼過ぎぐらいに東電社長とお会いしたが、その際、私からはこの間、原発の状況についてより迅速に、より正確に状況、情報を対策本部に報告をしてほしいと強く要請した。さらに停電が起こる、総理が発表させていただいたような状況が起こる可能性についてはすでに想定していたので、そうしたことにならないような努力と、もしそうなる場合には万全の措置をとるよう私からも社長に申し上げた。総理からも同様の趣旨があったものと推測している。

 ――食料搬送について。海岸部には船などを使って海路からの供給を考えているのか。

 可能性はいろいろなこと、あらゆることを検討しているが、具体的にこういう方向ということが決まった段階でご報告させていただくべきだろうと思っている。

3/13 15:30 枝野官房長官会見

2010年06月01日 14時30分05秒 | 放射能?

2011年3月13日20時14分
 13日午後3時半に枝野幸男官房長官が行った記者会見の内容は次の通り。

【冒頭発言・3号機に爆発の可能性】

 東京電力福島第一原子力発電所3号機について、新しい情報が入りましたので、私から報告します。この情報によっても、いま避難をして頂いている避難の状況などについて新たな対応をする必要はありません。そうした意味では冷静に受け止めて頂ければと思います。

 まず3号機につきましては、今朝原子炉の水位が低下をしたため、正確に言いますと、午前9時5分に圧力弁を開いて、炉内の圧力を下げ、午前9時8分から真水の注入を開始をいたしました。これにより、炉内の水位が上昇し、炉心を冷却できる状況となりました。

 その後、この真水を注入する給水のポンプにトラブルが生じまして、このためすみやかにその水源を海水にかえ、炉心への注入に入りました。しかし、当初この炉心への注水が不安定な状況となり、その結果として原子炉内の水位が大きく低下をいたしました。これに対して、海水を注水する状況について確認を鋭意行いましたところ、再びしっかりと水位が上昇をはじめました。

 繰り返します、一度注水の状況が不安定になり、水位が低下をいたしました。そのため、いわゆる炉心が水没しない状況が生じましたが、鋭意調査をいたしまして、対応をとりましたところ、再び水位は上昇を始めました。

 この間、炉心を十分に冷却できない状況であったため、炉内において大量に水素が発生したことが予想され、この水素が原子力建屋の上部にたまっている可能性が否定できません。

 繰り返しますが、水素が原子炉建屋の上部に、一番外側でございますね、たまっている可能性が否定できません。従いまして、3号機においても昨日1号機で生じたような水素爆発の可能性が生じたため、念のため速やかにご報告を申しあげた次第でございます。

 なお、放射能のモニタリングの状況ですが、おおむね本日の午前10時以降、50前後、(1時間当たり)50マイクロシーベルト前後の数値で安定していたものが、午後1時44分ごろから上昇いたしまして、午後1時52分には1557.5マイクロシーベルトを観測をいたしましたが、直近、いま、ここに入ってくる直前に入手をしたその時点での直近のデータ、午後2時42分のデータでは184.1マイクロシーベルトに低下をいたしております。従いまして、最大値においても1557.5マイクロシーベルトでございまして、これは例えば、胃のX線検診1回分の量が600マイクロシーベルトでございます。この一番高い数値のところでも、1時間その場にいて、1557という、胃のX線検診、これは1回分ですので、3回分弱になりますか、という数字でございます。

 すでにこの数値は184.1マイクロシーベルトまで下がってます。この数値は東京、ニューヨーク間の往復1回分が200マイクロシーベルトでございます。こうした状況にございますので、なお、水素が仮に発生をして、これが建屋の上部にたまっている可能性を否定できないと申しあげましたが、万が一これが昨日のような爆発を生じた場合であっても、昨日もそうでありましたが、原子炉本体、圧力容器と格納容器については問題が生じないという状態、その外側でしか爆発は生じませんし、そのレベルの衝撃には耐えられる構造になっております。

 また、この爆発的なことが万が一生じた場合でありましても、発電所の近くの場所での数値が先ほどのような数値でございますので、避難をして頂いている周辺の皆様の健康に影響を及ぼすような状況は生じないというふうに考えております。

 爆発的な事象、皆様にもご心配をおかけをいたしますし、そうした可能性が否定できないという事実が明らかになったものですから、ただちにこうして発表をさせて頂いているものであります。私から以上であります。

【3号機の現状】

 ――たまっている水素を除去する方法はないのか。

 基本的には建屋からも炉の中からも、昨日と違うのは、ベントがもう機能していて基本的には外に気体を排出するプロセスの中で起こっている。可能性としてはすでに排出されている可能性も十分ある状況にあるが、念のため可能性があるということで報告した。

 ――3号機ではメルトダウンが起こっているのか。

 言葉の使い方を丁寧にやらないと、炉心の一部が、若干、炉の中で変形をする可能性は否定できない。水没していない時間があったことは間違いない。しかしながら全体が一般的にメルトダウンの状況に至るような長時間にわたって水没していない状況が続いていたという状況ではない。水位はすでに上昇を始めている。可能性があるということで会見をセットした。この水位の上昇をいま見守っているところだ。

 ――燃料棒が露出して中の燃料が出ていることを示すデータは確認しているか。

 現時点では確認していない。

 ――海水にかえたトラブルとは。

 ポンプのトラブル。

 ――海水を入れた炉は将来的な廃炉を検討するのか。

 海水を入れた場合には将来の復旧が著しく困難になる。

 ――将来使えない可能性があるということか。

 専門家から報告を受けているのは、著しく困難であるという報告を受けている。そのことを前提としながら、しかし安全性に万全を期すということでこういう対応している。

【放射線が一時上昇】

 ――放射線の数値が一時的に上がった原因は。

 ベントの処理を行い、原子炉内の空気を管理された形で外に出すということをやっている。炉心が水没していない状況になると放射線の発生がその時間は多くなるということで一時的に数値が上がる。

 ――危険ではないという理解でいいか。

 1557マイクロシーベルトという数字は、例えばこれを1時間で浴びた場合の数字が1557だが、胃のエックス写真1回分が約600と聞いている。身体に直接影響を及ぼす数値ではないと報告受けている。結論として身体に直接影響を及ぼす数字でない。

 ――施設内だけでなく、周辺で放射能がどれくらいか分からないか。

 できるだけこうした調査というのは多くやったほうがいい。今の会見は新しい事象が生じたことでできるだけ早くということでまいりましたので、そうしたことも段取りや状況についてはあらためて報告したい。

【3号機の注水不具合】

 ――ポンプのトラブルは復旧したということだが。

 違う。ポンプのトラブルが真水の給水について生じたので、できるだけ給水が滞る時間帯が短いほうがいいということで、海水の注入をバックアップで用意していたので、そちらに切り替えた。ところがそのバックアップのほうの手順、段取りがうまくいかなかったようで、一時的にそこからの注水がうまくいかなかった。しかし、そのことについては直ちに復旧できた。すでに給水が始まっている。

 ――一時的に不安定になったのは海水に切り替えてからか。

 繰り返すが、真水をポンプで注水するためのポンプが機能しなくなったものですから、それを海水によるものに切り替える。ところがこれがうまくいかなくて、水位がさらに下がったということで調べたところ、若干そこに不具合があった。これを直ちに復旧させて水位が上昇してきている。

 ――海水による注水がうまくいかなくなる可能性は

 すべてのことにバックアップを用意をして、そうしたことに対応できるような手順、段取りをできるだけ多数用意するということをいまトラブルそのものに対する対応と同時に準備をしている。今回の場合がそれがあったので、真水のポンプが機能しなくなったときに海水に切り替えることができた。

 ――真水に切り替えるというめどはたっているのか。

 専門的なところはあらためて確認するが、おそらくいったん海水を入れているので真水に切り替えることに大きな意味があるとは想定できない。きちっと冷却することが何よりも大事だ。

 ――なぜ最初から海水でやらないのか。

 一般的には冷却の水は真水を使うことが一般的だ。真水が足りなくなってということではなくて、真水の使っていたポンプがたまたま不具合が生じたということだ。真水を使っていたということに問題があったわけではない。ポンプのバックアップを用意していたことが大事だ。

 ――最初から海水でやったほうが。

 注水できる量はポンプの性能によって決まる。水そのものが足りなくなって給水ができなくなったということであるならば、海水をはじめから入れるべきだが、水の量の問題があったのではなくて、ポンプの問題だ。真水の量は今のところ十分な量があるということで真水を優先的に注入してきた。しかしながら、そこのポンプがうまくいかなかったときにそのポンプの改修よりも優先して海水を入れるということで万全を期した。

 ――ポンプの不具合は地震によるものか。

 それは報告は受けていない。

【爆発への備え】

 ――水素による爆発があった場合の備えは。

 基本的には周辺のところからもう退避(指示)がされている。そして放射能による可能性ということでは、この間、原発周辺でモニターされている放射能の量から考えるに、すでに万全すぎるほどの万全の退避の指示をしている。一部健康上の理由などで近いところにいる方については退避のための必要最小限の時間以外は屋内でいて洋服などに万が一にも少しでも付かないのがベターなので、そうしたことはしていただいたほうがいい。

 ――水位はどの程度まで下がったのか。

 正確な数字をもってきていないが、かなりの程度はいったん露出した。ただしすでに水位が上昇をはじめている。その時間は一定の限られた時間だ。

 ――ほぼむき出しになっていたのか。

 それは全体の構造の中で専門的に説明いただいたほうがいい。

 ――圧力容器と格納容器はどの程度の衝撃に耐えられるのか。

 詳細な数字はまさに専門的に報告いただいたほうがいいが、内側からの相当な圧力にそもそもがつくられている。相当な強度があるものでないと原子炉がつくれない。一方で外側の建屋の部分は万が一の場合に備えて何か内側であっても内部のほうに圧力がかからない、逃がすようにある意味では飛びやすくなっている構造をつくっている。なおかつ水素ですから高いところにいくので、想定される事態は最大でも昨日のような事態だという説明を受けて了解した。

 ――3号機は1号機と同じような処置をしているということか。

 水素の状況は違うが、基本的には大きな意味では中の空気をベントなどによって外に放出させながら、注水している。大きな意味では同様な状態だ。

 ――残りの炉についての予防的措置は。

 基本的には原子炉に水を注ぎ込んで、炉が水から出ないような状況を短くする。炉の圧力が高くなりすぎないようにベントなどの処置をして圧力を下げる。これが基本的な対応で共通している。水を別のところからポンプで注入する必要性が生じた場合にはそれができる態勢づくり、それから圧力が上がったらベント処置をして圧力を抜く措置、これに備えた措置はそれぞれ準備を整えている。

 ――水素爆発は予測していたのか。

 昨日もいろいろな情報に基づいて万全の策をとることに全力を注ぎ、それをやってきた。特に昨日ああいった爆発の映像などをご覧になった方はいろいろ不安をお持ちだろうと思う。当然いま同時並行して水位の上昇のモニター、放射線量のモニター、しっかりと進めていただいているが、同時によくない可能性のある部分についてはできるだけ早く報告したほうがいいだろうということを昨日の経緯をふまえて判断した。全体の状況について段取りの前に事実関係そして安全のレベルについて確認できたので報告している。

 ――昨日の爆発前に1号機でも水素が充満して爆発する情報はあったのか。

 昨日の時点の状況、情報整理をしてあらためて報告する。

 ――女川原発の敷地内で放射線量が上昇しているとの情報。

 現時点で、私のところまでは伝わっていない。

【安否・発信方法など】

 ――昨日の段階では情報の遅れがあったと指摘。

 率直に言って、どういう情報の整理をした段階でどういう風にご報告をするのかということは、大変悩みながらやっている。正確な情報をきちっと適切にお示しをするのが特にこうした案件については重要だと思っている。一方で、不確実な情報をお伝えをするということはあってはいけないということも思っている。したがって確実な情報だけをしっかりとスピーディーに報告をする。特に万が一の悪い方向での可能性のある事象についてはできるだけ早い段階で報告をすることでさらに努めてまいりたい。その代わり、当該情報のみを持ってここにきて発表するので、その他の情報について集めて整理するという段取りを取らずにご報告を今後もこうしたことがあればさせてもらうのでご理解を。

 ――南三陸町で1万人が不明。その後連絡は。

 いま申し上げた通り、今はこの(原発の)情報を入手して、それに対する対応についての指示などを行って、できるだけ早くということでこの会見をセットして報告している。すべての情報、記憶に基づいて間違ったことを申し上げてはいけないと思うので、他の件については会見などで改めて説明する。

 ――1号機も3号機以外にトラブルは。

 私が会見場に向かう段階では少なくとも官邸には報告がされていない。もしそういうことがあればただちに報告がなされる。

 ――建屋から水素を抜く作業は進んでいるのか。

 これは抜く作業というよりは、基本的には建屋から空気を抜かせる。つまり元々の炉の中にあったものは外にベントなどの手続きで外に出すというのが基本的なプロセスで進んでいるわけで、炉の中に水蒸気、あるいは場合によってそれが変形して外に出て水素になっていたとしても、基本的には外に抜くためのプロセスは元々進行している状況。だから水素が発生して建屋内にある可能性があることを報告した。

 ――濃度は計測しているのか。

 私が会見場に入る段階ではしていない。

 ――建屋から抜けているのか。

 まずはそこに水素がある可能性があるということで、私はできるだけ早くこうした情報は伝えたほうがいいということでここに来て説明している。これが今度どう改善されていくのか。当然、抜けていくとか改善されるわけなので、そのことについては改めて必要があれば報告する。