「
朝日新聞の16日夕方までの取材では、栃木県那須町で1.39マイクロシーベルト、前橋市で0.11マイクロシーベルトなどが観測された。岩手県では、盛岡市内で16日午後5時現在、0.037マイクロシーベルトを記録したものの、同県環境保全課は「昨年3月の月平均の0.021マイクロシーベルトよりは高いが、過去3年間でみると最大値は0.084マイクロシーベルトあった。通常の範囲内の数値で、健康には問題ない」としている。
一方、事故で福島第一原発から放出された可能性のある放射性物質の検出も各地で続いている。
中部電力は16日、浜岡原発がある静岡県御前崎市で、空中のちりやほこりからヨウ素131やセシウム134など5種の放射性物質を検出したと発表した。浜岡原発は安定して運転中で、周囲に異常な放射線量の変動がないことから、同原発によるものではない、としている。福島第一原発と浜岡原発は直線距離で約400キロ離れている。
新潟県も16日、同県南魚沼市でヨウ素131やセシウム137などを検出したと発表。東京都世田谷区でもヨウ素131などが検出されている。
今後、放射能汚染が激しい場所を調査する必要も生じるため、文部科学省は、人が近づけない危険な場所のガンマ線などの放射線量を測定できる無線操縦で動く防災モニタリングロボットを東京電力に貸し出した。
財団法人原子力安全技術センター(東京都)が所有するロボットで、同センターは「防災訓練などに参加したことはあるが、現場で実際に利用するのは初めてと思う」と話している。
このロボットは高さ150センチ、長さ150センチ、幅80センチ、重さ約600キロ。小型戦車のような形をしている。無限軌道によって、最大毎分40メートルの速さで移動できる。前方にマジックハンドが付いており、それで積んでいる無線中継基地を途中で下ろしながら前に進むことで、約1.1キロ離れたところから無線操縦ができるという。
同センターは、もう1台モニタリングロボットを所有している。ガンマ線に加え、中性子線の測定や空中に漂っているちりを捕まえることもでき、「こちらのロボットも近く出動させる予定」と話している。
同省ではこのほか、ヘリコプターなどを使って空からの測定も行うよう防衛省と調整している。
」
各地で観測された放射線量は地図の通り
写真:福島第一原発の事故に投入される防災モニタリングロボット
2011年3月16日22時47分
東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、福島市では16日午後7時、通常時の300倍以上に相当する1時間あたり14.7マイクロシーベルトが観測された。原発周辺の自治体では、風などの条件にもよるが、依然として大気中の放射線量が高い状態が続いている。朝日新聞の16日夕方までの取材では、栃木県那須町で1.39マイクロシーベルト、前橋市で0.11マイクロシーベルトなどが観測された。岩手県では、盛岡市内で16日午後5時現在、0.037マイクロシーベルトを記録したものの、同県環境保全課は「昨年3月の月平均の0.021マイクロシーベルトよりは高いが、過去3年間でみると最大値は0.084マイクロシーベルトあった。通常の範囲内の数値で、健康には問題ない」としている。
一方、事故で福島第一原発から放出された可能性のある放射性物質の検出も各地で続いている。
中部電力は16日、浜岡原発がある静岡県御前崎市で、空中のちりやほこりからヨウ素131やセシウム134など5種の放射性物質を検出したと発表した。浜岡原発は安定して運転中で、周囲に異常な放射線量の変動がないことから、同原発によるものではない、としている。福島第一原発と浜岡原発は直線距離で約400キロ離れている。
新潟県も16日、同県南魚沼市でヨウ素131やセシウム137などを検出したと発表。東京都世田谷区でもヨウ素131などが検出されている。
今後、放射能汚染が激しい場所を調査する必要も生じるため、文部科学省は、人が近づけない危険な場所のガンマ線などの放射線量を測定できる無線操縦で動く防災モニタリングロボットを東京電力に貸し出した。
財団法人原子力安全技術センター(東京都)が所有するロボットで、同センターは「防災訓練などに参加したことはあるが、現場で実際に利用するのは初めてと思う」と話している。
このロボットは高さ150センチ、長さ150センチ、幅80センチ、重さ約600キロ。小型戦車のような形をしている。無限軌道によって、最大毎分40メートルの速さで移動できる。前方にマジックハンドが付いており、それで積んでいる無線中継基地を途中で下ろしながら前に進むことで、約1.1キロ離れたところから無線操縦ができるという。
同センターは、もう1台モニタリングロボットを所有している。ガンマ線に加え、中性子線の測定や空中に漂っているちりを捕まえることもでき、「こちらのロボットも近く出動させる予定」と話している。
同省ではこのほか、ヘリコプターなどを使って空からの測定も行うよう防衛省と調整している。
」
各地で観測された放射線量は地図の通り
写真:福島第一原発の事故に投入される防災モニタリングロボット
「
午前5時45分。4号機原子炉建屋4階から炎があがっているのが確認された。使用済み核燃料を保管していたプール内の水が、核燃料が発する熱で蒸発。水からむき出しになり、さらに高温になった核燃料の表面で水素ガスが発生し、この水素ガスが爆発した可能性がある。
現場には、消防車4台、消防隊員17人が駆けつけた。
発電所が消防隊に示した敷地内の放射線量は、午前6時20分現在で1時間あたり最大400ミリシーベルト。被曝(ひばく)線量の1年間の上限は、緊急時でも本来100ミリシーベルトで、今回の事態を受けて上限が引き上げられたが、それでも250ミリシーベルトだ。この値を、わずか40分ほどで超えてしまうほどの放射線量。極めて危険なレベルだ。
指揮者1人が、発電所内の緊急時対策室で消火活動について打ち合わせをした。残る隊員16人が正門の外で待機する中、3号機から白煙が上がっているとの情報。核燃料の熱でプールの水が沸騰し、放射性物質を含んだ湯気が建屋の外に噴き上がっていたとみられる。結局、消防隊は現場を確認することなく、午前11時半に引き揚げるしかなかった。
「人が近づいていないので、正確な把握はできておりません」
16日夕方、東京電力本店で開かれた会見。担当者は、強い放射線で作業が困難になっていることを訴えた。現場の状況すら把握できない。4号機原子炉建屋から上がった炎はその後、消えた。だが、消えていることを確認できたのも、遠く離れた高台からだ。
東電によると、同日午前には180人以上が福島第一原発に集まり、消火作業や給水作業に備えた。しかし、午前10時43分、「原発敷地の正門付近で、毎時100ミリシーベルトの放射線量が測定された」との報告があった。避難指示を出すしかなかった。
約1時間後、その測定値は誤報と判明したが、避難した後だった。
この日、陸上自衛隊のヘリコプター3機も現場に向かった。UH1ヘリコプター1機とCH47輸送ヘリコプター2機。搭乗している隊員は全員、防護服を着用していた。かなり動きが制約される中での操縦だ。
周辺の放射線量を測定し、作業に問題がないと判断されれば、(1)CH47に最大積載量が7.5トンの水嚢(すいのう)をぶら下げて海水をくみ上げ(2)原子炉上空でホバリングをしながら水を投下する――という段取りだった。
山火事などで作業自体は手慣れている。とはいえ、原子炉上空でホバリングしながら水を投下するのは「考えたことさえない」(自衛隊幹部)という。
結局、指揮官が「作業の継続は危険」と判断し、この日の投下は見送られた。
ただ、消火活動が成功しても問題が解決するわけではない。
1~3号機では原子炉内の冷却水の水位が下がり、海水を注入して冷やす作業が続けられている。だが、高温の燃料棒が露出して空だき状態になる恐れがある。地震発生時には停止中だった4号機でも、燃料棒が貯蔵されているプールの水が蒸発、燃料棒がむき出しになる危険性がある。
」
写真:福島第一原発の(手前から)1号機、2号機、3号機。白煙の奥の白い壊れた壁が4号機=15日午前7時33分、東京電力提供
2011年3月16日22時10分
何とかしたいのに、近づけない――。爆発や水蒸気の噴出、火事と相次ぐトラブルをなんとか収めようと、福島第一原発の中では16日も早朝から、空と陸から必死の作業が続けられた。だが、高い放射線によって状況を把握することすら難しく、作業は思うように進んでいない。午前5時45分。4号機原子炉建屋4階から炎があがっているのが確認された。使用済み核燃料を保管していたプール内の水が、核燃料が発する熱で蒸発。水からむき出しになり、さらに高温になった核燃料の表面で水素ガスが発生し、この水素ガスが爆発した可能性がある。
現場には、消防車4台、消防隊員17人が駆けつけた。
発電所が消防隊に示した敷地内の放射線量は、午前6時20分現在で1時間あたり最大400ミリシーベルト。被曝(ひばく)線量の1年間の上限は、緊急時でも本来100ミリシーベルトで、今回の事態を受けて上限が引き上げられたが、それでも250ミリシーベルトだ。この値を、わずか40分ほどで超えてしまうほどの放射線量。極めて危険なレベルだ。
指揮者1人が、発電所内の緊急時対策室で消火活動について打ち合わせをした。残る隊員16人が正門の外で待機する中、3号機から白煙が上がっているとの情報。核燃料の熱でプールの水が沸騰し、放射性物質を含んだ湯気が建屋の外に噴き上がっていたとみられる。結局、消防隊は現場を確認することなく、午前11時半に引き揚げるしかなかった。
「人が近づいていないので、正確な把握はできておりません」
16日夕方、東京電力本店で開かれた会見。担当者は、強い放射線で作業が困難になっていることを訴えた。現場の状況すら把握できない。4号機原子炉建屋から上がった炎はその後、消えた。だが、消えていることを確認できたのも、遠く離れた高台からだ。
東電によると、同日午前には180人以上が福島第一原発に集まり、消火作業や給水作業に備えた。しかし、午前10時43分、「原発敷地の正門付近で、毎時100ミリシーベルトの放射線量が測定された」との報告があった。避難指示を出すしかなかった。
約1時間後、その測定値は誤報と判明したが、避難した後だった。
この日、陸上自衛隊のヘリコプター3機も現場に向かった。UH1ヘリコプター1機とCH47輸送ヘリコプター2機。搭乗している隊員は全員、防護服を着用していた。かなり動きが制約される中での操縦だ。
周辺の放射線量を測定し、作業に問題がないと判断されれば、(1)CH47に最大積載量が7.5トンの水嚢(すいのう)をぶら下げて海水をくみ上げ(2)原子炉上空でホバリングをしながら水を投下する――という段取りだった。
山火事などで作業自体は手慣れている。とはいえ、原子炉上空でホバリングしながら水を投下するのは「考えたことさえない」(自衛隊幹部)という。
結局、指揮官が「作業の継続は危険」と判断し、この日の投下は見送られた。
ただ、消火活動が成功しても問題が解決するわけではない。
1~3号機では原子炉内の冷却水の水位が下がり、海水を注入して冷やす作業が続けられている。だが、高温の燃料棒が露出して空だき状態になる恐れがある。地震発生時には停止中だった4号機でも、燃料棒が貯蔵されているプールの水が蒸発、燃料棒がむき出しになる危険性がある。
」
写真:福島第一原発の(手前から)1号機、2号機、3号機。白煙の奥の白い壊れた壁が4号機=15日午前7時33分、東京電力提供
「
防衛省幹部によると、16日午前、菅直人首相から北沢防衛相に、自衛隊のヘリコプターによる活動指示があったという。同午後4時、陸自霞目駐屯地(仙台市)からヘリ3機が離陸。1機が福島第一原発3号機の上空の放射線量を調査し、問題がなければ空中で待機していたCH47ヘリが水を投下する段取りだった。
北沢防衛相は同日夕、首相官邸での緊急災害対策本部会議の後、「明日も挑戦する」と語った。
」
2011年3月16日20時54分
北沢俊美防衛相は16日午後、陸上自衛隊のヘリコプターで東京電力福島第一原発3号機の上空から水を投下するよう折木良一統合幕僚長に指示した。ヘリ3機が出動し、周辺上空の放射線量を調査したが、限界値を超えたため長時間現場にとどまることが危険と判断し、活動を見送った。17日以降も放射線量を調査し、実施の可否を判断する方針。防衛省幹部によると、16日午前、菅直人首相から北沢防衛相に、自衛隊のヘリコプターによる活動指示があったという。同午後4時、陸自霞目駐屯地(仙台市)からヘリ3機が離陸。1機が福島第一原発3号機の上空の放射線量を調査し、問題がなければ空中で待機していたCH47ヘリが水を投下する段取りだった。
北沢防衛相は同日夕、首相官邸での緊急災害対策本部会議の後、「明日も挑戦する」と語った。
」
「
枝野氏はまた、「過剰反応が生じており、民間業者を中心に(原発から30キロの)屋内退避地域の外側なのに輸送物資が届かないという報告がある。過剰な反応をすることなく、物流でモノを届けてほしい」と述べ、物流関係者に冷静に対応するよう求めた。
」
2011年3月16日20時8分
枝野幸男官房長官は16日夕の記者会見で、文部科学省の測定で福島第一原子力発電所から北西に約20キロ離れた福島県浪江町で15日夜、毎時195~330マイクロシーベルトの放射線量が確認されたことについて「専門家の分析によると、ただちに人体に影響を与えるような数字ではない」と述べた。「365日24時間、屋外でこの数値の場所にいた場合に問題が出るかもしれないというレベルだ。ご安心いただければと思う」と説明した。枝野氏はまた、「過剰反応が生じており、民間業者を中心に(原発から30キロの)屋内退避地域の外側なのに輸送物資が届かないという報告がある。過剰な反応をすることなく、物流でモノを届けてほしい」と述べ、物流関係者に冷静に対応するよう求めた。
」
「
同原発では午前8時半前後に3号機でも白煙が発生、枝野幸男官房長官は、格納容器の一部から水蒸気が出ている可能性が高いとの見方を示した。
NHKのヘリコプターが第1原発から30キロ以上離れた所から午前10時ごろに撮影した映像では、同原発から白い煙のようなものが上がっていることが確認できた。
このほか、16日朝には、4号機建屋の北西部から再び炎が上がっているのが確認された。東日本大震災の発生時に休止中だった4号機では15日にも火災が発生、放射性濃度急上昇の主要因となった。4号機は炉内のプールに使用済み核燃料が保管されている。火災はその後鎮火したが、建屋の北西側の壁に8メートル四方の穴が2つ見つかっている。16日朝に再び炎が目撃され、その後見えなくなったが、状況は把握できてないもよう。
震災時に休止中だった5号機と6号機は、現在は温度管理をして、リスクが生じない態勢を作っているという。
枝野官房長官は16日午前の会見で、放射線量が上昇したことに関連して、その後、値が下がっており、20キロメートルから30キロメートル内の住民を屋内退避としている態勢を変更することは考えていないと語った。同原発正門付近の放射線量は午後4時過ぎ時点で1500マイクロシーベルトに低下している。
ただ、原子力安全・保安院によると、同原発の1─3号機の燃料棒は16日午後1時時点で半分くらいが露出している。ポンプ車による海水の注入を行っているが、依然として危険な状態が続いている。東京電力は、現状で臨界の可能性はないとしている。
NHKなどの報道によると、文部科学省が16日に行った調査で、福島第1原発から20キロメートル離れた地点では最大0.33ミリシーベルトの値が検出された。また、茨城県北茨城市にあるモニタリングポストでも16日午前11時40分ごろ、通常時の約300倍となる15.8マイクロシーベルトの放射線量が検出された。
枝野官房長官は、文科省の調査に関連して、屋内退避地域の放射線量は直ちに人体に影響を及ぼす数値ではないと説明した。
福島第1原発では15日午前に3号機付近で400ミリシーベルト、4号機あたりでも100ミリシーベルトの放射線濃度を検出し、人体に影響のある放射線量が流出する事態となった。
*1ミリシーベルトは1000マイクロシーベルト。100ミリシーベルト以下の放射線量であれば一度に浴びても健康被害はないとされる。
(ロイター日本語ニュース 編集 石田仁志)
」
2011年3月16日19時35分
[東京 16日 ロイター] 東京電力<9501.T>福島第1原子力発電所で16日午前10時過ぎ、正門付近の放射線量が急激に上昇、ミリシーベルトの単位になった。原子力安全・保安院では、2号機から出ている放射性物質が原因の可能性があるとしている。第1原発正門付近の放射線量は午前10時40分に10ミリシーベルトを観測した。同原発では午前8時半前後に3号機でも白煙が発生、枝野幸男官房長官は、格納容器の一部から水蒸気が出ている可能性が高いとの見方を示した。
NHKのヘリコプターが第1原発から30キロ以上離れた所から午前10時ごろに撮影した映像では、同原発から白い煙のようなものが上がっていることが確認できた。
このほか、16日朝には、4号機建屋の北西部から再び炎が上がっているのが確認された。東日本大震災の発生時に休止中だった4号機では15日にも火災が発生、放射性濃度急上昇の主要因となった。4号機は炉内のプールに使用済み核燃料が保管されている。火災はその後鎮火したが、建屋の北西側の壁に8メートル四方の穴が2つ見つかっている。16日朝に再び炎が目撃され、その後見えなくなったが、状況は把握できてないもよう。
震災時に休止中だった5号機と6号機は、現在は温度管理をして、リスクが生じない態勢を作っているという。
枝野官房長官は16日午前の会見で、放射線量が上昇したことに関連して、その後、値が下がっており、20キロメートルから30キロメートル内の住民を屋内退避としている態勢を変更することは考えていないと語った。同原発正門付近の放射線量は午後4時過ぎ時点で1500マイクロシーベルトに低下している。
ただ、原子力安全・保安院によると、同原発の1─3号機の燃料棒は16日午後1時時点で半分くらいが露出している。ポンプ車による海水の注入を行っているが、依然として危険な状態が続いている。東京電力は、現状で臨界の可能性はないとしている。
NHKなどの報道によると、文部科学省が16日に行った調査で、福島第1原発から20キロメートル離れた地点では最大0.33ミリシーベルトの値が検出された。また、茨城県北茨城市にあるモニタリングポストでも16日午前11時40分ごろ、通常時の約300倍となる15.8マイクロシーベルトの放射線量が検出された。
枝野官房長官は、文科省の調査に関連して、屋内退避地域の放射線量は直ちに人体に影響を及ぼす数値ではないと説明した。
福島第1原発では15日午前に3号機付近で400ミリシーベルト、4号機あたりでも100ミリシーベルトの放射線濃度を検出し、人体に影響のある放射線量が流出する事態となった。
*1ミリシーベルトは1000マイクロシーベルト。100ミリシーベルト以下の放射線量であれば一度に浴びても健康被害はないとされる。
(ロイター日本語ニュース 編集 石田仁志)
」
「
現在、1―3号機への注水作業は継続されているとする一方、4号機の使用済み核燃料棒が保管されている一時貯蔵プールへの注入は始まっていない。
第1原発では16日午前、複数にわたって3号機付近から白煙が上がるのを東電社員が目撃。その一方で10時過ぎには、第1原発の正門付近の放射線量を測るモニタリングポストで線量が急増。10時10分には毎時810マイクロシーベルト(マイクロはミリの1000分の1)だった線量が、10時半には同2399に、40分には近くの別のモニタリングポストで10ミリシーベルトに増えた。このため、現場の作業員に安全な場所に一時避難するように退避命令を出した。その後、11時以降は線量の低下傾向が見られたため、退避を解除した。
枝野官房長官は、3号機の格納容器が破損した可能性があると指摘したが、保安院はすでに格納容器の一部が破損しているとみられる2号機が原因である可能性が高いと分析している。3号機の格納容器が破損しているかどうかは現時点では不明だとしている。
一方、使用済み核燃料が一時貯蔵プールに保管されている4号機に関しては、注水のためのポンプ車が隣接できるようにブルドーザーでがれきを取り除く作業に取り掛かっているとした。
*本文3段落目の単位の表現を明確にします。
」
2011年3月16日15時24分
[東京 16日 ロイター] 経済産業省原子力安全・保安院は16日正午の会見で、東京電力<9501.T>福島第1原発の放射線量が一時急増し、現場の作業員が安全な場所に退避したものの、線量が減少したため、午前11時半に退避を解除したことを明らかにした。現在、1―3号機への注水作業は継続されているとする一方、4号機の使用済み核燃料棒が保管されている一時貯蔵プールへの注入は始まっていない。
第1原発では16日午前、複数にわたって3号機付近から白煙が上がるのを東電社員が目撃。その一方で10時過ぎには、第1原発の正門付近の放射線量を測るモニタリングポストで線量が急増。10時10分には毎時810マイクロシーベルト(マイクロはミリの1000分の1)だった線量が、10時半には同2399に、40分には近くの別のモニタリングポストで10ミリシーベルトに増えた。このため、現場の作業員に安全な場所に一時避難するように退避命令を出した。その後、11時以降は線量の低下傾向が見られたため、退避を解除した。
枝野官房長官は、3号機の格納容器が破損した可能性があると指摘したが、保安院はすでに格納容器の一部が破損しているとみられる2号機が原因である可能性が高いと分析している。3号機の格納容器が破損しているかどうかは現時点では不明だとしている。
一方、使用済み核燃料が一時貯蔵プールに保管されている4号機に関しては、注水のためのポンプ車が隣接できるようにブルドーザーでがれきを取り除く作業に取り掛かっているとした。
*本文3段落目の単位の表現を明確にします。
」
「
現在、1―3号機への注水作業は継続されているとする一方、4号機の使用済み核燃料棒が保管されている一時貯蔵プールへの注入は始まっていない。
第1原発では16日午前、複数にわたって3号機付近から白煙が上がるのを東電社員が目撃。その一方で10時過ぎには、第1原発の正門付近の放射線量を測るモニタリングポストで線量が急増。10時10分には毎時810マイクロシーベルト(マイクロはミクロの1000分の1)だった線量が、10時半には同2399に、40分には近くの別のモニタリングポストで10ミリシーベルトに増えた。このため、現場の作業員に安全な場所に一時避難するように退避命令を出した。その後、11時以降は線量の低下傾向が見られたため、退避を解除した。
枝野官房長官は、3号機の格納容器が破損した可能性があると指摘したが、保安院はすでに格納容器の一部が破損しているとみられる2号機が原因である可能性が高いと分析している。3号機の格納容器が破損しているかどうかは現時点では不明だとしている。
一方、使用済み核燃料が一時貯蔵プールに保管されている4号機に関しては、注水のためのポンプ車が隣接できるようにブルドーザーでがれきを取り除く作業に取り掛かっているとした。
」
2011年3月16日14時25分
[東京 16日 ロイター] 経済産業省原子力安全・保安院は16日正午の会見で、東京電力<9501.T>福島第1原発の放射線量が一時急増し、現場の作業員が安全な場所に退避したものの、線量が減少したため、午前11時半に退避を解除したことを明らかにした。現在、1―3号機への注水作業は継続されているとする一方、4号機の使用済み核燃料棒が保管されている一時貯蔵プールへの注入は始まっていない。
第1原発では16日午前、複数にわたって3号機付近から白煙が上がるのを東電社員が目撃。その一方で10時過ぎには、第1原発の正門付近の放射線量を測るモニタリングポストで線量が急増。10時10分には毎時810マイクロシーベルト(マイクロはミクロの1000分の1)だった線量が、10時半には同2399に、40分には近くの別のモニタリングポストで10ミリシーベルトに増えた。このため、現場の作業員に安全な場所に一時避難するように退避命令を出した。その後、11時以降は線量の低下傾向が見られたため、退避を解除した。
枝野官房長官は、3号機の格納容器が破損した可能性があると指摘したが、保安院はすでに格納容器の一部が破損しているとみられる2号機が原因である可能性が高いと分析している。3号機の格納容器が破損しているかどうかは現時点では不明だとしている。
一方、使用済み核燃料が一時貯蔵プールに保管されている4号機に関しては、注水のためのポンプ車が隣接できるようにブルドーザーでがれきを取り除く作業に取り掛かっているとした。
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