ぼく達のホームビーチ
ぼくとイチ子さんが最初に暮らしたのは、湘南茅ヶ崎の東海岸近く、一中通り裏のモータープール付き米軍ハウスもどき ...
旅の画帖
『四月に収穫の秋を迎え、十月に春の花咲く国がある』という堀内茂男の一節を冒頭に掲げた一冊の画帳 ...
1982年8月
眠り損ねた夜 明ければ何事もなかったように夏の朝がいて... 午前九時 カフェの...
そんな・こんな・静かな夜
夏が何事もなく過ぎ また いつもと同じ秋 そんな・こんな・静かな夜 突然 ド...
ガレット・デ・ロワでお茶にしましょう
木々の葉が柿色に染まるこの季節。 山並みを背景に、紅葉が『日本の秋を語るに必要な風景』であることは疑う余地はありませんが、都会のビルの谷間の、くすんだコンクリートで...
きみの呼び声
雲量七。曇りがちの週末。 コロナ三年目のこの夏もまた、友達を呼ぶに呼べずで残...
きみに書く『千一夜物語』、もしくは言葉の錬金術
もし、きみがいなくなったら...。 きみと知り合ってから今までのことは書けても『これから先のこと』は書けなくなる。 ぼくにとってそれは、想定外の更にそのも...
掌が包むその秋色
ほんの数週間前に 南の島で白砂をすくったきみの手は、 今、公園で落ち葉を載...
この夏のことのように...
古い写真 —— どこの海岸だったろう —— 西伊豆かもしれない。 「恥ずかしいからダメよ」って、この時きみは照れたよね。 そこ...
ひいき目に見てなんかないよ
休日の二度寝には気を付けないと思いのほか長い眠りに落ちる。 生活音が聞こえて目覚めるとイチ子さんが戻ったところだった。 ランニングして海を見に行ってきたと言う...