ありがとうって伝えたくって

「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

同軸コリニアアンテナ飛びの謎が解決?

2017年08月27日 17時44分51秒 | 同軸コリニアアンテナ

ハムフェアへの駆け込み?で8月26-27日の2日間同軸コリニアアンテナと市販GPの比較実験を行った。

今回も『同軸コリニアアンテナ研究会メンバー』には様々な協力を頂いた。

『144MHz8段同軸コリニアを使った実験』(8月26日)

初日は144MHzを使用して実験を行う。相手局には送信出力とアンテナを確認した。

16局の信号強度をスペアナで測定。SSBなので有意に比較出来ないかと考えていたが、peak holdすると±0.5dBm程度には収束した。

スペアナで計測すると同時に相手局からのシグナルレポートで確認した。(計測値と完全一致した)

X7000(5/8λ3段アンテナ部4.5m程度) VS 同軸8段コリニア(アンテナ部6m)

有意な差(3dBm以上)が認められない 8局

(実際にアンテナを切り替えてもSは変わらないとのこと)

X7000が良く聞こえる        8局

実際にアンテナを切り替るとSが1-5変化したとのレポートを頂く)

(参考)

この日の最長距離は桐生市。約200km

X7000 86.5dBm,同軸8段コリニア 91.5dBm(5dB X7000が強い) 

(所感)

●同軸コリニアは全く良いところ無し。使う意味あるのか?と疑問を感じた。

Sメータが振ってないのに-90dBm以上を計測するので・・スペアナの設定ミスか?使用方法に問題があるか?周辺ノイズが高いのか?とは思った。

『430MHz26段同軸コリニアを使った実験』(8月27日)

土曜日の実験では同軸コリニアの良さが確認できない・・本当に良いことなし。

なので破壊力のある(と思われる)26段同軸コリニアで逆転を狙った。しかし状況は変わらなかった。

全般的にX7000(5/8λ8段)が受信強度は上なのだ。やはりメーカ製にはかなわないなと諦めかけた

ところが430MHzで更に調査すると同軸コリニアでしか聞こえない局が多いことに気づいた。

しかも非常に弱い局だ。X7000では全く聞こえない。しかし、コリニアでは問題なくはっきり聞こえるのだ。

そこでそんな埼玉局に合わせてアンテナを切り替えてスペアナで信号強度を調べると・・

X7000 -90dBm

同軸コリニア -104dBm

これまた数字はX7000の方が強いのだ!!聞こえないのに強いってどういうこと????

(スペアナで復調して信号を聞いていないので信号が強いことしか分からない)

スペアナを外して再度リグで聞くとやはり同軸コリニアでしか聞こえてない!!

もう一度スペアナ波形を確認して理由がはっきりした。

[①同軸コリニアでの受信波形、ノイズフロアが-110dBmだ]

[②メーカ製GPでの受信波形。こちらはノイズフロアが-98dBm!!

メーカ製GPではノイズフロアが高く弱い信号が聞こえないのだ。

この埼玉局の信号強度は

同軸コリニアでは、-106dBm~-104dBmと計測出来た。

しかしメーカ製GPでは、-98dBm(←ノイズだ。場合によってはもっとノイズが強い)以下の信号が計測できないのだ。(144MHzでは-91dB以下になってない)

これが昨日感じた違和感だったのだ。

ここで初めて同軸コリニアの優位性がはっきりした。しかもこの数字はメーカ製に取っては絶望的な差12dBだ。

この結果を確認するために更なるチャレンジを行った。

同軸コリニアは段数に比例した利得がある。つまり段数を分かりやすく10dB(1/10)下げてもX7000と同等の性能が確保出来ると仮定できる。

つまり26段/10 = 2.6段(同軸コリニア3段90cm)で、X7000 4.5m長アンテナを上回れる)

計算上2.6段あればX7000と飛距離は変わらないのだ。手元には10段以下の同軸コリニアが無かったので、JE2SDE局所有の12段コリニア(3m長)で試してみた。

結果はX7000では聞こえず同軸12段コリニアでははっきり聞こえた。

『まとめ』

●同軸コリニアのノイズフロアは、X7000よりも少なく見積もっても12dB低い。

つまり少なくともS/N比が12dB良いのだ。

ノイズフロア 同軸コリニア:-110dBm    X7000:-98dBm~-93dBm

となった。

ノイズフロア以下の信号は聞こえない。これを電界強度と到達距離で表わしたのが下表だ。

(下記表ではそれぞれアンテナ利得 6dBi,アンテナ高 10mと仮定している。ピンク部分はノイズ次第で聞こえなくなる部分)

X7000のノイズフロアが-98dBm~-93dBmである。従って伝搬距離は80km-110kmとなる。

一方、同軸コリニアは-110dBmなので210km伝搬する。

以上より同軸コリニアはX7000よりも1.9~3倍の伝搬距離があることが確認できた。

これでAISアンテナの飛びの秘密解明だ。

そしてもう一つ重大なことも確認出来た!それはハムフェアで。

『同軸コリニアアンテナのユーザ様からのお便り』

今迄144 SSB は第一電波の3本ツナギのGPを使って居ましたが、

今回コリニアにした結果、今迄JA7は福島までしか交信出来ませんでしたが、今回は秋田と岩手も出来、さすがコリニアと思いました。

宮城の港湾関係会社へ8段同軸コリニアの記事も拝見してコリニアでコンテストに参加出来て良かったなと思っています。

あと、今迄はANTの組み立てが結構大変だったのですが、今回初めてコリニアでくみ上げた結果、10mパイプに沿わせて揚げるのは極めて簡単でANT全体の重量も極めて軽くなり我々老人には有り難いことです Hi
 
『間もなくハムフェアです』
 
「同軸コリニアアンテナ研究会」は今年も2017年ハムフェアに出展致します。
ブースNO. J49です。せひお立ち寄りください。
 
今回の実験に際しスペアナを提供頂いた
7N4AJEさん
そして2日間の実験場所使用を快諾??頂いた
JE2SDEさん
ありがとうございました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿