ハムフェアで『同軸コリニアアンテナ研究会』で出展してから同軸コリニアに関する問い合わせが多くなっています。
そこで同軸コリニアアンテナ(以下、同軸コリニアと略します)の性能調査の発端から使用方法等に関してのまとめを書いておきます。
同軸コリニアの歴史
これはここに書いてあります。1930年に出された特許が元になっています。ぜひ一読を勧めます。
信じがたい事実
実は2017年初めに業務局へ同軸コリニアを納入しました。その結果市販GPよりも受信距離が3倍近く拡大したとの報告を受けたのです。(この記事)
3倍の拡大するためには伝播損失補償のため利得差が20dBないと実現できない数字です。
なので研究会の仲間もあまりに違いに、「前の設備の不良だったのでは?」が大勢の意見でした。
この事実の解明のためSG,スペアナ等測定器を総動員してフィールドに出て実験・調査をしました。
性能
これまで論文等が発表されていて他のアンテナ形式と有意な差が無いと言われてきました。
また私自身も解析結果から性能差は無いと思っていました。
しかしその時が来ました。仲間と430MHzで市販のGPと同軸コリニア(利得差1dB程度)を切り替えて運用実験をしているときに気づいてしまったのです。
同軸コリニア(12段)で聞こえている局がメーカー製GPでは全く聞こえなかったのです。
都市ノイズの大きな場所では同軸コリニアの方が①ノイズフロアが10dB前後低かったのです。(記事はここ)
この数字は他形式のアンテナ受信時性能が-10dBとなることを意味します。本blog記事に疑問を抱いた埼玉局が同じ実験を行いました。(記事はここ)
しかし結果は変わりませんでした。(但しノイズレベルは少し低い7.5dBでした)更に新たな事実が判明しました。八木・ループアンテナに対してもノイズフロアはGP同様のアドバンテージがあったのです。
そして200kmの伝播実験では②4-5dB電界強度が高かったのです。
対メーカー製GP
①都市ノイズのレベル分ノイズフロアが低い(一般的には10dB前後)
②200kmでの電界強度が4-5dB高い(その分100km以内は弱く感じる)
の特徴がある。
対八木、ループアンテナ
①都市ノイズのレベル分ノイズフロアが低い(一般的には10dB前後)
と考えられる。
使い方
同軸コリニアの使い方の概要はここに書いてあります。
設営に必要なポール
ここで紹介している同軸コリニアはグラスポールへ貼り付けて使用します。
430MHz10段程度ならば5-6mのポール、144MHz8段の場合は10mクラスのポールが必要です。
430MHz帯以上かつ8段以上のコリニアアンテナはそよ風でもグラスポールが揺れてQSBを生じ430MHzでは51-59くらい変化します。
なので一番のお勧めはウエダ無線で販売されているDX Wire 10m EXTRAです。
国内で販売されている10mポールの中では一番頑丈だと思います。
他の代理店でも扱っていますが、ここが一番安いようです。
このポールは私のblogにも載せています。 144MHz8段コリニア側で使用しているポールです。隣は8mポールです。
また、ポールはもう少し短く、安いものであればこのような物もあります。
移動運用でのポール固定方法
私は山岳移動用としてゴムロープを40-50cmにカットして使用しています。(記事はここ)
また最近は荷締めベルトを推奨しています。Amazonではこれです。
ホームセンターでも販売されています。これを使うと完全に固定出来ます。
以上、よく質問を頂く内容をまとめてみました。
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