数年前に1エリアの埼玉の山頂局がメーカ製のアンテナと16段ダウンチルト&8段同軸コリニアの比較実験を行って2年、今回は3エリアの局長様からレポートを頂いた。
最近の同軸コリニアの頒布は依頼局の主な運用形態と標高・ロケ・交信相手との距離を勘案して適切な同軸コリニアを提供させて頂いている
今回紹介する局長様は標高100-200m程度かつ琵琶湖を見下ろすと伺っていたので
430MHz最強の15段ダウンチルト同軸コリニアを提供させて頂いた
この15段アンテナは10段同軸コリニアと比較して平均するとS2ほど飛び受けが良くなるのだ
10段と15段の段数差は1.5倍、dBで表すと1.4dBこの差でSが2つ良くなるはずはないのだ。しかし現実はS2良くなる
2年前とは技術力が違っているということでもある
前置きはさておき比較結果
比較対象: X7000と15段ダウンチルト同軸コリニア
標高: 254m
【6mHに上げたX7000】
【6mHに上げた15段ダウンチルト同軸コリニア】
琵琶湖岸標高86m水面反射での飛びチェックと 先日と同じ254mに行きました。
琵琶湖岸ではコリニアのみ6mH 254mではX7000と比較しました。 アンテナ高さは6mH 詳細は添付参照ください。
X7000との比較の感想は・・・ X7000・・・聞こえない飛ばないので比較にならないのです。 2mFT8ではそれなりに聞こえていたのに430FT8や 430FMでは何も聞こえない・見えないのです。どうして?
コリニアで見えてたFT8もFMもまるっきり聞こえなくなりました。 X7000ってこんなものなのですか? もう低山移動では使いません!
先日の琵琶湖水面反射の目玉は岡山市。 本日の低山の目玉は、長野市、清水区、黒部市でした。 (黒部はeQSLが来て、TS811+20X2X2とのことでした) 今回も200kmOverと出来ましたので感激です。
この結果でX7000がダメだと言いたいわけではありません
適材適所なんです
標高がたった250mでこの差が出る理由をちゃんと考えて頂きたいのです
なぜですか?
答えは実に簡単です。高いところに移動すれば(山岳移動局を除き)UHF帯の電波は基本的に地上側つまり下から電波が飛んで来るわけです
下から電波が来ているのに水平方向へ鋭い指向性を持つ高ゲインGPを山岳移動で投入すること自体が無謀なことなのです。上記結果は必然です
その点にお気づきでしょうか?八木で考えてみて下さい、横浜から埼玉と交信しようとしているのにアンテナを南に向けますか?
たった250mでもこれだけの差(聞こえるが聞こえなくなる)が出ます
なので山岳移動で同軸コリニアでダウンチルトアンテナが必要になったのです
アンテナ比較記事
アンテナ比較記事をよく見かけますが上記の点を理解しての比較記事はほぼ皆無です
また大OMも気づいてないと思います
標高250mですら上記の結果です。標高1000m、2000mでのアンテナ比較は伝搬をちゃんと理解してないと大きな誤解を生みます
標高の高い場所に高ゲインのGPを持ち込んで比較すること自体間違いなのです。勿論、距離に応じてGPを傾けて比較すれば実力通りに結果が出ます
それも行わず比較をすると思いもしない結果に驚きます!!
このホイップアンテナの方が八木やGPよりよく聞こえる!!(これは一面しか見ていません、なんて話ありますよね?)
1200MHzでの1000mを超える移動には最低2本のアンテナを持っていきます
7段同軸コリニアと31段同軸コリニアです
・7段同軸コリニアは近中距離(50km)まではSが上です、または対ビームアンテナ用
(ハンディホイップ的なアンテナならば30km程度は圧倒的にSが強い)
・31段同軸コリニア 標高1000mで不感地帯が30kmある50kmを超えると独壇場
つまり段数によって得意とする距離やアンテナタイプが異なっているのです
標高にもよるのですが段数が低いものは垂直面が広い、八木との相性が良い、近距離のSが強くなる
段数の多いGPは全般的にSが弱くなる。その分遠距離が伸びる(エネルギー保存則です)
430MHz1200MHzのアンテナ比較は最低でも50km以内、50km-100km、100km以上に分類して比較する必要があります
更に距離によりGPアンテナを傾けるが正しいのですが・・
アンテナを傾けなくてもビームが地上に向いているのが
ダウンチルト同軸コリニア
というわけです
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