実は今年の5月連休の終わりごろに立山レピータの管理者の方から連絡を頂きました。
簡単に書くと
「現在のメーカ製GPはかつてのアンテナよりも飛ばない。立山山頂では耐久性も無く1年も持たない。そこで自分たちでGPを制作したが分厚いグラスポールに入れると周波数が大きくずれて使えない」
「困っているのでアンテナ製作をお願いしたいが可能だろうか?」
ということだった。勿論、何も考えずに「大丈夫ですよ!」と回答した。
当初、ダウンチルトタイプをお願いしたいとおっしゃったのでその製作に全力を注いだ。
それが苦難の始まりで5月1ケ月間はダウンチルト地獄に落ちて周波数を合わせることすらできなかった。
7月に入ってやっと様々な新たな技術を手に入れた。
・ダウンチルトの制作方法(=アップチルトも)
・ダウンチルトの周波数調整
・ポール内へ同軸コリニアを実装した際の周波数の偏移方向
・希望周波数へピタリと動かす方法
・新たな製造方法の確立
・そして「同軸コリニア」の本性
さて、各地から頂いたレポートを掲載します。レポートは多くは無いのですが各地から頂いていて立山の7段同軸コリニア(通常タイプ)の飛びがはっきり分かります。
立山レピータの現在の出力は2.8Wです。この受信結果が下記のレポートになります。
米子市からのレポートでは、これまでは「ダクト」以外では聞こえなかったと記されていました。
10/9は弱いダクトかも。
飯田市は2000m以上の山に囲まれた地域、ここへも飛ぶようになった。
千葉柏市のレポートは10/7に時間帯を変えて行われていた。59には驚くばかり。
米子からのレポートと共通していたのは遅い時間帯ほど飛びが良いという事。日にちも異なり異常伝搬ではない、またはこの時間に異常伝搬すると考えている。
取手市からは同軸コリニアメンバーからの報告だ。時間は15:00。平日のこの時間?会社で実験したようだ。
ここで同軸コリニアで55で受信出来ているので・・少なくともあと50-100kmは大丈夫だろう。
従って千葉、茨城南部ではGPクラスのアンテナで誰でも立山レピータへアクセスできるのでは?
立山レピータ2.8Wでのアクセス可能な距離は設備にもよるが立山レピータから半径400km、異常伝搬やコンディションが良いと600km程度にはなるのではないか?
あとは立山レピータが定格出力10Wに戻れば・・サービス半径1000kmも夢ではなかろう。
レポートを頂くことで更に同軸コリニアの研究が深まっていきます。
レポートを頂いた皆様、本当にありがとうございました。
冬季に入っていて立山レピータの利用時間は15:00-17:00となっています。
鳥取(島根県境まで)⇔関東間は楽に飛んでいるようです。ぜひCQを出して短い交信で楽しんでは如何でしょうか?
一波しかない電波ですので譲り合ってご使用をお願いします。
最近色んな検証で8段-12段同軸コリニアの性能バランスが良いことが分かってきました。
冬季はアンテナの高さ制限の2mがあり7段となりました。
2.8Wでこのサービス?距離ですからやはり「同軸コリニア」は実はミラクルなアンテナでした。(が結論です)
ダウンチルトアンテナの製作実験で得たものはアンテナの種類が増えた事よりもUHF帯の電波伝搬を更により深く理解できたことです。
今では周辺写真を見て適切な同軸コリニアを選択できます。
また某所でjhqさんと「関東UHF」に一緒に参加し助言を頂き改善しようと思った事が・・今に繋がっていますので本当に感謝しています。
ありがとうございます。