ハムフェア用に製作した2mの4段コリニアアンテナを有効活用しようと改造を行うことにした。
そこで「コリニアアンテナ製作マニュアル」(ハムフェアで希望者へ配布した)を利用した改造方法を書いてみる。
マニュアルに記載されている「製作表」を使うと手元にあるコーリニアの改造方針もすぐに分かるようになっている。
[2mの製作表、最新版です]
まずは「製作表」の使用方法を2mコリニアを例に復習してみよう。
4段のコリニアを製作する場合、製作表の4段を縦方向に黄色の塗りつぶしの数字を使うのだ。
CW、SSB中心に使用するならば717mm、
FM中心の運用ならば712mmとする。
同様に6段の場合は
CW、SSB中心に使用するならば708mm、
FM中心の運用ならば703mmとする。
位相整合部は
352mmとしておくのが一番手間無く調整できる。
(メーカが異なっても3D2V系5D2V系の同軸ケーブルを使う限りこの数値は殆ど変わらない)
では話を戻して、ハムフェア用に製作した2m4段コリニアは、どんなサイズだったのか?以下で考察。
【製作表を使用した検証】
実は下表の薄い緑部分のサイズだった。つまりエレメント706mm、位相整合部345mm。
これを製作表と比較すると本アンテナは4段であるにもかかわらず
・エレメント長は6段以上が使用されている
・位相整合部は短すぎる
従って高い周波数にずれていると考えられる。
実測すると確かに中心周波数は145.5MHzで予想通りだった。
【周波数修正方法】
①エレメント交換
このエレメントの1本を長いエレメント2本に差替えて周波数を下げる方法を考えた。
周波数を下げるためには、エレメントを長くする必要があるので、製作表の「4段まで」の
列を使いエレメント715mmとした。706x3本と715x2本となって平均的なエレメント長は709.6mmとなる。
製作表で考えると4段と6段の中間に位置し、中心周波数は145MHz程度と予想した。
位相整合部を変更せずに屋内で計測すると中心周波数は145.2MHzとなった。
フィールドでは0.5MHz程度中心周波数が上がるのでエレメント交換の効果は少なかった。
②位相整合部修正
そこでコリニアトップの345mm位相整合部を5mm延長して350mmとして交換した。
下段の位相整合部は交換しない。
これでスタブを取り付けて切っていくと下図のようになった。これならばスタブ調整次第で上手くいきそうだ。
【薄い緑は、SWR1.5(145.0MHz±0.5MHz程度)。オレンジはSWR2.0(143.5-146MHz付近)のラインだ。】
慎重に5mmずつスタブを切っていくと、非常に良い結果が得られた。(下図)
SWR1.5の範囲が143.75-144.5MHz、SWR2.0が143-146MHzoverとなった。(屋内での計測)
これだけ帯域幅があるとフィールドで高い方へ周波数がずれても問題なさそうだ。
【フィールドテスト】
というわけで、これを持って行き小仏城山の山頂でフィールドテストを実施した。
さて結果はどうだったか?144.0-145.0MHzの範囲ではFT817のSWRメータは1.0だった。
【結論】
・コリニアアンテナでは位相整合部の長さを変更する事が周波数調整の近道である。
・異なる1/2λのエレメント長の組み合わせを使用した方が帯域幅が広い傾向にある。
(今回は、下側エレメントから短-長-長-短-短とした。短:706mm 長:715mm
短と長をグループにして組み合わせる。ここの数字を使った帯域幅の再現性は半々くらいだ)
・製作表と手元の自作コリニアを見比べると手直しの方針が見えてくるので、ぜひ利用して下さい。
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