徒然USO800

時事ネタ漫画や同人活動報告やら雑多な漫画日誌です。

「老後に本当はいくら必要か」

2010-05-05 00:18:15 | うちの書棚
祥伝社新書 著者 津田倫男

 よくマスコミを通じて老後に不自由なく生活するにはウン千万円いるとか喧伝されている。でもそれは本当なのか? この本はそんな掛け声に騙されるな!と説いている。それはあながち嘘ではない。いろいろ細かくその理由を本書では書いている。

 では老後資金の最低必要額はいくらになるのか? という問いにはある程度示してはいるものの正直あまり詳しく答えてはいない。夫婦二人の生活に現在はこんだけいるからこれこれこんだけお金を貯めなさいと詳細な解説を期待するとがっかりする。

 むしろこの本は手練手管で金を騙し取りに来る金融界の実体をいろんな側面から書き、そういう詐欺にあわないよう自衛しなさいと説いている。多分これがこの本の趣旨。それ以外の老後の生活をどう楽しむかという精神論的な部分は付けたしくらいに思った方が良い。

 一昨年のリーマンショックを見てもわかるように金融商品の世界は「ゼロサム」が原則である。すなわちそれは誰かの儲けは誰かの損の上に成り立っているということだ。錬金術は等価交換。何かを得ようとすれば何かを失うのだよ。エド!!(笑) では誰が儲けを得て誰が損をするのか。当然のことながら儲けを得るのは大金持ち。損をするのは貧乏人・素人である。これは揺るぎようの無い原則である。金融商品の仕組みはそうなっているんだということを知っておくだけでも騙されることはなくなると本書は説く。

 とても良く世の中の仕組み、金融商品の本質を喝破している。

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