ドクターリコの明日もHappy!

形成外科医リコの、美容と医療と育児と趣味のブログ。http://kitamurariko.com/

「風の中のマリア」百田尚樹

2011-09-10 19:26:25 | 読書
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命はわずか三十日。ここはオオスズメバチの帝国だ。晩夏、隆盛を極めた帝国に生まれた戦士、マリア。幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続ける。ある日出逢ったオスバチから告げられた自らの宿命。永遠に続くと思われた帝国に影が射し始める。
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マリアはオオスズメバチの戦士。
昆虫を擬人化した小説・・・・ではあるものの、「みなしごハッチ」とも「アリとキリギリス」とも違うのは、マリアは「オオスズメバチ」のマリアとして生き、考え、行動するのみで、何ら人間の意図や、昆虫の一生を通して何かを学ぼう、といった有り難い教訓も・・・なーーんにも、反映されていない・・・ということ。
それでも、マリアの短い一生が濃く熱く過ぎゆくのにドキドキし、帝国の運命にも心を打たれる・・・不思議な小説です。

読み終わった時にはスズメバチ博士になれることを保証いたします
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「流星~お市の方~」永井路子

2011-09-07 08:21:07 | 読書
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激動の戦国時代に、織田信長という風雲児の妹に生まれたがため、またその比類なき美貌ゆえに、お市の方は激しく厳しい運命を生きる。近隣の国々を切り従え、天下を狙う兄・信長。その兄と対決せざるを得ない最愛の夫・浅井長政との日々加速する抗争のはざまに身を置き、お市は苦難にみちた生涯の一歩を踏み出した・・・
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歴史小説・・・というか、大河ドラマ系?というか。今まであまり読んでいなかったジャンルに挑戦

作中で作者が何度も語るように、現代の私たちがイメージする以上に当時の女性の権利は強く、自由であった・・・戦国の世を自らの意思を持って活き活きと生きたお市の方。女性にスポットライトをあてた歴史はとても親しみやすく、わかりやすくて面白かったです。歴史の授業で勉強する表舞台には男性しか登場しないこの時代ですが、その裏側では女性が大きな役割を担っていたこと、見る角度を変えることで、歴史そのものにも興味が沸いてきました
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「禁断のパンダ」拓未司

2011-09-04 09:08:06 | 読書
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柴山幸太は神戸でフレンチスタイルのビストロを営む新進気鋭の料理人。彼は、妻の友人と木下貴史との結婚披露宴に出席し、貴史の祖父である中島という老人と知り合いになる。その中島は人間離れした味覚を持つ有名な料理評論家であった。披露宴での会話を通じて、幸太は中島に料理人としてのセンスを認められ、その結果、中島が幸太のビストロを訪問することになる。一方、幸太が中島と知り合った翌日、神戸ポートタワーで一人の男性の刺殺体が発見された。捜査に乗り出した兵庫県警捜査第一課の青山は、木下貴史の父・義明が営む会社に被害者が勤務していたことをつかむ。さらには義明も失踪していることを知り…。
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『このミステリーがすごい!』大賞第6回2008年大賞受賞作。
タイトル・表紙の可愛さと、「このミス」受賞作ということで目にとまった一冊。
なーーーにも知らずに読み始めたワケなんですが・・・

料理学校を卒業したコックさんという異色の経歴を持つ作者。披露宴のコース料理の描写など、料理に関する内容がとても詳しくて美味しそうで・・・ワクワク
これは「グルメミステリー」と思いながら読み進めていくと・・・何やら怪しげな雰囲気が
ミステリーなので、殺人事件が起こることはともかく、その殺人事件や行方不明事件の真相に迫るに従って・・・背筋がぞわぞわっと・・・お腹のあたりがムカムカもやもやと・・・してきます

読み終わっての感想・・・

「うわーん。読まなきゃよかったーーーー



いえ、決して「面白くなかった」わけじゃないんですが
何の予備知識もなく、「グルメ」と思って読み始めただけに、ショックが大きかったと言うか
作者の、食に関する描写力がさらに衝撃を大きくしているというか


もし、興味を持って、読んでみようかな?と思った方。
『覚悟して読んで下さい。』
それから、お菓子をつまみながら・・・などの
『ながら読み、ながら食べ、やめておいた方がいいです。』
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「図書館戦争」シリーズ 有川浩

2011-07-31 09:59:04 | 読書
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2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?
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荒唐無稽!?なぶっ飛んだ設定、アニメチックな装丁&ストーリー(実際にアニメや漫画化されているようですね)・・・ライトノベルだよね~と思いつつ、「イイ大人がはまっている」という評判を聞いて読んでみたら・・・・

はまってしまった(笑)・・・

組織や闘争の構図については小難しい説明が多いですが、この小説の芯は「ラブコメ」ですしかも、超「甘あま」で超「ベタ」な・・・今どきそれはないでしょうと突っ込みをいれたくなるくらい不器用で奥手(この言葉も今どき!?って感じですが)な主人公ふたりに「胸がキュンキュン」させられます

少女時代、「コバルト文庫」あたりに胸ときめかせていた私たち世代に・・・
コメント (2)
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「川の深さは」福井晴敏

2011-07-29 07:51:49 | 読書
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「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿(かくま)い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。
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雑読雑食大雑把な私・・・ばりっばりのハードボイルド、こういった系統も好きですねぇ
「亡国のイージス」「終戦のローレライ」を読んで面白かったので、作者デビュー作のこちらも読んでみました。
作風としては「ローレライ」っぽい雰囲気もありつつの・・・地下鉄テロ(もちろんサリン事件がモデル)の扱い方もさすが、上手いなぁ、と。

心理テスト、「あなたの目の前に川が流れています。その川の深さは?」

・・・私は「膝まで」でした・・・
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