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敗戦で焦土となった関西の街の中で、父親との確執を抱え、自殺に失敗した諏訪は、幼い頃に感じた、「美しいものを奪われた」悲しみを抱いたまま、それを原動力に闇屋の世界に入り込んでいく。その奪われた美しいもの、多津子との因縁めいた関係を縦軸に、戦後の日本の混乱の中で生きる男の孤独が描かれている。
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Mさんのブログの書評で読んでみたくなり、アマゾンで古書を購入(現在絶版のようです)。
「面白くて電車を乗り過ごす・・・」とのことでしたが・・・・・・納得。
服毒自殺に失敗、死に損ねた諏訪高男が、戦後の混乱の中で闇屋の世界に入り込み、どんどんのし上がっていくテンポ良い展開は文句なしに面白いそして愛する(というよりも崇拝し偶像化した)多津子との関係がそこに絡み、高男は破滅へと向かっていくわけですが・・・多津子が最初の出会い(見ただけ)から再会後もずっと「この世で最も美しいもの」「初恋の」「憧れの」「永遠の」女性であり続けるという中心軸にイマイチぴんと来ないのは私が女だから???そのあたり、したたかな多津子の言動は女性の現実的な面を感じさせて・・・。
高男の回りをとりまく人物それぞれの描写も面白いし、自殺に失敗した高男がジェットコースターのような人生を生きて再び死を選ぶまで、息をつかせない展開は、確かに電車の中で読むと乗り過ごすかもしれません
敗戦で焦土となった関西の街の中で、父親との確執を抱え、自殺に失敗した諏訪は、幼い頃に感じた、「美しいものを奪われた」悲しみを抱いたまま、それを原動力に闇屋の世界に入り込んでいく。その奪われた美しいもの、多津子との因縁めいた関係を縦軸に、戦後の日本の混乱の中で生きる男の孤独が描かれている。
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服毒自殺に失敗、死に損ねた諏訪高男が、戦後の混乱の中で闇屋の世界に入り込み、どんどんのし上がっていくテンポ良い展開は文句なしに面白いそして愛する(というよりも崇拝し偶像化した)多津子との関係がそこに絡み、高男は破滅へと向かっていくわけですが・・・多津子が最初の出会い(見ただけ)から再会後もずっと「この世で最も美しいもの」「初恋の」「憧れの」「永遠の」女性であり続けるという中心軸にイマイチぴんと来ないのは私が女だから???そのあたり、したたかな多津子の言動は女性の現実的な面を感じさせて・・・。
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