絵つぶやきを制作してゆくのに、
最初の大きな決め事は
描く対象を何にするかということだ。
もともと言葉が先にある場合は、
この言葉を表すのに
何を描けばいいのか
決まってゆくから方向性は持ちやすい。
しかし、何かの絵を描いて
これにつぶやかそうとしたら
もうまったく発想は
イチからとなるので大変だ。
たまに描くものを探しに
スーパーに行ったり、
街をきょろきょろと散歩したりする。
で、先日のことなのだが
こんな風に素材が決まって行ったりした。
まず最初にほうれん草を
描こうとしたのだ。
幼馴染で地元で野菜を育てている人が
ほうれん草を持ってきてくれた。
「これはねえ、根元が赤いから栄養あるよ」
とのことだ。
そうかあ、じゃあ絵つぶやきに
してみるかと食べる前に
アトリエで描くことにした。
葉っぱ関係、茎の色、根っこの
赤っぽい色をパレットに出して
描き始めたよ。
すると、根っこや茎のところは
ある程度かけたのだが、
どうも葉っぱの部分が書きづらい。
同じような色の葉っぱの集団なんで、
色の配置を微妙に変えていかないと
葉っぱ感が出ないのだ。
一枚目に描いたのがこれ。
何とか色を分けて立体感を
出そうとしたが、なかなか葉っぱの
存在感があまりない感じ。
これはいかん書き直しだ。
で、もう一枚描いたのだが、
やはり葉っぱの部分で
心が折れてしまうのだ。
結局うまくいかないまま
その日は筆を置くことにした。
もう少し落ち着いている時に
描こうと今回はあきらめたのだ。
でもねえ、パレットを見てみると
緑や赤紫などの絵の具が
大量に残っているではないですか。
今回使おうとしたのは安物の絵の具なんで
二日も置いたら乾いて
ぱきぱきになってしまいます。
これはもったいないぞと、
ちょっと別のテーマで
絵つぶやきを作ろうと考え始めたのだ。
これらの色をよく使う今の素材を考えたら、
ひとつ浮かんできた。
少し前にテレビのクッキング教室で
やっていた「やまウド」だ。
まもなくこの季節なので
都合もいいだろう。
もうすぐ芽生えが始まるはずだ。
記憶に残っている限りでは、
大峰の和佐又山に大量にあったなあ。
あと金剛山にも何株か見つけたことがある。
これを見つけたら「春だあ」と
叫びたくなりますね。
どこかで売っていないかなあと
山の方の青空市場に行ったら、
結構とれたてのが並んでいました。
少し色が白っぽかったので、
たぶん栽培しているんやろうけど、
doironは本物を知っていますので
それなりに着色します。
そうして一枚やまウドの
雰囲気を出して出来上がりました。
なんか新鮮な感じでいい雰囲気です。
ではこれに言葉を考えていきましょう。
ウドと言えば「ウドの大木」という
言葉が出てきますが、
これはちょっとマイナスなイメージです。
もう少し考えてみようと、
検討事項になりました。
そしてこの山の青空市場で
見かけた野菜に「島ラッキョウ」
もありましたので、
これも残った絵の具で描けそうです。
島ラッキョウというと浮かんでくるのが
沖縄料理です。
なんかねえ、この野菜を見て
においをかいで食べたらもう
沖縄旅をしていたことを思い出します。
では、これもがんばって
描いてみましょう。
続く