「マカロニ」という楽曲がある。
これは、2008年1月16日に発売された「Baby cruising Love/マカロニ」という両A面シングル曲のうちの一曲である。
「ポリリズム」でブレイクを果たした彼女たちの次に来たシングルで、多くの人々の期待がかかった場面でのリリース。そこで来たのが、「ポリリズム」と比較すると大人しい印象の「Baby cruising Love」と、もっと大人しい印象の「マカロニ」だった。
今になって振り返れば、中田ヤスタカ氏特有の「期待の裏切り」だと思えるが、当時はPerfumeの3人でさえも「ちょっと大人しい」という印象をもったらしく、中田氏に「それでも(ポリリズムと)BPMは変わらないんだよ」などという言葉を引き出していた。
それは「GAME DVD」での「Baby cruising Love」の爆発的なオーディエンスのノリを見るとよく分かる(個人的にはこの曲は「弾ける楽曲」だと思う。Aメロから少しずつ音が加えられて、サビで爆発するのが最高)。
そして、それよりも印象が弱かったのが「マカロニ」だった。
「とりあえずバラード調を入れてきたんだな」
くらいにしか当時は思わなかった。
しかしどうでしょう。
カウントはしていないが、現時点ではPerfumでは一番多く再生されている楽曲になった。
つまり「私がPerfumeで一番好きな曲」ということになる。
中田氏はかつてインタビューで「冬が好き」というようなことを言っていた。
PVの内容と相まって、中田氏の「冬好き」が爆発しているような楽曲だと思う。
夏に聴くと涼しげな雰囲気が楽しめて、寒くなってくる、もしくは「見上げた空が高く」なってくると、この曲と詩が深い味わいを醸し出してくる。
私にはこの「マカロニ」は完全なファンクに聴こえる。
シンプルで裏拍の効いたリズムと、これまたシンプルだが骨の太いベース。
インストだけを聴いたら、ガッツリと腰に来る。
そこに、3人の声と浮遊感のあるメロディーがフワッと乗る。
ファンでなければ聴き比べられないだろうが、しっかりとあ~ちゃん、かしゆか、のっちの声がパート分けされて、効果的に使用されている。
そして、詩が素晴らしい。
「マカロニ」(サビの部分のみ抜粋) 作詞・作曲・編曲 中田ヤスタカ
これくらいのかんじで いつまでもいたいよね
どれくらいの時間を 寄り添って過ごせるの?
これくらいのかんじで たぶんちょうどいいよね
わからないことだらけ でも安心できるの
もちろん、男女の恋愛についての歌詞なのだが、ファンにとっては、それが自分とPerfumeとの距離感に聴こえたり、Perfumeを取り巻く環境に見えたり、中田ヤスタカとの関係に見えたりする。
「これくらいの感じって、どれくらいなんだろう?」
と聴くたびに考えてしまう。
まあ勝手な思い込みなのだが、それだけ思い込める「隙間」がある、という事だろう。
それでいて「マカロニ」という言葉を中央に固定するセンスが素晴らしいと思う。
そして、この楽曲のダンスパフォーマンスは、リズムのファンクさとは打って変わって、どこかに飛んで行きそうなほど軽やかだ。披露するときの、笑顔と真顔の中間のような3人の表情もいい。
さらに極めつけはPVである。
ラフな映像のPVは、まるで早朝から3人とデートをしているような雰囲気で作られている。
冬の代々木公園や代官山、渋谷へと、3人と近い距離で映像は進む(私はGAME初回盤に収められている「樫野有香」ver.を見たときに「もふぉ」と声が出てしまった。しかしオリジナルが一番好きだ)。
しかし、デートが進むにつれ、3人に変化が訪れる。
のっちがカメラで空を飛ぶ鳥を撮影しているときに、何を見たのだろうか?ファインダーから目を離し、カメラを落とす。
ここから、3人は走り出し、見ている側とは距離が生まれる。
私にはこのシーンが、どうしても「(ポリリズムの)ブレイクの風を受けて走り出す3人」に見えてしまう。
ついさっきまで近くにいた3人が、走り始めて、手をつないで遠くに行ってしまうような切なさと、長い道のりを経て、やっとチャンスをつかんで追い風に乗る姿を見れる嬉しさが混ざり合う不思議な感覚に陥る。
正確な情報は知らないが、恐らく早朝から撮影を始めて、夕闇が迫る頃に撮影が終わったのだろう。
最後の3人が走るシーンが「夕方」ということも、この連想を支える。
再び夜になる前に、3人は走り出せた。
そういうPVなんだと、自分では思っている。
ポリリズム直後の、ブレイクの爆風を背に受けて走り出した、あのPVにいた3人は、もうどこにもいない。
もう一度書くが、「マカロニ」は、何かを失ってしまったようで、別の何か新しいものをつかんだような、切なくて嬉しい気持ちがこみ上げる、不思議な曲に成長したと思う。
楽曲、ダンスパフォーマンス、PV。どれを取ってもいい曲だと思います。
結論。
かしゆか好きっス!
これは、2008年1月16日に発売された「Baby cruising Love/マカロニ」という両A面シングル曲のうちの一曲である。
「ポリリズム」でブレイクを果たした彼女たちの次に来たシングルで、多くの人々の期待がかかった場面でのリリース。そこで来たのが、「ポリリズム」と比較すると大人しい印象の「Baby cruising Love」と、もっと大人しい印象の「マカロニ」だった。
今になって振り返れば、中田ヤスタカ氏特有の「期待の裏切り」だと思えるが、当時はPerfumeの3人でさえも「ちょっと大人しい」という印象をもったらしく、中田氏に「それでも(ポリリズムと)BPMは変わらないんだよ」などという言葉を引き出していた。
それは「GAME DVD」での「Baby cruising Love」の爆発的なオーディエンスのノリを見るとよく分かる(個人的にはこの曲は「弾ける楽曲」だと思う。Aメロから少しずつ音が加えられて、サビで爆発するのが最高)。
そして、それよりも印象が弱かったのが「マカロニ」だった。
「とりあえずバラード調を入れてきたんだな」
くらいにしか当時は思わなかった。
しかしどうでしょう。
カウントはしていないが、現時点ではPerfumでは一番多く再生されている楽曲になった。
つまり「私がPerfumeで一番好きな曲」ということになる。
中田氏はかつてインタビューで「冬が好き」というようなことを言っていた。
PVの内容と相まって、中田氏の「冬好き」が爆発しているような楽曲だと思う。
夏に聴くと涼しげな雰囲気が楽しめて、寒くなってくる、もしくは「見上げた空が高く」なってくると、この曲と詩が深い味わいを醸し出してくる。
私にはこの「マカロニ」は完全なファンクに聴こえる。
シンプルで裏拍の効いたリズムと、これまたシンプルだが骨の太いベース。
インストだけを聴いたら、ガッツリと腰に来る。
そこに、3人の声と浮遊感のあるメロディーがフワッと乗る。
ファンでなければ聴き比べられないだろうが、しっかりとあ~ちゃん、かしゆか、のっちの声がパート分けされて、効果的に使用されている。
そして、詩が素晴らしい。
「マカロニ」(サビの部分のみ抜粋) 作詞・作曲・編曲 中田ヤスタカ
これくらいのかんじで いつまでもいたいよね
どれくらいの時間を 寄り添って過ごせるの?
これくらいのかんじで たぶんちょうどいいよね
わからないことだらけ でも安心できるの
もちろん、男女の恋愛についての歌詞なのだが、ファンにとっては、それが自分とPerfumeとの距離感に聴こえたり、Perfumeを取り巻く環境に見えたり、中田ヤスタカとの関係に見えたりする。
「これくらいの感じって、どれくらいなんだろう?」
と聴くたびに考えてしまう。
まあ勝手な思い込みなのだが、それだけ思い込める「隙間」がある、という事だろう。
それでいて「マカロニ」という言葉を中央に固定するセンスが素晴らしいと思う。
そして、この楽曲のダンスパフォーマンスは、リズムのファンクさとは打って変わって、どこかに飛んで行きそうなほど軽やかだ。披露するときの、笑顔と真顔の中間のような3人の表情もいい。
さらに極めつけはPVである。
ラフな映像のPVは、まるで早朝から3人とデートをしているような雰囲気で作られている。
冬の代々木公園や代官山、渋谷へと、3人と近い距離で映像は進む(私はGAME初回盤に収められている「樫野有香」ver.を見たときに「もふぉ」と声が出てしまった。しかしオリジナルが一番好きだ)。
しかし、デートが進むにつれ、3人に変化が訪れる。
のっちがカメラで空を飛ぶ鳥を撮影しているときに、何を見たのだろうか?ファインダーから目を離し、カメラを落とす。
ここから、3人は走り出し、見ている側とは距離が生まれる。
私にはこのシーンが、どうしても「(ポリリズムの)ブレイクの風を受けて走り出す3人」に見えてしまう。
ついさっきまで近くにいた3人が、走り始めて、手をつないで遠くに行ってしまうような切なさと、長い道のりを経て、やっとチャンスをつかんで追い風に乗る姿を見れる嬉しさが混ざり合う不思議な感覚に陥る。
正確な情報は知らないが、恐らく早朝から撮影を始めて、夕闇が迫る頃に撮影が終わったのだろう。
最後の3人が走るシーンが「夕方」ということも、この連想を支える。
再び夜になる前に、3人は走り出せた。
そういうPVなんだと、自分では思っている。
ポリリズム直後の、ブレイクの爆風を背に受けて走り出した、あのPVにいた3人は、もうどこにもいない。
もう一度書くが、「マカロニ」は、何かを失ってしまったようで、別の何か新しいものをつかんだような、切なくて嬉しい気持ちがこみ上げる、不思議な曲に成長したと思う。
楽曲、ダンスパフォーマンス、PV。どれを取ってもいい曲だと思います。
結論。
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