新曲の感想を早く書こう!と思っていたのだが、Perfume怒涛のメディア出演ラッシュを追いかけたり、酒を飲んだり酒を飲んだり、諸々の作業をこなしたりしていたら、あっという間に月日がながれてしまった。
という訳で、ちょっと遅めの感想になります。。
また「誰が読むんだ?」というくらいに長いです。
Perfume「不自然なガール/ナチュラルに恋して」を聴き終えた。
情報解禁からどれくらい経ったのだろう?
「ナチュラルに恋して」は、友人の妨害工作と不意に流れたラジオからの音源で、イントロの5秒ほどは聴いてしまっていた。
それに、一度高知で3人が目の前で披露してくれた。
「不自然なガール」は、努力の甲斐もあり(出演するラジオ、TVなどの情報はすべて切り捨てた)、不意に踏んでしまったURLでイントロを2秒ほど聴くだけで何とかしのいだ。
PVに関しては、両方とも完璧に見ずに迎えることが出来た。
せっかくなので(何が?)、フライングゲットの日から書こう。
フラゲ日である4月13日。
予定では吉祥寺のタワーレコードでフラゲするはずだったが、前日にTwitterの@HMV_Shibuyaさんが、衝撃的なつぶやきを投稿する。
「Perfumeのシングル発売が嬉しすぎてフリーペーパーを作ってしまいました。明日商品と一緒に店頭出し予定。“ペーパー(=紙)の意味を回復する”A4片面カラー印刷です。(PTA)」
私は、こういった地味だが効果が高い戦略にめっぽう弱い。
血みどろの努力じゃなくていい。ほんの少しの意地と君よダーリンが、大きな実を結ぶのだ。
これは応援せねば!と思い、仕事が終わり次第さっそく渋谷に向かった。
まずはHMV渋谷の店内に入る。
壁面に大きくAKB48さんの広告があって驚く。
やや探してしまったが、Perfumeコーナーはしっかりと作られている。
噂のフリーペーパーを華麗にゲット。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/32/4797d4726f98e6879b0e44e78e1d40f8.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/00/89dcef4b1fbedda94db21cb5c92d0d13.jpg)
愛情の塊としか言いようがない。
これを作成したスタッフさんにボーナスを出すべき。
私が行った時には初回限定盤しか置いてなく、スタッフに聞いてみると「今日は初回盤しか販売しない」とのことだった。
TSUTAYAさんにも寄ってみた。
ここはやや地味、というか普通な印象。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/d1/90bb0c68f246768dd379459dce529387.jpg)
その後、フライングゲットオフを開催するために、仲良し(笑)のHさんと待ち合わせ。
HMVの様子を観察してから(通常盤があったぞ!)、タワーレコードの様子を見学。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/e8/3d12539bf24a1cba294040082e1aaf67.jpg)
私はここで通常盤を購入しようと思い、店内に入ると「不自然なガール」が大音量で流れている!
「あーあー聞こえないー!」と不自然に叫びながら退却。
Hさんに入ってもらい、「不自然なガール」が流れていないことを確認し、その合間に通常盤をナチュラルに購入した。
そして、仲良し(笑)のAさんと、Twitterで約束した2人も合流して5人で泥酔するまで飲んだ。
Aさんは、渋谷に来る前に銀座の山野楽器に立ち寄って、これまた有名なマエストロ氏のチラシを持ってきてくれた。
噂には聞いていたが、初めて見るので感激。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/e2/e3ff5e7826e2ef47e0beae029ed0ec15.jpg)
「何故手書きなんだろう?」という疑問が湧くが、愛情の伝わる文章。
出だしはゆったりでも、後半に向けて字が詰まってくる緊迫感も感じられる。
その後は、スクランブル交差点で奇声を発する程度まで泥酔し、駅から自宅まで自転車を立ち漕ぎしながら帰宅した。そのまま就寝。
そして、2日酔いの地獄に耐え抜き、いよいよ「不自然なガール/ナチュラルに恋して」を聴いてみた。
まず一番に衝撃的だったのが「ナチュラルに恋して」のリズムトラックだった。
パーフェクトな変態。
高知で聴いたときには、バスドラとスネアくらいしか聴こえなかったが、「何か色々と音が隠されているな」とは感じられた。
その全貌が聴こえてくる。
骨太のバスとスネアに、ちろりちろりとピアノやらハイハットやらヒョコヒョコ音などが散りばめられている。
正確に書くと、「隠されている」というよりも「きざまれている」というべきか。
リズムトラックをみじん切りにして、不必要な部分をかなりそぎ落とした印象。
いや、必要な部分でさえもそぎ落とした感じだろうか。
ざっくりと音を削って、「無音」の場所を作り、そこにグルーヴが投入されている。
「音の無い」場所にリズムをしっかりと感じることが出来る。
特に初めのAメロ辺りの「抜きっぷり」が絶妙だ。
もったりとして、止まりそうで止まらない。こぼれそうでこぼれない。
坂道発進でエンスト直前にクラッチがつながるような快感。
そんな変態的で危険で緊張感のあるリズムトラックに、それとは正反対な、春の木漏れ日のような、のどかでふんわりとした3人の声が乗っかっている。
詩も、暖かい春の午後にうつらうつらするような平和さが漂っている。
相変わらず中田ヤスタカ氏の言葉選びは鋭く、「何気ない 気持ちがいちばんのほんもの」という辺りが硬くてとがっている。
ナチュラルに手でも繋いどけばいいと思う。
かしゆかがTVで「今までのPerfumeとは違って、すべてが可愛い曲になっています」と解説していたが、残念ながらそれは違うと思った。
リズムトラックだけは凶暴だ。
Kiss And Musicと同列で腰に直撃する。
3人の解説によると、この曲はBPM違いの2種類が用意されていて、3人の意見によって今回の「ゆっくりバージョン」が採用されたようだ。
あ~ちゃん曰く「ゆっくりの方が中田さんが面白く作ってくれそうだから」とのこと。
禿げ上がるほどに正しい判断だったと思う。
個人的には大好物なリズムだが、高知でほとんどの人が地蔵になっていたのが思い出される(見ることに集中していたのだと思う)。
大丈夫かしら?
次に私の心臓を鷲づかみにしたのは、「不自然なガール」の…
「不自然なガール」の…
「不自然なガール」の…
「不自然なガール」の…
かしゆかのソロパートでしょうか…。
あまりの衝撃に、正座したまま椅子から5センチほど浮き上がり、ゆっくりと着席した。
5秒ほど舞空術が使えた、という意味である。
サビの頭だけが3人で、唐突にかしゆかのソロになる。
視覚的に表現すると、こういった感じになる。
「『キャンストップ』フィーリン…フシゼンナガール コレイジョークルシメナイデネー ストッパモーメン! アイキャンストップラビンニュー ホドホドニシタイデショー」
私はかねがね、「かしゆかの声は、Perfumeの楽曲を構成する重要な要素であり、なくてはならないものだ」と主張し続けていた。
抜群に歌が上手いあ~ちゃんと(高知で存分に披露してくれた。稲葉さんの真似として)、まっすぐに伸びてくる声ののっち。
ここに「かしゆかの声」が入ることで化学反応が起きる。
かしゆかの声はとても細い。
過去のQJ誌などで語られているが、かしゆかは自分の声に自信を持っていない(その当時は)。
「私の声は役に立たない」とまで言っている。
ライヴDVDなどを見るとしみじみと感じられるが、かしゆかは自分が生の声で歌うとき、かなり真剣になって、歌うことだけに集中しているのが分かる。
それでもやっぱりかしゆかの声は細い。
もしも一人で歌い手として活動しようとしていたならば、様々な困難が待ち受けていたかも知れない(その可能性はほぼ無いと思われるが)。
しかし。
かしゆかの声は、あ~ちゃん、のっちの声に混ざると、不思議な色合いを楽曲に付けてくれる。
昨今のディーヴァ系の歌姫たちが表現するものとは、まったく正反対の音像を創り上げる。
大胆な表現の中に、とてつもなく繊細な飾りつけをしてくれるのだ。
これが、かしゆかの声の魅力である。
かしゆか以外には誰にも表現できない、Perfumeの大きな強みだ。
だんだん断定口調になってきたのである。
この強みを、中田ヤスタカ氏は、今までのPerfumeの楽曲で完璧に引き出していると思う。
それだけでも神に感謝を捧げる毎日なのにね…。
いきなり「ソロ」でやりますか…。
なんちゅうもんを聴かせてくれたんや…なんちゅうもんを…。
このままでは、かしゆかの声の魅力について、指が折れるまで書き続けそうなので、この辺りで切る。
もういたるところで書かれていると思うが、「不自然なガール/ナチュラルに恋して」は、歌詞と曲調が実に対照的な関係になっている。
ちょうど今の季節で言えば、「不自然なガール」が春の合間の寒気。「ナチュラルに恋して」が春の訪れのような雰囲気に捉えることができる。三寒四温で恋は進む。
まったく個人的な感想だが、この「不自然なガール/ナチュラルに恋して」には、3人の登場人物がいる。
「キミ」と呼ばれる男性。
「キミ」に片思いして苦しむ女性(不自然なガール)。
「キミ」との恋が成就した女性(ナチュラルに恋して)。
「不自然なガール」で、片思いに苦しむ女性が「キミ」にメールを送信する。
そのメールは、「ナチュラルに恋して」の「キミ」が受信する。
それを気にする「キミ」との恋が成就した女性。
「恋」の両極端な精神状態を、楽曲と歌詞の表現で見事にこの2曲に封じ込めていると感じた。
まあ「恋」ってどんな味がするのかは忘れたが。
それにプラスして、「不自然」でもあり「ナチュラル」なPerfumeという存在を上手く表現しているとも感じた。
Perfumeの「不自然さ」は、言うまでもなくあのダンスパフォーマンスであり、書きにくいことだが、「絶世の美女ではない」というルックスにあると思う。
そしてPerfumeの「ナチュラルさ」は、3人の飾りのない素直すぎる性格に現れていると思う。
その両輪が大きなフックになり、そこに引っかかった人たちが大量に牽引されているのが現状なのではないかと、あくまでも個人的には思っている。
ともかく、30歳の気鋭のクリエイター脳内の摩訶不思議さを垣間見た。
二十歳前後の女性に成りきれるのだろうか?
そして、我慢に我慢を重ねてやっと遭遇したPVである。
「不自然なガール/ナチュラルに恋して」には、「不自然なガール」のPVは収録されているが、「ナチュラルに恋して」は収録されていない。
こちらは徳間ジャパンのYouTube公式ページから視聴することができる。
[PV] Perfume - ナチュラルに恋して 2010.4.14発売!
まずは「ナチュラルに恋して」から。
一言で言うと「天国」が描かれている。
イントロで待ちぼうけを食らっているあ~ちゃん。
そこに天空から舞い降りるかしゆか。
ここで一度昇天できる。
「天空から舞い降りるかしゆか」
文字だけで昇天できる。
もう一度書いてみる。
「天空から舞い降りるかしゆか」
いかがだろうか?
余裕で歩いてきて、突然に走り出すのっち。
このイントロのシーンだけで、3人のキャラクターを描いているようで楽しい。
かしゆか、のっちは、あ~ちゃんに遅れたことを謝り、それから突如として3人は腕を組んで歩き出し、そのままダンスパフォーマンスに入る。
詳しくは見てもらえば分かるが、実に春らしくて明るい映像に仕上がっている。
「動く道路」というアイデアも素晴らしいが、それを巧みに使ったMIKIKO先生振り付けのダンスパフォーマンスも素晴らしい。
PV監督は「シークレットシークレット」で、素晴らしいPVを製作してくれた児玉裕一氏である。
そして「不自然なガール」。
これは、初回限定盤に収録されている。
ジャケットなどはこちらのPVイメージで統一されている。
私はかしゆかのポーズを真似ようとして背中を痛めた。
こちらのPV監督は、我らが関和亮氏!
Perfume - 不自然なガール 2010.4.14発売![PV]
↑ショートバージョンです。
「ナチュラルに恋して」とは打って変わり、真っ黒な背景にどぎつい赤の衣装に身を包んだ3人が登場する。
それに加えて、あ~ちゃん曰く「不自然さ」を強調するために24人のダンサーが出演。このダンサーさんたちが、ムチャクチャに不自然なポーズを披露してくれる。
この「不自然なポーズ」というのが、明らかに「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくる「ジョジョ立ち」からインスパイアされている、というところが感慨深い。いや、考え深い。
ファンクラブ会員であれば周知の事実だが、かしゆかはなんと荒木飛呂彦先生の自宅にお招きされるほどのジョジョマニアである。
「ジョジョが大好きです」と公言してからどれくらいの時間が過ぎたのだろうか。
「ジョジョ」の要素が、自身の音楽活動の表現に取り入れられたことは、本人が一番喜んでいるのではないかと想像する。
前回の「ワンルーム・ディスコ」から約一年も待たされた今回の新曲だが、どちらの曲も聴き応えがあり、長く楽しめそうな予感がする。
雑誌で3人が言うように、Perfumeの楽曲はリリース後にどんどんと「成長」していく。
私にとっては、どちらの曲もライヴでのキラーチューンになりそうだ。
一年間も待った甲斐はあった。
これからのPerfumeの「攻め」の姿勢に期待したい。
という訳で、ちょっと遅めの感想になります。。
また「誰が読むんだ?」というくらいに長いです。
Perfume「不自然なガール/ナチュラルに恋して」を聴き終えた。
情報解禁からどれくらい経ったのだろう?
「ナチュラルに恋して」は、友人の妨害工作と不意に流れたラジオからの音源で、イントロの5秒ほどは聴いてしまっていた。
それに、一度高知で3人が目の前で披露してくれた。
「不自然なガール」は、努力の甲斐もあり(出演するラジオ、TVなどの情報はすべて切り捨てた)、不意に踏んでしまったURLでイントロを2秒ほど聴くだけで何とかしのいだ。
PVに関しては、両方とも完璧に見ずに迎えることが出来た。
せっかくなので(何が?)、フライングゲットの日から書こう。
フラゲ日である4月13日。
予定では吉祥寺のタワーレコードでフラゲするはずだったが、前日にTwitterの@HMV_Shibuyaさんが、衝撃的なつぶやきを投稿する。
「Perfumeのシングル発売が嬉しすぎてフリーペーパーを作ってしまいました。明日商品と一緒に店頭出し予定。“ペーパー(=紙)の意味を回復する”A4片面カラー印刷です。(PTA)」
私は、こういった地味だが効果が高い戦略にめっぽう弱い。
血みどろの努力じゃなくていい。ほんの少しの意地と君よダーリンが、大きな実を結ぶのだ。
これは応援せねば!と思い、仕事が終わり次第さっそく渋谷に向かった。
まずはHMV渋谷の店内に入る。
壁面に大きくAKB48さんの広告があって驚く。
やや探してしまったが、Perfumeコーナーはしっかりと作られている。
噂のフリーペーパーを華麗にゲット。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/32/4797d4726f98e6879b0e44e78e1d40f8.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/00/89dcef4b1fbedda94db21cb5c92d0d13.jpg)
愛情の塊としか言いようがない。
これを作成したスタッフさんにボーナスを出すべき。
私が行った時には初回限定盤しか置いてなく、スタッフに聞いてみると「今日は初回盤しか販売しない」とのことだった。
TSUTAYAさんにも寄ってみた。
ここはやや地味、というか普通な印象。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/d1/90bb0c68f246768dd379459dce529387.jpg)
その後、フライングゲットオフを開催するために、仲良し(笑)のHさんと待ち合わせ。
HMVの様子を観察してから(通常盤があったぞ!)、タワーレコードの様子を見学。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/e8/3d12539bf24a1cba294040082e1aaf67.jpg)
私はここで通常盤を購入しようと思い、店内に入ると「不自然なガール」が大音量で流れている!
「あーあー聞こえないー!」と不自然に叫びながら退却。
Hさんに入ってもらい、「不自然なガール」が流れていないことを確認し、その合間に通常盤をナチュラルに購入した。
そして、仲良し(笑)のAさんと、Twitterで約束した2人も合流して5人で泥酔するまで飲んだ。
Aさんは、渋谷に来る前に銀座の山野楽器に立ち寄って、これまた有名なマエストロ氏のチラシを持ってきてくれた。
噂には聞いていたが、初めて見るので感激。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/e2/e3ff5e7826e2ef47e0beae029ed0ec15.jpg)
「何故手書きなんだろう?」という疑問が湧くが、愛情の伝わる文章。
出だしはゆったりでも、後半に向けて字が詰まってくる緊迫感も感じられる。
その後は、スクランブル交差点で奇声を発する程度まで泥酔し、駅から自宅まで自転車を立ち漕ぎしながら帰宅した。そのまま就寝。
そして、2日酔いの地獄に耐え抜き、いよいよ「不自然なガール/ナチュラルに恋して」を聴いてみた。
まず一番に衝撃的だったのが「ナチュラルに恋して」のリズムトラックだった。
パーフェクトな変態。
高知で聴いたときには、バスドラとスネアくらいしか聴こえなかったが、「何か色々と音が隠されているな」とは感じられた。
その全貌が聴こえてくる。
骨太のバスとスネアに、ちろりちろりとピアノやらハイハットやらヒョコヒョコ音などが散りばめられている。
正確に書くと、「隠されている」というよりも「きざまれている」というべきか。
リズムトラックをみじん切りにして、不必要な部分をかなりそぎ落とした印象。
いや、必要な部分でさえもそぎ落とした感じだろうか。
ざっくりと音を削って、「無音」の場所を作り、そこにグルーヴが投入されている。
「音の無い」場所にリズムをしっかりと感じることが出来る。
特に初めのAメロ辺りの「抜きっぷり」が絶妙だ。
もったりとして、止まりそうで止まらない。こぼれそうでこぼれない。
坂道発進でエンスト直前にクラッチがつながるような快感。
そんな変態的で危険で緊張感のあるリズムトラックに、それとは正反対な、春の木漏れ日のような、のどかでふんわりとした3人の声が乗っかっている。
詩も、暖かい春の午後にうつらうつらするような平和さが漂っている。
相変わらず中田ヤスタカ氏の言葉選びは鋭く、「何気ない 気持ちがいちばんのほんもの」という辺りが硬くてとがっている。
ナチュラルに手でも繋いどけばいいと思う。
かしゆかがTVで「今までのPerfumeとは違って、すべてが可愛い曲になっています」と解説していたが、残念ながらそれは違うと思った。
リズムトラックだけは凶暴だ。
Kiss And Musicと同列で腰に直撃する。
3人の解説によると、この曲はBPM違いの2種類が用意されていて、3人の意見によって今回の「ゆっくりバージョン」が採用されたようだ。
あ~ちゃん曰く「ゆっくりの方が中田さんが面白く作ってくれそうだから」とのこと。
禿げ上がるほどに正しい判断だったと思う。
個人的には大好物なリズムだが、高知でほとんどの人が地蔵になっていたのが思い出される(見ることに集中していたのだと思う)。
大丈夫かしら?
次に私の心臓を鷲づかみにしたのは、「不自然なガール」の…
「不自然なガール」の…
「不自然なガール」の…
「不自然なガール」の…
かしゆかのソロパートでしょうか…。
あまりの衝撃に、正座したまま椅子から5センチほど浮き上がり、ゆっくりと着席した。
5秒ほど舞空術が使えた、という意味である。
サビの頭だけが3人で、唐突にかしゆかのソロになる。
視覚的に表現すると、こういった感じになる。
「『キャンストップ』フィーリン…フシゼンナガール コレイジョークルシメナイデネー ストッパモーメン! アイキャンストップラビンニュー ホドホドニシタイデショー」
私はかねがね、「かしゆかの声は、Perfumeの楽曲を構成する重要な要素であり、なくてはならないものだ」と主張し続けていた。
抜群に歌が上手いあ~ちゃんと(高知で存分に披露してくれた。稲葉さんの真似として)、まっすぐに伸びてくる声ののっち。
ここに「かしゆかの声」が入ることで化学反応が起きる。
かしゆかの声はとても細い。
過去のQJ誌などで語られているが、かしゆかは自分の声に自信を持っていない(その当時は)。
「私の声は役に立たない」とまで言っている。
ライヴDVDなどを見るとしみじみと感じられるが、かしゆかは自分が生の声で歌うとき、かなり真剣になって、歌うことだけに集中しているのが分かる。
それでもやっぱりかしゆかの声は細い。
もしも一人で歌い手として活動しようとしていたならば、様々な困難が待ち受けていたかも知れない(その可能性はほぼ無いと思われるが)。
しかし。
かしゆかの声は、あ~ちゃん、のっちの声に混ざると、不思議な色合いを楽曲に付けてくれる。
昨今のディーヴァ系の歌姫たちが表現するものとは、まったく正反対の音像を創り上げる。
大胆な表現の中に、とてつもなく繊細な飾りつけをしてくれるのだ。
これが、かしゆかの声の魅力である。
かしゆか以外には誰にも表現できない、Perfumeの大きな強みだ。
だんだん断定口調になってきたのである。
この強みを、中田ヤスタカ氏は、今までのPerfumeの楽曲で完璧に引き出していると思う。
それだけでも神に感謝を捧げる毎日なのにね…。
いきなり「ソロ」でやりますか…。
なんちゅうもんを聴かせてくれたんや…なんちゅうもんを…。
このままでは、かしゆかの声の魅力について、指が折れるまで書き続けそうなので、この辺りで切る。
もういたるところで書かれていると思うが、「不自然なガール/ナチュラルに恋して」は、歌詞と曲調が実に対照的な関係になっている。
ちょうど今の季節で言えば、「不自然なガール」が春の合間の寒気。「ナチュラルに恋して」が春の訪れのような雰囲気に捉えることができる。三寒四温で恋は進む。
まったく個人的な感想だが、この「不自然なガール/ナチュラルに恋して」には、3人の登場人物がいる。
「キミ」と呼ばれる男性。
「キミ」に片思いして苦しむ女性(不自然なガール)。
「キミ」との恋が成就した女性(ナチュラルに恋して)。
「不自然なガール」で、片思いに苦しむ女性が「キミ」にメールを送信する。
そのメールは、「ナチュラルに恋して」の「キミ」が受信する。
それを気にする「キミ」との恋が成就した女性。
「恋」の両極端な精神状態を、楽曲と歌詞の表現で見事にこの2曲に封じ込めていると感じた。
まあ「恋」ってどんな味がするのかは忘れたが。
それにプラスして、「不自然」でもあり「ナチュラル」なPerfumeという存在を上手く表現しているとも感じた。
Perfumeの「不自然さ」は、言うまでもなくあのダンスパフォーマンスであり、書きにくいことだが、「絶世の美女ではない」というルックスにあると思う。
そしてPerfumeの「ナチュラルさ」は、3人の飾りのない素直すぎる性格に現れていると思う。
その両輪が大きなフックになり、そこに引っかかった人たちが大量に牽引されているのが現状なのではないかと、あくまでも個人的には思っている。
ともかく、30歳の気鋭のクリエイター脳内の摩訶不思議さを垣間見た。
二十歳前後の女性に成りきれるのだろうか?
そして、我慢に我慢を重ねてやっと遭遇したPVである。
「不自然なガール/ナチュラルに恋して」には、「不自然なガール」のPVは収録されているが、「ナチュラルに恋して」は収録されていない。
こちらは徳間ジャパンのYouTube公式ページから視聴することができる。
[PV] Perfume - ナチュラルに恋して 2010.4.14発売!
まずは「ナチュラルに恋して」から。
一言で言うと「天国」が描かれている。
イントロで待ちぼうけを食らっているあ~ちゃん。
そこに天空から舞い降りるかしゆか。
ここで一度昇天できる。
「天空から舞い降りるかしゆか」
文字だけで昇天できる。
もう一度書いてみる。
「天空から舞い降りるかしゆか」
いかがだろうか?
余裕で歩いてきて、突然に走り出すのっち。
このイントロのシーンだけで、3人のキャラクターを描いているようで楽しい。
かしゆか、のっちは、あ~ちゃんに遅れたことを謝り、それから突如として3人は腕を組んで歩き出し、そのままダンスパフォーマンスに入る。
詳しくは見てもらえば分かるが、実に春らしくて明るい映像に仕上がっている。
「動く道路」というアイデアも素晴らしいが、それを巧みに使ったMIKIKO先生振り付けのダンスパフォーマンスも素晴らしい。
PV監督は「シークレットシークレット」で、素晴らしいPVを製作してくれた児玉裕一氏である。
そして「不自然なガール」。
これは、初回限定盤に収録されている。
ジャケットなどはこちらのPVイメージで統一されている。
私はかしゆかのポーズを真似ようとして背中を痛めた。
こちらのPV監督は、我らが関和亮氏!
Perfume - 不自然なガール 2010.4.14発売![PV]
↑ショートバージョンです。
「ナチュラルに恋して」とは打って変わり、真っ黒な背景にどぎつい赤の衣装に身を包んだ3人が登場する。
それに加えて、あ~ちゃん曰く「不自然さ」を強調するために24人のダンサーが出演。このダンサーさんたちが、ムチャクチャに不自然なポーズを披露してくれる。
この「不自然なポーズ」というのが、明らかに「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくる「ジョジョ立ち」からインスパイアされている、というところが感慨深い。いや、考え深い。
ファンクラブ会員であれば周知の事実だが、かしゆかはなんと荒木飛呂彦先生の自宅にお招きされるほどのジョジョマニアである。
「ジョジョが大好きです」と公言してからどれくらいの時間が過ぎたのだろうか。
「ジョジョ」の要素が、自身の音楽活動の表現に取り入れられたことは、本人が一番喜んでいるのではないかと想像する。
前回の「ワンルーム・ディスコ」から約一年も待たされた今回の新曲だが、どちらの曲も聴き応えがあり、長く楽しめそうな予感がする。
雑誌で3人が言うように、Perfumeの楽曲はリリース後にどんどんと「成長」していく。
私にとっては、どちらの曲もライヴでのキラーチューンになりそうだ。
一年間も待った甲斐はあった。
これからのPerfumeの「攻め」の姿勢に期待したい。
絶対youtubeにはない(あっても消されてる)と決めつけていたー!
「キミ」を軸にした相反する2つの世界、面白いなあ。
イイんです!(川平風に)
聞いてすぐの感想も良いですが
熟成されたコメントも味があって流石ですな。
店内で「あーあー聞こえないー!」と
叫んでいた様子はさぞかし不自然に映った事でしょうw
奇声を発する様に至っては
不自然を通り越し、まさに昇天したラオウのようですw
天空から舞い降りるかしゆかの件では
文字だけで昇天できるとのことですから
既に外部的要因が無くてもイメージだけで
昇天出来るようになったのですね。
解脱おめでとうございます♪
セルフポアしないように気をつけて下さいねw
ジョジョ要素に関しては完全にオープンになった様ですね。
あそこまで振りに盛り込まれたら・・・気にせずにはいられません。
かしゆかは5部がお気に入りなようですが
私のお気に入りの2部をフィーチャー
してくれないかとヤキモキしております。
やはり、ワムウ・エシディシ・カーズの三人は
女子には濃すぎたか・・・
曲が成長するって、本当ですよね。
一年後はまた違った感じで聞いてるんだろうなぁなんて思いながら、同じく攻めの姿勢に期待するとします!
「俺が最期に見せるのは代々受け継いだ未来に託すPerfume魂だ!人間の魂だ!」
シーザーより
最近のYouTubeは優秀らしいですからね~。
しっかりと公式でページがあるんですよ~。
楽曲と映像とで、がっつりと対を成していますよね。
中田氏が、プレッシャーを軽々と跳ね除けているように感じられます。
それ故に今後の活動に期待が持てます!
「不自然」のイントロを聴いただけで窓から天空を仰ぎ見ます(キリッ!
あのイントロであの映像が出てくるのは、やっぱり凄いですよ!
それよりも「セルフポア」って言葉は、今の若い人に通用するのでしょうか?w
確かにかしゆかは、5部から最新作に夢中のようですね~。
私も2部がかなり魂に響いたのですけど、やはり女子には…。
荒木先生にとっては、かしゆかみたいな読者は嬉しい読者でしょうね。
今回の2曲は、絶対にライブで披露されるたびに成長すると思います!
今から横浜アリーナが楽しみすぎる~♪
「ぎゅううっ~と!
だきしめるゥ~!
だきしめのお仕置きズラーッ!」
「鋼線のベック」より(10巻ですね)
>それでもやっぱりかしゆかの声は細い。
これこれ。bitterのラストを飾る「wonder2」で一番グッと来るシーンはこの「かしゆかが真っ直ぐ前をむいて真剣に歌っている所」ですよ。(書いてて涙出てきた。)
まるでカラオケのような、オーディションのような、自信はないけど「届けよう」としている姿に
歌詞に出てくる健気な少女の恋心が投影されているようで。
胸の奥を鷲掴みにされました。
のっちの軽やかさとは別のひたむきさが彼女の魅力だと思います。
って真面目の上に、泣き虫かよ!
QJで言うところの「毎日泣いていました」と言うところなのでしょうか。
正直に言って、かしゆかは「歌手」としてはリーチが短いとは思います。
だけどやっぱり「届けたい!」という気持ちは伝わります。
歌が上手いとか下手だとかという部分ではないんですよね!
横アリで「願い」を歌うかしゆかの、グッと握った拳にすべてが語られているような気がします。
今はジャニスを聴いていますが、かしゆかも負けていないぞ!
とエールを送りたい気持ちです。
歌って楽しいですね!
あと髑髏さんの、かしゆかの声に関する解説の数々は200%同意します。個人的には、かし声mixでいちばん好きなのはチョコレイト・ディスコの冒頭の「チョコレイトディスコ♪チョコレイトディスコ♪」って声のところなんですが、、、わかります?
「かしソロが~」という書き込みは見ていましたので、何かあるかと身構えていましたが、ここまでやるとは…です!
し か も P V ま で !
本人が「苦手」と意識している部分をここまで「魅力」に変換してしまう中田氏の腕前に驚きです!
「かしゆか舐めんなよ!」
と今すぐ窓を開けて叫びたい気分ですよ!
いや、そういう意味じゃなくて。
冒頭の「チョコレイトディスコ♪チョコレイトディスコ♪」
わかります!