髑髏フラワー

ママの口ぐせお花はドクロ!

現実ではなく、理想から入れ。

2009-11-04 | Perfume
という言葉は、以前に勤めていた会社の社長の言葉だ。

プランを練るときに、予算や技術などの確定した要素を排除して考えろ、ということだ。
確定した要素を元に考え始めると、出来上がるものは確実にそれ以下に仕上がる。

簡単に言うと「夢を持て」ということだろうか。

そして、夢いっぱいに膨らんだプランから、ちょっとずつ夢の剪定作業に取りかかる。
大切な幹の部分を切り落とさないように慎重に慎重に。

Perfumeの今回のツアー「直角二等辺三角形TOUR」のステージは、まさにこの精神を以って創り上げられたものだと思う。
前回の日記が、文字数制限の1万文字に引っかかってしまったので、それの補足レポートだ。

「すべての客席の人が楽しめるように」

この夢のようなプランに対して、ツアーに関わったすべてのスタッフが
「いや、それは出来ません」
「いや、それは予算的にアウトです」
「いや、時間がありません」
「いや、そんな前例はありません」
といった態度を示さずに、夢を出来る限り実現するためにアイデアを出し切った結晶が、あのステージだ。

実際のステージプランの会議の内容は知るはずもないが、6公演に参戦し、色々な場所からステージを見た者として、「絶対にこれは議題に上がったはずだ!」と確信を持てるのは、
「ステージから遠い人ほど楽しめる公演」
だった。

実際に私が千秋楽公演を楽しむために選んだ座席は
「ステージからもっとも遠い座席」
だった。
同じことを散々書いてきたが、今回のツアーでの「edge」を体験するには、ステージに向かって中央の最後列が一番に楽しめたと思う。
ともかく、ステージから遠い人ほど迫力を感じられたのではないだろうか。
Perfumeのライヴではかなり重要な役割を持つ演出装置である、「凄まじい熱気を持った観客」が、すべて見渡せる位置だ。

それと、花道中央のステージでのパフォーマンスも、「どこから見てもステージが中央にある」というもので、真横などから観ている観客には嬉しい時間帯だった。

ステージに近い客席では3人の生の表情を、ステージから遠い客席では3人を中心に美しい照明の演出と熱く盛り上がる客席が楽しめた。

ざざっと箇条書きっぽく各公演の座席位置での感想を述べる。

・仙台公演
「ほぼ最前列だが一番右側」
で参戦した。
ステージ右側半分がスピーカーに隠れ、イントロの演出からほとんど何をしているのか分からなかった。
「edge」に関しても、みんなが何故大騒ぎしているのかは分からなかった。
しかし、メンバーが煽りに来るときには死ねる座席だった。
のっちに睨まれ目を背けたが、涙ぐみながらパフォーマンスするあ~ちゃんも確認できた。

・名古屋公演
「後ろのほうの右側」
で参戦した。
ともかく音響が良すぎて驚いた。
音圧のお陰でステージが遠いことも気にならなかった。
「edge」で何をやっていたのか判明。

・大阪公演
「一番後ろの中央」
で参戦した。
もうここから「edge中毒」になっている。
「edge見て叫ぶ」ために遠征した。
後方から眺めるオーディエンスの景色が美しいと心の底から感じた。

・横浜公演二日目
「花道右側先端から十数メートル」
で参戦した。
メンバーの表情がはっきりと見えて楽しめた。
しかし、自分の背の低さを呪った。
「Zero Gravity」であ~ちゃんが天使だったと判明した。

・横浜公演三日目
「花道右側通路途中から十数メートル」(もっと近かったかも)
で参戦した。
初めてパフォーマンスを後ろから楽しんだ。
あ~ちゃんが天使だったと判明した。

・横浜公演千秋楽
「ほぼ中央の後ろ(アリーナ)」
で参戦した。
客席のすべてとステージを見下ろす絶景が楽しめた。

ベタな言いかたをすれば「アイドルのコンサートに何度も足を運ぶキモいオタク」だが、行くたびにこれだけ印象が変われば、何度でも足を運びたくなる。
一応書いておくが、Perfumeのライヴは、そのほとんどがCD音源を流しているだけのステージだ。

Perfumeの3人が想い描いた夢はどれくらい花開いたステージだったのだろうか。
たぶん、そのほとんどは刈り取られてしまったと思う。
それでも、目の前にある現実だけでなく、想い描いた理想からスタートしたステージングは、我々を十二分に魅了し、とてつもなく大きな花が咲いた。

私の周りの人たちを見渡すと、ほとんどの人が「理想ではなく、現実から」物事を考えている。
今、この瞬間に手元にある材料と方法だけで問題を解決しようとしている。
明日になれば手に入るかもしれない材料のこと、もしくはその材料の入手方法までは考えが及んでいないようだ(もちろん、即時解決しなければならない問題もあるが)。

「それは出来ない」
「それは予算的にアウト」
「時間がない」
「そんな前例はない」

それは「自分の枠を自分で限定」していることだと思う。

「不可能を可能にするのが~?」
「Perfume!」

撮影中にカメラマンに言われて即座にポーズを決めて対応する3人。

正直に言って、千秋楽公演があそこまで完成度というか感動が大きなものになるとは思わなかった。

改めて3人の姿勢と、ツアーに関わったスタッフの姿勢を見習いたい。

私も自分の可能性をFIXしたくはない。


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2 コメント

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オールレンジライブ (赤い狐)
2009-11-07 14:13:39
なんかこのまま結婚式のスピーチにでも使えそうなくらいすげーいい記事で感動した。
「現実ではなく、理想から入れ。」これはいい言葉だ。早速いただきました笑

「すべての客席の人が楽しめるように」
これは今回のツアーを参加してみて自分も非常に感じたことだった。

今回のツアーでは名古屋1回、横アリ3回の計4回見たのだが、それぞれスタンド席のセンターステージサイド左と右でそれぞれ一回、センター席中央ブロックセンターステージのすぐ間近、スタンド席最後方ステージ正面という感じだった。

三人に手が届きそうなくらい近かったセンター席は別格としても、残りのスタンド席でもライブを思い切り楽しめた。
その一番の要因はやはりあのセンターステージの存在が大きいと思う。

名古屋の時は、最初座席表を見た時かなり後方ブロックの端の方だったので、代々木のイメージがあっただけに正直あまり期待はしていなかった。
ところが会場に入ったらセンターステージの先端がすぐ間近にあってその近さにかなりびびったものだ。

どっかの書き込みにあったのだが、Perfumeの三人がセンターステージに立つと今までメインステージから遠かった人たちが三人を間近で見れることになると同時に、メインステージ最前列の人達は後姿しか見れないことになり最前列が一転して最後列になってしまうわけで、このステージ構成は非常に民主的でいいと思ったという意見があったがほんとにそのとおりだと思った(まぁ中には後姿に興奮している御仁もおりますがw)
とにかくセンターステージに三人が立った時には会場全てのお客さんがほぼ均等な距離になりこれは本当にいいと思った。

ガイシホールではその花道が長すぎたために曲が終わってもメインステージに戻りきれないという一幕もありその後花道の距離がちょっと短くなったとう話だが、思うにあれも「できるだけ花道を長くして遠くのお客さんにも見てもらいたい」というスタッフの思いがあったんだと思う。


また髑髏さんの言う「ステージから遠い人ほど楽しめる公演」というのはスタンド席最後方で見た時に強烈に感じた
とにかくedgeとポリの演出については神すぎた。間違いなくあの瞬間はスタンド席最後方が一番の神席だったと確信した。
今回の座席の順位をつけるとしたらまぁセンター席が一番よかったのは当然としてもその次にくるのは間違いなくスタンド席最後方だ!
もう何度も言って来た言葉なんだが会場最後方の席を神席にしてしまうPerfumeは本当にすごい!

思うにきっと代々木の時に「後ろの方でよく見えなかった」という声は多かったんだと思う。
そんな声を聞いて「どの席でもみんなが楽しめるライブを」「遠い人程演出を楽しめるライブを」という気持ちでPerfumeとスタッフさん達が作り上げてくれたんだと思いますね。

Perfumeライブに死角なし!そんなことを非常に強く感じたツアーだった。

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ソニックブレードライヴ (髑髏フラワー)
2009-11-08 20:24:33
赤い狐さん。

そうそう。代々木の時にはアリーナ後方やスタンド後方は疎外感ありましたよね。
まあ、仕方ないとは思いますけど…。
私が思うに、ガイシホールくらいがちょうど良い感じだったかなあ、と思いました。

「現実ではなく、理想から~」
は、常に頭に入れてある言葉です。
しかし、実際の職場ではけっこう嫌われる存在になるんですよねw
「こんなもんでしょ」
ってパパッと仕事片付けて早く帰りたい人たちばかりですからねえ。
↑現在の私のことなんですけどねww
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