土手猫の手

《Plala Broach からお引っ越し》

「大人の情景・子供の領分」(転載)

2013-10-30 23:50:25 | 夢日記/感興小説(改稿)
   「大人の情景・子供の領分」

                          本居 寝子

今日見た夢は楽しかった。

走り方がスチャラカだった。
足だけ跳ねるホップするように、まるで子供の、って子供でも、
「おいっ可笑しな格好だぞ」と自分でも、とまどう感じで……見ていたのだけど、
大人の私は「声」を無視してそのまま、平然と交差点をスチャラカ渡ってビルの中に入って行った。
ここが自宅……なのだ?
私は。家に帰ろうとしてたのに、在り処が解らなくて戸惑っていたのに、
勢い何故か気圧されて、プラスでは無く【ー4】の方のボタンを誤って焦って、
したら真っ逆さまに、エレベーターは半端無いスピードで急降下して、
「おいおいっ尋常じゃ無いって!」なんて思っているんだけど、それも実は口だけで、
でも、そこは高々、ー4。「あっ」と言う間にチンッ。
開いたそこは、いきなり直接フロアで、
輪転機が似合いそうな広い古い編集室で、昔の佇まいで、
そう地下ってのが。ちょっと好い。
だから、ほんとはここに居たかったのだけど、
同乗者と「間違えちゃいましたね」なんて感じだったから、戻らずを得なくて内心ガッカリで、
そして、仕方無い、の私は。
今度は普通に上がって行った。

そこから先は覚えていない。変な夢だった。

夢の中だと、いつも解らない。実は自宅が解らない。
とにかく『帰らなきゃいけない』で、向かってる訳だけど。
でも。ここだと思ってみても、なにか懐かしくても、微妙に……
おまけに。通り抜けるには、めちゃめちゃ狭い入り口が、天井近くに付いていたり……
あるいは。建物が異様にデカくて、よじ上るしかない高い階段だったり……
いつも。かなり厄介だけど……
けど。むしろ……

って、これって、つまり、いや、どっち?
家家、家?

帰りたくないから帰れないのか。
それとも、
帰れないから帰りたいのか。

帰らないのか、帰れないのか。
まてよ、
私って、帰りたかったっけ?

帰りたいのか、帰りたくないのか。
いや、そもそも。

なんで、
『帰らなきゃ』、なんだろう?

2009.8.26「Open Sesame」(初出)。
http://pub.ne.jp/nekome9_1/?entry_id=2377690

2013.9.30 修正。
「様に」を「ように」、「…」を重ねて「……」にしました。

※文中の「今日」は、2009年8月20日です。

《Plala Broach「土手猫の手」2013.10.30》



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