伊澤屋

歴史・政治経済系同人誌サークル「伊澤屋」の広報ブログ。

ペリーヌ物語 第27話 所感

2017年03月12日 21時27分43秒 | Weblog
所感である。


1年間4クールの放送期間中盤位でようやく原作『家なき娘』の大部分を占めるマロクール篇である。
ペリーヌとロザリー、友情っていいなあ♪

しかし一つの問題として、物語の展開としてペリーヌがわざわざ「オーレリィ」と偽名(※嫌な単語だ)
を名乗って出自を隠す必然性があまり無いという点だ。
演出だとしても咄嗟に名乗ったというのも、また「オーレリィ」はファーストネームで名字を考えていない
点もペリーヌのスーパーガールぶりを考えるとマヌケ過ぎて不自然だ。
最初から祖父ビルフランに孫だと堂々名乗りその事実を認めさせる、とした方が自然な流れに感じる。

ロザリーの祖母でペリーヌの父エドモンの乳母だったフランソワーズは勘として、ペリーヌの顔を見て
ビルフランやエドモンと間違い無く血の繋がりがあると気付いても敢えて口に出さなかったのだろうか。

『機動戦士ガンダム0079 ジオン第八連隊記 復興(あす)への咆哮』  再読のお願い

2017年03月11日 14時46分18秒 | Weblog
本ブログをいつもお読みになっている読者の皆様に於かれては、この機会に再読をお願いしたい。

6年前起きた東日本大震災の犠牲者慰霊の為平成23年9月11日から翌24年3月11日まで約半年に渡り
全14話を本ブログで上梓した長編ウェブ小説


『機動戦士ガンダム0079 ジオン第八連隊記 復興(あす)への咆哮』


本編開始2週間前の23年8月28日にアップした 「制作発表」 からお読み頂ければ甚幸だ。
トップページ下端近くの「バックナンバー」で「+2011年08月」に行けば、以後「カレンダー」の「次月」で
続きを読んでいける。読むのが早い諸兄ならライトノベルよりも早く2時間程度で全話読了出来ると。


今読んでも当時(※宇宙世紀0079年でなく平成23年)の空気が反映されていてかなり生々しい物語だ。





『視覚探偵 日暮旅人』 第7話  所感

2017年03月10日 21時31分39秒 | Weblog
(※以下、ネタ暴露注意!!)


所感である。


ダークさと、更に怒りのぶつけ所の無い「やるせなさ」の描写で脚本の力が際立つ。
旅人を重度の身障者にしたのが灯衣の実母、鳥羽組での通称「ドクター」なのがゾクゾクする構成力だ。
灯衣が旅人の養子になった背景を再度見ていくと、実は雪路も旅人に隠していた部分があった?と
考えたくなる台詞回しもあるが、一先ず義親子、義兄弟、家族の絆は揺るがなかったと捉えるべきだと。
終盤に向け、勿論悲しいのだが「良い勢い」が付いてきたと感じる。

ドクターが血縁関係の無い「おばちゃん」として灯衣に進呈する小学校のランドセルを自然に現代風の
水色?パステルブルーにして昭和風の赤いランドセルにしなかったのは灯衣が「ダイオウグソクムシ」
の折り紙を折れるのと同様に現代の話として描く上で、「時代劇」にしない為に有効だった。

ただ疑問なのは、福原充則は新作を描く際に「リレー」的に前作で用いられた小道具、設定を必ず
数ヶ所引き継ぐ「きまり」を課しているのだろうか。 一昨年清水富美加が同人作家まゆ吉を怪演した
『Sicks』と極めて近似した設定が以下ある。


・「物心付く前」でなく自らの出自を知っている養子 (灯衣とつばめ)
・物語の重要な鍵となる激しい副作用を伴う新薬、重要キャラクターの喀血 (『ロスト』と『Sicks』)
・一見コミカルだが実は冷酷な敵の存在、話の端に見え隠れする反社会勢力 (鳥羽組とつばめの父)


稀代のドラッグデザイナーのドクターが開発した「ロスト」の名は服用した者が聴覚、触覚など様々な
感覚を失っていく、ロストしていく他に「ロスト」の語には「迷子」「落とし物」「忘れ物」の意味もある。
オープニングテーマの『探し物は何ですか』と掛詞にしたのなら「いかにも」であっても胸の痛む設定だ。

機甲創世記モスピーダ 第14話  所感

2017年03月08日 21時56分17秒 | Weblog
所感である。

前回の次回予告に反し幻想パートではなかった。
しかし…今話は明確に人種差別描写とロリコン描写と男尊女卑描写がある。 現在なら完全に違法だ。
ミント、このまま原始人(←※差別用語)の酋長(←※差別用語)の倅の嫁になっちゃうのか。

その割には次回以降も主要メンバーとして変わらず出るようだな。 その方が良い。

『視覚探偵 日暮旅人』 第6話  所感

2017年03月06日 21時53分14秒 | Weblog
(※以下、ネタ暴露注意!!)


所感である。


予想、お約束を裏切る脚本の巧さがとても際立っている。
間食課長が旅人と鉢合わせし早々に 「自白」 してしまうのが 「量産型」 なお話作りではない。
間食課長は20年前「下っ端」だったと言うが文脈を見るとその時警察官だったか否かも定かでない。

今話で脚本家が伝えたかった事は二通りに解釈出来る。
旅人と雪路の 「絆」 が壊れていく過程と、しかし決して壊したくない両者をかなり激しい芝居で見せて


「人の絆なんて、所詮脆いもんだ」
「人の絆ってのはそんなにヤワなもんじゃないさ」


と相矛盾した二つある真実を丁寧に伝えてくれている。
これには雪路の演技の貢献が大きい。 寒空の下で金髪にべっとりの血と吐血、旅人への「恩」。
しかしそれが全部旅人の復讐の為仕組まれた計画だったら、なお 「そんなら俺は協力するって!」 と
怒鳴る雪路の表情は損得や恨みつらみを超えた絆の何たるかを伝えていた。
雪路に全て真相を知られたと気付き警察病院のベッドで号泣する旅人は誰よりも人間臭く見えた。


次回予告と宣伝を見ると本シリーズは1クール丸ごとでなくこの段階でもう終盤のようだが、思い切って
「成功しなかった復讐劇」 という日本のドラマ史上異例の結末も十分やれるのではないだろうか、と。