おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 9

2009-02-18 22:28:33 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

音譜本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が三十八歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることがわかりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。


人って何で?
生まれるとき 一人なんだろう
人って何で?
死ぬとき 一人なんだろう
ホントはみんな そのことに気づいているくせに
みんな知らないふりして 生きているのは何でなんだろう
人って 不思議な生きものだね

あっ!そういえば僕もひとりぼっちだっけ だってボク影法師だもん
口をきく友達もいないし家族もいない影法師だもん
僕はひとりぼっちの影法師 ふぅ寂しいね

1

(九)

「大沢さん、こんなことぐらいで泣いていないで、しっかりと地に足に地をつけて、奥さんをしっかりと守っていってくださいよ。これからが、奥さんの本当の病気との戦いが始まるのですから・・・」

「そうですよ、大沢さん。奥さんの乳がんの手術は、利き腕である右腕が使えなくなる心配をすることもなく上手くいきましたが、これからが本当に奥さんと乳がんとの闘病生活が始まるんですからね・・・」

「大沢さんがそんな弱弱しい態度じゃ、奥さんだって不安になって治る病気もなおらなくなりますよ・・・」

「は、はいすみません。場所柄もわきまえずに、ついつい大人気ない恥ずかしい姿を見せてしまいまして・・・」

「だけど、そんな大沢さんの人柄の良さに、奥さんも惚れたんでしょうがね、山中先生・・・」

「そうだね、アッハハハ・・・」

「クスクスクス・・・」

拓也は、今さっきまで自分が山中医師の前に跪き、人目もはばからずに咽び泣いていたことを、本気で怒っているのではないにしろ、山中医師と平野看護師に指摘されたとたんに、凄い恥ずかしさを感じると同時に、何十年ぶりかは分からないが?まるでテストで赤点でも取って職員室に呼ばれて怒られているような感がした。

ただ、その拓也に対する二人の内容はともかく、二人が愛美のことをこんなにも真剣に心配してくれていることを知ると、そんな恥ずかしい気持ちもどこかに吹っ飛んで行ってしまい、あえて二人にそのことを言葉で伝えることしなかったものの、自然に心の底から感謝し嬉しさがこみ上げてきた。

「あ、そうそう、それよりこれから私は奥さんを手術室に迎えに行って来ますけど、奥さんが手術室から出て来ましたら、何でもいいですから声を掛けてあげても大丈夫ですよ・・・」

「ただし、全身に麻酔を打っているために、もしかしたら本人はご主人と話したことを何も覚えていないかも知れませんが、もうそれは麻酔のせいで仕方のないことですから、我慢してもらわないといけませんがね・・・」

平野看護師がそう告げて、山中医師に愛美の搬送準備の許可を取ると、再び手術室の方に向かった。
その間、拓也は山中医師がスケッチブックに手書きで書いた、愛美の乳がんの手術模様の絵図を見ながら、今回の手術内容の詳細についての説明を受けていた。

平野看護師が、愛美を迎えに手術室に向かってから、十分くらいは経ったのだろう?

例のごとく、手術室の扉がギーッという金属音独特の不気味な音を響かせて開くと、その中から真っ白な毛布が被せられた、一台の搬送者が平野や木内ら三人に看護師に押されて出て来た。

まだ、山中医師との話の途中だったにもかかわらず、拓也が大急ぎでその搬送者に近づくと、そこには間違いなくさきほど手術を終えたばかりの愛美が、おそらくまだ麻酔(全身麻酔)が抜け切れていないからだろう。

自分に何があったのか?それすらも分からない様子で、何か別世界の景色でも見ているかのように、やけに目玉だけをキョロキョロと動かして周りを見渡しながら、いかにも気だるそうなうつろな表情をして乗っていた。


ただ、愛美の現在の様子がどうであれ、再び彼女と生きて再会が出来たことが分かった瞬間、ついさっき山中医師と平野看護師に感情の高ぶりすぎを指摘され注意を受けたばかりだというのに、いつの間にか拓也自信はそのことさえすっかり忘れてしまい、再び彼の目頭は涙でいっぱいになっていた。




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9話「青い目の少女」


大翔くんは、なんとか生まれつきの重度な下半身麻痺の病気のために、ずっと両足が使えずに車椅子生活で、彼らと同じように外に出て自由に遊ぶことが出来ないナナちゃんを、1度だけでもいいから彼女が自分の両足を使って、外で自由に遊べるようにしてあげたいと思い、色々と彼女の病気についての資料を調べたり人に尋ねたりしましたが、結局そのための名案が見つかることは、何もありませんでした。

そのために、なんとなく彼はナナちゃんと会いづらくなり、これまで遊んでいた彼女の家の前にある公園ではなく、だんだんと別な場所にある公園などで遊ぶようになりました。

ただ、だからと言って、ナナちゃんが彼女の自分の両足を使って、外で自由に遊べるようにしてあげたいという夢をあきらめたわけではありません。


いつも、大翔くんはナナちゃんと会うのを避けながらも、もう自分の力では彼女の夢を叶えてあげることが出来ないと知った以上、1度でいいから心の中では彼女が自らの両足を使って歩くことができ、彼らと一緒に外で走り回って遊べるようになることを、昼夜なく空に向かって神様にお願いしていました。





恋の矢ついに、凄い記録が誕生しました!!

単に、みなさんが芸能界の話だから興味持っているのか?それとも、本作品に興味持っていただいているのか?その理由がどちらにせよ、昨夜の「夢で芸能界を盗んだ男」を見に来た人・人・人のそのもの凄い訪問者の数には、正直に言いまして凄く驚いています。それは、当ブログを始めて約10ヶ月なりますが、これまでのすべての訪問記録の中で最高の数字を記録しました。それにまた、携帯電話から本作品を見ていただいている人の数の多さは、全国の大勢の若い世代の人たちが、かなり本作品に対して興味を持っていただいているのではないかと思い、すごく嬉しく思っています。この凄い記が誕生したのは、すべて当ブログへお出でいただいています、みなさんの応援のお陰だと思っています。本当にありがとうございます。


アメーバーブログ「おとぎのお家と仲間たち」
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~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 8

2009-02-18 22:28:09 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

音譜本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が三十八歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることがわかりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。


人にとって 一番の喜びってなんだろう?
人にとって 一番の幸せってなんだろう?
それは、いつでも自分に悲しいことや苦しいことがあったときに
いつも手を伸ばすと その悲しみや苦しみを癒してくれる
家族や愛する人が 自分の手の届く範囲の中に
自分が永遠の眠りに着くその日まで、ずっとずっといてくれることかもしれない



1

(八)

本来、愛美の手術が終わることを告げられている予定時間より、二時間以上も早く彼女の担当看護師である平野ひなたが、愛美の病室に戻るといること自体が、拓也にすればおかしなことだった。

「大沢さん、奥さん手術中だというのにどこに行っていたんですか?」

「すみません。ちょっと妻の手術が終る予定の時刻まで時間があったものですから、気晴らしついでに買い物に行っていました・・・」

拓也は、平野看護師のかなり焦っている態度を見て、すぐに愛美に何かがあったことだけは分かった。

さらにまた、まだ外出先から病室に戻ったばかりで、平野看護師に詳しい話は聞いてはいないが、それに加えて愛美の手術の終わる予定時間の二時間以上も前だというのに、彼女が愛美の病室にいること自体が、さらに拓也の気持ちを不安にさせた。

そのせいで、すぐに達也の脳裏を、“おそらく愛美に何か好くないことが起きたのだろう?”という、悪い予感が駆け巡った。

ただ、何故だか?分からなかったが、平野看護師にその内容をなんど尋ねても、彼女の返事は、「私の方では何も言えないので、直接山中先生から聞いてください・・・」という、単に同じ言葉を繰り返し続けるだけだった。

そうなると、もう後の拓也の立場としては、平野看護師の指示に従って、癌患者の手術室がある五階に行って、今回愛美の乳がん手術を担当した山中大輔医師に、その内容について直接聞くしかなかった。

ただ、おそらく愛美の病室がある八階から、彼女の乳がんの手術室がある五階まで移動するのに、実際の時間にしたら五分も掛かっていないはずなのに、気のせいか?その移動時間がかなり思ったより長く感じられ、ずっとその間「きっと、愛美に何かがあったに間違い・・・」という思いが、一歩歩くたびにごとに次第に大きくなっていき、なんだかんだと移動している間中にも、かなり息苦しくなるほど緊張感と恐怖感に襲われた。

そしてまた、その移動中に平野看護師が何故だか?まったく何ひとつ一言も話し掛けて来ないのが、拓也に大きなプレッシャーとなって不安を与えた。

拓也が、平野看護師と一緒に手術室の前に着くと、もう手術中であることを知らせる赤ランプは消えていた。

再び、その赤ランプが消えているのを目にした瞬間、拓也の脳裏を、「きっと、愛美に何かあったに違いない・・・」という、凄く不安と恐怖が駆け巡った。

「今、すぐに山中医師を呼んで来ますから、ここで少し待っていてください・・・」
拓也のそんな心配を尻目に、平野看護師は何事もないかのように、そういい残して手術室の扉を開くと、大急ぎでその場を離れて手術室に向かった。

その待ち時間は、どのくらいだったのだろうか?

実際には、かなり愛美のことで気が動転しているために、まったく時間のことなど気にする余裕などはなかったが、おそらく時間にしたら、わずか五、六分ことだったのではないのだろうかと思う。

やがて手術室の扉が、金属音独自のギーッという不気味な音と共に開くと、その中から山中医師と、さっき彼を呼びに行った平野看護師が出て来た。

山中医師は、まだ手術時の姿そのままで、マスクやキャップ、手袋まではずさずに、拓也の前に現れた。

その山中医師の姿を見たとたん、拓也は少しでも気を落ち着かせるために、手術室の前の廊下に用意されている長椅子にもたれて天井の板の目を数えていたが、かなり緊張していたせいか?取り急ぎ立ち上がろうとした瞬間、思わず両足が絡んでしまい前のめりになって、その場で転んでしまった。

よほど、その拓也が慌てて転んだ姿が、滑稽に見えたのか?

さすがに、山中医師と平野看護師もその気持ちを抑え切れずに、笑い声をあげた。

「ワアッハハハ・・・」

「クスクスクス・・・」

そして、いったん笑いが収まり一段落すると、山中医師は急にいつもの医師らしい神妙な趣で、愛美の手術の経過について話し始めた。

「奥さんの手術は成功ですよ・・・」

「がん細胞が移転していた、右腕の脇の下のリンパ筋も三個の切除で済みましたから、また、しばらくすると使えるようになりますから・・・」

「よかったですね。大沢さん・・・」

「・・・・・」

当初、拓也はまったく逆の結果を考えていて、ある意味それなりの覚悟を決めていただけに、その嬉しさと興奮から全身が身震いして止まらずに、山中医師や平野看護師の言葉に対して返事も出来なかった。

そして、その後しばらく時間をおいて自分の気持ちの整理が付くのを待つと、もう一度愛美の手術の経過について尋ねた。

「山中先生、い、今の話は、ぼ、僕の聞き間違いではないですよね?!」

「いや、大沢さん、決してあなたの聞き間違いではありませんよ・・・」


山中医師からその言葉を聞いたとたん、これまでの拓也は愛美から乳がんだと打ち明けられた日から、今日の手術が無事に終わるまでの約一月の間の重圧感から一気に解き放たれて、これまでに一度も味わったことがない初めての大きな安堵感を体感したこともあり、男のプライドなど一切かまうことなく山中医師の前にひれ伏してお礼を言うと、もう自分自身が気付いたときには、いっさい周囲にほかの病院関係者や患者などがいることなども忘れてしまい、大粒の涙を流して咽び泣きしていた。


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第8話「青い目の少女」


ただ、ナナちゃんの夢を大翔くんは、どうやって叶えてあがたらいいのか?毎日どんなに考えても、決してその答えを見つけ出すことは出来ませんでした。

その訳は、彼女と話した日を境に学校に行っている時間以外には遊ぶこともやめて、その答えを探すために一時の時間も無駄にしないように、町の図書館や市役所などを訪ねて回り、彼女の病気についての資料を調べたりその治療方法などについて尋ねてみたりしました。

でも、どれもこれも小学三年生の大翔くんには難しすぎて、まったく彼女の夢を叶えてあげられるようなことの答えが、何ひとつとして見つけられなかったからです。

そして、彼がそうこうしている間に、あっという間に一月が経ってしまいました。もちろん、その間は大翔くんがナナちゃんと会うことは、まったくありませんでした。


それは、大翔くんがナナちゃんに彼女の夢を叶えてあげると、なにも正式に約束したわけでもないのに、なんだか彼女ために何も出来ない自分がとても嫌になり、大翔くん自らが彼女と会うことを避けて、まったく彼女に会いに行こうとしなかったからです。





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~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 7

2009-02-18 22:27:42 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

音譜本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が三十八歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることがわかりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。


淋しいからって 目をそらさずに
悲しいからって 泣くのをやめて
勇気を持って 自分の信じた道を歩いてごらん
きっと明日は 笑顔の自分に会えるはずだから
苦しいからって 逃げ出さないで
疲れたからって 休むのをやめて
希望を抱いて 自分の信じたことをやって(挑戦)てごらん
きっと明日は 幸せの自分に会えるはずだから
だってそれが人間だから だってそれが生きている証だから


1

(七)

妻の愛美は、担当看護師の平野ひなたの指示に従って、病室のベッドで手術用の肌着に着替えると、手術室に向かうための搬送ベッドに移った。

そして、平野ひなたと木内葵看護師が用意した、入院患者を搬送するためにベッドに仰向けになって寝かせられ、保温用の毛布を全身に掛けられると、手術室に向かうために廊下の中央にあるエレベーターに向かった。

愛美の部屋がある八階のエレベーターがある前まで来ると、何故か?平野看護師に「ご主人は、ここまで結構ですので、後は病室で待っていてください・・・」と言われた。

その平野看護師の言葉を不自然に思い、その訳を尋ねると、彼女の回答は「病院の規則ですので・・・」と、いうものだった。

そう言われると、今自分が平野看護師の言葉に何か反論でもして、愛美の手術の直前に何かトラブルにでもなり、すぐに“それこそ支障でも出たら大変なことになる・・・”という思いが脳裏の隅を駆け巡ったために、その件についてそれ以上何かを彼女に聞くことはなかった。

そして、その場は素直に彼女の言葉に従った。

そんな緊迫した中で、エレベーターのドアが閉まる直前まで愛美が笑顔を見せて、エレベーターのドアが閉まると同時に、彼女の「じゃあいってくるからね・・・」という言葉が、かなり拓也の緊張感をほぐしてくれた。

だがそれとは逆に、エレベーターのドアが閉まったとたん、独りエレベーターの前に取り残されたという寂しさもあったのだろうが、もしかしたらこれが愛美と生きて会えるのは最後になるのではないかという思いが、急に彼女の姿が目の前から消えたとたんいっぺんに募って来て、拓也の目頭は自然に涙でいっぱいになっていった。

でもひとつ救いだったのは、やはり大東医大病院の理事兼教授の紹介ということもあり、今日の愛美の手術を担当してくれるのが、当初の診療時の担当医から、数多くの週刊誌などで日本全国の病院の中でも100人の中に入る名医と紹介され、“神の手”と呼ばれる大東医大病院きっての癌の手術の名医である山中大輔医師が担当してくれることだった。

それは、愛美の大きな精神的な支えにもなったが、拓也自信の大きな心の支えにもなっていた。

拓也は、愛美の父親である荒井新三郎や実家の父母や姉たちに愛美の手術の一通りの経過についての報告が終わると、彼女の病室でテレビを見たり読書をしたりして時間をつぶしていた。

だが、どうしても彼女の手術のことが気になって落ち着かないこともあり、まだ彼女の手術が終わる時間までは四時間以上もあったこともあり、近くにある新宿公園などに出掛けて気晴らしをすることにした。

ただ、愛美の手術が終わる予定の時間の二時間以上も前に病室に戻ると、彼女の担当看護師である平野ひなたが、かなりそわそわしながら落ち着かない様子で待っていた。
「大沢さん、奥さん手術中だというのに、病室にいないでどこに行っていたのですか?」

「奥さんの手術を担当した山中先生が、大至急きてくださいと呼んでいますよ・・・」


平野看護師のその言葉を聞いた瞬間、あまりにも突然のまったく予測もしていなかった出来事に、これまで拓也は一度も感じたことがない大きな不安に襲われた。



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第7話「青い目の少女」

大翔くんの「君は、いつもどうして窓の中から公園を眺めているだけで、みんなと一緒に公園に来て遊ばないの?」という言葉に、とつぜん寂しそうな表情を見せて、口を閉ざしてしまったナナちゃん(青い目の女の子)でしたが、どうしても大翔くんはその理由が知りたかったので、彼女が困っているのを分かっていながら、なんども彼女にその理由を繰り返して尋ねてみました。

そんな大翔くんの気遣いが通じたのか、やがて青い目の女の子は再び口を開き、その理由を話し始めました。

「実は、私・・・生まれつきの重度な下半身が麻痺する病気のために、ずっと両足が使えずに車椅子生活なの・・・」

「じゃあ、近所の人が言っていたことは、本当だったんだ。」

「それに、私にはパパがママと別れていないから、ママが仕事で出かけているときには、いつもこうやって窓から公園や空の景色を眺めながら、神様に“一日でいいから私に自分の両足で歩ける時間をください・・・”と、お願いしていたの。」

そんなナナちゃんの話を聞いて、いつしか大翔くんは彼女の“自分の両足で歩いてみたい・・・”という夢を、なんとか叶えてあげたいと思うようになっていました。





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~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 6

2009-02-18 22:27:19 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

音譜本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が三十八歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることがわかりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。


人は、この世に生まれて時から。
人、それぞれの運命の中で。
自分の意思や望みに関係なく。
もしも、生きて行くのが決められているのなら。
その生と死の命の重さや長さは
誰が量って決めているのだろうか?
もしも、その方の居場所を知っている人がいたら。
すぐに教えて欲しいお願いだから。
たとえ、この使い古した命でもよかったら。
愛する者(妻)の命を、この命と引き換えにしても守ってあげたいから・・・


1

(六)

やはり、東京病院の理事兼教授の紹介ということがあってか、病院側も気を使い愛美の手術後の容態が落ち着くまではと、個室の部屋を用意してくれた。

さすがに、個室だけあって団体の病室に比べると、入院費用はかなり割高だった。

ただ、そのときには彼女のために出来ることは何でもしてあげたいという気持ちがあっただけに、いちいち他人に気を使うことがなく、愛美が手術までの時間をゆったりと過ごせることを思うと、すぐに金のことにも納得が出来た。

愛美の手術が行われたのは、ちょうど予定通りに入院した日から三日後の、十月二十五日の午後一時からだった。

その日は、直接担当医から手術が約五、六時間程度かかると説明を受けた後、手術に向けての様々な書類に目を通し、その一枚一枚にサインをすることから始まった。

だが、やはり拓也がそんな説明よりも一番に気になったのは、手術が上手くいった場合にでもがん細胞が脇の下のリンパ節へ転移しているために、もしも七個あるリンパ節のうち四個以上を切除することになった場合には、愛美の利き腕である右腕が使えなるということだった。

ただ可笑しいのは、実際には病人であるはずの愛美を、拓也の方が励まさなければいけない立場にあるはずなのに、いつの間にか極度の緊張からすっかり彼の方が彼女に比べて冷静さを失い、逆に励まされていた。

そんな拓也と愛美のやり取りを見て、彼女の当初からの担当看護師である平野ひなたが、よほど可笑しかったのだろう。

「別に、ご主人が手術をするわけでもないのに、そんなに緊張しなくたって大丈夫よねえ、奥さん・・・」と言いながら、拓也が愛美の手術するためにサインした数枚の同意書とボールペンを手に持って、クスクスと笑いながら病室を出て行った。

その後も、愛美自身は達也に心配かけまいと思ってか、それともこれから手術を迎える自分の気持ちを落ち着かせようとしていたのか、いやその両方だったに違いない。

手術時間の直前まで「大丈夫よ、もしも右手が使えなくなっても、まだ左手が残っているじゃないの・・・」「この世の中には、両手がない人だっていっぱいいるのだし、もしも右手が使えなくなったとしても左手は使えるのだから、その人たちに比べたらまだまだずっと幸せじゃないの・・・」などと言いながら、逆にいっぱいの笑顔を見せて彼の緊張した気持ちを和ませてくれていた。

それから一時間ほど経ったときだった。

愛美の病室に、突然極度の緊張感が走った。

それは、愛美の担当看護師の平野ひなたと木内葵が、入院患者を乗せて運ぶための搬送車を持って、病室にやって来たからである。

「大沢さん、これから五階の手術室に向かいますからね・・・」


そして同時に、担当看護師の平野ひなたのその言葉は、いよいよ愛美の手術が始まることを告げるものだった。



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第6話「青い目の少女」

大翔くんは、とつぜん青い目の女の子に声を掛けられて、何も予想もしていないことだっただけに、凄く驚きました。

でも、自分が毎にち彼女のことが気になって会いに来ていることを、ちゃんと彼女が見ていてくれたのかと思うと、ついつい嬉しくなって心の中は「やった!」という、幸福感でいっぱいになりました。

「僕、大翔。君の名前は?」

「ナナよ。」

「君は、いつもどうして窓の中から公園を眺めているだけで、みんなと一緒に公園に来て遊ばないの?」
大翔くんそう言って話しかけると、とつぜん青い目の女の子は寂しそうな表情を見せて、何にも話すことなく黙り込んでしまいました。




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~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 5

2009-02-18 22:26:53 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望
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「愛ってなんですか?」


Mother  みんな同じ笑顔なのに
Mother  みんな同じ涙なのに
Mother  何故?人間には国境があるのですか?
みんな同じ大切な生命だから  その手を握り合ったら
人間はみんな  心がひとつになれることを分かっているのに
人間は今より   助け合って暮らしていけることを分かっているのに
Mother    あなたの夢ってなんですか?
Mother    あなたの幸せってなんですか?
Mother    人間を愛するってなんですか?

僕にはあなたが歩いたその道を  一歩も歩ける勇気がないけど
あなたが歩いたその道は     いつも笑顔と希望に輝いていた

※僕にはあなたが歩いたその道を  一歩も歩ける自身がないけど
あなたが歩いたその道は  いつも優しさと温もりが溢れていた


1

(五)

拓也にとって、妻の愛美が“乳がん”であるという現実に遭遇し、まず最初の難題にぶつかったのが、彼女を一日での早く入院させて手術を行わせることだった。

それは、このまま病院側から伝えられた“空きベッドがないために手術をするのが、四ヶ月以上も先だ・・・・”という、看護師の言葉を鵜呑みにしていると、愛美の症状が乳がんの病期分類で一番進行度が重い五であるということと同時に、彼女が乳がんになって以来あらゆる資料を調べて、高齢者に比べると若い人の癌の進行率が数倍高いことが分かっていたために、このまま何もしないで放って置いたら、おそらく彼女の命は一年ももたなくなるか、もしくは命が一年持ったとしても間違いなくがん細胞が脇の下のリンパ節へ転移している以上は、担当医の話にもあった通りに“もしもの場合に彼女の利き腕である右手が使えなくなる”という予測が、かなり強く拓也の気持ちの中に渦巻いていたからである。

さすがに、当初は達也の気持ちの中にも今後の生活のことを考えると、会社の仕事を優先せざるを得ないという気持ちがあったが、やはり最後には妻の愛美の命と引き換えにまでして、会社の仕事を優先させるきもちにはなれなかった。

そのために、会社に出勤はするものの外での打ち合わせがあると上司に嘘をつき、会社を出ると同時に愛美を一日でも早く入院させるために、毎日のように親戚や友人、知人などの知り合いを必死で訪ねて回り、東京病院にコネを持つ人物を紹介してくれるように頼んだ。

その紹介相手は、上は政治家から下はスナックやバーなどの飲み屋のママまでの、多種多様の職種の人たちだった。

その甲斐あって、愛美が乳がんと診断されてから二週間ほどで、ある新聞社の役員の紹介で東京病院の理事兼教授と出会うことが出来、その紹介で愛美の入院が翌日に決まり、乳がんの手術がその三日後に決まったのには、さすがに拓也も驚いた。

このとき、初めて分かったことだが、やはり政治や教育、病院などの世界はコネが一番効果のあるとは聞いてはいたが、それは本当の話だということが分かった。

東京病院の理事兼教授と別れた後、すぐにその場から電話を入れ東京病院への入院が、明日に正式に決まったことを愛美に伝えると、かなり最初は彼女自身もそのこと自体が信じられずに、“まさか、そんなことがあるなんて信じられない・・・”と言って拓也同様に驚いていたが、ただやはり最後には自分の命が掛かっていることだけに、その入院や手術がどんな形で決まったにせよ、かなりホッとしたようだった。

その気持ちは、拓也も同じだった。

翌日、さっそく拓也が妻愛美と一緒に入院用の身支度をして、乳がんの手術を受けるために、東京病院に向かったことは言うまでもない。


その日は、もう秋本番ということもあり、自宅から病院に向かう途中のタクシーの中から眺める、すっかり街中の街路樹は赤や黄色に様変わりしていたが、天気は小春日和思わせるような暖かさだった。



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第5話「青い目の少女」


それでも、やっぱり大翔くんは青い目の女の子のことが気になり、雨の日も風の日も公園に出かけて行き、彼女がいないかどうかを探しました。

彼女は、きっと大翔くんのそんな姿を、窓の中から見ていたのでしょうね。

それから、1月ほど経った日の天気のいい日曜日に、いつものように大翔くんが公園に遊びに出かけると・・・

大翔くんの姿を見かけた青い目の女の子が、いつもの窓から「ねえ、君の名前はなんと言うの?」といって、笑顔で手を振りながら声を掛けてきました。



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~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 4

2009-02-18 22:26:30 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望
音譜本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が三十八歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることがわかりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。

「愛ってなんですか?」


Mother  みんな同じ笑顔なのに
Mother  みんな同じ涙なのに
Mother  何故?人間には国境があるのですか?
みんな同じ大切な生命だから  その手を握り合ったら
人間はみんな  心がひとつになれることを分かっているのに
人間は今より   助け合って暮らしていけることを分かっているのに
Mother    あなたの夢ってなんですか?
Mother    あなたの幸せってなんですか?
Mother    人間を愛するってなんですか?

僕にはあなたが歩いたその道を  一歩も歩ける勇気がないけど
あなたが歩いたその道は     いつも笑顔と希望に輝いていた

※僕にはあなたが歩いたその道を  一歩も歩ける自身がないけど
あなたが歩いたその道は  いつも優しさと温もりが溢れていた


1


(四)

※最初に、妻が新宿の西口にある東京病院から帰宅し、“乳がん”だと検査の結果診断された当時(七年前)の日誌の中には、こう書かれている。

やはり、妻は癌だった。

――ガチャン・・・――

「検査の結果はどうだった?!」

「やっぱり癌(乳がん)だって・・・」

「ふうー・・・そうか、やっぱり癌だったか・・・」

「大丈夫よ、そんなに落ち込まなくても・・・」

「いくら癌だったからといって、明日や明後日に死ぬということじゃないのだから・・・」

「それに、どんなに思い悩んでも、もう癌だという結果が出た以上はなるようにしかならないじゃないの――アッハハハハ・・・」

僕(拓也)は、最初の視触診のときに担当医から、“ほぼ間違いなく乳がんだろう・・・”と告げられたことを妻に聞かされたときから、もうほとんど自分の心の中では“妻が乳がんである”ことは、ほとんど間違いないだろうとその覚悟は決めていたものの、やはりそれでも妻の病院での正式な検査の結果が気にかかり、その日は会社を休んで自宅で待機することにした。

玄関のドアが開いたとたん、僕が待ちかねていたように妻の傍に走り寄って声を掛けると、病院での検査の結果が癌だったということにもかかわらず、そこには気落ちするどころか、今まで見たこともないような異常なほどのハイテンションで喋りまくり、滑稽と思われるほど必要以上に笑顔を見せる妻の姿があった。

妻のその行動が、僕を心配させまいとやっているのか?自分を勇気付けるためにやっているのか?その真意は定かでなかったが、妻のそんな姿を見ているとすべてがよけいに哀れに見えて、可哀相でたまらなかった。

しかし、その真相がどうであれ、今ここで僕にはそんなことを口に出す勇気はなかった。

それは、ちょっとでも僕がこの場で妻の行動を咎めるような言葉を口にすれば、それは即妻の気持ちを傷つけることになるのが分かっていたからである。

そんな気持ちの無気力のせいからか、その場で僕が妻に精一杯してあげられることは、不必要に妻の病気を哀れむことをしないことと、無理やり妻の言葉ひと言ひと言に話しを合わせることだった。

ただ、人の運命というものは、不可思議なものである。

一度、人生の時計の針が狂い始めると、とても自分の力などでは修正が出来ないほどとことん狂ってしまうからである。

それは、拓也自身が妻の何気なく口にした台詞により、妻の病気よる急激な生活環境の変化に伴う大きな不安やプレッシャーほかに、また新たな難問を抱えることになったからである。

「大丈夫よ、担当の先生も私よりも悪い癌患者は大勢いるって言っていたし・・・」

「それに、まだまだ手術の日までにはだいぶん時間があるから、今までやろうと思っても出来なかったことをいっぱいやろうと思っているから・・・・・」

「手術の日までにはだいぶん時間があるって、どういうこと?!」


それは、妻の症状が乳がんの病期分類で、一番進行度が重い五であり命の危険にあるにもかかわらず、病院のベッドが空いていないために手術をするのが、今年ではなく年明けの三月の四ヶ月以上も先のことだというものだった。



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第4話「青い目の少女」


やっぱり、どうしても大翔くんは青い目の女の子のことが気になり、公園に遊びにいった次の日曜日に、声を掛けてみることしました。

「ねえ、君はどうしていつも公園を窓から眺めているだけで、みんなと一緒に遊びに来ないの?」

青い目の女の子は、大翔くんの呼びかけにただ微笑んで見せるだけで、何も返事をしませんでした。



 
 
 
 
  
  

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~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 3

2009-02-18 22:25:58 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望
音譜本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が三十八歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることがわかりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。

「愛ってなんですか?」


Mother  人間はどうして傷つけ合うの?
Mother  人間はどうして憎しみ合うの?
Mother  人間にはどうして運命があるの?
もっとみんなが心で語り合い  真実の愛に触れたら
人間はみんな  平和の時間を送れることを知っているのに
人間は今より  笑い合って生きていけることを知っているのに
Mother   あなたの愛ってなんですか?
Mother    あなたの教えってなんですか?
Mother   人間が生きるってなんですか?

僕にはあなたが歩いたその道を  一歩も歩ける自身がないけど
あなたが歩いたその道は  いつも優しさと温もりが溢れていた


1


(三)

里美は、医師の視触診の診断結果で“ほぼ間違いなく乳がんだろう・・・”という話を聞き、その一週間後に正式にマンモグラフィー検査や、超音波検査(エコー検査)、穿刺細胞診(細い注射針をしこりの腫瘍に刺し中の細胞を取り出し顕微鏡で見る検査方法。)、血液検査などを受けることになった。

「検査の結果はどうだった?」

「ううん、正式には今日の検査の結果が出ないと何とも言えないけど、ほぼ乳がんにまちがいないだろって・・・」

やはりそうなると、これまでいくら愛美が気丈に振舞っていたとしても、やはり正式に医師から“乳がん”である可能性が高いことを伝えられているだけに、人間には犬や猫のような動物とは違い誰にでも思考力や感情がある以上、おそらくどんなに強がって見せてもその不安や恐怖や襲われないという人は、誰一人としていないはずである。

ただしかし、それにもかかわらずそれ以降もその正式な検査の結果が出るまでの間、相変わらず愛美は拓也や家族に迷惑を掛けまいと思ってか?それともそのこと自体が彼女にとってはそれなりに気晴らしになっていたのか?いつもに増して相変わらず家事や子供たちの世話はもちろんだが、決してサッカーサークルの役員も止めようとはせずに、とくに人前では常に気丈に明るく振舞っていた。

だが、そんな彼女の姿を目にすればするほど、拓也には愛美が医師に“乳がん”である可能性が高いことを伝えられてから、なんだか急に彼女自身が自分の人生を生き急ぎ始めているような感がして、いつの間にか彼女のそんな姿に見ているだけで、彼女に対して哀れみさえ感じるようになって来た。

時間が経つのは早いもので、そうこうしているうちにあっという間に二週間が過ぎ、愛美の正式な診断の検査の結果が出た。

やっぱり、正式な検査の結果は、当初からの予想通りに“乳がん”だった。
それも、癌のしこりが大きく悪性度(乳がんの病期分類が、五段階中で一番進行度が重い五であることが分かった。

※ただし、現在の乳がんの進行度は、①しこりの大きさ(T)、②リンパ節への転移(N)、③他の臓器への転移(M)をもとにし0期~4期に分けられている。)が高く、右の乳房を完全に切除すると同時に、乳がんが脇の下のリンパ節に転移している可能性が非常に高いために、リンパ節を含む脂肪組織を取らざる(腋窩廓清)を得ないということだった。

さらにまた、愛美が正式な検査の結果は“乳がん”であることが分かると同時に、拓也を大きなショックが襲う出来事があった。

それは、愛美の話によると、がん細胞が脇の下のリンパ節へ転移していて、もしも七個あるリンパ節のうち四個以上を切除することになった場合には、彼女の自分の利き腕である右腕が使えなるということだった。

その話を愛美の口から聞いた瞬間、拓也の頭の中は何か堅い鈍器のような物で殴られたみたいに、一気に真っ白になり朦朧とし始めた。


それは、この頭の中の混乱ぶりには、もちろん愛美の病気のことの心配もあったが、すべてこれからは拓也が彼女に代わって家庭生活を切り盛りしなければならないという、今後確実に起りうるであろうまったく選択の余地がない、急激な生活環境の変化に対する大きな不安とプレッシャーが、彼自身を一気に襲って来たからである。



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第2話「青い目の少女」

近所の人の噂では、彼女が一度も公園に遊びに来ないのは、生まれつきの身体障害者で足がなく車椅子の生活だからとか、彼女の両親が彼女が知的障害者だというのを気にして、とても彼女を人前に出すのを嫌がっているからだということでした。だけど、その本当の理由については、誰も知りませんでした。


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~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 2

2009-02-18 22:25:33 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望
音譜本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が三十八歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることがわかりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。

「愛ってなんですか?」

Mother  人間はどうして傷つけ合うの?
Mother  人間はどうして憎しみ合うの?
Mother  人間にはどうして運命があるの?
もっとみんなが心で語り合い  真実の愛に触れたら
人間はみんな  平和の時間を送れることを知っているのに
人間は今より  笑い合って生きていけることを知っているのに
Mother   あなたの愛ってなんですか?
Mother    あなたの教えってなんですか?
Mother   人間が生きるってなんですか?

僕にはあなたが歩いたその道を  一歩も歩ける自身がないけど
あなたが歩いたその道は  いつも優しさと温もりが溢れていた


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(二)

(話は途中になるが、1993年にJリーグが華々しく開幕し、2002年に日韓共同開催の“FIFAワールドカップ”(第17回大会)行われて以来、日本中でサッカーブームが沸き起こり、大人たちだけではなく子供たちの間でも大人気になった。その影響を受けて、息子の健太が自分の通う小学校のサッカーサークルに入ると、それをきっかけに愛美は息子可愛さからだろうが、そのサッカーサークルの役員まで引き受けて、毎日のようにその練習や試合について回るほどまでに、サッカーサークルの奉仕活動にのめり込んでいった。主な役員の奉仕活動は、監督やコーチへのご機嫌伺いから始まり、サッカーサークルに入会している子供たちの家を回って会費集めをしたり、監督やコーチ等と相談をして試合相手の学校を選んで交渉したり、その試合会場を探したりすることだった。もちろん、それに加えて試合や練習後のボールや、シューズなどの用具を磨いたり、後片付けをしたりするという、いわばサッカーサークル主催者にとっては、都合のいいボランティア活動みたいなものだった。中でも、健太のサッカーの試合があると、どんなにその試合場が遠かろうが悪天候であろうが、早朝から起きて弁当やおやつを作りして、一度も休むことなく応援に行っていた。それはどうやら、一緒に役員をしているほかの子供たちの親も、愛美と同じようだった。おそらくどこの家庭においても、親が自分の子供のために何かをしてあげたいという気持ちは、一緒なのだろう。)

愛美が、自分の体調の異変に気付いたこの日は、特別にどうしても出席をしなければいけないという事情があったわけではなく、単なる健太が通う小学校のグランドを使っての通常のサッカーサークル練習だった。

それにもかかわらず、いつものように一緒に役員をやっている父兄仲間や、このサークルに入会しているほかの子供の親たちと一緒に、またこの日も健太たちの練習を朝早くから見学に行っていた。

愛美の話によると、健太たちのサッカーサークルを見学に行っている時に、暇を持て余して鉄棒にぶら下がって遊んでいるうちに、“自分が乳がんではないか・・・”という体調の異変に気付いたということだったが、ただもしその時点で彼女が自分の体調の異変に気付いていなかったにしろ、おそらく彼女の乳がんという予想が当たっているとしたら、いずれにしても後はそのことにいつ気付くかの時間の問題だけであったのだろう。

愛美が風呂から上がると、二人はリビングにあるキッチンテーブルの椅子に真向かいに座り、さっきと同じ場面にビデオテープを巻き戻しでもしたかのように、再び自分の家系に癌の患者が多いという話から始まり、このあと乳がんの検査にいつ行くかなどについて話し合いを続けた。

両親が、いつになく神妙な趣で話をしているのが気になるのか、それまでテレビやゲームに夢中になっていた、長女の舞(小学五年生)や健太もその話の輪の中に割って入ろうとして、なんだかんだと理由をくっつけちゃあ、頻繁に二人のいるキッチンテーブルにやって来た。

だが、その度に愛美は母親の気持ちとして“自分が乳がんであるかもしれない”ということを、まだ今の段階では子供たちに知られたくなかったのか、いつになく神経質な態度で「今、お父さんと大事な話しをしているところだから・・・」と怒って、子供たちをその場から追い返していた。

拓也の気持ちの中には、別に二人の会話が子供たちに聞こえないほど広い家に住んでいるわけでもないのにという気持ちもあったが、またここで余計なことを言って夫婦喧嘩にでもなったらと思い、その場は知らない振りをして愛美の言葉に従った。

ただそんなことより、拓也が一番気を使ったのは、愛美にとって初めての経験だっただけに、彼女が実際に乳がんかどうかは別にして、彼女に出来るだけ不安を与えるような発言をしないことだった。

「別に、乳がんと決まったわけじゃないから大丈夫だとは思うけど、やはり手が痺れたり乳房が痛んだりするのだったら、きちんと検査だけはしないとね・・・」

「それに、胸にしこりがあるのも確かだからね・・・」

「まあ、それに万が一にもそんなことはないと思うけど、もし本当に検査の結果が乳がんで手遅れにでもなったら、君だけじゃなく家族みんなが困るしね・・・」

だがこの時も、拓也そう言うと、「そのときはそのときよ、私がいなくてもなんとかなるわよ・・・」と、まるで愛美は逆に彼の言葉を否定でもするかのように、何の動揺を見せることもなくやけに気丈に立ち振る舞い、いつになく妙に冷静な態度を取り続けた。

ただ、愛美がそんな態度を取れば取るほど、逆に彼女の気持ちに不安が増していることが、拓也には長年一緒に暮らしている夫婦の直感で、彼女の口から直接言葉で聞かなくても十分に分かった。

それだけに、よけいに拓也はもし愛美が正式に乳がんだと診断されれば、彼女の気持ちが不安定になっているぶん、その落ち込みようも酷くなり、かなりこれからの家族の生活に支障をきたすようになるのでないかという、今までには体験したことがない不安に駆られた。

だが、例え事実がそうであったとしても、もし拓也がいくらこの場でどんなに不安に駆られようが、そんな思いを態度に出したり言葉に現したりしたとたん、そのこと自体が間違いなく愛美の気持ちを傷つけて、彼女を不安に陥れてしまうことが分かっていた。

それだけに、とにかくその場では終始穏やかな様相で、愛美と接することが一番だと思った。

また、逆にこの場で大騒ぎして何か無理やりにその答えを探し出そうとしても、しょせんこの問題は二人だけの力だけではまったく解決のめどが立たない、今までお互いに体験したことがない難問だった。

その結果、この時の二人の話し合いの結論としては、とりあえず拓也の立場は愛美を説得して、翌日病院に検査に行くことを承諾させることしかなかった。

翌朝、愛美は二人の子供を学校に送り出すと、西新宿にある大都医大病院に検査に行った。

拓也は、会社を休んで愛美に病院の検査に立ち会うことを伝えたが、逆に彼が一緒だとよけいに気を使うことになるので、無理に一人で検査に行くことに拘ることはしなかった。

おそらく、愛美自身の中に“もし自分が乳がんだ”と宣告されたら、拓也の性格上すぐにパニックを引き起こすことが予想できただけに、それがかえって彼女にとっては嫌だったのかもしれない。

おまけに、愛美自身にももしもの場合に時に備えて、これから先のことを一人になって考えたいという気持ちがあったのかもしれない。

――♪ Every Sha-la-la-la――

達也の携帯電話の着信音である、カーペンターズ“イエスタデイ・ワンス・モア”のメロディーが鳴り、里美から検査の結果の連絡が入ったのは、午後一時を少し回ったときだった。


愛美の電話での話によると、彼女の乳がんの検査は初めての検査ということもあり、最初は視触診だけだったが、医師の診断結果は“ほぼ間違いなく乳がんだろう・・・”ということだった。



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第2話「青い目の少女」


それは、毎にち大翔くんが遊んでいる公園の前にある家の青い目をした女の子が、二階の窓から公園の景色を眺めて笑っているだけで、すぐ近くなのに一度も公園で遊んでいる姿を見かけたことが、なかったからです。



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~青春うたものがたりシリーズ 5 ~「生きる力」 1

2009-02-18 22:25:03 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望
音譜本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が三十八歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることがわかりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。


「愛ってなんですか?」

Mother  人間はどうして傷つけ合うの?
Mother  人間はどうして憎しみ合うの?
Mother  人間にはどうして運命があるの?
もっとみんなが心で語り合い  真実の愛に触れたら
人間はみんな  平和の時間を送れることを知っているのに
人間は今より  笑い合って生きていけることを知っているのに
Mother   あなたの愛ってなんですか?
Mother    あなたの教えってなんですか?
Mother   人間が生きるってなんですか?

僕にはあなたが歩いたその道を  一歩も歩ける自身がないけど
あなたが歩いたその道は  いつも優しさと温もりが溢れていた



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(一)


「家族ってなんだろう?!」・・・拓也がそう感じ始めるようになったのは、妻の愛美が病気(乳がん)になってからだった。


ちょうど、今から一年前の紅葉の見ごろもそろそろ終わり、あちこちで落ち葉が風に舞う場面と出くわすことが多くなった、十月初旬のことだった。

拓也が会社から帰宅すると、突然入浴中だった妻の愛美が風呂場のドアを開け、だしぬけに声を掛けて来た。

「私、癌かもしれない・・・」

「えっ?!」

「乳がんかもしれない・・・」

「乳がん?!」

「そう、右の胸の乳輪の下あたりに一円玉くらいの大小のしこりが、四、五個あるの・・・」

「どうして、今までそれに気付かなかったの?」

「今日、胸にしこりがあるのに気付くまで、まったく痛みとかの自覚症状はなかったし、それに・・・いつも生理前になるとしょっちゅう胸が張る感じがあったから、たぶんそのせいで今までは胸が硬くなっているのだろうと思っていたの・・・」

拓也は、愛美にそう言われても、最初は彼女が何を言っているのか?まったくその意味が呑み込めなかった。

おそらく、それは男と女には肉体的な構造の違いによる、理解しがたい不明な部分が多くあるからだろう。

そしておまけに、愛美の何の前触れもない癌の告知に、一瞬言葉を聞き違えたのではないかとさえ思った。

しかし、その後すぐに愛美の真剣な表情で話す言葉を聞いているうちに、それが単なる聞き違いでないことが分かった。

それに、おそらく愛美は自分の中で何か悪い予感でもしたのだろう?

今、自分が入浴中で全裸であることさえ忘れているかのように、決して自ら話を止めようとはしなかった。

「ちょっと触ってみて・・・」

確かに愛美の言うとおり、拓也が右の乳房に触れると、乳輪のすぐ下に大小のしこりが四、五個あった。

「今朝は何にも言わなかったけど、いつ気付いたの?」

「胸にしこりがあるのに気付いたのは、健太(小学校三年生の長男)のサッカーサークルの練習を見学に行っている時なの・・・」

「じゃあ、今日の午後の二、三時頃・・・」

「そうね。確かそのくらいだったと思うけど・・・」

「詳しいことを話すとね、今日健太のサッカーサークルの練習の見学に行っている時だったんだけど、通常の練習って試合や練習試合の時とは違って、何か手伝ったり応援したりすることなどがほとんどなくて暇だから、大樹君のママたちと二、三人で鉄棒にぶら下がって遊んでいたら、急に手が痺れて鉄棒が握れなくなったの・・・」

「こんなことって初めてじゃない。だから、何らか急に気になり始めて来て、その時に胸の痛みのある部分を触ってみたら、一円玉くらいの大小のしこりが四、五個じゃない・・・」

「その瞬間、自分でも何でだか分からないけど私乳がんじゃないかって、なんとなくそう直感したの・・・」

「どうしてまた・・・」

「ほら、私の家系って癌の血統じゃない・・・」

「お母さんのところの、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんもそうだけど、お父さんの弟の次叔父ちゃんも、胃がんで亡くなったしね・・・」

愛美の言うとおり、確かに彼女の家系には、ちょっと異常ではないかと思えるほど、癌で亡くなった親族が多かった。

それ故に、愛美が“もしかしたら――自分も癌ではないかと・・・” いう不安な気持ちを持ったとしても、何ら不思議なことではなかった。

でも不思議なことに、人はどうしてなのかは分からないが、自分に死や病気などの悪いことが起こる場合、自ら必然的に気付くことが多いというが、やはり今回の愛美の場合にもそのジンクス(縁起)は当て嵌まっているような感がした。

いつになく、拓也と話している間中、愛美自身には突然笑顔を見せたり、やけに気丈に振舞っているような感があったが、逆に拓也にはそんな愛美の振る舞いが、彼に助けを求めて彼女の気持ちの焦りを訴えているかのように思えた。

そんな思いもあり、いったん拓也はそんな愛美の緊張感を少しでも解してやるために、ちょっと彼女には失礼の気もしたが話題をすり替えることにした。

「それより、このまま全裸のままで衣服も身に着けずに話し続けていて風邪でも引いたら、それはそれでまた困るから、先に風呂に入っちゃってよ・・・」

「風呂から上がったら、またゆっくり話はできるし――それに、今日はもう午後の九時を回っているから、今から病院に行って検査して貰うというわけにもいかないからね・・・」

「それも、そうだわね・・・」


それにしても拓也が気になったのは、一見すると愛美の真っ黒に日焼けして健康そのものに見える肉体が、乳がんではないかという話しを聞かされたとたんに、まったく何のオーラを感じることもなくなり、やけに貧相で小さく見え始めたことだった。


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第1話「青い目の少女」

いつも大翔くんは、不思議に思っていました。


 
 
 


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