雨上がりの朝 サラダ巻きの具材を菜園で調達
節分の豆を神棚に供えた。
辺りが暗くなった頃合いを観て 今年も私が豆を撒く。
その日は朝から母が炒った大豆を神様にお供えし
入り口には柊に刺した鰯の頭があった。
子供達は豆撒き用の鬼の面を作り画用紙にクレヨンで色を付け
耳は輪ゴムで止めてと賑やかだった。
豆撒きは父の役目で留守の時は弟が撒いていた。
幼心に姉の私より弟が豆を撒く事に納得いかず大豆の入った枡を奪って撒いていた。
以来欠かすことなく節分の豆を撒いてきたが
嫁いでからは祖父が撒き息子達が撒いてきた。
海辺の町には魔除けのために集落に通ずる道々に竹に挟んだお札を立てている。
二人になった今相変わらず豆を撒いているのは私。
後片付けを考えながら豆を撒く。
過疎地と言えど夫を差し置いて豆を撒く声が聞こえては拙い。 日が暮れると福は内と今日も豆を撒く。
* 日本で唯一鬼の名の付く南予の鬼北町 福は内鬼も内と豆を撒く。