・汗Sweatあせ
人は、体の温度を一定に保つために 汗をかきます。 体温調節の為に汗は重要な役割を担っています。生物は4億年前海から陸上に誕生し、現在の陸に上がった最初の脊椎動物は両生類(カエルなど)➡爬虫類(トカゲなど)➡哺乳類ないし鳥類へとの進化といいます。
人類は、約700万年前に2本の足で立って歩くようになって、サルの仲間から分かれたと考えられ手が自由になりさまざまな作業が可能になったことで、その後脳も進化 してきました。 よりサルに近い猿人から原人、旧人、新人(現代人)と進化です。
私たちの先祖が気温の高いアフリカのサバンナで暮らしはじめた170万年前から、人類の毛は減り始めたのではといわれます。 その理由は人類が直立歩行するようになり、直射日光にさらされる部分が減ったからであり、髪の毛だけが多いのは、太陽から肌を守るためだと言われています。
ヒトにとって体毛はむしろ衛生的にも邪魔なモノとなって退化し、効果的に熱を外に逃がすのにすぐれた「発汗」という仕組みが発達したのです。
ヒトでは、健康体でトレーニングによっては、夏の暑い日でも2~5時間のマラソンを走ること、長距離移動ができます。
陸上でもっとも長い距離を移動するのは、タンザニアの牛の仲間のヌー(ウシカモシカ)は、一年で3000㎞、シマウマは500㎞、アメリカに居るプロングホーン270㎞ともいいます。ウマ、ヒツジ、ウシ、ラクダ、ブタ、カモシカ、イヌ、ネコ、カバ、ゴリラ、チンパンジーなどがいます。渡り鳥は1年で北極と南極を往復超長距離を移動するようです。
ウマ、ヒツジ、ウシ、ブタは、人間と同じように 体温調節をする意味で汗をかきますが、皮膚の汗腺数をみると牛>羊>豚の順に少なくなり、鶏では汗腺がありません。 また、汗腺(かんせん)の多い牛でも、汗腺の発汗量が少なく汗の蒸発量は人間の約1/10程度、汗をかく場所は各動物ごとに異なるようです。 ウシやブタなどは、口の周りや鼻の 中心に汗をかいてます。 体温調節の為にほぼ全身に汗をかく動物としては 最も人間近い汗がみられる動物は馬としています。持久走の長距離の移動に耐えうるのだといわれます。
サルなど動物の全身をおおう体毛には、保温効果や細菌・紫外線など外部の刺激から肌を守る役目がありますが、体温が上がりすぎる危険が常につきまといます。犬や猫は、肉球からしか汗をかけないといいます。
汗の成分の大部分は水分99%で水以外の0.2~1%の成分では、塩化ナトリウム(NaCl 塩)0.65~0.9%、他に尿素、乳酸、カリウム、鉄分、マグネシウム、カルシウムで水分、NaCl以外微量で大量の汗をかくことによって塩化ナトリウムの濃度が濃くなります。
通常PHは5.7~6.5程度に保たれ弱酸性、1日に発汗により失われる水の量には、状況により100ml~8000mlまでの大きな幅があります。
皮膚表面からの汗の蒸発には、気化熱による冷却効果があります。気温の高い時や、運動により体の表面が熱くなっている時には、より多くの汗を排出します。緊張や吐き気によっても発汗は促進します。汗は運動量が増えると、体温はどんどん上がっていきますが、あまりに熱くなると、調節機能以上に特に熱に弱い脳をはじめ、カラダの組織が順調に働かなくなります。
汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれに汗の性質や汗を出す仕組みが異なります。 エクリン腺は全身のほとんどに分布し主に味覚・温熱性発汗で体温調節のために汗を出す汗腺で、分泌される汗はほぼ無味無臭です。一方、アポクリン腺はカラダの限られた部分で特にワキの下に多く分布し独立して皮膚に開口しているエクリン腺と異なり、毛根に開口部がありアポクリン腺から出る汗は、脂質やタンパク質などニオイのもととなる成分を多く含んでいます。
アポクリン腺から分泌される汗は、精神的な緊張や刺激などによって分泌されるもので、たんぱく質・脂質・アンモニアなどを含んだアルカリ性のものになっています。
精神的発汗はエクリン腺とアポクリン腺からの汗で手のひら、足のうら、ワキの下など限られた部位で、短時間に発汗するのが特徴です。汗の原料は血液で血漿です。汗腺(かんせん)には分泌部という、汗のもとをつくる部分があります。 ここで、血液から赤血球などを取り除いた血漿(けっしょう)の液体が汗の元となります。 血漿には、各種のミネラルが含まれ、分泌部から出てきた汗のもとは、皮膚表面に出るまで導管部を通過していく間に、血漿に含まれたミネラルなどの成分を吸収し、ほぼ余分な成分を含まない99%水分の汗となって出てきます。ろ過機能には限界があり、汗の量が多くなると、成分をろ過しきれず汗に残される量が多くなっていやな臭いを発生してきます。さらに体内からミネラルが多く出ていくので、慢性疲労や熱中症の原因にもなります。
運動をよくしている人の汗は、そうでない人より薄いことが知られています。適度に汗をかいて汗腺を鍛えることも時には必要です。
体液の成分は、生命が誕生した頃の太古の海水の成分とほぼ同じと考えられています。陸に上がって何億年と経過した今も、体内はいわば当時の環境を保ち続けているといい私たち人間は、体の温度を一定に保つために 汗をかきます。 体温調節の為に汗は重要な役割を担っています。 しかし、人間と同じように一部の動物も 体温調節の為汗をかく動物もいれば 人間とは違う目的で汗をかく動物もいます。
運動をして汗を流しやすいこの季節、水分補給はこまめにすることが大切です。
汗をかかない動物は、ゾウが耳(側頭腺から青い分泌物)をパタパタさせる、水浴びや泥浴びなど他の方法で、イヌ(汗腺[エクリン腺]:肉球・指の間・耳・鼻先のみ)が口をあけてハアハアと息をするパンティング行動Pantingで血管の一部を冷やしその血液の循環で、さらに唾液、泥を塗りたくるカンガルー、ブタでは、その水分が蒸発するときに気化熱を奪うことにより体を冷やすという方法で体温調節を行うようです。汗をかく場所は各動物ごとに生活環境により異なっています。カバが体から分泌しているのは、赤い汗は、体温調節のみならず、紫外線対策、保湿で体を保護するローションの役割をする油としています。
ゾウの体には汗をかくための汗腺がなく、全身で汗をかくことはできないのだそうです。
ヒトが長時間運動、移動できる能力を身につけたのは、発汗という体温調節機能が備わったおかげといってもいいのではないでしょうか。
追記:パソコンに向かっている私は、気化熱の利用で、濡れタオルを、首回り・腕などに巻いておくと、一時間位は、室内30℃、冷房、扇風機の利用でかなり、酷暑からの環境を脱することが、今のところできています。
このところ、暑い暑い、日々が続いております。ご自愛ください。
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